やりとりも作成もラクになるシフト管理サービス

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シフト管理システムとは。導入メリット・注意点から自店舗に合うシステムの選び方まで

飲食店やサービス業の現場では、「スタッフが増えて、シフト作成が煩雑になってきた」、「スタッフ一人ひとりの希望シフトを収集して反映させるのが大変」……。シフトに関する業務にストレスを感じている店長や店舗オーナーなどのシフト管理者は、意外と多いのではないでしょうか。そんな悩みを解決する手段の一つが、「シフト管理システム」と呼ばれるサービスです。この記事では、シフト管理システムが紙のシフト表や表計算ソフトで作成するシフト表と何が違うのか、主な機能や導入のメリット・注意点などをお伝えします。

シフト管理システムとは

シフト管理システムとは、シフト収集や作成、調整、共有を効率的に管理するシステムのことを指します。

一般的にはパソコンやタブレット、スマートフォンなどのデバイスで操作ができ、シフトデータはクラウド上で一元管理するため、どこからでもアクセスが可能。契約形態は、1スタッフにつき月数百円程度の利用料を支払うものが主流です。

機能はサービスによってやや異なります。主な機能には「スタッフに希望シフトを提出してもらう際」や「シフト作成時」の手間を解消してくれるもの、「シフトの変更が発生した際」のシフト表更新作業・スタッフ連絡を効率化しミスを低減してくれるものがあります。

シフト管理システムを導入するメリット

シフトに関するスタッフとのコミュニケーションが効率化できる

シフト管理者がスタッフの希望シフトを収集する場合、チャットアプリやメールなどで期日までの提出を依頼するのが一般的です。

しかし、こうしたコミュニケーション手段は情報を自由に記載できるため、人によって書き方がまちまちになりがちです。また、日付と曜日の組み合わせが違うなどの記載ミスがあれば、再ヒアリングが必要になることもあります。

このように、シフト管理者にとってスタッフごとの希望を集約するのは手間がかかり、心理的負荷も大きい作業の一つです。その結果、スタッフの希望をシフト表に転記する途中で内容を取り違えるようなミスも発生しやすくなります。

シフト管理システムでは、こうしたコミュニケーション上の課題が発生しないように、日付と時間の選択式、○×式などの統一されたフォーマットでシフトの希望を収集できます。スタッフが申請する内容を直接システムに反映し、シフト管理者が転記する必要がないよう設計されているものもあります。

アシスト機能により、ゼロからシフトを組む手間が省ける

シフト作成において頭を悩ますのは、幾通りもあるシフトのパターンからベストな組み合わせを見つけ出すことです。

例えば「売上予測(需要・忙しさ)にあわせて必要な人数が配置できているか」「スタッフ本人の希望ができるだけ叶っているか」「労務管理上のリスクがあるシフトになっていないか」といったいくつもの観点をふまえなければなりません。そのためゼロから人力でシフトを組もうとすると、時間がかかるだけでなく抜け漏れが発生するリスクも高くなってしまいます。

この問題解消のために、AIが条件を汲み取っておすすめのパターンを提案してくれるアシスト機能や、問題のあるシフトの組み合わせになっている場合のアラート機能を搭載しているシフト管理システムもあります。

こういった機能を利用することでシフト作成にかかる時間を効率化できれば、「スタッフ同士のスキルや性格に合わせて効果的な組み合わせができる」「育成観点を考慮する」といった人ならではの配慮もしやすくなり、理想のシフトに近づけていくことが期待できます。

シフトの共有・更新がカンタンにできる

スタッフに完成したシフト表を共有した後に、家庭や学業の事情などでシフト変更を相談されることや、体調不良などで前日・当日に欠員が生じることは珍しくありません。

紙や表計算ソフトで運用している場合は、そのたびにシフト表の更新を行ったうえでスタッフへの訂正連絡が必要になり、二重に手間がかかります。また、連絡漏れ、反映漏れなどによって人員不足に陥るようなリスクも高いです。

この点、シフト管理システムの場合は、変更の相談・連絡・更新作業をシステム上で行うため、シフト表の修正がカンタンでミスも少ないのが特徴です。

シフトの調整を行うだけで、自動でシフト表に反映されるため確認しやすく、更新・共有の手間が大きく減ります。

複数店舗のシフトが管理しやすい

紙や表計算ソフトでのシフト管理では、店舗ごとに独自の管理ルールが発生したり、店舗のシフト管理者しかデータのありかがわからないことがあったりと、店舗間での連携が取りづらくなってしまいます。

その点、シフト管理システムの場合は、同じ形式での運用が可能。クラウド上にデータがあるため、店舗間で共有がしやすく、他店舗からヘルプをお願いする場合などに連携を取りやすくなります。

他の業務との連携が取りやすい

シフト表の情報は、単に店舗のオペレーションだけでなく、給与計算や労務管理など他の業務にも必要です。

ただ、店舗の現場では当日病欠などの急な変更が発生した場合に、欠員を埋めることが最優先で、シフト表の修正はどうしても後回しになりがち。後で勤怠情報と突き合わせると数字が合わない要因になります。

シフト管理システムでは、スタッフの補充をシステム上で行い、自動反映される仕様になっているものも多く、反映漏れが起こりづらいのが利点。クラウド上に常に最新のデータがあるため、本社スタッフや社会保険労務士などの関係者にアクセス権限を付与しておけば、個別に共有する必要もなくなります。

シフト管理システムを導入するにあたっての注意点

費用がかかる

シフト管理システムを導入すれば、当然コストが発生します。やみくもに導入しても、かかる費用に見合ったメリットが得られなければ意味がありません。

ただし、上述の通りシフト管理システムの場合は、1スタッフあたり数百円の継続利用型の課金形態が主流で、買い切り型のシステムに比べて安価に導入できます。

現場でシフトのミスが発生すれば、少なからずオーナーや本社スタッフが穴埋めに時間を費やすことになります。そうした時間的コストを加味して検討することも大切です。その場合に起こりえる売上毀損と比較し、コストとメリットのバランスを踏まえて導入を検討すると良いでしょう。

旧来のやり方から移行することにある程度の労力がかかる

シフト管理システムの導入により、シフト担当者の仕事を変えるだけでなく、希望シフトの連絡手段などスタッフ全員の行動を変えることになります。人によっては「システム導入の意図が見えない」「操作方法がわからない」とネガティブな気持ちを抱くかもしれません。

ましてや飲食店などの接客業では、お客様へのサービス提供が業務の最優先であるため、シフト管理などの間接業務は後回しに考えがちで、せっかく導入してもいつまで経っても利用が進まないという結果になりかねません。

そのため、導入時は勉強会の実施やマニュアルをつくって配布するなどのサポートが必要です。みんなにシステムを触ってもらい、「使ってみたら意外と便利だった」「これなら操作も簡単だし私にも使えそう」と感じてもらうまでは、利用を促す働きかけが必要なことを想定しておきましょう。

運用に慣れるまでは一時的にミスが増えるリスクがある

使い慣れるまでは操作を失敗したり、エラーやミスに気づけないまま上手く連携が取れなかったりすることもあるでしょう。その瞬間だけを切り取れば、「かえってやり辛くなった」「ミスの影響範囲がよくわからないので、やっぱりこれまでの管理方法が安心」という気持ちになるのも人の心理です。

しかし、新しいことを始めれば多少の失敗はつきもの。失敗を怖がる現場の気持ちを和らげるために効果的なのは、システム上で修正や訂正をする方法を教えることです。間違えてもすぐにやり直せる方法をしっかりと伝え、システムに触れる人たちの不安を解消することも大切です。

自店舗に合うシフト管理システムの選び方

店舗のパソコンやタブレットでシステムを使えるか

店舗にシステム導入する際に意外と見落としがちなのが、パソコンやタブレット、通信回線などのスペックです。

店舗で利用されているデバイスやネット回線は、オフィスワークと比べると利用頻度が低いため、古い機種が現役で動いていることも多いです。何も確認せずに導入すると、システムの推奨環境から外れている場合があるため注意が必要です。

システムの推奨環境外の場合、正常に動作しなかったり、通信速度が遅く更新に時間がかかったりといった不具合が発生することも起こりかねません。

シフト管理システムを導入する際は、事前に店舗で利用しているパソコンやタブレットなどのデバイスを確認するとともに、そのシステムの推奨環境に照らし合わせて基準を満たしているかをチェックしましょう。

お店独自のルールや条件を反映したシフトをつくれるか

シフト作成のポイントは、業種や業態によって異なります。

例えば飲食店では「ホール」と「キッチン」でわけて最適な組み合わせをつくれる仕組みでなければ、ホールの人数は十分なのにキッチンの人手が足りないシフトが出来上がってしまいます。また、「社員は常に最低1人以上シフトに入れる」「○○ができるスタッフを遅番に必ず入れる」といった店舗ごとのルールもあるでしょう。

そうした業態・店舗の特性をシステムでカバーできるかは、大切なチェックポイントの一つです。まずは、自店舗でシフト作成時に重視している観点を洗い出し、それをシステムがどの程度カバーできるかを確認しましょう。

もちろん100%カバーできれば良いのですが、自店舗のために開発されたオーダーメイドのシステムでない限り現実的には難しいかもしれません。「○割以上カバーできれば、あとはシフト担当者が調整する」など合格基準を設けておくと良いでしょう。

システムによっては、特定の業種に特化して開発されたものもありますし、自店舗と同じか近い業種の店舗の導入事例もシステム選定の目安になります。

やり取りの仕組みをスタッフが使いこなせるか

シフト管理システムで店舗運営をより良くしていくためには、シフト管理者以上にスタッフの使いやすさを追求することが大切です。

判断基準の一つは、自店舗のスタッフにどんな属性の人が多いか。学生のアルバイトか、主婦層か、はたまたシニアが多いのかによって、システムの良し悪しやツールを使いこなす難易度も変わってきます。

例えばスタッフが若者中心の店舗では、現代の若者はチャットアプリを利用してやり取りすることに慣れていることから、メールアドレスを持っていないスタッフもいるでしょう。もしシステム利用にメールアドレスが必要であれば、利用登録する際に多少手こずるかもしれません。

また、ITが苦手なスタッフの多い店舗では、スマートフォンを持っていない割合も多いかもしれません。そもそもスタッフがつまずかないようなシステムを選定することに加えて、どうしてもつまずきそうなポイントを洗い出しておき、サポートの方法を事前に決めておくと導入がスムーズです。

監修者ひとことコメント

シフト作成に絶対の正解はなくお店それぞれの方針によって正解が異なるように、シフト管理システムにもどんなお店・人でも使える100点満点のものはありません。それぞれに長所・短所があります。だからこそ、まずは自分のお店に何が必要なのか、スタッフは何を求めているのかを洗い出し、整理し、判断の優先順位をつけておくことが大切です。
また、導入に手こずりそうな部分を自店舗でサポートできるかどうかもポイントです。例えば、「シニアスタッフがシステム操作に慣れないうちは誰かが横について一緒に操作する」など、あらかじめ対策を立てておくとスタッフの安心材料になり、スムーズな導入につながりやすいでしょう。

監修者プロフィール

  • 坂井 優介(さかい ゆうすけ)

    起業コンサルタント(R)/補助金コンサルタント(R)/経済産業省後援起業家支援Webサイト「ドリームゲート」アドバイザー
    経済産業省系補助金支援、厚生労働省系助成金支援、マーケティング業務、税務会計

    人事労務、中小企業のIT化、生産性向上支援の他、補助金や助成金などの資金調達を支援。2022年度の獲得補助金は2億円を超える。
    2022年1月~5月には事前確認予約のWebサイトを構築し、トラブルなしで全国屈指の事前確認件数を達成した。
    DX化を進める国の補助金「IT導入補助金」の支援機関としての登録、支援事業を担当しており、IT導入補助金の相談件数は年間40件ほど。多くの店舗や中小企業のDX化をサポートしている。

  • 渡邉 隼(わたなべ じゅん)

    起業コンサルタント(R)/補助金コンサルタント(R)

    イタリアン及びフレンチのレストラン業態、居酒屋、ファミリーレストランと多岐にわたる業態を店長として研鑽を積む。現場の切り盛りやDX化、本部とのやりとり、店舗運営全般を経験する。
    経営サイドを学ぶためにV-Spiritsに合流。会計業務を担当しつつ、飲食業専門の起業コンサルタントとして活躍中。

    https://v-spirits.com/

本ページに記載されている情報は2023年10月時点のものです。