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【軽減税率】消費増税の大混乱を乗り切る4つの振り返り

植竹 剛(うえたけ つよし)店舗コンサルタント

【軽減税率】消費増税の大混乱を乗り切る4つの振り返り

2019年10月1日から始まる消費税増税・軽減税率制度の準備や対策は進んでいますか? 現在開業中の方も、これから開業を予定されている方も、バタバタすることが予想される中で、「明日から施行される」というくらいの気持ちで捉えて、何をすべきかを考えていきます。

この記事の目次

対策1. 軽減税率対象になる商品は何かを知る

対策1. 軽減税率対象になる商品は何かを知る

※日本商工会議所ホームページ「小冊子「中小企業のための消費税軽減税率対策2018」を発行」の「中小企業のための消費税軽減税率制度導入と消費税転嫁対策」より一部抜粋。

いったい何の対策をすべきなのかがなかなか浮かんでこない方のために、まずは、自店でどの商品が軽減税率対象の税率8%となるのかを知ることから始めましょう。軽減税率対象は次の2つです。

  • 「新聞」……定期的に週2回以上発行され、配達などの契約のあるもの ※1
  • 「飲食料品」……持ち帰りとして提供されるお弁当など(種類、医薬品等は除く)※2

※1:一般社会的事実を掲載する週2回以上発行され、かつ定期購読契約に基づく新聞。
※2:食品表示法に規定する飲食料品。一部例外あり。

例外があったり、状況次第で内容が変わったりします。他にも介護保険が適用される老人ホームなどで提供される食事なども軽減税率対象になります。ただし、飲食店等の店内飲食は軽減税率対象にはならず、消費税は10%になります。詳しくは下記のページを参照してください。

まずは自店の商品の消費税率を理解して、次章へ進みましょう。

対策2. 仕入れ価格変更にともなう原価率を再計算する

対策2. 仕入れ価格変更にともなう原価率を再計算する

次に見るべきは「原価率」です。消費税増税は、販売だけではなく仕入れにも影響が出ます。つまりお店として購入する材料も10%・8%どちらの税率になるのかを、仕入れ先と確認をしておきましょう。

現在は消費税8%を支払って納品されていた材料が2019年10月1日からは10%になってしまう場合、商品の原価が上がることになります。簡単な例で差額を計算してみます。

(例)1個100円の原材料を月10,000個使う場合の原価差額

【8%の場合】 100円 × 10,000個 × 1.08 = 108万円
【10%の場合】 100円 × 10,000個 × 1.10 = 110万円
【年間差額】 (110万円 × 12か月) − (108万円 × 12か月) = 24万円

簡単な計算ですが、年間で24万円の粗利を失うことになります。

2%分の消費税アップは、予想外の粗利減になり、消費税の納税時にお金が不足することも想定する必要があります。そうならないためにも、商品一つひとつの原価を計算し、「売価アップ」か「お店の努力の末、価格据え置き」かを考えておくことです。

ポイントは「努力=工夫」です。原価率上昇を抑える工夫を今から考え、10月1日からの価格を今から決めておきましょう。

対策3. 利益を上げる方法を考える(スタイルの変更)

対策3. 利益を上げる方法を考える(スタイルの変更)

前章で見てきた「原価率を考える」ということは、「粗利額をコントロールする」という意味でした。お店の運営では、この粗利額からいろいろな「経費」が引かれていきます。つまり、次に見るべきは、「利益額を確保する」ということになります。

経費の代表例は「人件費」と「家賃」です。家賃を下げる交渉をするのは時間も掛かり、驚くほどの減額には、なかなかならないものです。しかし、人件費はよくよく見直してムリ、ムダ、ムラがないかをチェックしてみましょう。これも緊急性の高い項目になります。

考え方は「2%分の節約」です。目標設定として掲げるならば、キリの良い5%であっても良いと思います。これはお店のオーナーだけでは実現できない可能性が高いので、スタッフ全員で取り組むべき課題です。

同じ経費として支出するならば、節約できた分で2%分は確保した上で、スタッフへの褒賞に使っても良いと思います。まだ使えるものを何も考えずに捨てていたスタッフの意志が変われば、私物のようにお店の物も大切に扱ってくれるかもしれません。これは、消費税が増税されることをきっかけにしたスタッフ教育であるとも言えます。

対策4. スタッフ教育とお店の管理体制を見直す

対策4. スタッフ教育とお店の管理体制を見直す

最後に挙げるのは「スタッフ教育」です。少し触れましたが、消費税増税・軽減税率対策はお店のスタッフ全員で取り組むべき課題です。

教育すべき柱は「従業員全員が、正確な情報をお客様にお伝えできるか」です。消費税増税・新税率になったことの説明を始め、価格が変更された理由、このような意図でお店として努力している点も異口同音にしておきます。

そして、正しい情報が共有されるためのルールづくりと遵守されているかの確認も重要です。仕事における「報告・連絡・相談」がもれなく行われているかを、この際にしっかりしたものにしておきましょう。

まとめ

  • 自店の商品で何が軽減税率の対象になるのかを知っておく
  • 上昇する原価をお店の努力や工夫によってコントロールする
  • お店の経費について節約できることはないかスタッフ全員で考え行動する
  • 消費税増税というピンチを題材にスタッフ教育を強化する

オーナーも含めた従業員全員で考え、対策したことが良い結果になれば、お店としての士気が確実に上がります。不安は抱え込まず、周囲の仲間に相談してみてください。良い結果につながり、お客様も含めてみんなハッピーになれるよう目指しましょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

植竹 剛(うえたけ つよし)氏

植竹 剛(うえたけ つよし)店舗コンサルタント

1971年、東京生まれ。株式会社チームのちから代表取締役。実家が菓子業で、4歳より接客を始める。大学卒業後、株式会社ロッテリア入社。店長を経て店舗経営コンサルティング企業へ転職。業績立て直し専門コンサルタントとして、100店舗以上を経験。人材による業績向上を提唱している。『「できる店長」と「ダメ店長」の習慣』(明日香出版社刊)、『店長養成道場』(日経BP社刊)を上梓。https://team-chikara.com/

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