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【2020年秋】国から補助金は出る?キャッシュレス消費者還元事業についてわかりやすく説明します

新関 広樹(にいぜき ひろき)FinTechコンサルタント

新型コロナウイルス感染症拡大により、オンライン取引の拡大や、現金取引の衛生面での課題も取り上げられ、改めてキャッシュレス決済の必要性が高まってきています。今回は、現時点で国や自治体がどんなキャッシュレス推進政策を行っていて、その中で、キャッシュレス決済を導入する店舗に対してどのような補助を行っているのかを解説します。

この記事の目次

キャッシュレス消費者還元事業とは

キャッシュレス消費者還元事業とは、キャッシュレス化の推進と消費税増税に伴う景気対策として、キャッシュレス決済の利用者に最大5%のポイントを還元する国の事業です。2019年10月から9カ月間行われ、2020年6月末で終了しましたが、国は2025年までにキャッシュレス比率を40%に引き上げる目標を掲げており、今後に向けてさまざまな効果や課題が見える結果となりました。

主に、決済手数料が高い、従業員教育に手間がかかる、費用が高いなど、導入に関わる課題を解決するため、また新型コロナウイルス感染症の影響で、現金の取り扱いをなるべく減らす、店員との接触機会を減らすなどの必要性があり、キャッシュレス決済導入に期待が高まっています。国では引き続き課題解決や推進するための検討が行われています。

参考:キャッシュレス・消費者還元事業のまとめはこちら

現在行われているキャッシュレス推進政策

2020年11月19日時点では、経済産業省のホームページによると、大きく3つのキャッシュレス推進政策が行われています。

  1. キャッシュレス決済の利用シーン拡大
    • 自治体のキャッシュレス化
    • 地域での面的なキャッシュレス決済導入
    • 災害時のキャッシュレス決済利用
    • マイナポイント事業実施に伴うキャッシュレス決済端末導入支援事業
  2. 消費者のユーザー・インターフェースの向上
    • JPQR(決済用統一QRコード)の利用促進
  3. キャッシュレスの推進に向けた環境整備
    • 「キャッシュレス決済の中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会」の開催
    • 日本政策金融公庫の低利融資制度

参考:経済産業省 「キャッシュレス」

このうち、店舗へのキャッシュレス決済導入補助があるのは、「地域での面的(めんてき)なキャッシュレス決済導入」における、「面的キャッシュレス・インフラの構築支援事業」になります。

面的キャッシュレス・インフラの構築支援事業は、キャッシュレス化に取り組む、地域の商店街振興組合や、観光協会等に対する補助を通じて、個別の店舗等へキャッシュレス決済導入を支援するものです。つまり、個別の店舗に対してのキャッシュレス決済の導入補助ではなく、地域一体となってキャッシュレス化を推進する団体に対しての補助になります。

参考:経済産業省 「面的キャッシュレス・インフラ構築支援事業ホームページ」

また、「マイナポイント事業実施に伴うキャッシュレス決済端末導入支援事業」は2020年7月で募集が締め切られましたが、審査で交付が決まった事業者は2021年3月末までに端末を導入すれば補助金を受けられます。

参考:一般社団法人キャッシュレス推進協議会 「マイナポイント事業実施に伴うキャッシュレス決済端末導入支援事業ホームページ」

面的キャッシュレス・インフラ構築支援事業

面的キャッシュレス・インフラ構築支援事業は、現在は、第3タームの募集を開始しており、2021年1月22日に締め切られます。補助対象は2つあり、「キャッシュレス決済端末・関連ソフトウェア」と「広報費」です。

キャッシュレス決済端末・関連ソフトウェアについては、端末やソフトウェアの新規導入・入れ替えにかかる費用の最大2/3を国が補助※し、地域団体等が残りの1/3を負担しますので、店舗は無償でキャッシュレス決済を導入することができます。端末を一括購入する場合の費用や、レンタルする場合の利用料が対象で、決済手数料は補助対象にはなりません。レンタルの場合の補助対象期間は、本事業期間中である2021年2月26日までに発生した分が対象になります。
(※)補助上限は1団体あたり5,000万円で、補助下限は100万円
広報費は、地域団体が所属している店舗向けに広報活動を行なうための経費を補助するものです。

出典:面的キャッシュレス・インフラの構築支援事業事務局 「地域団体・民間事業者向け説明会資料 P10」
参考:令和2年度「面的キャッシュレス・インフラの構築支援事業」 対象ソフトウェアの定義 補足資料

対象となるキャッシュレス決済は、あくまでも電子的なキャッシュレスサービスである必要があり、使い切りの商品券やクーポンは対象になりません。

出典:面的キャッシュレス・インフラの構築支援事業事務局 「地域団体・民間事業者向け説明会資料 P4」

地域団体の対象は、1.商店街等組織、2.商工会議所/商工会/観光協会、3.街づくり事業者等を中心とした複数事業者の集合体、4.その他地域団体として補助金事務局が認めるもの(公募要領P7参照)です。また、民間事業者としては、キャッシュレスサービス事業者も対象です。

キャッシュレス決済の導入を検討されている店舗・宿泊施設の方々は、所属している地域団体や組合、または既存で取引があるキャッシュレス決済の民間事業者に対して問い合わせてみてください。

自治体におけるキャッシュレス化推進

2020年7月末で終了していますが、東京都では商店街向けにキャッシュレス決済の導入補助を行っており、以下の経費を補助対象としていました。

  • キャッシュレス導入に向けて、必要な助言や支援を受ける費用
  • キャッシュレス機器の購入費用
  • キャッシュレスの導入を円滑に進めるためのサポート費用
  • 商店街のキャッシュレス化に関する周知・PR費用

参考:東京都産業労働局

2019年度のキャッシュレス決済比率は26.8%※ですので、2025年の目標である40%まで、まだまだキャッシュレス普及の施策は続くと思われます。所属する都道府県・市区町村でも東京都のように補助が行われる可能性がありますので、キャッシュレス決済導入を検討されている方は、定期的に自治体のサイトなどを確認することをおすすめします。

参考:経済産業省 「第一回の議論の振り返り、日本のキャッシュレス決済比率、決済事業者及び国の開示の在り方について」

まとめ

  • キャッシュレス・ポイント還元事業は2020年6月末で終了している
  • 現在行われているキャッシュレス化の補助は「面的キャッシュレス・インフラ構築支援事業」のみ
  • 面的キャッシュレス・インフラ構築支援事業は、個別の店舗・宿泊施設向けではなく、所属している地域団体向け
  • キャッシュレス決済の導入は、所属している地域団体や既存のキャッシュレス事業者に問い合わせる
  • 2025年のキャッシュレス決済比率40%に向けて、都道府県・市区町村からも補助を行なう可能性はある

第三波ともいわれている新型コロナウイルス感染症拡大を受けて、キャッシュレス化推進は業務効率化、コスト削減だけでなく、地域・そして家族を守るための施策として考える必要があると思います。キャッシュレス決済の導入が気になっていた店舗は、この機会に所属している地域団体とともに、具体的に導入を検討してみてはいかがでしょうか。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

この記事を書いた人

新関 広樹(にいぜき ひろき)FinTechコンサルタント

株式会社メンドレス代表。株式会社FiNRU代表。
アクセンチュアを経て、FinTechベンチャーのインフキュリオンにて、国内・東南アジアでのFinTech事業戦略立案、企画・実行支援に従事。
主に融資・決済・送金に関わるFinTechサービスに携わり、大手企業から外資スタートアップまで多くの企業を支援。
現在は山形県における農家支援も行っている。
https://www.mendoless.com/