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これから開業!店舗経営者が選ぶべき確定申告の方法【青色申告と白色申告】

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

これから開業!店舗経営者が選ぶべき確定申告の方法【青色申告と白色申告】

個人事業主が確定申告を行う際に、よく耳にする青色申告や白色申告という言葉。言葉は聞いたことがあっても、内容まではよくわからない、どのような違いがあるのか詳しく知らないという方もいらっしゃるかもしれません。今回は、この二つにどのような違いがあるのか説明します。

この記事の目次

青色申告の方が白色申告よりも複雑

青色申告と白色申告のおもな違い

平成30年(2018年)度の税制改正で、青色申告特別控除額と基礎控除額が、2020年分の確定申告から変わることになりました。青色申告の最大65万円控除を受けるためには、e-Taxによる電子申告、または電子帳簿保存が必要になります(要件を満たさなければ控除額は55万円)。

少しでも簿記を学んだ方ならわかると思いますが、まったく簿記の知識がない方にとって、貸方や借方、勘定科目という言葉はピンとこないかもしれません。簿記の知識があり、これらの言葉の意味や使い方を知っていることが、青色申告を行う最低条件といえます。青色申告とは、基本的に簿記のルールに従って日々の売上や仕入れ、経費の動きを一つ一つ記録して、日々記録した数字をベースに申告を行う方法です。簿記のルールとは、取引ごとに貸方と借方に分けて勘定科目ごとに記録するルールのことです。

青色申告を行うためには、開業した日から2か月以内(開業2年目以降や1月1日から1月15日までに開業した場合は、適用を受ける年の3月15日まで)に「青色申告承認申請書」を納税地を管轄する税務署に提出しなければなりません。1日でも遅れてしまうと適用が受けられなくなりますので、提出期限には十分注意しましょう。

一方、青色申告をしない場合の確定申告は、白色申告と呼ばれます。白色申告は簿記の知識がない場合でも簡単にできる記帳の方法で、売上や仕入れ、経費を記録・集計する方法です。簿記の考え方は使わないので、現金の入出金に合わせて各項目の金額を記録すれば問題ありません。

白色申告は、多くの場合現金の動きを中心に考えますので、家計簿に近い方法といえるでしょう。

青色申告のメリット

青色申告のメリット

青色申告は、記帳にも手間がかかり、会計ソフトの導入にも多少の費用を要します。しかし、それを補って余りあるメリットが青色申告にはあります。ここでは、青色申告のメリットとして代表的なものを3つご紹介します。

1) 青色申告特別控除が受けられる

青色申告を行う場合、実際使った経費のほかに10万円(貸借対照表を作ることができるレベルで記帳している場合は65万円)を売上から控除することができます。これを青色申告特別控除と言います。

2) 家族への給料を経費に入れられる

青色申告を行う個人事業主は、その年の3月15日(新たに家族が働き始めて給料を出す場合には、働き始めた日から2か月以内)に税務署に届け出(「青色事業専従者給与に関する届出書」といいます)を出すことで、家族への給料を経費に計上することができます。これを青色事業専従者給与といいます。なお、青色事業専従者給与に関する届出書については、毎年提出する必要はなく、給与の金額に変更がない以上は、一度提出すればずっと有効です。

白色申告の場合は、家族に給料を払っても経費に入れることができません。その代わり、白色申告を行う個人事業主の仕事を手伝っている家族については、1人当たり最大で年間50万円(配偶者は86万円)を控除することが認められています。これを事業専従者控除といいます。

青色事業専従者にしても白色申告の事業専従者にしても、原則的には、年間6か月以上はその事業に専属的に働く(副業ではない)ことが必要です。

3) 赤字を3年間繰り越せる

特に、創業時期などで初期費用が掛かったときなどは、所得が赤字になることもあります。青色申告の場合、こうした赤字を3年間繰り越して、翌年以降の黒字を相殺することができます。黒字が相殺できる分翌年の納税額は少なくなります。

青色申告と白色申告のどちらを選択すればよい?

青色申告と白色申告のどちらを選択すればよい?

ここまで説明してきた通り、青色申告は白色申告に比べて、税金を計算する上でさまざまな特典が用意されています。さらに経営の状況を把握するためにも、やはり適切な取引の記録は重要です。日々の経理を適当にやっていては、資金繰りも見えにくいですし、確定申告の時に書類が揃わず大慌てということもありえます。それほど経理は重要なのです。

簿記の知識がないという方でも、税理士などの専門家に依頼すれば、青色申告を選択することはできます。特に飲食店などの店舗系ビジネスにおいては売上や仕入れ、家賃などさまざまな項目の処理が必要な業種では、簡単には業績を把握しづらいものです。実際にお店がもうかっているのかどうかを判断するためにも、貸借対照表や損益計算書を作成できる青色申告の選択をすることを強くお勧めします。

まとめ

  • 青色申告は白色申告に比べて、記帳の方法や確定申告の書類が複雑である
  • 青色申告には、青色申告特別控除の適用や、赤字の繰り越し、家族従業員の給与を経費に計上できるといった特典がある
  • 特に店舗系ビジネスなど簡単に業績の把握が難しい業種ほど、青色申告により記帳を行うことで、業績の把握がやりやすくなる

青色申告については、所得税計算上、さまざまなメリットが認められているため、納税額については白色申告に比べて低くなることが通常です。手間を惜しまなければ、ぜひ青色申告を活用してみましょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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