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【軽減税率】請求書等に区分記載すれば商品ひと月分を一括処理可能?

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

【軽減税率】請求書等に区分記載すれば商品ひと月分を一括処理可能?

日々の業務において、1か月など一定期間ごとに総括請求書を発行する事業者では、総括請求書には品目ごとにまとめて記載することもあります。消費税増税・軽減税率制度に伴って書式が変わる「区分記載請求書等(保存方式)」の下ではこれまでのような記載でも問題ないのかを解説します。

この記事の目次

総括請求書にまとめて一定期間分を記載する方法も認められる

軽減税率の導入によって、青果を扱う事業者などは、どの品目が軽減税率の対象なのかということも明示する必要があります。

青果に限らず、肉や魚などの食材を飲食店などに卸売りしている事業者については、一定期間(通常は1か月)の取引をまとめて、1枚の請求書で請求する、いわゆる掛け取引が一般的に行われています。

掛け取引と1か月分の代金

掛け取引では、日々の取引については納品書の形で毎回相手先に発行しつつ、1か月間をまとめて請求書の形で発行して、1か月分の代金の支払いを受けます。この請求書には、納品書の品目をそれぞれ個別に記載する方法もあれば、納品書で詳細に記載しているのだから請求書では簡単に「野菜」などの記載で済ませる方法もあります。

特に手書きの複写式の請求書では、請求明細と納品書が一緒になっていて、毎回の納品のたびに納品書を渡しつつ、請求段階では、表紙となる総括請求書に、毎回渡している納品書についている複写式の請求明細を付けて、請求先に渡します。

軽減税率(区分記載請求書等)での記載事項

消費増税・軽減税率制度によって2019年10月1日以降に実施される区分記載請求書等保存方式では、「課税資産の譲渡等に係る資産又は役務の内容」、つまり提供したモノやサービスの内容や「軽減対象資産の譲渡等である旨」が記載事項として挙げられています。

「軽減対象資産の譲渡等である旨」とは、平たく言うと「軽減税率の対象品目である旨(*印を付けるなどして明示)」のことです。

実際の現場に即して考えてみましょう。毎回の複写式の納品書・請求明細には「軽減税率の対象品目である旨」を記載せず、総括請求書上で「野菜」という記載で集計したうえで、「軽減税率の対象品目である旨」を記載する形でも要件を満たすのでしょうか?

請求明細の一つ一つに、「軽減税率の対象品目である旨」を記載しなくても、1か月分を総括した請求書上で、「野菜*」のように記載すれば要件を満たすということになります。

毎回の計算や記載は面倒ですので、実際の請求(お金のやり取り)が発生する「請求書」のタイミングで区分記載すれば問題ありません。毎回*印を付けるのは面倒なので、最後にまとめて*印を付けるのも可能ということです。ただ、関係先と話し合って対処を検討したほうが、お互いにとって良さそうです。

集計は間違わないように行う

例えば野菜や肉などの食材のみを卸しているといった場合には、すべてが軽減税率対象なので、単純に「請求額=軽減税率対象額」となります。

ただ、一緒にお酒や什器などを販売しているような場合には、軽減税率の対象品目とそうでない品目が混在します。

手書きの請求書では、集計間違いや、消費税の課税金額の間違いも起こってしまうかもしれません。8%分と10%分を別に計算して、合計額の計算と合致しているか検算するなど、請求額に間違いがないかということを、集計段階でしっかりと確認するようにしましょう。

まとめ

  • 総括請求書で消費税軽減税率対象資産の譲渡等である旨を明示すれば、それぞれの請求明細で明示しなくてもよい
  • 手書きの請求書では、軽減税率の対象額とそうでない額が合っているか検算を行う

軽減税率の計算が加わることで、請求書の発行にもひと手間増えます。できるだけ手間のかからないように、かつ金額に間違いが起こらないように請求書の発行を行いましょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

メールにて「軽減税率対策ツール」のダウンロードリンクをお送りします。

この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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