やりとりも作成もラクになるシフト管理サービス

お問い合わせ0120-759-225(平日10:00〜19:00)お問い合わせフォームヘルプページ

担当者から説明を受ける方

勤怠管理とは?守るべき注意点や管理方法&勤怠管理システムの選び方を解説

これから初めてパート・アルバイトを雇う、または雇用経験が少ない事業主の方に押さえていただきたいのが、「勤怠管理」です。雇用主は、スタッフに対して法律に反した働き方をさせていないかを管理する義務があります。
この記事では店舗経営を前提に、勤怠管理の基本と守るべき注意点を解説。システムを活用した正確かつ効率的な勤怠管理方法についてもご紹介します。

この記事では主に時間の管理に言及しています。実際の勤怠管理では休日の管理なども発生するため、法令をご確認の上ご対応ください。

勤怠管理とは

勤怠管理における雇用主の義務

勤怠管理とは、スタッフが「いつ」「どのくらい」働いたのかを把握するもので、法律によって雇用主に義務付けられている行為です。

時給で働くパート・アルバイトの給与や、社員の残業代などを正確に算出するためにも必要ですが、勤怠管理が求められているのはそれだけが理由ではありません。雇用主は、スタッフが心身を害することなく健康に働き続けるための安全配慮義務を負っています。

スタッフの健康状態を測るためには、スタッフ一人ひとりの正確な労働時間を把握することが欠かせません。なぜなら、労働時間が一定の基準を超えると心身の健康を害するリスクが高くなるからです。

そのため、雇用主は労働時間を把握するとともに、「労働時間が基準を超えないように配慮する」、「残業(特に深夜残業)が多い時はシフトを調整する」、といった打ち手を講じる必要もあります。

勤怠管理で管理するべき時間

日々の勤怠において管理するべき時間は、「労働時間」と「休憩時間」「残業時間(および深夜残業時間)」です。

始業時刻と終業時刻、休憩開始時刻と休憩終了時刻の4つを記録することで、1日の労働時間と休憩時間が算出でき、残業時間(および深夜残業時間)も割り出すことが可能になります。

勤怠管理をするべき対象者

勤怠管理は、原則的に雇用しているすべてのスタッフが対象です。企業規模や、スタッフの雇用形態、役職は関係ありません。

勤怠管理が不要なスタッフはいない

よくある誤解は、「管理監督者に対しては勤怠管理の必要がないのでは?」ということです。

管理監督者とは経営者と同等の地位や権限があるスタッフのこと。労働基準法で定められた労働時間や休憩・休日の制限を受けることはありませんが、スタッフの一人であることには変わりありません。雇用主には、管理監督者に対しても健康を害するような働き方になっていないかを配慮する義務があります。

なお、管理監督者は労働時間の制約を受けないため、残業時間という概念はありませんが、深夜労働については1.25倍の割増賃金が発生します。正しい給与計算のためにも、管理監督者に対しても勤怠管理は必要と言えます。

勤怠管理で確認する項目と注意点

勤怠管理で確認する項目とチェック観点

勤怠管理は、上述したように日々の「始業時刻」「終業時刻」「休憩開始時刻」「休憩終了時刻」の履歴を取りながら、下記のような項目をチェックする必要があります。

労働時間

一つ目は労働時間です。過剰な時間外労働や深夜労働が発生していないかを確認しましょう。

チェック観点
  • 1日の総労働時間が8時間以内に収まっているか。超過している場合はどれくらいか
  • 22時~翌5時の深夜労働時間がどれくらい発生しているか
  • 週の総労働時間が40時間以内に収まっているか。超過している場合はどれくらいか

休日取得

二つ目は休日取得です。休日日数や取得タイミングが適切かを確認しましょう。

チェック観点
  • 日~土曜日の1週間を通して1日以上休んでいるか
  • 有給休暇日数は取得義務である年5日以上の取得ができているか

勤怠管理の注意点<よくある間違い・勘違い

労働時間は1分単位でつける

「5分単位」や「15分単位」で申告し、端数は切り捨てるといった運用は、労働基準法が雇用主に定めている「労働の対価として賃金を全額支払う」という責務に反する行為とみなされます。

実際に、切り捨て分が未払い賃金として認められた判例もあるため、勤怠上も1分単位で管理しましょう。
※ただし、1カ月における時間外、休日、深夜のそれぞれの時間数の合計について1時間未満の端数がある場合に、30分未満の端数を切り捨て、30分以上を1時間に切り上げる処理だけは例外的に認められます。

休憩時間は始業直後・終業直前に取得できない

店舗では、ピークタイムを避けて交代で休憩を取っている場合が多いため、「その日たまたま忙しくて休憩が取れず、ラスト1時間を休憩扱いにして退勤した(勤怠上は17時~18時休憩で18時終業)」といった処理をしようとするケースが散見されます。

しかし、これは実質的に労働時間を短縮する行為で、雇用主は休憩を与えたことになりません。労働基準法で、雇用主は労働時間が6時間を超える場合は所定の時間以上の休憩を与えることが義務付けられているため、注意が必要です。

週40時間を超えた分にも残業代は発生する

例えば1日7時間×週6日働いた場合。1日ごとの労働時間は8時間以内のため、超過勤務は発生しないと捉えているオーナーや店長は意外と多いのではないでしょうか。

しかし、週の労働時間は40時間と定められているため、この場合は7時間×6日=42時間となり、超過2時間分は1.25倍の割増賃金を支払う必要があります。

原則7連勤以上させることはできない

固定の休業日を定めていない店舗の場合、必然的にスタッフは交代で休日を取得することになります。そうした店舗でシフトを作成する際に、他の都合を加味した結果、7連勤、10連勤……といった働き方になっていないでしょうか。

雇用主は原則的に週1日以上の休暇を与える必要があります。もしある週の日曜から土曜までを連続で働かせた場合は、本来休日になるべき1日を出勤させたことになり、休日出勤の割増賃金(1.35倍)が発生します。また、単に割増賃金を支払えば休日労働させてよいというわけではなく、その前提として労使協定(36協定)をスタッフと締結して、労働基準監督署に事前に届け出ておく必要があります。

給与計算を社会保険労務士に委託すると、勤怠の不備を防ぎやすい

勤怠管理を適正に行う上で実質的に力になってくれる存在が、社会保険労務士(社労士)です。

社労士は勤怠管理業務を行ってくれる役割ではありませんが、給与計算などの勤怠情報をもとにした業務を担える存在。彼らが正しく業務を遂行するには、正しい勤怠管理が必要になるため、管理上の不備がある場合は社労士から指摘が入ることもあるでしょう。

雇用主の主観だけでなく客観的な視点でチェックされるため、労使関連のトラブルを防ぐ意味でも給与計算を社労士に委託するのは有効な手段の一つです。

勤怠管理を行う方法3選

紙の出勤簿で管理する

すぐに始められるのは、紙の帳簿に記録をつける方法です。

職場の出入口などに出勤簿を用意しておき、スタッフが出勤・退勤・休憩時に時刻を記入するだけのシンプルな方法です。準備するものは紙と筆記用具だけなので手軽に始められます。一方、本人の記入ミスや第三者による改ざんが容易である点は注意が必要です。

厚生労働省は、タイムカード、ICカード、パソコンの使用時間の記録などの“客観的な記録”を勤怠管理に用いることを推奨しています(※1)。また、アナログな管理方法ゆえに集計作業にはそれなりの時間がかかります。

参考:厚生労働省「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」

タイムカード&表計算ソフトで管理する

飲食店などの店舗経営で主流なのは、タイムカードをタイムレコーダーに差し込んで時刻を印字する方法です。例えば、スタッフが打刻した1カ月分の勤怠状況を1枚のタイムカードに溜めておき、月初に表計算ソフトで前月分を集計します。

集計作業を表計算ソフトで行うため手集計よりは効率的です。しかし、それでもタイムカードの記録を表計算ソフトに転記していく作業があるため、転記ミスをゼロにすることは難しいでしょう。

また、タイムリーな勤怠状況のチェックがしづらく、月の途中で過重労働になっていないかをチェックして月の後半のシフトを調整したい場合などは、都度集計が必要になります。

勤怠管理システムで管理する

近年普及してきたのは、勤怠管理システムを使う方法です。スタッフがタイムカードなどで打刻した情報が、システム上に自動で反映されていく仕組みです。

IDカードによる職場の入退室記録と連動しているものなど、打刻漏れを防ぐ工夫を凝らしたシステムも登場しています。

勤怠管理システムのメリットは、情報が随時システムに反映されるため、集計作業が不要ですぐに勤怠状況を把握できること。例えば飲食店であれば、月の前半で超過勤務が続いた人は、後半でバランスが取れるようにシフトを配慮するといった手が打ちやすくなります。

また、集計の手間がかからないため、蓄積されたデータは給与計算などの他業務にすみやかに引き渡すことが可能です。

勤怠管理システムは、月々の利用料金としてランニングコストがかかりますが、多くは1スタッフにつき月数百円程度のクラウドサービスです。
ここまでご紹介した3つの勤怠管理方法のうち、正確かつ効率的なのはシステムを活用する方法です。次の章では、勤怠管理システムを導入する際の検討ポイントを解説します。

勤怠管理システムを選ぶ際のポイント

スタッフの打刻漏れ・打刻ミスが起きづらいか

スタッフが使いやすく、管理監督者側も日々の運用がしやすいことは、システム選定において大きなポイントです。打刻までに何度も手順が必要なシステムだと、それなりに教育の手間もかかりますので、スタッフのITリテラシーも踏まえて選定しましょう。

また、勤怠管理で手間がかかることの一つは、打刻漏れ(打刻忘れ)や打刻ミスが起きた場合の修正対応です。ミスが起きにくいか、修正の手順がわかりやすいかもチェックポイントです。

他の業務システムとの連動性があるか

勤怠情報は他の労務業務にも活用されるデータです。そのため、給与計算ソフトとデータ連携できると便利です。
すでに給与計算ソフトを活用している場合は、連携できるかを確認してみましょう。ブランドと開発会社が異なるシステム同士でも連携できる場合があります。もし給与計算ソフトもあわせて導入する場合は、同じブランド・開発会社であればデータ連携を前提に開発されていることが多いので、相性がよいでしょう。

費用対効果が見合うか

勤怠管理システムの多くはクラウドサービスであり、利用料はシステムにより異なります。

1スタッフあたり月数百円程度のサービスで、スタッフ数(アカウント数)に応じたコストが発生する仕組みが一般的です。例えばスタッフ10名前後の飲食店なら、月々の利用料は数千円程度となる場合が多いでしょう。

コストが見合うかを考える際は、勤怠管理をアナログな方法で実施した場合に発生する工数との兼ね合いで検討しましょう。店長やオーナーなど勤怠管理を行う人の手間をどれくらい減らしてくれるかが判断のポイントです。

データ分析に活用できるか

勤務時間などの勤怠情報は、店舗のオペレーションや人員配置を検討するときにも活用できるデータです。そのため、勤怠管理をするためだけでなく集めた情報を二次利用できると便利です。

例えばデータを表計算ソフトに取り込めるcsv形式などでダウンロードできる機能があれば、経営状況の分析に活かすことができます。分析に慣れていない方でも、簡単な操作でグラフや表にしてくれるといったデータ分析機能を有する勤怠管理システムもあります。選ぶ際の参考にしましょう。

法改正に則ったアップデートがあるか

近年、国をあげての働き方改革への取り組みが進んでおり、年5日以上の有給休暇取得義務化など、法改正がたびたび行われています。古い基準で管理を行っていると、気づかないまま法令違反ということにもなりかねません。

システムの提供元が法改正にあわせて定期的にアップデートやメンテナンスを行ってくれるクラウドサービスを選ぶことで、法令順守の一助となるでしょう。

最後に:店舗にとって勤怠管理が大切な理由

雇用主は正確な勤怠管理を行わないと、さまざまな観点で事業運営に支障をきたします。また、客観的方法による労働時間の把握が義務化されているため、違反が発覚した場合、罰則が科される可能性があります。働かせすぎなどによってスタッフの健康を害すると、休職・離職につながってしまうこともあるでしょう。

また、勤怠情報は給与計算のもととなるデータなので、管理がずさんだと、スタッフの認識と支払われる給与の間に差が生じる可能性が高まります。給与が正しく支払われないことはスタッフとの信頼関係を大きく損ねてしまいます。給与の間違いは一度起きてしまうと確認・修正などの対応に大きく時間を取られるため、正しい勤怠管理が必要です。

勤怠管理は人件費を正しく把握するための意味合いもあります。店舗経営における三大支出は、「原価」、「家賃」、「人件費」と言われており、人件費の管理があいまいだと、適切な予算管理ができず商品・サービスの適正な値付けもできません。自店舗の戦略・方針を考える上でも勤怠情報は大切な情報だと言えるでしょう。

監修者ひとことコメント

クレジットカードの導入時には、返品や取り消し処理についてもしっかり確認してください。購入日と返品日のタイミング次第では、返品処理が翌月になり、お客様側で一度口座引落としが発生してしまう可能性もあります。また現金での返金処理は、カード会社の規約違反になる可能性もありますので、急を要する場合でもしっかり所定の処理を行いましょう。

監修者プロフィール

  • 渋田 貴正(しぶた たかまさ)

    税理士/社会保険労務士/司法書士
    社会保険労務士法人V-Spirits 社員社会保険労務士

    大学卒業後、大手食品メーカーや外資系専門商社に在職中に税理士、司法書士、社会保険労務士の資格を取得。2012年独立し、司法書士事務所開設。
    その後、税理士法人V-Spirits、社会保険労務士法人V-Spiritsの立ち上げに参画し、現在は経営者支援の最前線で業務にあたる。

    https://v-spirits-startup.com

本ページに記載されている情報は2023年11月時点のものです。