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軽減税率と標準税率とで請求書等を別々に分けることは問題ない?

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

軽減税率と標準税率とで請求書等を別々に分けることは問題ない?

消費税増税・軽減税率制度の実施により、軽減税率8%の対象品目と標準税率10%の品目が請求書等(請求書、納品書、領収書などの帳票)にて判断できるようにする必要があります。この際、請求書等を税率ごとに2枚に分けることで対応してもよいのでしょうか?

この記事の目次

請求書等を2枚に分けることは問題ない

日用雑貨と食料品を扱う事業者などは、軽減税率の対象品目である飲食料品と、標準税率の対象品目である日用雑貨を同時に販売することもあります。この際に、請求書等を1枚にまとめることが多いかもしれません。

しかし、場合によっては、請求書等を軽減税率の対象品目分とそれ以外の分に分けて作成したほうが都合がよいということもあるかもしれません。こうした対応は可能なのでしょうか?

まずは、軽減税率の開始とともに導入される請求書等の様式である区分記載請求書等について見てみましょう。区分記載請求書等の記載事項は下記の通りです。

  • (1)発行者の氏名や名称
  • (2)取引の年月日
  • (3)取引の内容(何を販売したのかということ)
  • (4)相手先の氏名や名称
  • (5)軽減税率の対象品目である旨
  • (6)税率ごとに区分して合計した税込対価の額

これまでの記載事項である(1)~(4)のほか、新たに(5)と(6)の記載事項が追加されます。

軽減税率の対象品目を販売した場合には、区分記載請求書等の記載事項が必要となります。とはいっても、軽減税率の対象品目と標準税率の品目を販売した際に、1枚の請求書等でまとめなければならないということは、法律にも消費税の専門書にも、どこにも書いてありません。

軽減税率の導入前でも、システム上の都合やお客様からの要望などの事情で、請求書等を2枚に分けるということは行われています。例えば、締日が20日の場合などに、決算の関係で、一度末日で請求を区切ってほしいといった場合などです。こうした取り扱いは軽減税率の導入後も同じということです。

2枚に分けた場合のそれぞれの記載事項

請求書等を軽減税率の対象品目分と、標準税率の品目分の2枚に分割した場合、それぞれの請求書等の記載事項はどのようになるのでしょうか?

まず、軽減税率の分については、上記の記載事項の通り、請求書等の中身が「軽減税率の対象品目であるということ」と「税率ごとに区分して合計した税込対価の額」を記載します。特に軽減税率の対象品目である旨は、商品ごとに「※」などのマークを付けるほか、請求書等にすべての品目が軽減税率の対象品目である旨の記載をすることで対応できます。

次に、標準税率の分については、軽減税率の対象品目が含まれていないため、そもそも上記記載事項の(5)や(6)の項目は記載不要です。つまりこの分については、軽減税率の開始前と同じような請求書等を発行すればよいということになります。

まとめ

  • 請求書等を「軽減税率の対象品目」と「標準税率の項目」に分けて作成することは問題ない
  • 請求書等を税率ごとに分けて作成した場合、軽減税率分については、区分記載請求書等の記載事項の通りに作成する
  • 請求書等を税率ごとに分けて作成した場合、標準税率分については、軽減税率導入前と同じ要領で請求書等を作成すればよい

軽減税率が導入されると、軽減税率の対象品目を取り扱う事業者は請求書等の様式の変更が必須です。請求書等を2枚に分ける方法と、1枚にまとめる方法のどちらが良いか、しっかりと軽減税率開始前に決めておきましょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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