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【軽減税率】売上ダウン&コスト増にしないための軽減税率対策とは?

植竹 剛(うえたけ つよし)店舗コンサルタント

【軽減税率】売上ダウン&コスト増にしないための軽減税率対策とは?

2019年10月1日から消費税が10%へと増税されます。一部の商品は8%に据え置かれますが、「駆け込み需要」に応えるために経費を普段よりも余計に使ったり、「増税後の景気の冷え込み」による売上や利益が低迷したりするという予測がされています。では、どう対策し、準備をするべきでしょうか?

この記事の目次

お客様の心理を考え、2019年の今後の動向を予測する

お客様の心理を考え、2019年の今後の動向を予測する

住宅や自動車等の購入は「駆け込み需要」として有名です。今回は8%から10%へ増税され、増税額は2019年9月30日と2019年10月1日の一日違いで「1.25倍」にもなります。

それでは、外食・飲食業ではどうでしょうか。

「消費税が10%に増税されるから、月5回の外食を月1回に減らそう」と急激な来店回数の減少はないと思います。しかし月5回を月4回に減らすという動きは考えられます。

例えば、1回当たりの外食費を計算してみましょう。

<増税前>
3,000円(客単価) × 4名 × 1.08 = 12,960円
<増税後>
3,000円(客単価) × 4名 × 1.10 = 13,200円

このようになり、差額は240円です。

ですが、これを年間ベースにしてみると、240円 × 12か月 = 2,880円になり、「およそ年間で1回、1名分」を余計に支払うことになります。

つまり、計算上では「年1回」のうち、1名分だけを節約すれば「増税による余計な出費」を抑えられるのにもかかわらず、「月1回外食(4名分)を節約する」という勘違いをされてしまうことが本当は恐ろしいことなのです。

このように動向を予測するにあたり、「お客様一人ひとりがどう考えるのか」を丁寧に考える必要があります。

売上・利益低迷に対する改善策を考える

売上・利益低迷に対する改善策を考える

お客様の心理を考えてみた後は、売上・利益が低迷することへの改善策を考えていきます。まずは「いくら」落ち込むことが予想されるのかを計算しましょう

消費税の増税は過去に「3%→5%」「5%→8%」と日本は2回経験しています。当時はお店を開店していなかったとしても、ある程度は予測できるはずです。政府の各省庁が発行する「白書」等、飲食業ではどれくらい落ち込んだかというようなデータを示してくれていますので参考にしてみてください。

仮に「売上が5%減少する」という予測を立てたとします。例として、ある飲食店の月間売上が300万円ならば、285万円に減少することになります。すると、売上15万円分をどのように「カバー」するかを考えることになります。

このように、お店(事業)の「実額」を算出してみましょう。実際の金額を出してみることで「具体的な改善策」を考えられるようになりますのでぜひ実践してみてください。

今回の消費税増税への対策として代表的なものは、軽減税率対象の品目になっている「飲食物のテイクアウト商品」です。店内での飲食に関する売上は落とさずに、テイクアウト顧客をどう取り込むかが改善のカギの一つです。もしくは先例に挙げた「月5回外食」をしているお客様を「月4回外食、月1回テイクアウト」に誘導するかが検討できます。

改善策を具体的に準備する

改善策を具体的に準備する

軽減税率で大きく影響を受ける飲食業や小売業の場合を例に、改善策を考えてみましょう。

例えば「テイクアウト商品に対応するメニュー」をつくり、冷めても美味しい工夫をすることになったとします。その時にどのような準備を具体的にすべきでしょうか。項目を挙げてみます。

  • テイクアウト用包材の選定
  • テイクアウト用包材の原価交渉(発注量の調整)
  • テイクアウト用メニューの開発と売価決定(包材分の原価率上昇をどう工夫するか)
  • テイクアウト販売に要する時間と作業数を明確化する
  • 「お箸、スプーン不要の方には30円引きキャンペーン」などの販売促進方法を考える
  • テイクアウト専用スタンプカードの設定、告知
  • 「店内でお召し上がり後、ご家族へのテイクアウト商品お買い上げの方全員に50円ディスカウントクーポン差し上げます」という店内顧客へテイクアウト商品の提案

このように挙げてみるとドンドン具体化されてきます。実はこの「準備の具体化」が非常に大切です。深掘りしてみると、さらに分解、具体化されます。

  • いつ、試食会をするか
  • スタンプカードデザインの納期はいつまでに、誰が作るか
  • お客様へのセールストーク集はどこに保管するのか、いつでも見られるようにしておくのか

せっかく費用を投じて販売促進をしたのに、「段取り」が悪く販売チャンスを逃すということは避けたいです。併せてこのような準備はオーナー自ら先頭に立って行いましょう。

ピンチをチャンスに変える店内総点検を実施せよ

消費税が増税になることはとてもピンチな状況ではありますが、後ろ向きに思っているだけでは何も解決しません。増税というピンチと見える出来事も「工夫と改善」によっては「チャンス」に変えることができます。アイデアはオーナー一人だけではなく、従業員全員で考えることによって提案型のチームになっていきます。

また、成功に結び付く「お店全体を総点検する」ことで課題を発見しやすくなります。次のような切り口でお店を見渡してみてください。

  • 店舗外観
  • 店内レイアウト
  • 従業員
  • 商品(メニュー)
  • 商品価格
  • 清潔感 など

お店の課題に対して、オーナーが考えたことをトップダウンで共有していくことも必要ですが、お店の改善に関しては全員で話し合うべきです。そうすれば、何かしらの課題が見つかるはずです。

まとめ

  • 消費税増税・軽減税率制度が実施されても慌てないように、今後の消費動向などを調べて予測する
  • 改善策を立てたら具体的に考えて準備する
  • ピンチをチャンスに変えるためのヒントはお店全体の総点検から生まれる

ピンチをチャンスに変えるとは、「お店全体を従業員全員で総点検して改善策が生まれる」ことから始まります。早めの準備と対策をされ、10月1日以降も繁盛するお店に是非ともしていただきたいです。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

メールにて「軽減税率対策ツール」のダウンロードリンクをお送りします。

この記事を書いた人

植竹 剛(うえたけ つよし)氏

植竹 剛(うえたけ つよし)店舗コンサルタント

1971年、東京生まれ。株式会社チームのちから代表取締役。実家が菓子業で、4歳より接客を始める。大学卒業後、株式会社ロッテリア入社。店長を経て店舗経営コンサルティング企業へ転職。業績立て直し専門コンサルタントとして、100店舗以上を経験。人材による業績向上を提唱している。『「できる店長」と「ダメ店長」の習慣』(明日香出版社刊)、『店長養成道場』(日経BP社刊)を上梓。https://team-chikara.com/

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