<FPが解説>クレジットカード決済ってどんな仕組みなの?

普段私たちが何気なく使っているクレジットカード。古くから存在するキャッシュレス決済の手段であり、今やなくてはならないものですね。しかしながら、どういった仕組みになっているのかについては、意外と知られていないもの。今回は、クレジットカード決済の仕組みについて見ていきましょう。
この記事の目次
クレジットカード決済の仕組み
クレジット(Credit)とは「信用・信用する」という意味であり、この「信用」をもとに利用者(購入者)とクレジットカード会社の間で契約を結ぶことによって、利用者(購入者)がクレジットカードで買い物や食事ができるようになっています。クレジットカードでの支払いを受け付けたいお店は、クレジットカード会社と契約することで、そのクレジットカードの事業者・加盟店になることができます。
一般的なクレジットカード決済の仕組みについて説明します。
- 利用者(購入者)が、クレジットカードでお店(事業者・加盟店)の商品の購入やサービスを利用する。この際、クレジットカードの提示・端末機へ暗証番号の入力や売上票にサインが必要となる
- 「利用者(購入者)がクレジットカードを利用した」という情報がクレジットカード会社へ届くと、クレジットカード会社はお店(事業者・加盟店)に対し、購入代金を立て替え払いしてくれる。なお、加盟店手数料(決済手数料)が発生するため、購入代金から手数料を差し引いた金額となる。加盟店手数料(決済手数料)は、お店(事業者・加盟店)が負担するため利用者(購入者)は負担しない
- 利用者(購入者)が、クレジットカード会社に対し事前に登録している銀行口座引き落としなどの方法で、購入代金を支払う
上記が、一般的なクレジットカードの仕組みです。この中に、「決済代行会社」が入ることもあります。これは、お店(事業者・加盟店)とクレジットカード会社との間を取り持つ働きをする会社です。
クレジットカード決済におけるお店・利用者のメリット
クレジットカード決済には、お店(事業者・加盟店)と利用者(購入者)にとってどのようなメリットがあるのか見ていきましょう。
お店(事業者・加盟店)の主なメリット
- 販売機会の増加、顧客満足度の向上
- お金の管理が楽に
- クレジットカード利用ができないお店との差別化
現金の持ち合わせがなかったり、ポイントが欲しかったりと、クレジットカードを使いたいという買い物客は思いのほか多いもの。クレジットカードに対応することは、販売の機会を増やすことにつながります。また、お客さまのニーズに応えることとなり、顧客満足度の向上も期待できます。
現金を扱わないため、経理処理の作業効率が向上するだけでなく、現金の紛失や盗難、お釣りのトラブルなどの心配も心配ありません。クレジットカード決済を受け付けることで、クレジットカードが利用できないお店との差別化ができることもメリットとして挙げられます。
利用者(購入者)の主なメリット
- カード1枚でショッピングができる
- 優待や特典を受けることができる
- ポイントを獲得できる
- 分割払いが利用できる
まず、高額な支払いの際に多額の現金を持ち歩く必要がないので、海外などでも安心して買い物することができます。次に、クレジットカード会社が指定したお店での割引や、空港のラウンジ利用の特典などを受けることができます。加えて、クレジットカードの利用金額に応じたポイント(マイルや商品券などに交換できる)を得ることができます。
銀行口座残高に余裕がない場合でも、分割払いを利用すれば、各種手数料などを支払うことで、買い物をすることができるという点も見逃せません。また、クレジットカードによっては、旅行やショッピングなどの損害・傷害保険が付帯されているものもあります。
クレジットカード決済におけるお店・利用者の主なデメリット(注意点)
クレジットカード決済には、メリットだけではなくデメリット(注意点)も存在します。領収書、手数料、不正利用の3点について説明します。
領収書
クレジットカード決済の場合、商品の購入やサービスの利用時点では、代金の受け渡しが行われないため、領収書は発行しないのが一般的です。そのため、領収書の代わりとして、お店は利用伝票を発行する必要があります。ただし、利用伝票には、下記の内容が記載されていなければなりません。もしこれらの内容が記載されていなかった場合、利用者側が確定申告の際に領収書として認められない可能性があります。(詳細については、税務署などで確認してください)
<レシートを領収書の代わりとして使用するために必要な要素>
- 発行者名(お店(事業者・加盟店)の名称)
- 購入年月日
- 購入内容(商品やサービスの内容)
- 購入金額
- 宛名(利用者(購入者)の名称)
手数料
前述のとおり、クレジットカード決済において、お店(事業者・加盟店)は「加盟店手数料(決済手数料)」を負担する必要がありますが、利用者(購入者)も分割払いやリボルビング払い(リボ払い)などを選択した場合、手数料を支払う必要があります。
クレジットカードの不正利用
クレジットカード情報の漏洩・流出、クレジットカードの盗難・紛失などにより、悪意を持った第三者に不正利用される恐れがあります。
不正利用への対策としては、クレジットカードを肌身離さず持ち歩くようにすることや、インターネットでの利用であれば信頼できるサイトなのかをチェックすることなどが挙げられます。しかしながら、どれだけ対策をしていても、クレジットカードの不正利用を完全に防ぐことができないのが現状です。確実に不正利用を発見するには、クレジットカード会社から送付される利用明細書の内容を確認することが必要です。
もし、クレジットカードの不正利用が疑われる取引が見つかった場合、クレジットカード会社へ速やかに連絡するようにしましょう。
まとめ
- クレジットカードは「信用」をもとにした利用者とカード会社間の契約
- クレジットカードはお店と利用者の双方にメリット
- クレジットカードには手数料や不正利用といったデメリットも
クレジットカードは今や「社会インフラ」となっています。そして、その仕組みはクレジットカード会社が支えているのです。
クレジットカードを利用する側・される側、共に今回ご紹介したクレジットカード決済の仕組みを少し思い出していただけましたら幸いです。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
この記事を書いた人
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中田 真(なかだ まこと)ファイナンシャルプランナー
中田FP事務所 代表/CFP®認定者/終活アドバイザー/NPO法人ら・し・さ 正会員/株式会社ユーキャン ファイナンシャルプランナー(FP)講座 講師/元システムエンジニア・プログラマー。給与明細は「手取り額しか見ない」普通のサラリーマンだったが、お金の知識のなさに漠然とした不安を感じたことから、CFP®資格を取得。現在、終活・介護・高齢期の生活資金の準備や使い方のテーマを中心に、個別相談、セミナー講師、執筆などで活動中。https://nakada-fp.com/