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【個人事業主の社会保険】経営者が知っておきたい社会保険の基礎知識

個人事業主が怪我や入院で働けなくなれば、
・収入が途絶える
・医療費を支払って利益が減っていく
という不幸が重なってしまいます。「社会保険は個人事業主になったら加入しなくてもいいのでは?」と思っていた人は要注意です。社会保険にきちんと加入しておけば万が一のことがあっても安心して経営に集中することができるようになります。

この記事の目次

会社員と個人事業主の社会保険の違いとは?

会社員と個人事業主の社会保険の違いは2つあります。

  1. 保険料の何割かを会社が払ってくれるかどうか
  2. 扶養という仕組みがあるかどうか

個人事業主は会社に雇用されていないため社会保険料は全額自己負担が原則となります。また扶養という仕組みがないため、配偶者や家族の人数分だけ社会保険料がかかることになります。結果として個人事業主の社会保険料は会社員に比べて多く支払うことになります。しかし確定申告時に社会保険料控除を利用することで、税金負担を軽くすることができます。税金負担を軽くする制度を理解することも、個人事業主の大切な仕事となってくるのです。

個人事業主が負担する4つの社会保険とは?

個人事業主が負担する社会保険は4種類あります。

健康保険(介護保険)

公的な医療保険制度を受けるために加入する保険です。40歳以上の場合は介護保険に自動加入します。日本に住んでいる以上はかならず健康保険に加入する必要があります。健康保険に加入しないという選択肢はないため強制加入の医療保険となっています。

国民年金保険

将来国民年金を受け取るために加入する保険です。国民年金に加入するのは日本国内に住所のある20歳以上60歳未満の人が対象となります。国民年金の加入者は3つの種類があり、個人事業主はこのうち第1号被保険者として加入することになります。

労災保険

労働者の業務災害や通勤災害に備えるために加入する保険です。従業員が1人でもいる場合は労災保険の強制適用事業所となるため法人や個人事業主に関係なく加入しなければなりません。個人事業主は労働者ではないため原則として労災保険に加入することはできませんが、中小事業主等の特別加入制度を利用することができます。

従業員に関する保険

従業員が1人でもいる場合、雇用保険は必ず加入しなければなりません。従業員の健康保険と従業員の厚生年金は常時5人以上いる場合に加入することが原則ですが、サービス業は任意となっています。

個人事業主の社会保険はどうやって加入する?

社会保険4種類の加入に関する申請方法をまとめました。

健康保険

個人事業主が加入する健康保険は4つの選択肢があります。

  1. 国民健康保険(退職日の翌日から14日以内)
  2. 業種ごとの健康保険組合
  3. 任意継続
  4. 扶養に入る
  1. の国民健康保険はお住まいの市区町村の国民健康保険課などで加入手続きを行います。会社員時代に加入していた健康保険組合の被保険者資格喪失届を持参して退職日の翌日から14日以内に手続きを行います。
  2. の業種ごとの健康保険組合は、個人事業主でも加入できる場合があります。健康保険組合連合会で健保組合を業種と都道府県で検索することができます。
  3. の任意継続は勤務していた会社の健康保険組合を最高2年間継続するというものです。個人事業主でありながら会社員と同じ健康保険給付を受けることができます。しかし任意継続終了後は他の健康保険への加入手続きがもう一度必要となることがデメリットです。
  4. の扶養に入る方法は、父母や祖父母などの直系尊属や兄弟や伯父叔母など3親等以内の親族であれば扶養に入ることができます。ただし同居や年間収入額などの要件をすべてクリアする必要がある点で注意が必要です。健康保険は必ず加入する必要があり、未加入という選択肢はありません。健康保険料を滞納した場合は財産などを差し押さえられる場合もあります。未加入のままにせず必ず健康保険に加入するようにしましょう。

年金

個人事業主は国民年金の第1号被保険者として加入します。退職日の翌日から14日以内に、退職した会社から渡される年金手帳を持参して加入手続きを行います。将来受け取る年金を増やすために付加年金や国民年金基金、確定拠出年金に加入する方法もあります。どうしても支払えない場合は免除制度を利用することもできます。年金の加入先はお住まいの市区町村の年金保険に関する部署が窓口となります。

労災保険

個人事業主が労災保険の特別加入制度を利用するためには、労働者災害補償保険 特別加入申請書(中小事業主等)を労働保険事務組合に提出します。申請書の記載例は厚生労働省のサイトで確認することができ、申請書をダウンロードすることもできます。

従業員に関する保険

個人事業主本人の保険ではありませんが、従業員の雇用保険は個人事業主が手続きを行う必要があります。まず初めに労働保険の保険関係成立届をハローワークへ提出し、労働保険の成立手続きを行います。保険関係が成立した後、雇用保険適用事業所設置届雇用保険被保険者資格取得届をハローワークへ提出することによって従業員の雇用保険の手続きが完了します。

従業員の健康保険と厚生年金は従業員が5人以上になると個人事業主であったとしても強制加入となりますが、飲食店や小売店などのサービス業は任意加入となります。任意加入する場合は従業員の1/2以上の同意を得て、個人事業主が手続きをする必要があります。健康保険・厚生年金保険 任意適用申請書と必要な添付書類を日本年金機構の事務センターへ提出します。

社会保険負担を軽くするには「法人化」という選択肢もある

法人化を検討してみるのも社会保険負担を軽くする一つの手です。会社を立ち上げて法人化することによって国民健康保険ではなく健康保険組合に加入することができます。健康保険組合に加入すれば配偶者や家族の国民健康保険料を支払う必要がなくなります。なぜならば、扶養という考え方が健康保険組合にはあるからです。配偶者や家族の年間収入を130万円未満にすれば、世帯主1人分の健康保険料だけで家族全員分の医療保険をカバーすることができるのです。

さらに法人化することによって税金の負担も軽くなるメリットがあります。社長の給与は役員報酬として受け取ることになるため、給与所得控除を差し引くことができるからです。青色申告控除の個人事業主のままであれば青色申告特別控除として最大65万円までしか差し引くことができません。しかし法人化すれば役員報酬に応じた給与所得控除を差し引くことができるため、65万円という上限額以上の控除を適用することが可能となります。法人化することによって社会保険負担だけでなく税金負担も軽くすることができるのです。

まとめ

個人事業主が知っておきたい社会保険の基礎知識は下記の4つです。

  • 個人事業主が負担する社会保険は健康保険、国民年金、労災保険、従業員の社会保険の4種類である
  • 個人事業主の社会保険負担は会社員に比べて重い
  • 個人事業主の社会保険の加入方法は社会保険の種類によって異なる
  • 個人事業主の社会保険負担は法人化すれば軽くなる

社会保険に加入していなかったばかりに、怪我や病気になったときに給付を受けられず不安な毎日を過ごすことになるかもしれません。社会保険を滞納して差し押さえが入るようなことになれば事業を行うどころではなくなってしまいます。社会保険にきちんと加入すれば、従業員も安心して働くことができるようになります。社会保険に加入して安心して事業を行なえる体制をつくりましょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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