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軽減税理に伴いスタートしたキャッシュバックはどう経理処理をすればいい?

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

消費税増税に伴い、キャッシュレス決済のポイント還元制度がスタートしました。キャッシュレス決済を使った人に、最大5%がキャッシュバックされるこの制度は、消費者にとって非常にありがたい制度です。しかし、事業者側からすれば経理業務に直結するものであり、ポイント還元の経理処理についてしっかりと理解しておく必要があります。今回は、事業者の皆さんのために、ポイント還元の経理処理について解説します。

この記事の目次

ポイント還元制度は2020年6月30日まで

軽減税率の導入とともに始まったキャッシュレス決済のポイント還元制度。増税時の負担を和らげることと、キャッシュレス決済の普及を促進することを目的に導入されました。仕組みは、消費者が中小事業者に対して、キャッシュレス(クレジットカードや電子マネー、デビットカードなど)で支払った場合に、2%または5%のキャッシュバックを受けることができるというもの。これまで特に中小事業者においてキャッシュレス決済のための設備導入が進んでいなかったこともあり、決済システムの導入を促す狙いもあります。

キャッシュレス決済によるポイント還元制度は、2019年10月1日~2020年6月30日の「期間限定」の制度です。事業者としては2019年、2020年と複数年度にわたって関係してくる可能性のある制度といえます。

キャッシュレスで支払いを受ける側の経理処理

キャッシュレスで支払いを受ける側である事業者の経理処理について見ていきましょう。この制度では、クレジットカード会社などの決済事業者からキャッシュレス決済利用者に対して還元が行われます。つまり、還元自体は飲食店や小売店などの中小事業者が実施することは無く、キャッシュバック分を負担することはありません。キャッシュバックを考慮することなく、通常通りの売上を計上すればよいということになります。

キャッシュレスで支払いをする側の経理処理

経費の支払いでキャッシュレス決済をすることは、どのような事業者にもあり得ることです。その意味で、キャッシュレス決済の経理処理は多くの事業者にも関係してくること。先ほどとは逆に、事業者が支払いをキャッシュレスで行って還元制度の対象となった場合の経理処理について考えてみましょう。

キャッシュレスで経費を支払った場合、キャッシュバックの方法にはいくつかのパターンがあります。

(1)後日、口座引き落としの際に請求額から相殺(クレジットカードなど)
(2)後日、ポイント相当額を振込み(デビットカードなど)
(3)購入時に即時還元(今回の国の制度とは別に独自の還元制度を行っている大企業など)

(1)や(2)はいずれも、キャッシュバックするのは飲食店などキャッシュレス決済を受けた事業者ではなく、決済事業者です。つまり、商品やサービスの購入代金自体は変わりません。別途、ポイント還元分を何らかの形で受け取ることになります。そのため、経理処理としては、本体分はそのまま費用として計上して、キャッシュバックされた金額については「雑収入」という科目で計上することになります。

一方で、(3)のように国のポイント還元制度とは別に、独自の還元制度を行っている事業者もあります。国が運営するポイント還元制度は、そもそも中小事業者に対してキャッシュレス決済を行った場合のみ対象となるため、大企業は対象外となっています。

例えば、大企業直営の飲食店やコンビニにおいてキャッシュレス決済で支払っても、国が運営するポイント還元制度は対象となりません。そのため、大企業でも独自にキャッシュレス決済時の還元を行っていることがあります。この時に、「即時値引き」の形で行っていれば、そもそもの商品やサービスの価格自体が低くなります。そのため経理処理としても、もともと購入した商品の「値引き」として処理することになります。

このように、キャッシュレス還元であっても、還元のされ方によって経理処理が変わってくることに注意が必要です。

まとめ

  • キャッシュレス決済によるポイント還元制度は2020年6月30日までの期間限定の制度である
  • キャッシュレス決済で支払いを受ける中小事業者については、売り上げについて特別な経理処理は必要ない
  • キャッシュレス決済で支払いをする事業者については、還元の方法によって経理処理が異なってくる

キャッシュレス決済で支払うことは、どのような事業者にもあり得ることです。キャッシュバックの経理処理はさまざまな事業者に関係します。経理処理について今一度確認しておきましょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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