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接客はお店の姿勢を表す!今もこれからも変わらないサービスをお客さまにご提供するための3つのポイント

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

一昔前は「看板娘」と呼ばれる、お店のスター目当てに来店をされることもありました。でも今は外食を始め、さまざまな業態やサービス内容が細分化し専門店化する傾向にあります。舌の肥えたかつ目の肥えたお客さまが急速に増え、「サービスを受けるプロ」になりつつあります。現在のお客さまが求める真のサービスとは「私自身が分かっていない、知らないことを踏まえて想像を超える商品・サービスを提供して欲しい」です。スタッフがどのような接客をすればお応えできるのかをご一緒に考えていきましょう。

この記事の目次

その1:接客の4つの基本をしっかり押さえる

接客の基本と呼ばれるものを新人教育に置き換えて難易度を設定してみます。

初級は「身だしなみ」「姿勢」「声のトーン」「表情」の4つを指導します。

 

1.身だしなみ

お店で決められたルール通りに身だしなみの完成版を初回の勤務で作り上げます。最初が肝心です。慣れと共に身だしなみは崩れやすく、清潔感を表現しずらくなるからです。

 

2.姿勢

姿勢は猫背にならず、立ち方は一方の足に重心を傾けないが基本です。手は後ろに組まずに前もしくは横にします。待機姿勢は「お手前の姿勢」と呼ばれ、手は左前に軽く組みます。女性の場合は少し肘を曲げ、おへその上で手を重ねます。

 

3.声のトーン

そして、かなり大切な要素になる「声のトーン」はラ音の音階を意識します。今はスマートフォンのアプリで音階を表現できるものがたくさんあります。参考にしてみてください。理由は好印象を与えられることと、声が通りやすい、つまり遠くまで声が通ると言われています。

 

4.表情

次に基本の最終項目は「表情」です。良い表情をつくるにはいくつかの段階を踏む必要があります。「笑いなさい」と指示を出すだけでは管理者としての教育責任を果たせていません。

第一段階:良い表情はこれが正解、とすり合わせをする。

事務所や休憩室に鏡を置きます。できれば姿見が良いです。そしてオーナーもしくは店長とスタッフがお互いに鏡を見て、新人スタッフの最高の笑顔を鏡越しに確認します。表情ができたらそのまま動かさず、速やかに写真を撮ります。これが正解です。

第二段階:正解の写真と今映っている表情を比較しながらミラートレーニングをする。

真顔から笑顔の表情に変えるためには顔の筋肉を動かします。この動かすトレーニングは欠かせません。口角を上に上げて・・・という指導の仕方もありますが、とにかく最高の笑顔との比較をし、訓練させる方が実践的です。条件反射のように表情が一瞬で出来るようになるまで行います。

第三段階:本当の笑顔は目が笑っている。

作り笑顔との違いは「目」です。本当の笑顔はお客さまとの楽しい会話によって導き出されます。ということは第二段階をクリアしたら、どんどん接客を新人アルバイトにさせることです。緊張による顔の引きつりもあるかもしれませんが、会計係などのポジションに就けて数をこなしていきます。そうすると自然で穏やかな笑顔が自然に出るようになってくれば、いよいよ応用編です。

その2:接客の応用は接遇につながる

接遇という言葉が最近出始めています。東京オリンピック誘致の時の「おもてなし」に近い言葉です。お客さまのご要望にお応えすることが前提になります。接遇の第一歩はお客さまの何気ない仕草や声を違和感として「察知」して、「アイコンタクト」を取ることから始まります。「ベテランスタッフは背中に目がある」という言葉の意味は「察知力」のことを指します。

察知力を上げるためのアンテナの張り方を教えるにも三段階を設定しましょう。

第一段階:先輩スタッフと一緒に行動し、歩くだけで何に気付けたかを共有する

実地訓練の初歩です。目・耳・鼻を使って違和感の反応を確認していきます。新人は視野がまだ狭く、状況をスルーしてしまいがちです。そこで先輩が立ち止まってゴミを拾い、会計をしながらご来店されたお客さまへのご挨拶など手本を見続けさせます。これを真似することから新人の成長が始まります。

第二段階:お客さまへ完全に背を向けない

どんな作業をしていても「半身」を意識させます。昔は目上の人にお尻を向けるのはタブーとされてきましたね。その応用です。ただし重い荷物を持たせるときはNGです。腰痛の原因になります。要はそのような意識で作業をしてください、ということになります。

第三段階:ついで作業のプロになる

飲食店の場合、ホールからディシャップに戻るまでに「5つの業務」があると言われています。何か5つくらいのエラーがあるとも言い換えられます。たとえ両手がふさがっていても、その情報がインプットされることによって、「このタイミングでこの作業を差し込もう」「オーダーを取りに行った帰りにここのスポットクレンリネスをしよう」という、ついで作業を頭の中で組み立てることです。ピークタイムの業務には欠かせません。これもアンテナを張るための良い訓練です。

その3:お客さまとの距離感は「対象の変化」によって見極める

そしていよいよ一番難しく、大切な「お客さまとの距離感」についてです。飲食店のケースでお話します。ご来店後着席されてメニューを物色されます。この時お客さまの関心は「物」にあります。選ばれている間は少し距離感を開けて「見守る」状態を作ります。メニューブックや壁に書かれているおすすめボード等から目を離したときこそ、ゆっくり距離感を縮めるチャンスです。「お決まりですか」「今日のおすすめは」が接頭語ですね。着席と同時におすすめメニューを言う店員もいますが、任意的な介入となることを嫌うお客さまもいらっしゃいます。テーブルですぐに分かるPOP等を活用して促す程度にしたいものです。

オーダー内容はアラカルトで「アルコール等の飲料」「サラダ」「肉・魚」「デザート」と頼まれれば、飲料提供は1分以内、サラダは3分、メインは飲料とサラダの減り具合次第でご提供したいもの。厨房のコントロールはホールが行う方がお客さま寄りでしょう。サラダが半分くらいになったら、その旨を厨房に伝え、最高の状態でメインをお出しします。この小気味よいタイミングはお客さまに軽い感動を与えることになることでしょう。

まとめ

  • 接客の基本の一番は「表情」
  • 接客の応用の一番は「アンテナを張る」
  • お客さまとの距離感は徐々に詰めていく

お客さまの良い店、悪い店の判断基準は「美味しい食べ物とタイミングの良いサービング」と「接客をメインとしたお店の雰囲気」、「基本的な清潔感」です。特にスタッフが接客で表現するお店の雰囲気は、非日常性を演出するためには欠かせません。気持ち良くお帰りになられ、再来店されることこそ、お店の存続には必要です。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

Airレジ マガジン編集部

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中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/