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危機対応融資とは?利用できる制度の条件や申請の流れなど注意点を解説

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

危機対応融資とは、政府系金融機関の商工組合中央金庫(以下、商工中金)が行う融資制度です。新型コロナウイルス感染症による影響を受け業況が悪化した事業者に対し、危機対応融資による資金繰り支援を行っています。どのような融資制度なのか見ていきましょう。

この記事の目次

危機対応融資の融資限度額など制度の概要

危機対応融資(中小企業・小規模事業者向け)は運転資金と設備資金どちらでも利用でき、融資限度額は6億円です。返済期間は運転資金で15年以内(うち据置期間5年以内)、設備資金は20年以内(同5年以内)です。金利は当初3年間年率1.11%(令和3年1月4日時点)ですが、金利が0.9%引き下げられており0.21%、担保は不要となっています。

危機対応融資(中堅・大企業向け)は運転資金と設備資金どちらでも利用でき、融資限度額は定められておりません。商工中金での個別審査になります。返済期間は運転資金で15年以内(うち据置期間5年以内)、設備資金は20年以内(同5年以内)です。金利は商工中金所定の利率となります。中堅企業向けに独自の利子補給制度があり、当初3年間は0.5%の利子補給があります。

特別利子補給制度

危機対応融資(中小企業・小規模事業者向け)には次のような売上高減少の要件を満たせた場合には、3年間金利の減免が受けられる特別利子補給制度という特別措置があります。別途申請することにより、金利支払い分(0.21%:令和3年1月4日時点)のキャッシュバックが受けられ、実質無金利となります。

特別利子補給制度の対象者

  • 個人事業主(事業性のあるフリーランス含む):売上高要件はありません。
  • 法人の小規模事業者:貸付の申込を行った際の最近1か月、その翌月若しくはその翌々月の売上高、最近1か月から遡った6か月間の平均売上高または最近2週間等の売上高が、前年、前々年または3年前の同期と比較して15%以上減少している方

危機対応融資が利用できる人

危機対応融資を利用するには中小企業か小規模事業者の他、中堅企業や大企業も対象となります。中堅企業とは、法令で定める中小企業者以外で資本金10億円未満の法人です。大企業とは、法令で定める中小企業者以外で資本金10億円以上の法人です。

中小企業・小規模事業者向け

中小企業と小規模事業者の場合は、次の要件を満たす必要があります。
新型コロナウイルス感染症の影響を受けて一時的な業況悪化を来たし、次の①または②のいずれかに該当し、かつ、中長期的に業況が回復し発展することが見込まれる方

  1. ① 最近1ヵ月間等(注)の売上高又は過去6ヵ月(最近1ヵ月を含む。)の平均売上高が前3年のいずれかの年の同期と比較して5%以上減少した方
  2. ② 業歴3ヵ月以上1年1ヵ月未満の場合、店舗増加や合併など、売上増加に直結する設備や雇用等の拡大している企業(ベンチャー・スタートアップ企業を含む。)など、前3年同期と単純に比較できない場合等は、最近1ヵ月間等(注)の売上高又は過去6ヵ月(最近1ヵ月を含む。)の平均売上高(業歴6ヵ月未満の場合は、開業から最近1ヵ月までの平均売上高)が、次のいずれかと比較して5%以上減少している方
  • 過去3ヵ月(最近1ヵ月を含む。)の平均売上高
  • 令和元年12月の売上高
  • 令和元年10月~12月の平均売上高

(注)最近1ヵ月間の売上高のほか、最近14日間以上1ヵ月間未満の任意の期間における売上高

中堅・大企業向け

中堅企業の場合は、次の新型コロナウイルス感染症の影響により最近1ヵ月等(注)の売上高又は過去6ヵ月(最近1ヵ月を含む)の平均売上高が、前3年のいずれかの年の同期比5%以上減少している方
(注)最近1ヵ月間の売上高のほか、最近14日間以上1ヵ月間未満の任意の期間における売上高

危機対応融資の申し込み先

危機対応融資を活用したい場合は、事業を行っている地域の商工中金本支店に申し込みます。商工中金は全国各都道府県に本支店・営業所があります。

<必要書類>

危機対応融資では次の書類が必要です。

  • 借入申込書
  • 直近3期分の決算書または確定申告書
  • 決算後6ヶ月以上経過の場合は直近の残高試算表
  • 商業登記簿謄本(履歴事項全部証明書)
  • 事業の概要がわかる資料(会社案内、許認可、代表者の略歴、資産・負債状況など)
  • 本人確認書類

危機対応融資の申請期限と流れ

申請期限

危機対応融資の申請期限は明確に期限が決まっていませんが、2021年6月で終了するという情報があります。危機対応融資を受けたい場合は早めに申請しましょう。

申請の流れ

  1. 事業を行っている地域の商工中金本支店へ相談
    事業所所在地の商工中金本支店に相談します。融資制度の概要や資金使途、進め方、必要書類などの説明を受けます。
  2. 必要書類の準備
    必要書類を準備します。揃ったら商工中金の担当者に渡します。
  3. 審査
    商工中金による審査があります。希望融資額が減額されたり、融資が受けられない場合があります。
  4. 融資決定
    審査を通過すれば融資決定です。
  5. 融資実行に向けた必要書類の準備・提出
    商工中金から融資実行に必要書類が届きますので準備し、提出します。
  6. 融資実行
    通帳や契約書などの準備が整えば融資実行になります。

危機対応融資の利用に関する注意点

組合への加盟

商工中金は、政府系金融機関ではありますが、株主の多くは中小企業の組合です。融資は組合とその組合員の中小企業に行います。組合に加入していないと融資をしてもらえません。ただし融資実行までに組合に加盟すればいいので、危機対応融資を申し込み、審査がおり融資が決定したあたりで、組合加盟を進めましょう。

小規模事業者への対応

商工中金は中小企業や小規模事業者も融資対象になっております。ただし実際のところは中小企業の中でも比較的大きな企業を対象に融資しております。規模感としては売上で5億円以上で、経理・財務の専門部署があり、経理書類も揃っており商工中金担当者の要求にすぐに対応できる財務担当者がいるくらいのイメージです。資料の内容や求めてくる精度も高いため担当者との対応に苦慮することが多く、融資までに時間がかかることを理解の上付き合うことをご検討ください。

まとめ

  • 商工中金の危機対応融資は、中小企業や小規模事業者、中堅・大企業までさまざまな規模の企業が受けられる
  • 中小企業や小規模事業者向けの場合、無担保で最高6億円までの融資が受けられる
  • 中小企業や小規模事業者向けの場合、基準金利が引き下げられているが、さらに特別利子補給制度を活用することで、3年間実質無金利とすることができる
  • 全国の商工中金本支店・営業所で対応してもらえる
  • 商工中金から融資を受ける場合は、中小企業組合に加盟する必要がある

商工中金の危機対応融資は、中小企業や小規模事業者、中堅・大企業までさまざまな規模の企業が受けられる融資制度です。中小企業や小規模事業者向けの場合、無担保で最高6億円までの融資が受けられ、さらに特別利子補給制度を活用することで、3年間実質無金利とすることができます。検討される方は地元の商工中金に相談されてみてはいかがでしょうか。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/