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キャッシュレスで利用が広がる電子マネー

佐藤 名ゝ美(さとう ななみ)ファイナンシャルコーチ

現金を使わずに商品やサービスを購入できるキャッシュレス決済。中でも電子マネーは発行枚数4億2,089万枚(2019年11月時点)に上り、国民1人あたり3.3枚を保有する計算となります。キャッシュレス決済のなかでも多くの人々が利用しているのが電子マネーです。その仕組みや特徴についてあらためて整理してみましょう。

この記事の目次

電子マネーの仕組み

電子マネーとは、ICチップや磁気テープに貨幣の情報を電子的に記録し、これを通じて決済を行う手段のことです。文字通り「電子のお金」を意味します。電子マネーそのものは民間企業が発行していますが、貨幣によってあらかじめチャージするなど、貨幣による裏付けがあり、貨幣と同じように商品やサービスを購入することができます。

電子マネーのメリット

電子マネーの利用拡大は、商品やサービスを提供する事業者側にもメリットをもたらします。現金を取り扱う必要がなくなることで、お釣りの準備や現金の数え間違いがなくなり、人件費の節約も期待できます。同時に、売上・回収の状況がデータで管理できることで、会計処理全体の利便性も著しく向上します。

電子マネーのデメリット

一方、電子マネー読み取り端末の導入コストや決済事業者に対する加盟店手数料といった負担が生じる点はデメリットと言えるでしょう。また、売上金が入金されるまでにタイムラグが生じてしまうことも否めません。しかしながら、享受できるメリットを考えると、十分に有効な投資と言っていいのではないでしょうか。

発行主体は交通系と流通系の大きく2種類

電子マネーの発行主体は大きく2つに分けられます。Suica(JR東日本)やICOCA(JR西日本)をはじめとする「交通系」と、WAON(イオン)やnanaco(セブン&アイ・ホールディングス)など小売企業が発行する「流通系」です。それぞれについて見ていきましょう。

交通系

交通系最大の特徴は、乗車券として電車やバスの運賃支払いに利用できる点です。全国の各エリアで大手交通機関が発行している独自カードが存在しますが、その多くで相互乗り入れしており、それらを用いることで全国の交通機関で利用できます。

流通系

流通系は、大手のスーパーやコンビニチェーン等が発行し、企業の垣根を超えて幅広く利用できるものから、小規模小売店舗が独自に発行してグループ企業内でしか利用できない「ハウスカード」と呼ばれるものまで、多岐にわたります。これらは決済手段であると同時にポイントカードを兼ねていることも多く、顧客の囲い込みを目的としている側面もあります。

プリペイド型、デビット型、ポストペイ型

電子マネーは、チャージや支払いタイミングによって、プリペイド型とデビット型、ポストペイ型の3種類に分けることができます。それぞれについて見ていきましょう。

プリペイド型

プリペイド型は、あらかじめ資金をチャージ(=入金)しておくことで、残高の範囲内で決済を行うことができます。残高が把握できるので使い過ぎを予防しやすい点、万一カードを紛失してしまった場合でも損害額はチャージ残高に限定される点が、大きなメリットといえるでしょう。

電子マネーへのチャージは、現金、預金、クレジットカードから行います。中には、各種ポイントからチャージできるものも。チャージできる場所は、コンビニエンスストアなど加盟店の店頭レジ、提携銀行のATM、専用チャージ機、駅の券売機(交通系)などです。預金やクレジットカードからのチャージについては、パソコンやスマートフォンからインターネットを通じて手続きする方法もあります。

また、「オートチャージ」を設定しておけば、チャージ残高が一定額以下になるとあらかじめ登録しておいたクレジットカードから自動的に資金が移動されます。これにより、残高不足に陥ってしまう事態を回避することが可能となります。

デビット型

デビット型は、登録した預金口座の残高から、即時引落しで支払いを完了させるタイプの電子マネーです。事前のチャージは必要なく、預金残高の範囲内で買い物をすることができます。購入と支払いにタイムラグが生じないため、家計管理がしやすい点がメリットです。

ポストペイ型

ポストペイ型は、後払いタイプの電子マネーです。電子マネーで決済した金額は、あらかじめ登録しておいたクレジットカードへ請求が行われ、クレジットカードの支払い分と併せて後から支払いを行います。手持ち資金がない場合でも商品やサービスの購入が可能な点でクレジットカード払いと大差ないようにも感じますが、店頭でのサインや暗証番号の入力が不要であるため、より利便性が高いと言えるでしょう。

注意したいのは、累計利用額を把握しにくい点です。残高を気にせず買い物ができるため、お財布の紐はついつい緩みがちに…。利用の際は、予算管理への高い意識が求められます

Apple Pay や Google Pay を用いたiD・QUICPay決済

カードタイプから始まった電子マネーですが、今の主流はスマートフォンやタブレット、ウェアラブル端末を用いたより利便性の高い決済へと移行しつつあります。

Apple PayとGoogle Payの仕組み

Apple社の提供するApple Payは、同社製品を用いて利用できるサービスです。iPhoneやApple Watchなどが該当します。対して、Google社の提供するサービスがGoogle Pay。Android端末を用いて利用します。

これらの方法では利用者は、アプリにクレジットカードを登録しておくことで、スマートフォンなど端末を読み取り機にかざすだけで決済を完了させることができます。お財布からカードを取り出す手間や、サインや暗証番号の入力といった手間も必要なし。圧倒的にスピーディーな決済が可能となります。

規格はiDとQUICPayの2種類

Apple Pay や Google Pay による決済(ポストペイ)には、NTTドコモの運営するiD、またはJCBの運営する QUICPay(QUICPay+)のいずれかの規格が用いられます。どちらの規格が用いられているかは、アプリ内の登録カード面に表示されている「iD」もしくは「QUICPay」のマークを確認すると分かります。それぞれの規格がお店で使えるなら、「iDで」もしくは「QUICPayで」と言われたら、端末を読み取り機にかざしてもらい決済してもらうようにしましょう。

まとめ

  • 電子マネーの発行主体は交通系と流通系の大きく2種類
  • 支払いタイミングでプリペイド型、デビット型、ポストペイ型に分けられる
  • スマホなどによる電子マネー決済が主流に

今や私たちの生活に深く浸透している電子マネー。その利便性などから、導入店舗は右肩上がりです。利用者の利便性を考えたとき、お店を運営する側としても導入について検討に値すると言えるかもしれませんね。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

この記事を書いた人

佐藤 名ゝ美(さとう ななみ)ファイナンシャルコーチ

一度きりの人生を豊かに送るために、お金と仲良く付き合う方法を発信。家計管理・マイホーム取得・保障設計・資産形成・金銭教育・終活…など、様々なテーマで個別相談やセミナー、執筆に携わる。2001年より、熊本日日新聞社発行の生活情報紙すぱいす(週刊)にて、マネー情報の連載を担当。現在、『ななみ先生の家計相談Q&A』『ちゃっかり!家計学』を連載中。

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