
中小企業の経理担当者やフリーランスの方で、立替払いの請求書作成にお悩みの方はいませんか?インボイス制度への対応や正確な記載方法、消費税の取り扱いなど、立替払いの処理において不安要素は尽きないものです。本記事ではこのようなお悩みを解決するための、立替払い請求書の基本項目や注意点などを徹底解説します。
適切な知識を身につけることで、取引先や従業員との信頼関係を築きながら、経理業務が効率化できるようになります。この記事を読めば立替払いの請求書の作成方法を理解できるようになるので、ぜひ最後までご覧ください。
この記事でわかること
- 立替払いの請求書は、立替金支払依頼書と立替経費精算書の2種類がある
- 立替払いの請求書には、タイトルや発行日、発行者情報などを正しく記載する必要がある
- 立替払いの請求書は、社外と社内で作成する際の注意点が異なる
目次
請求書処理の基礎知識

まずは立替払いと立替金に関する基礎知識について紹介します。 請求書処理の基礎知識には、主に下記3つの内容があります。
- 立替払いとは?
- 立替金とは?
- 立替払いの具体例
それぞれを詳しく見ていきましょう。
立替払いとは?
立替払いとは、本来負担すべき者が異なる費用を、一時的に第三者が支払うことです。ビジネスシーンでは、取引先や所属企業が本来負担すべき費用を、取引相手方や担当者が一時的に支払うケースがよくあります。たとえば、お客様との会食費を営業担当者が立て替えたり、社員が業務用の文具を自分のお金で購入したりする状況です。
ビジネスシーンでは「従業員の経費精算」や「企業間の費用立替」といった場面で「立替」という言葉が使われますが、それぞれ意味合いが異なります。主な違いは下記のとおりです。
- 従業員の経費精算における立替払い:従業員が業務に必要な費用を一時的に自己負担し、後日会社に請求して精算する行為。
- 企業間の費用立替:取引先や関連会社が負担すべき費用を、一時的に自社が支払い、後日請求して回収する行為。
いずれの場合も、業務の円滑な進行や取引関係の維持のために行なわれます。
立替金とは?
立替金とは、会計上で使われる勘定科目の一つで、他者が負担すべき費用を一時的に立て替えて支払った場合に使用します。企業の貸借対照表では、立替金は「流動資産」として計上されます。これは、立て替えたお金はあくまで一時的なもので、後日回収する権利を持つ資産だからです。
立替金の基本的な仕訳方法は、立替払いをした時に「立替金/現金(または預金)」と記帳し、立て替えたお金を回収した時に「現金(または預金)/立替金」と記帳します。たとえば、取引先の配送料5,000円を立て替えた場合、「立替金 5,000円/現金 5,000円」と記帳します。
立替金を適切に管理するには、誰に対する立替金なのかを明確にしなければなりません。仕訳の際には「取引先立替金」などの補助科目を設けると便利です。また、長期間回収されない立替金は税務上「貸付金」とみなされるリスクがあるため、速やかな回収が重要です。
立替払いの具体例
立替払いは、日常の業務において下記のような場面で発生します。大きく分けると、取引先関連の立替と社内(従業員)関連の立替に分類できます。それぞれの代表的な例を見てみましょう。
| 取引先関連の立替の例 | 社内(従業員)関連の立替の例 |
|---|---|
| ・取引先訪問時の交通費 ・商談時の飲食代 ・取引先に代わって支払った配送料 ・取引先のために購入した物品代 | ・従業員の出張費用(交通費・宿泊費) ・業務用の備品や消耗品の購入費 ・セミナー参加費 |
具体例としては、複数の取引先との会食で幹事の会社が一旦全額を支払い、後日各社に分担額を請求するケースや、従業員が急な出張で自身のクレジットカードを使い後日会社に経費として請求するケースなどがあります。
立替払いにおける請求書の種類

ここでは立替払いに使用される、下記2種類の請求書を紹介します。
- 立替金支払依頼書
- 立替経費精算書
それぞれを詳しく見ていきましょう。
立替金支払依頼書
立替金支払依頼書(立替金請求書ともいう)は、企業が取引先や第三者のために一時的に立て替えた費用を回収するために発行する書類です。取引先へ訪問する際の交通費や、取引先のために購入した物品の代金を立て替えた場合などに使用します。
立替金支払依頼書に記載する、主な項目は下記のとおりです。
- 発行者情報・請求先情報(取引先の会社名、担当者名)
- 発行日
- 立替内容の明細(日付、品目、金額)
- 合計金額
- 支払期限
- 振込先情報
- 税率ごとに区分した消費税額
立替金支払依頼書は通常の売上請求書とは異なり、自社の収益ではなく、一時的に肩代わりした費用の回収を目的としています。そのため、書類のタイトルを「立替金請求書」や「立替金支払依頼書」と明記し、通常の請求書と区別しておくのが一般的です。
立替経費精算書
立替経費精算書は、従業員が業務上で立て替えた費用を会社に請求するための内部文書です。営業担当者が顧客訪問のための交通費を立て替えたり、業務に必要な備品を個人のクレジットカードで購入したりした場合などに使用します。
立替経費精算書に記載する、主な項目は下記のとおりです。
- 精算者(従業員)の情報
- 部署
- 精算日
- 経費の発生日
- 経費の種類
- 支出内容
- 金額
- 合計額
支出を証明する領収書やレシート、交通機関の利用明細などの証拠書類を添付することが一般的です。
インボイス制度の立替払いへの影響

次に、インボイス制度が立替払いの手続きにどのような影響を与えるかについて解説します。 経理担当者は、下記の2点について把握しておきましょう。
- インボイス制度対応に必要な立替金請求の書類
- インボイス制度における立替金請求の注意点
正しい経理処理ができないと、消費税の仕入税額控除が受けられず、企業にとって損失になってしまうこともあり得るため注意しましょう。
インボイス制度対応に必要な立替金請求の書類
インボイス制度の開始により、立替払いに関する書類の取り扱いにも注意が必要です。2023年10月からスタートしたこの制度では、消費税の仕入税額控除を受けるためには「適格請求書」(いわゆるインボイス)の保存が原則となります。
立替払いの場合、実際に費用を負担する事業者が税額控除を受けるためには、原則として下記の2つの書類をセットで保存する必要があります。
- 取引先が発行した「適格請求書」(コピー可)
- 立替払いをした事業者から交付される「立替金精算書」
このうち、1の「適格請求書」には、発行事業者の登録番号、取引年月日、税率ごとに区分した消費税額などが記載されている必要があります。その上で、2の「立替金精算書」を合わせて保存することで、立替払いにおいても正確な税務処理が可能になります。
インボイス制度における立替金請求の注意点
インボイス制度下での立替金請求の注意点は、正しい適格請求書でない場合、仕入額控除ができなくなることです。
請求書に必要な項目は前述しましたが、標準税率(10%)と軽減税率(8%)が混在する立替経費の場合、それぞれの税率ごとに金額と消費税額を区分して記載する必要があります。例えば食事会などでA社がB~D社など複数社の飲食代も立て替えた場合に、領収書の記載金額と各社の負担額が違うときは、各社の経費精算書に各社の負担額と併せてその税額、税率を明記する必要があります。領収書記載額と負担額が一致しないため、消費税・税率がいくらなのかを明らかにしなくてはならないからです。対象経費の分類例は、下記のとおりです。
<標準税率(10%)と軽減税率(8%)の分類例>
| 対象経費の例 | 適用税率 |
|---|---|
| 交通費、宿泊費、書籍代、一般消耗品 | 標準税率(10%) |
| 食料品、新聞定期購読料 | 軽減税率(8%) |
同様に、出張で発生した交通費(10%)と食料品の購入(8%)を立て替えた場合、税率別に分けて記載しなければならないため、把握しておきましょう。
立替払い請求書の書き方

立替払い請求書の正しい作成方法について紹介します。 立替払い請求書に必要なのは、主に次のような項目です。
- 請求書のタイトル(何の請求か)
- 請求書の発行日
- 発行者情報(自社の情報)
- 宛先(請求先の社名)
- 立て替えた内容(金額・品物・個数など)
- 請求金額
- 振込先口座
- 支払期日
それぞれを詳しく見ていきましょう。
請求書のタイトル(何の請求か)
立替払い請求書のタイトルは、文書の上部中央に「立替金請求書」または「立替金支払依頼書」と大きく記載しましょう。このタイトルにより、受け取った相手は一目で通常の売上請求書ではなく、立て替えた費用の請求書だと理解することができます。
必要に応じて、何の立替なのかをサブタイトルとして記載すると、よりわかりやすくなります。具体的には「〇〇プロジェクト関連経費立替金請求書」や「〇〇イベント立替経費請求書」などです。とくにいくつもの案件が同時進行している場合は、どの案件に関する立替なのかを明確にすると、相手側の処理がスムーズになります。
タイトルは他の文字より大きめのフォントサイズや太字にして目立たせ、請求書の性質が一目でわかるようにしましょう。社内で統一したテンプレートを作成しておくと、誰が作成しても一貫性のある請求書を発行することができます。
請求書の発行日
立替払い請求書には、発行日を明確に記載することが重要です。発行日は、通常、請求書の右上または左上など目立つ位置に「発行日:2025年3月15日」のように記入します。この日付は単なる形式ではなく、取引の時期を特定し、支払期限の起算点となる大切な情報です。
請求書の発行日は、できるだけ立替が発生した時点に近い日付にすることが一般的です。ただし、取引先の締め日や支払サイクルに合わせる場合もあるため、事前に確認しておくとよいでしょう。
発行者情報(自社の情報)
立替払い請求書には、発行者である自社の情報を正確かつ詳細に記載することが必須です。これらの情報は通常、請求書の上部(タイトルの右下など)に配置します。記載すべき主な情報には、会社名(正式名称)、住所、電話番号、メールアドレス、担当者名などがあげられます。宛先(請求先の社名)
立替払い請求書の宛先は、立替金を支払うべき相手の正確な情報を記載します。通常、請求書の左上に配置し、会社名には「株式会社〇〇 御中」、個人名には「〇〇様」という敬称を使用するのが一般的です。
必要に応じて、部署名や担当者名を「〇〇部 △△様」のように記載すると、より確実に担当者に届きます。なお、宛先を記載する際は、取引先の正式名称を使用し、略称や通称は避けましょう。
宛先情報が正確でないと、請求書が適切に処理されず、支払いの遅延や紛失につながる可能性があります。また取引先によっては、請求書の宛先について指定(例:「経理部宛」に限定するなど)があるケースも存在します。
立て替えた内容(金額・品物・個数など)
立替払い請求書の中心となるのが、立て替えた内容の明細です。これは通常、表形式で記載し、各項目の詳細を明確に示します。基本的な列構成として「日付」「内容」「数量」「単価」「税区分」「税抜金額」「消費税額」「税込金額」などを設けます。
内容は具体的な品目や立替の目的を省略せずに詳細に記入しましょう。単に「交通費」と記載するのではなく「〇〇商談時の交通費(新幹線東京から大阪往復)」のように、業務との関連性が明確になるような記載が最適です。
請求金額
立替払い請求書の請求金額は、通常、明細の下部に「小計・消費税額・合計金額」を記載します。合計金額は、改ざん防止のために「¥38,400-」や「金38,400円也」のような表記を用いることが一般的です。
税込・税抜の表記を明確にし、取引先に混乱が生じないようにしましょう。請求金額は計算ミスが起こりやすい箇所ですので、入力や計算を複数回確認し、誤りがないようにすることが重要です。
振込先口座
請求書の下部に「お振込先」などの見出しをつけて、銀行名、支店名、口座種類、口座番号、口座名義の順に記載します。口座情報に数字の間違いがあると支払いの遅延や誤送金につながるため、正確に記載しましょう。
口座名義は、法人口座の場合は通常カタカナ表記(例:カブシキガイシャ〇〇)を使用します。複数の取引先がある場合や、取引内容によって振込先が異なる場合は、どの口座に振り込むべきかをひと目でわかるように記載します。
また、口座情報が以前と変更になった場合は「口座変更のお知らせ」など目立つように記載しておきましょう。振込先口座情報は、立替金を確実に回収するための重要な情報のひとつです。
支払期日
支払期日は通常、請求書の下部や備考欄に「お支払い期限:2025年4月30日」や「上記金額を4月末日までにお振込みくださいますようお願い申し上げます」などの形で記載します。
支払期日を設定する際は、取引先の支払いサイクルを考慮するとよいでしょう。無理な期日を設定するより、取引先の経理処理のタイミングに合わせることで、スムーズな支払いが期待できます。ただし、立替金は本来自社の資金を一時的に支出したものであるため、できるだけ早期に回収することが望ましいでしょう。
立替払いの注意点

ここでは、立替払いを行なう際に注意すべき2つのポイントについて紹介します。
- 【社外】貸付金とみなされるリスクがある
- 【社内】給与とみなされることがある
社内向けと社外向けで対応が異なるため、混同しないように注意しましょう。
【社外】貸付金とみなされるリスクがある
立替払いは、本来相手が負担すべき費用を一時的に立て替えるものですが、回収が長期化すると税務上「貸付金」とみなされるリスクがあります。通常、立替金は短期間での回収が前提です。そのため、回収が遅れると、税務調査の際に「実質的な貸付ではないか」と指摘される可能性が高まります。
仮に貸付金と判断された場合、適正な利息が必要となることが考えられます。無利息での貸付とみなされると、本来受け取るべき利息に対して課税されることがあるため、注意しましょう。
このような事態を回避するには、請求書の発行と回収のタイミングを明確に管理し2〜3か月以内に回収することが望ましいでしょう。期限を過ぎた場合は、丁寧かつ迅速にフォローアップを行ない、早期回収に努めることが大切です。
【社内】給与とみなされることがある
会社が従業員の個人的な費用を立て替えた場合、その性質によっては税務上「給与」とみなされる可能性があります。従業員の私的な旅行費用やレジャー費用や家族の食事代などを会社が立て替え、その後も回収しない場合、これは実質的な給与や福利厚生と同等だと判断される可能性があるでしょう。
給与とみなされた場合、従業員側は源泉徴収や社会保険料の計算漏れが発生し、追徴課税や加算税などのペナルティが課されることが考えられます。
とくに注意が必要なのは、役員に対する立替払いです。役員の私的費用と会社の経費の区別が曖昧な場合は、税務調査で厳しくチェックされるケースがあります。このリスクを回避するためには、業務上の経費と私的な経費を明確に区別し、立替の対象となる経費の範囲を社内規定で明確にすることが重要です。
立替経費の申請時には、業務との関連性を示す資料を添付させ、適切な承認プロセスを経ることで、給与とみなされるリスクを軽減することができます。従業員の私的な費用については、立替払いではなく、給与前払いや貸付金として適切に処理する方法もあるため、明瞭な会計処理ができる方法を選択しましょう。
立替払い請求書作成における仕訳の実践ポイント

この章では、立替払い請求書作成時の適切な仕訳方法と実践ポイントについて2つの例を紹介します。
- ケース1:従業員の出張費を立替払いした場合
- ケース2:取引先の経費を立替払いした場合
下記で詳しく見ていきましょう。
ケース1:従業員の出張費を立替払いした場合
原則として、従業員が自己資金で出張費を支払った時点では、会社側の仕訳は発生しません。従業員が会社に経費を請求し、経費精算書を提出した時点で初めて仕訳が必要になります。
従業員から経費精算書を受け取った時点での基本的な仕訳は下記のようになります。
<従業員の出張費を立替払いした場合の仕訳例>
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要(例) |
|---|---|---|---|---|
| 旅費交通費 | 14,000円 | 現金(または普通預金) | 15,400円 | 新幹線代(営業部 出張) |
| 仮払消費税 | 1,400円 | |||
| 合計 | 15,400円 | 合計 | 15,400円 |
経費精算業務を効率化するためには、経費精算システムの導入も検討するとよいでしょう。システム化により、申請から承認や仕訳生成などのプロセスが自動化され、ミスも減少します。また、電子帳簿保存法に対応したデータ保存も容易になります。
ケース2:取引先の経費を立替払いした場合
自社が取引先の経費を立て替えた場合、その金額は一時的に自社の資金から支出されますが、これはあくまで取引先が負担すべき費用です。そのため、会計上は「立替金」という資産勘定で処理し、自社の経費(費用)としては計上しません。
一例として、自社が取引先のために商品配送料550円(税込)を立て替えた場合の仕訳は下記のようになります。
<取引先の経費を立替払いした場合の仕訳例>
| 借方勘定科目 | 借方金額 | 貸方勘定科目 | 貸方金額 | 摘要(例) |
|---|---|---|---|---|
| 立替金 | 550円 | 現金(または普通預金) | 550円 | 取引先商品配送料立替 |
| 合計 | 550円 | 合計 | 550円 |
ここで重要なポイントは、立替金そのものには消費税は課税されないという点です。立替金の請求は、単に立て替えた金額をそのまま請求するだけであり、売上や収益ではないためです。ただし、立替金に手数料を上乗せして請求する場合(例:事務手数料500円を加算)は、その手数料部分のみが売上となり、消費税の課税対象になります。
立替払いの管理をスムーズに行なう方法

立替払いの管理を効率化するためには、まず明確な社内規定を定め、すべての従業員に周知することが基本となります。この規定では「対象となる費用・申請方法・期限・承認の流れ・精算時期」などを具体的に示し、従業員が迷わず手続きを行なえるようにしましょう。
また「申請に必要な書類・申請先・申請期限」なども具体的に定め、誰が承認するかや、承認の順番と期限を明確にすることも大切です。
社内規定を周知するためには、説明会を実施し、従業員からの質問に答える機会を設けることが効果的です。また、社内規定をまとめたマニュアルを作成し、従業員がいつでも確認できるようにしておきましょう。
そして、管理のデジタル化や自動化を進めることは、効率化を考えるうえで欠かせない手段です。経費精算システムを活用することで、申請者側も、処理者側もスムーズに業務が行なえる可能性が高くなります。
経費精算システム導入のメリット

経費精算システムを導入する主なメリットは、業務の効率化と、人的リソースの有効活用ができることです。「申請・承認・精算」が自動化できることで、従業員や経理担当者の作業時間を大幅に削減し、より生産的な業務への注力を可能にします。
また、システムによる自動チェック機能で入力ミスや規定違反を防ぎ、電子帳簿保存法やインボイス制度など、法制度への対応も支援します。経費精算システムを導入することで、ミスを防止できたり、コンプライアンスの強化ができる点は大きなメリットです。
また、経費データのリアルタイムな可視化と分析が可能となり、コスト管理の精度向上や迅速な経営判断にも役立ちます。
経費精算システム導入のデメリット

経費精算システムの導入のデメリットとしては、費用面の負担があげられます。導入時だけでなく、継続的な運用コストも発生するため、費用対効果の事前検討は不可欠です。
また、導入時にはデータ移行の手間や、新しい操作に慣れるための時間を確保しなくてはなりません。従業員に対して、丁寧な説明やサポート体制が求められるでしょう。また、システム障害時の業務停止リスクも考慮しておく必要があります。イレギュラーな事案が発生した際の対応策を定めておくことも必要です。
立替払いの管理に役立つ経費精算システムの選び方
ここでは立替払いの管理を効率化するための経費精算システム選定の3つのポイントを紹介します。
- 使える機能の種類で選ぶ
- 操作性の良さで選ぶ
- 導入コストで選ぶ
詳しく情報をチェックして、自社にあうシステムを選びましょう。
使える機能の種類で選ぶ
立替払いの管理に最適な経費精算システムを選ぶには、自社の業務フローにあった機能を重視することが大切です。経費精算システムには多種多様な機能がありますが、すべてが自社に必要とは限りません。無駄な機能に費用をかけず、本当に必要な機能を見極めましょう。
立替払い管理に重要な機能としては、領収書のスマートフォン撮影機能や税率区分の自動判別機能、承認ルートの設定機能などがあげられます。また、会計ソフトとの連携機能や未精算・未回収アラート機能も効率化に役立ちます。
機能を評価する際は、現在の業務フローの課題点を洗い出し、必須機能をリスト化したうえで、複数のシステムを比較検討しましょう。
操作性の良さで選ぶ
経費精算システムの選定では、従業員にとって使いやすく、直感的に操作できるユーザーインターフェース(UI)とユーザーエクスペリエンス(UX)が重要です。どんなに優れた機能があっても、使いにくければ導入効果が得られません。
操作性の良いシステムの特徴としては、シンプルで直感的な画面デザインや少ないクリック数で申請完了できるフロー設計などがあげられます。
また、適切なガイダンスやヘルプ機能、入力項目の自動補完機能なども、使いやすさを高める要素です。選定の際は、実際にトライアル版やデモを使って操作感を確認することをおすすめします。
導入コストで選ぶ
経費精算システムの選定では、導入・運用コストも重要な判断基準です。ただし、初期費用や月額料金の安さだけでなく、投資対効果(ROI)や総所有コスト(TCO)の観点から総合的に評価することが大切です。
経費精算システム導入には、初期導入費用や月額利用料のほか、運用サポート費用など、複数のコストが発生することがあることも把握しておきましょう。短期的なコストだけでなく、3〜5年程度の中長期的な視点で、自社の規模や業務量に適したプランを選択することが必要です。
「請求書立替払い」サービスとは

「請求書立替払い」サービスとは、事業者の支払いを一時的に提供会社が立て替えることで、請求書支払いの柔軟性を高めることを目的とした金融関連サービスのひとつです。
「借入れ」の形態ではなく、クレジットカードを使用することで支払日(カード引落とし日)を後ろ倒しにすることができます。本来、クレジットカード払いができない支払いを、カード払いに変更できる便利なサービスです。
仕入や家賃の支払いなど、売上が立つ前に先だって支払いしなくてはならない経費は多く存在します。そのような際に、請求書立替払いを利用することで無理のない支払いができるようになります。
「請求書立替払い」サービスと、「立替払い」の違いとは

企業の資金繰りを助ける外部のサービスと、よくある従業員の「立替払い」は、別のものです。「立替払い」とは、通常、従業員が業務に必要な交通費や消耗品代などを一時的に自分の財布から支払い、後でその金額を経費として会社に請求する社内での手続きを指します。これは、日々の業務をスムーズに進めるための精算方法の一つです。
一方、請求書立替払いサービスは、会社自身が金融機関や専門のサービス提供会社と契約を結び、事業のためのお金を確保したり支払いを調整したりするものです。これは、会社の支払いを柔軟にするための資金繰りを改善するための経営判断として行われます。
まとめ
立替払いの正確な請求書作成は経理業務の重要なポイントです。とくにインボイス制度の導入により、立替払いの処理方法は大きく変化しました。インボイスにも対応できる適切な書類作成には、立替金支払依頼書や立替経費精算書などの種類を理解することが必要です。
また、インボイス制度では会社宛ての適格請求書の保存が求められることも覚えておきましょう。立替払いは貸付金や給与とみなされるリスクがあるため、経理処理をするタイミングを決めておくことも肝心です。経費精算システムを導入することで、会計管理が効率化できてミスも減らせます。自社にあうシステムを選び、スムーズな経理業務を実現しましょう。








