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お店でもタクシーでも大切な『People First』の真意――「Airレジ カンファレンス 2016」レポート vol.2

荒木 孝一(あらき こういち)ライター

Airシリーズの導入店舗を取材していただいたエースラッシュ・荒木様に、Airレジ カンファレンス2016を来場者の方に代わってレポートしていただきました(Airレジ マガジン編集部)

この記事の目次

去る2016年12月12日、東京国際フォーラムにおいて店舗経営者・従業員や店舗開業を検討している方向けのイベント「Airレジ カンファレンス 2016」が開催されました。当日は、各業界の有識者を招いた多彩なセッション、さらには「Airレジ」を中心とした各種サービスが“見て、試して、相談できる”タッチ&トライコーナー、Airシリーズが体験できる1日限定ストアなどがオープン。いずれも来場者の関心を集めていました。今回はその中から、トークセッションの内容をご紹介します。

スマートデバイスの登場でさまざまな業界に変化が

「~お店もタクシーも大切なことは『People First』~ ITと共に歩む、これからの『おもてなし』」と題したトークセッションでは、モデレーターとしてジャーナリストの林信行氏が登壇。登壇者は日本交通の代表取締役会長であると同時に、JapanTaxiの代表取締役社長も務める川鍋一朗氏、そしてリクルートライフスタイル 執行役員の大宮英紀氏が登場し、ITを絡めた「おもてなし」に関する熱いトークが繰り広げられました。

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まず林氏は「初代iPhoneが発表されてから、2017年1月でちょうど10年を迎えます。スマートフォンやタブレットは私たちの生活へ溶け込むと同時に、さまざまな業界に変化をもたらしましたよね。私がAirレジと出会ったのも、iPadがどのような業界を変えているのかという調査の途中でした。そこからAirレジが3周年を迎えた現在まで、応援団として全国のツアーにモデレーターとして参加させていただいています」と、Airレジとの出会いについて語ります。

さらに林氏は「本来こうした場では、Airレジを使いこなしている最新の導入事例などをご紹介するのが一般的ですが、私の担当するセッションは少し変わっています。Airレジにご興味がある皆さんに、ぜひ改めて顧客との関係をどのように築いていくか知っていただけるよう、前回の『Airレジ カンファレンス』と同じくあえてAirレジユーザーではないゲストパネリストをお迎えしました」と語り、川鍋氏と大宮氏を壇上へ招き入れました。

配車アプリで顧客体験価値が上がったタクシー業界

さまざまな業界の変化という話題を受けて「タクシー業界は105年の歴史がありますが、1台の車両につき1人の運転手、そして各車両が店舗となりお客さまをお迎えするという基本フォーマット自体は変わっていません。しかしそうした中、ここ10年で大きく変化したのが、ITによってお客様の満足度を向上する時代へと入ってきたことです。タクシーは今も昔も各車両が店舗であり、顧客満足度の向上で『People First』を目指す。具体的には、運転手がお客さまに対するおもてなしの時間や労力を作れるよう、いかにITでサポートできるかが現在の大きなテーマとなっています」と川鍋氏。

こうした取り組みの一環として、日本交通では2011年1月に、日本初となるスマートフォン向けタクシー配車アプリ「日本交通タクシー配車」をリリース。同年12月には日本マイクロソフトの技術協力を得て、日本全国に対応した「全国タクシー配車」をリリースしてきました。

「お花見中など特定の住所を伝えなくても商品が頼める、ピザの配達アプリがヒントになりました。当初は、単純にお客さまから選ばれたい、お客さまとのチャネルをもっと増やしたいという想いから制作したので、それがタクシーのオペレーションを根本から変えるものになるとはまったく考えませんでしたね。2010年末の実証実験で目の前にタクシーがきた時、鳥肌が立つと同時に、お客さまの体験価値がワンランク上がったのを実感しました」と、川鍋氏はアプリ制作のきっかけを語ります。

顧客だけでなく運転手自身にも変化をもたらす『People First』

日本交通では、そこから加速するようにさまざまなサービスをリリースしました。たとえば、配車システムをはじめとしたタクシー車載機器の開発、そして妊婦の方向けに、事前にお客様の情報をご登録いただくことで、いざという時に素早く確実に病院へ向かうことができる「陣痛タクシー」などが挙げられます。

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これらの新たな技術やサービスについて川鍋氏は「タクシーは安全・安心を基軸にしたサービスなので、国土交通省や東京都などからさまざまな規制を受けています。こうした規制は過去に起きた事故などを背景に制定されていますが、この積み重ねで安全性が高まっていくんですね。そして今後は、新たに登場したアプリのようなテクノロジーをどのように解きほぐしていくかが大きなテーマとなります。これらはタクシー業界におけるお客さまの体験価値を向上するだけでなく、『People First』という点で、運転手自身にも大きな変化をもたらすものです。たとえば、アプリでは車両とお客さまの位置が明確に分かるので一番近い車両を配車でき、お客さまをお迎えに行く距離が短縮できます。また、過去の乗車履歴や、30分以内の乗車データを集計・分析して、この時間どこにお客さまが多いのか分かる技術も現在開発中です」と語ります。

IT活用で売上増加・離職率減少・燃費削減などの効果も

川鍋氏によると、タクシー運転手として年間約600人の人材を採用していますが、そのうち約3割は途中で辞めてしまうとのこと。この理由について「生真面目すぎると『本当はこっちへ行った方が良いのでは?』といったアイデアが出づらかったり、単純に土地勘や経験値不足でお客さまに出会えなかったりするんです。こうした状況が続けば必然的に売上が減り、同時にモチベーションも低下してしまいます。そんな時、ITを活用してお客さまが多い場所を教えてあげられれば、離職率も減るというわけです」と語ります。実際、検証段階で約10%の売上増加が確認できているそうです。

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これには大宮氏も「一般的には『いかに素早くお客さまを乗せられるか』という観点のみにとらわれがちですが、運転手さんのモチベーションを高めて『いかに楽しく仕事をしてもらえるか』にもチャレンジしているんですね」と共感。日本交通の技術やサービスは「運転手が満足できれば良いサービスが提供できるはず」という理念に基づいて展開されていますが、これはITの力でお客さまと店舗の双方にメリットをもたらす、Airレジとも通じる部分があるのでしょう。

そのほか日本交通では、運転技術に関するデータを集約・分析して、運転手にフィードバックする実験も行っています。「たとえば同じ橋を渡るだけでも、運転の荒さによって燃費が2倍くらい変わります。当然ながら乗り心地も違いますし、燃費が抑えられた分だけお客さまにも還元できるわけです」と、川鍋氏は笑顔を見せます。

“直感的に使える”ことで社員教育の負担からも解放

タクシー業界に関する変革の話題に続いては、大宮氏がAirレジのサービスが誕生したきっかけを語りました。
「お店の方々の“大変さ”を少しでも減らせないかというのが発端でした。私は当時、宿・ホテル予約サービス『じゃらん』やクーポンサイト『ポンパレ』などの業務に携わっていたんですが、通常業務をこなしつつお客さまに『登録してください』と伝えるのは、かなりの負担増になるんです。そこで、なんとか業務を減らしながらも登録や予約がスムーズに行えないかと考え、iPadによる仕組みづくりをスタートしたんです」(大宮氏)

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ここで正面のスクリーンに、同会場内に設置されている、Airシリーズがまとめて体験可能な1日限定ストアの様子を投影。ストアの前に設置された「Airウェイト」での受付、Airレジのバーコードリーダーを用いた商品情報の読み取り、「Airペイ」、「モバイル決済 for Airレジ」および「POICHI for Airレジ」の使用感など、お客さま視点によるAirシリーズの利便性がレポート形式で伝えられました。
これを見たAirレジ未体験の川鍋氏は「そのままタクシーに積みたい感じですね(笑) 新しい技術を導入するにしても、大変なのが社員教育です。若い方はまだいいんですが、タクシー業界は高年齢の方も多いので……。その点、Airレジのように“直感的に使える”のは非常に良いですね」とコメント。

大宮氏も「私も“直感的に使える”ことで、そもそも『教育しなきゃいけない』という発想を『いかに教育しなくて済むようにするか』に変えられることの方が重要だと思います」と語りました。

このように、業界の枠を超えて共有される『People First』が持つ真意と、ITによるサポートの重要性が語られたトークセッション。最後に林氏の「2020年の東京オリンピックを前に、観光客が年々増加しています。そこでキーワードとなる『おもてなし』は人によってイメージが異なりますが、ぜひ皆さんも『People First』の実践で、店員もお客さまもハッピーになれるような未来を思い描いてみてください」という言葉で幕を閉じました。

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※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

荒木 孝一(あらき こういち)ライター

1976年生まれ、埼玉県出身。ブラシレスモータの製造会社で設計に携わった後、2004年よりライターに転身。現在はライティングプロダクション「エースラッシュ」に所属し、インタビュー/製品紹介・レビュー/セミナーレポート/導入事例などIT系の記事を中心に幅広いジャンルで執筆活動中。

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