集客につながるWebサイト改善方法と考え方
Webサイトへの集客を改善したいと考えているものの、日々の業務に追われて手が回らなかったり、改善のための方法がわからなかったりといったことにお困りではありませんか?
Webサイトの改善は、運営する目的などを明確に設定することで効果的に進めていくことができます。
この記事では、Webサイトを改善するために知っておきたい基本的な考え方と具体的な方法を3stepに分けてご紹介していきます。
1. Webサイトの改善に入る前に確認すること
どんなWebサイトをつくる上でも、自社のWebサイトに来てほしいユーザーのイメージやWebサイト運営自体の目的を定めることが重要です。自社の商品やサービスを最も届けたい人はどんな人で、どんな行動をしてもらうことがゴールでしょうか?
Webサイトからの予約数や実店舗への来店数などを増やすためには、こうした内容を明確に定めておく必要があります。自社のWebサイトについてまずは次の項目を確認し、改善のための準備を行いましょう。
Webサイトの目的・ターゲットユーザーの設定
- Webサイトの目的
- 「なんとなく」「とりあえず」Webサイトを作ったままにしていませんか?
Webサイトの目的が定まっていなければ、適切なページや情報、デザインを作成することはできません。例えば「実店舗への来店」が最大の目的の場合、商品をPRすることはもちろん、最新の営業日時やアクセス方法といった情報が必要不可欠です。
一方、「Webサイト上で商品を購入してもらいたい」「問い合わせフォームから連絡先を入力してもらいたい」などの目的であれば、購入や問い合わせまでの導線や方法がわかりやすくなっているかが最も重要です。
自社のWebサイトの目的と、現在のWebサイトの構造や内容がズレていないかを確認しましょう。 - ユーザーにしてもらいたい行動
- Webサイトの目的が決まれば、自ずとユーザーにしてもらいたい行動が見えてきます。
「実店舗への来店」を目的とした場合、来店に必要な営業日時やアクセスといった情報掲載ページを閲覧してもらうこと、また事前予約などを受け付けている場合は必要情報を予約フォームに入力してもらうことが目標として設定できそうです。
ゴールが設定できると、ページのわかりやすさやフォーム入力のしやすさなどを工夫する、といった具体的な改善内容と紐づけていくことができます。 - ターゲットユーザーのイメージ
- 自社の商品やサービスを最も届けたいユーザーはどんな人でしょうか?
漠然としたユーザー像ではなく、具体的な年齢や性別、職業、居住地域、趣味関心などの属性を設定すると、現在のWebサイトがターゲットに伝わりやすく作られているか否かを判断しやすくなります。
例えば、年齢の高いユーザーであれば文字の大きさを工夫する、遠隔地に住むユーザーであれば最寄り駅だけでなく主要ターミナル駅を地図に載せるなどの工夫が考えられます。
Webサイト掲載情報の確認
次に、現在のWebサイトに適切な情報が載っているかどうかを確認しましょう。
- 基本的な情報が載っているか
- どんなWebサイトにおいても、基本的な情報がなければユーザーは不安やストレスを感じ、ページを離脱してしまいます。
店名、取り扱っている商材やサービス、営業日時、アクセス情報等などが欠けていないか確認しましょう。 - 最新かつ正しい情報が載っているか
- 数年前の情報や今は取り扱っていない商材・サービスが載っていないかを確認しましょう。古い情報や誤った情報を掲載したままにすると、ユーザーに直接的な損害を与えるだけでなく、Googleなどの検索エンジンの掲載順位が下がることにもつながります。
- ターゲットユーザーのニーズを満たす情報があるか
- これまでに設定したWebサイトの目的やターゲットユーザーの属性を踏まえ、自社のWebサイトにはどんなニーズがあるかを考えます。想定したニーズに応えられている場合でも、ターゲットユーザーがより行動しやすくなるためにはどうすればよいかを考えてみましょう。
Webサイトのデザインの確認
掲載情報が正しく最新になっていても、使いやすく見やすいデザインでなければ行動しようとしているユーザーのモチベーションを下げてしまいかねません。次の項目について、パソコンやスマートフォン、タブレットからどう見えるかをそれぞれ確認しましょう。
- 読みやすい文字、色、情報量になっているか
- 情報の読みやすさを妨げるデザインの要素を無くしましょう。例えば、文字の大小やフォント、太さのほか、背景が文字色と似たような色、あるいはコントラストが強く疲れてしまうような色になっていないか等は「読みやすさ」に影響します。また、Webサイトを表示した際に画面のほとんどが文字で埋まってしまう等も適切な情報量とは言えません。写真やイラスト、図などを挿入することで余裕が生まれ、読みやすさにつながります。
- 適切な写真やイラスト、図などが挿入されているか
- 例えばレストランのWebサイトの場合、料理の写真がなければ来店に繋がらないことは想像に難くありません。写真やイラスト、図などは自社のサービスや商材、イメージ等を瞬間的・視覚的に伝える手段です。これらの要素を効果的に配置することを心がけましょう。
- ユーザーが行動しやすい導線になっているか
- Webサイトの導線が適切になっているかどうかは、ツリーマップやページの構成を書き出してみるとわかります。ツリーマップとは、各ページ同士がどこでつながっているのかを表した図です。一方、ページ構成とは線や枠でページに掲載するコンテンツの大きさや配置を表したもので、ページのデザインとも紐づいていきます。
現状のWebサイトを図に書き出して、購入ボタンや問い合わせフォームなど重要な要素が見つけづらいレイアウトや配置になっていないか、不足している要素がないか等を確認しましょう。
2. Webサイトの改善
自社Webサイトの目的とターゲットユーザーの設定、掲載情報やデザインの確認を行なったことで、自社のWebサイトの課題が見えてきたのではないでしょうか。
ここからは、Webサイトを改善するための具体的な方法を2つご紹介します。
競合他社のWebサイトと自社のWebサイトを比較する
自社とターゲットが似ていると思われる競合他社や検索上位、評判のよい競合他社はどのようなWebサイトを作成しているかを分析してみましょう。
自社のWebサイトと見比べるとどこがどのように異なるか、そのポイントはどのような影響を及ぼしているか等を考えましょう。Webサイトの構造やページ構成の観点で比較することも有効です。この方法は、自社の課題を見つける「1. Webサイトの改善に入る前に確認すること」の段階でも役立ちます。
ユーザーが検索したキーワードを分析する
ユーザーが自社のWebサイトを訪問する際に入力した検索キーワードは、ユーザーのニーズを知ることができる重要なデータです。
Googleが提供しているツール「Google Search Console(サーチコンソール)」では、この検索キーワードを無料で閲覧・分析することができます。ここからは、サーチコンソールで閲覧できる指標の見方と改善すべきポイントをご紹介します。
ユーザーが検索したキーワード(別名:検索クエリ)は、ニーズによって「Doクエリ」「Goクエリ」「Knowクエリ」の3つに分かれます。
ユーザーが購入や問い合わせなどの成果(以下、CVという)につながる行動をする可能性が高いのは「Doクエリ」と「Goクエリ」です。まずはこれらの検索キーワードの対策を優先し、改善にかけられる時間や必要に応じて「Knowクエリ」にも取り組んでいきましょう。
Doクエリ、Goクエリの対策方法
「Doクエリ」はユーザーのポジティブな行動意欲を表す検索キーワードです。「カフェ おしゃれ」「美容院 予約」「ジム 新宿」など、サービスや商品を購入する上で具体的な候補を見つけたい、比較したいといったニーズが含まれています。
Doクエリを検索するユーザーは行動をするモチベーションが高く、CVにも結びつきやすいと言われています。Doクエリが多い場合は、Webサイトを訪問したユーザーが迷わないように購入や問い合わせ、アクセスマップ等への導線がわかりやすくなっているかを確認しましょう。
Goクエリは、検索対象や目的が明確な検索キーワードで、別名「指名検索」とも呼ばれます。
「社名 問い合わせ」「店舗名 ホームページ」「サービス名 ログイン」など、決まった対象にたどり着きたい、目的を満たしたいという明確な意図のもと検索されます。
Doクエリと同様、ユーザーがWebサイト内で迷わないよう、購入や問い合わせ、アクセスマップ等への導線を明確にしましょう。
Knowクエリの対策方法
Knowクエリは情報収集系の検索キーワードです。
「コーヒー豆 種類」「ブリーチとは」「有酸素運動 効果」など、知らないものごとの意味ややり方を調べる検索キーワードが当てはまります。
そのページで情報収集できればページを離脱することもあるため、直接CVには結びつきにくいと言えます。DoクエリやGoクエリの対策よりも優先度は低いですが、対策することで潜在的なユーザーを獲得できる可能性が高まります。
そのキーワードでユーザーが何を求めているのか分析し、ユーザーが求めている情報を提示しましょう。
3. Webサイト改善後の結果をチェックする
前項の「Webサイト改善」では、競合他社のWebサイトの参照と検索キーワード分析の2つをご紹介しました。Webサイトの改善をより効果的に行うには、Webサイトを改善した後も結果をチェックするのがおすすめです。
Googleの無料ツールである「Google Search Console」や「Google Analytics(アナリティクス)」では、自社のWebサイトに、ユーザーがどんな検索キーワードで訪問しているか、どれくらいのユーザーが訪れているかなど、Webサイトを改善したことが集客や売上などの指標にどんな影響を与えているかを調べることができます。
Webサイトへの集客は一朝一夕とはいかないものの、改善を繰り返せば少しずつ指標に効果が表れます。
まずはかんたんなデータや指標をチェックするところからスタートして、改善点を洗い出す習慣を徐々に作っていきましょう。
Google Search Consoleでわかること
Google Search Consoleでは、ユーザーがWebページにたどり着くまでのデータを確認することができます。注目すべき指標は以下の2つです。
- 検索クエリ
- 自社のWebサイトを訪問する際にユーザーが入力したキーワードです。
ここからWebサイトに求められているニーズの内容やサイトに掲載している情報とニーズがマッチしているかどうかを確認できます。 - 掲載順位
- Googleのキーワード検索で特定の検索クエリを入力した時、自社のWebサイトが検索結果に表示される順位です。
掲載順位が高いほどユーザーのニーズが大きいクエリであると言えるため、Webサイト改善の方針を決める判断材料となります。
Google Analyticsでわかること
Google Analyticsでは、ユーザーがWebページを訪問した後、CVに至るまでの行動やユーザーの属性データなどを確認することができます。まずは次の基本的な指標を確認しましょう。
- セッション数
- セッション数とは、ユーザーがWebサイトを訪れた回数を意味します。Webサイト内のページを複数閲覧した場合、「ページビュー(ページ閲覧)数」は2回、3回とカウントされますが、セッション数は1として計上されます。
セッション数をより効果的に伸ばすには、検索結果の上部にユーザーの検索クエリと関連したWebサイトを表示させる「リスティング広告」が有効です。 - CVR(コンバージョンレート)
- Webサイトのセッション数に占めるCV数の割合を意味します。
CVRが高ければユーザーのニーズを満たすことができていると言えます。セッション数が増えればCVRの母数が高まり、CV数が増える可能性が高まります。 - 滞在時間
- ユーザーがWebサイトを訪問してから離脱するまでの時間を指します。ユーザーが求めている情報を掲載できていれば滞在時間は長くなるケースもある一方、知りたい情報にたどり着けず長時間閲覧している場合も考えられるため、CVRなど他の指標とあわせて分析する必要があります。
- 直帰率
- 直帰とは、ユーザーがある1ページのみを閲覧してWebサイトを離脱することを指します。
該当ページで直帰した数を同ページのセッション数で割った値が直帰率です。
直帰率が高い場合、Webサイトや該当ページにユーザーの求める情報が少ない、デザインがわかりづらいといった問題が考えられます。一方、ニーズを満たすことができて直帰するケースも考えられるため、ページの掲載情報や他の指標とあわせて良し悪しを判断しましょう。 - サイト内回遊率
- ページビュー数をセッション数で割った値が回遊率です。ユーザーがWebサイトを訪問(セッション)してから、複数のページを閲覧(ページビュー)した場合、回遊率は向上します。回遊率が高ければページに対するユーザーの興味関心の度合いが高い傾向にあります。一方、知りたい情報にたどり着けず複数のページを閲覧している場合も考えられるため、総合的に分析する必要があります。
小さな改善の積み重ねがWebサイトへの集客強化につながる
Webサイト改善の効果は、小さな取り組みを日々積み重ねることで徐々に表れていきます。
ユーザーにとって使いやすく魅力的なWebサイトにアップデートされることで指標が改善し、Webサイトの集客や購入・問い合わせなどに結びついていきます。まずは自社のWebサイトの目的やターゲットユーザーを振り返り、課題点や改善の方向性を決めるところから始めてみましょう。
また、集客を強化する上では、ユーザーのWebサイト訪問数向上が期待できるリスティング広告を併用するのも効果的です。訪問者数を増やしながら改善のサイクルをまわすことで、より効率的な集客が期待できます。
Webサイトは自社の商品やサービスの魅力をユーザーに伝える大切なメディアです。常に正しくわかりやすい情報が届けられているかを確認するとともに、分析ツール等を使ってターゲットのニーズをチェックし、より魅力的なWebサイトづくりを心がけましょう。
※この記事は2023年6月時点での情報です。