
プロパー融資とは、金融機関が信用保証協会の保証なしで資金を貸し付ける融資のことです。金利が低く保証料も不要といくつかのメリットがあるものの、実績の乏しい企業や個人事業主では審査が通りにくいのが実情です。
本記事では、プロパー融資の概要やメリット・デメリット、金利の相場、審査基準などをくわしく解説します。さらに、プロパー融資を受けるためのポイントもお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- プロパー融資とは、信用保証協会の保証が付かない融資である
- プロパー融資は金利が低く、実質融資限度額の上限がない柔軟な融資形態である
- プロパー融資は審査が厳しく、実績のない企業や個人事業主では借りにくい
目次
プロパー融資とは
銀行からの融資には、『プロパー融資』と『信用保証協会の保証付き融資』の2つがあります。前者のプロパー融資は、銀行などの金融機関が信用保証協会の保証を付けずに、自らの判断と責任に基づいて企業に直接資金を貸し付ける融資形態です。
ここでは、プロパー融資の特徴や保証付き融資との違いについて、くわしく解説します。

プロパー融資の特徴
プロパー融資とは、金融機関が自らの裁量と判断のみで資金を貸し付ける融資のことです。
貸し倒れリスクはすべて金融機関が負担することになるため、審査は慎重かつシビアに行われます。
プロパー融資には、原則保証料が不要で、借入側の負担が軽減されるというメリットがあります。一方、審査のハードルが高く、創業間もない企業や小規模の事業者にとっては利用が難しいのが現実です。
保証付き融資との違い
保証付き融資とは、信用保証協会の保証を付けた融資のことです。保証を付けることで、金融機関は融資に伴うリスクを回避しやすくなり、借入側は比較的容易に融資を受けられます。
万が一、返済が滞った場合は、一定割合(通常80〜100%)を信用保証協会が代わりに支払う点が特徴です。これを『代位弁済』といいます。
借入側は、融資を受けやすいというメリットがある一方、保証料の負担が発生する点がデメリットです。保証料率は融資金額や借入期間、事業内容、信用状況などによって異なり、年率0.5〜2.2%ほどです。これは利息とは別に必要となる費用であるため、借入にあたっては、返済総額への影響も含めて慎重に検討しなければなりません。
また、保証付き融資では、信用保証協会と金融機関と二重で審査が行われるため、融資までに時間がかかります。提出書類も多岐に渡り、手間と時間がかかりますが、創業間もない事業者でも利用しやすい点が大きな魅力です。
下記で、主な違いをまとめています。
| 項目 | プロパー融資 | 保証付き融資 |
|---|---|---|
| 保証の有無 | なし | 信用保証協会の保証が付く |
| リスク負担 | 金融機関が全額負担 | 保証協会が一定割合を負担 |
| 審査の厳しさ | 厳しい | 比較的緩やか |
| 保証料の支払い | 不要 | 必要(年率0.5〜2.2%程度) |
| 融資限度額 | 実質上限なし | 保証枠に基づき制限 |
プロパー融資のメリット
プロパー融資は、信用保証協会を介さずに銀行が直接資金を貸し出す仕組みであり、ほかの融資制度とは異なるメリットを持ちます。ここでは、プロパー融資で得られるメリットについてくわしく解説します。

保証料が不要
プロパー融資では、信用保証協会の保証を利用しないため、保証料の支払いが一切不要です。保証付き融資に比べると、同じ金額を借りた場合でも、最終的な返済総額に大きな差が出ます。今後、複数回の借入を予定している企業にとっては、魅力的なコストメリットです。
金利が低い傾向にある
プロパー融資のメリットのひとつが、金利が低めという点です。プロパー融資の対象となるのは、財務体質が安定し、返済実績のある信用力の高い企業です。金融機関も貸し倒れリスクが小さいと判断し、比較的低い金利で融資する傾向にあります。
企業は、利息負担を軽減できるため、資金効率の向上を図った経営が可能になります。
融資限度額の上限がない
プロパー融資には、明確な融資限度額の上限はありません。企業の財務内容や事業計画、将来性に応じて、必要資金を柔軟に設定できるのが特徴です。
大型のプロジェクトやM&A、設備投資など調達資金が高額になるケースにおいては、プロパー融資が資金調達の選択肢となるでしょう。
企業の信用力が上がる
プロパー融資を受けられることは、企業にとって信用力の証となります。プロパー融資は、金融機関が「この企業は返済能力に問題はないため、保証は不要」と判断するほど、経営状態や財務内容が優れていることを証明するためです。
このような信用力は、ほかの金融機関との融資交渉や取引先とのビジネスにおいて、価値ある取引材料となりえます。
審査日数が短め
プロパー融資のメリットのひとつは、審査日数が短めな点です。金融機関が単独で審査・判断するため、手続きが簡素化され、審査時間も短くなる傾向にあります。すでに取引関係のある銀行であれば、借手側の財務状況や事業の実態を把握しているケースが多く、融資の相談から実行までスピーディーに進みます。
プロパー融資のデメリット
プロパー融資は多くのメリットがある一方、利用にあたってはいくつかの制約や注意点もあります。ここでは、プロパー融資を検討する際、あらかじめ知っておくべき主なデメリットを解説します。

審査が厳しく融資を受けにくい
プロパー融資のデメリットのひとつは、審査が厳しく融資が受けにくいことです。財務状況が脆弱だったり過去に支払い遅滞や債務不履行の履歴があったりすると、融資は難しくなります。とくに、創業間もない企業や実績が乏しい企業にとっては、ハードルの高い融資形態といえます。
中小企業や個人事業主には利用しにくい
プロパー融資は信用力の高い企業を主な対象としているため、中小企業や個人事業主にとって利用しにくいのが実情です。創業初期の段階では、財務情報も乏しく、金融機関がリスク評価をしにくく、申請しても断られるケースが少なくありません。
Airペイやじゃらんオンラインカード決済を利用している場合、資金調達のひとつとして、Airキャッシュがおすすめです。決算書などの書類を提出する必要がなく、手間なくスピーディーに資金を調達できます。創業して間もない企業や売上実績に不安がある場合など、銀行からの借入が難しい場合に、ぜひご活用ください。
返済期間が短く設定されている
プロパー融資は、金融機関の貸し倒れリスクを軽減する目的で、返済期間が短く設定される傾向にあります。長期的な資金繰りを想定している企業にとっては、短期間での返済が経営を圧迫する恐れがあり注意が必要です。
ただし、日頃から銀行と密接に連携を図っており、信頼関係を構築している企業であれば、交渉によってある程度、柔軟な返済期間が認められる場合もあります。
プロパー融資の金利相場とは
プロパー融資の金利は一律ではなく、企業の信用力や事業規模、融資期間、担保の有無などにより異なります。一般的には、1〜3%程度です。信用力の高い企業ほど、より低い金利で融資が受けられる傾向です。

プロパー融資の4つの審査基準
プロパー融資は、金融機関が自らリスクを負うため、融資審査は慎重かつ多角的に行われます。とくに重要視されるのが、『資金使途』『財務の健全性』『返済能力』といった具体的な経営データと計画の整合性です。
ここでは、金融機関が重視する4つの審査基準についてくわしく解説します。これらのポイントを押さえておくことで、審査を通過する可能性を高められます。

1.融資希望額と資金使途
プロパー融資でまず確認されるのは、企業がどのような目的でいくらの資金を必要としているかです。資金使途が明確で、収益性が伴っているかどうかが厳しく問われます。
たとえば、「新規設備の導入によって生産性を20%向上させる」や「在庫の仕入れ拡大によって売上増を狙う」といった、事業戦略に基づいた具体的な計画が必要です。
また、事業計画に対して希望金額が大きすぎると、「資金繰りに困っているのでは」と疑念を持たれてしまうため、現実的な金額を設定しなければなりません。
プロパー融資を申込む際は、実現可能な資金使途と妥当な融資額を提示することが重要です。
2.損益計算書の内容
プロパー融資の審査では、損益計算書の内容も細かくチェックされます。損益計算書は、企業が一定期間内にどれだけの収益を上げ、その中からどれだけの利益を確保しているかを示す資料です。金融機関は、損益計算書から、継続的に利益を出しているかどうかを見て、事業の安定性と収益性を判断します。
たとえば、営業利益や経常利益が黒字であれば、企業の収益基盤が安定していると評価されます。反対に、赤字が続いている場合、「返済能力が低い」と判断される可能性が高いでしょう。
ほかにも、売上高に対する利益率や経費の使い方なども確認されます。ビジネスモデルの健全性そのものが評価対象となるため、会計処理にも注意が必要です。
3.貸借対照表の内容
貸借対照表の内容も、重要な判断材料のひとつです。貸借対照表は、企業の財務体制を『資産』『負債』『純資産』にわけて示したもので、事業開始時点からの資本の流れを確認されます。事業開始時点と現在の資本を比較したときに、資本が増えていればプラス評価につながります。
4.返済計画の内容
プロパー融資では、返済スケジュールに無理がないかどうかといった返済計画の内容も重要視されます。月々の返済額が売上に対して過剰であれば、返済リスクが高いとみなされ、審査に悪影響を与えかねません。
金融機関は、融資希望額と返済期間をもとに、収益や資金繰りから返済可能かどうかを明確にして判断します。
融資の申請では、現実的かつ説得力のある返済計画書を提出することが必要です。将来的な収益見通しや外部環境の変動リスクも含め、柔軟な返済計画を用意しましょう。
プロパー融資を受けるためのポイント
ここでは、プロパー融資を成功に導くために押さえておきたい実践的なポイントを5つお伝えします。事前の準備や戦略が審査の可否に影響しますので、ぜひ参考にしてください。

保証付き融資で実績を積む
プロパー融資を受ける前に、保証付き融資で実績を積み信用力を上げることが、基本的な対策です。過去に保証付き融資を受け、返済を期日通りに行っているという記録があると、返済能力が高いと判断されやすくなります。
まずは保証付き融資を利用して、金融機関と良好な関係づくりに務めることが大切です。
融資希望の銀行にキャッシュフローをまとめる
複数行に取引口座を分散している企業もありますが、プロパー融資を希望する銀行にキャッシュフローを集約し、信頼関係の構築に務めることも効果的です。
金融機関は、日々の取引内容から企業の実情を把握します。入出金の動きが活発であれば、主要取引先として認識されやすくなるといったメリットが得られます。こういった地道な対策が、融資審査におけるプラス要因につながるでしょう。
売上・利益を上げる
プロパー融資を成功させるためには、売上や利益を上げることが必要不可欠です。売上や利益といったわかりやすい業績数値は、融資の審査における重要な指標です。とくに、直近の1〜2年の営業利益や経常利益が右肩上がりであれば、安定的な収益基盤があると判断されやすくなります。
一方、赤字決算や売上減少が続いていると審査が厳しくなります。事業の見通しや収益の改善は、融資の申請前に取り組んでおくべき課題です。しっかりとした業績を示すことができれば、融資申請においても説得力が生まれます。
財務内容の改善を図る
財務内容の改善を図ることも、重要な対策です。健全な財務体質は、プロパー融資における欠かせない要素です。とくに、自己資本比率や流動比率などは、借入余力や倒産リスクを測る指標として重視されます。
ほかにも、不良在庫や過剰債務の削減、売掛金の回収など、資産の健全性に務めることも必要です。金融機関は、黒字倒産の可能性についても精査するため、損益だけでなく資金繰りについても留意しましょう。
融資に強い専門家に相談する
プロパー融資を成功させる近道は、融資に強い専門家に相談することです。金融機関との交渉や資料の作成には、高度な知識と経験が求められます。税理士や中小企業診断士、認定支援機関など、融資支援の実績が豊富な専門家に相談することで、融資が受けられる可能性が高まるでしょう。
とくにプロパー融資では、専門家を通じた紹介や後押しが有利に働くケースも見られます。初めての申請で不安がある場合は、早い段階で相談することがおすすめです。
プロパー融資に必要な書類
プロパー融資を申請する際には、企業の実態や将来性を判断できる書類を揃えなければなりません。主に必要となる書類は、次のとおりです。
- 法人登記簿謄本
- 決算報告書(直近2〜3期分)
- 試算表(最新月)
- 事業計画書
- 資金繰り表
- 納税証明書
- 借入状況一覧
- 借入申込書
基本書類として、法人であることを証明する法人登記簿謄本や定款、代表者の身分証明書などが求められます。
決算報告書は、企業の経営状態や財務状態を示す重要な書類です。決算書だけでは直近の業績がわからないため、最新の試算表も必要です。直近3ヶ月の売上が増加傾向だと、事業の成長性をアピールできます。
事業計画書は、資金使途や融資金額などを明示するのに必要です。売上や利益の見通し、返済計画を示すことで、金融機関の理解を得やすくなります。説得力のない曖昧な内容では、審査は通りません。できる限り、具体的かつ現実的に作成することが大切です。
資金繰り表では、今後の収入と支出の一覧を記載します。税金の未納がないことを証明する納税証明書や、銀行ごとの借入状況がわかる借入状況一覧、また各銀行指定の借入申込書などを揃えて提出します。

まとめ
プロパー融資とは、信用保証協会の保証を付けずに資金を貸し付ける融資のことです。保証料が不要で、申込みから入金までスピーディーに進みます。一方で審査は厳しく、創業間もない企業や個人事業主では審査が通りにくいのが実情です。
プロパー融資を希望する場合は、売上や利益を上げるのはもちろんのこと、あらかじめ財務内容の改善に取り組む必要があります。また、融資に強い専門家に、早めに相談することも効果的です。
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