
借入金は、返済期日までの日数によって短期借入金と長期借入金に大別されます。この記事では、それぞれの概要と違い、短期借入金の仕訳例と5つの種類を解説します。
「借入金で当面の運転資金を工面したい」「積極的な事業展開に借入金を活用したい」と考えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 短期借入金と長期借入金の違いを知り、目的に合わせた使い分けができるようになる
- 短期借入金の仕訳例を確認し、不備のないスムーズな処理ができるようになる
- 短期借入金の種類を知ることで、自社に合ったものを選べるようになる
短期借入金とは?長期借入金との違い
借入金には、大きくわけて短期借入金と長期借入金の2つの種類があります。
どちらを選ぶかにより、借入期間や担保の有無などが変わります。そのため、事業資金を借入れる際には、利用目的や経営状態に合った方法を選ぶことが重要です。
ここでは、短期借入金と長期借入金の基本事項と、それぞれの違いをくわしく見ていきましょう。

短期借入金とは
短期借入金は、借入金のうち1年以内に返済期日が到来するものです。貸借対照表上では、流動負債に区分されます。
短期借入金の主な借入先は、銀行や信用金庫などの金融機関です。長期借入に比べて、短期借入の金利は低めに設定される傾向があります。
短期借入金は多くの場合、運転資金を想定して借入れます。そのため、売掛金の範囲内であれば、仮に業績が赤字であっても、融資を受けられる可能性があるでしょう。
短期借入金と長期借入金の違い
長期借入金とは、返済期日が1年よりも先に設定された借入金のことです。貸借対照表上では、固定負債に分類されます。
短期借入金と長期借入金の違いを、確認しましょう。
| 短期借入金 | 長期借入金 | |
|---|---|---|
| 借入期間 | 1年以下 | 1年超 |
| 主な目的 | 運転資金 | 設備投資 |
| 担保の有無 | 原則として不要 | 必要なケースが多い |
| 返済の主な原資 | 売掛金 | 利益 |
| 審査の厳しさ | 長期借入金と比較して甘め | 短期借入金と比較して厳しい |
長期借入金を借入れる主な目的は、設備投資費です。借入れた資金は、主に事業で得た利益で返済していきます。
長期借入金の借入では、担保が必要なケースも少なくありません。短期借入金と比較して審査が厳しいため、長期借入金を借入れるには、じゅうぶんに練られた事業計画書を作成しましょう。
短期借入金の仕訳例
短期借入を行ったときには、帳簿に記載する必要があります。ここでは、短期借入の仕訳の具体例として、下記の3つを紹介します。
- 借入金を期日に一括返済する場合
- 借入を継続する場合
- 長期借入金を短期借入金に変更する場合
今後、短期借入を検討している方は、あらかじめ仕訳の知識を身につけておくと安心です。

1.借入金を期日に一括返済する場合
最初の仕訳は、借入金を期日に一括返済する場合です。
仮に、短期借入金として100万円を1%の金利で借入れたとしましょう。借入時には、下記の仕訳を行います。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 普通預金 | 1,000,000円 | 短期借入金 | 1,000,000円 | ◯◯銀行から短期借入 |
1年後の返済日に利息と元本を一括返済する場合の仕訳は、下記のとおりです。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 短期借入金 | 1,000,000円 | 普通預金 | 1,010,000円 | 短期借入金返済 |
| 利息 | 10,000円 | |||
返済日の貸方には、借入金の元本と利息を合わせた金額を記載します。
2.借入を継続する場合
次は、借入を継続する場合の仕訳です。
短期借入金として200万円を1%の金利で借入れた際の仕訳は、下記のとおりです。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 普通預金 | 2,000,000円 | 短期借入金 | 2,000,000円 | ◯◯信用金庫から短期借入 |
1年後の返済日に返済を行わず、借入を継続する場合には、下記の仕訳をしましょう。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 短期借入金 | 2,000,000円 | 短期借入金 | 2,000,000円 | 短期借入金の継続 |
| 利息 | 20,000円 | 当座預金 | 20,000円 | 利息のみ返済 |
元本の借入を継続し、利息のみ返済を行ったときは、貸方に当座預金と利息額を記載します。
3.長期借入金を短期借入金に変更する場合
最後に、決算時に長期借入金を短期借入金に変更する場合の仕訳です。
当初は長期借入金として借入れた場合でも、返済期間が残り1年になったときには、一般的に長期借入金から短期借入金に変更します。
200万円の長期借入金を短期借入金に変更したときの仕訳は、下記のとおりです。
| 借方 | 貸方 | 摘要 | ||
|---|---|---|---|---|
| 長期借入金 | 2,000,000円 | 短期借入金 | 2,000,000円 | 長期借入金から短期借入金に変更 |
短期借入金の5つの種類
ここでは、短期借入金の5つの種類を解説します。
- 証書貸付
- 手形貸付
- 手形割引
- 当座貸越
- ファクタリング
それぞれをくわしく確認し、自社に合った借入方法を選びましょう。

1.証書貸付
証書貸付は、金融機関から短期借入を受ける際に、多く採用される方法です。証書貸付は短期借入金のほか、長期借入金の借入時にも採用されます。
証書貸付では、貸付金額や返済期日、利息などを明記した貸付証書を金融機関に差し入れ、金銭消費貸借契約を結ぶことで、融資が実行されます。
書類の準備などが必要なため、他の借入方法と比較して、資金調達までに時間がかかる傾向があることは覚えておきましょう。
2.手形貸付
手形貸付とは、融資の際に企業が借用証書を差し出すかわりに、金融機関を受取人とする約束手形を企業が振り出す融資形態のことです。借入の際に手形が担保となるため、審査にかかる時間が比較的短く、スピーディな資金調達に対応できる点が特徴です。
利息分を差し引いた金額が貸し付けられるため、手形貸付を利用した企業は、額面全額を返済する必要があります。返済が行われない場合は、銀行取引停止処分などがとられるおそれがあることは覚えておきましょう。
手形貸付は短期貸付に分類されるものの、運転資金として使用されるケースも多いです。その場合は、返済期日に同額の手形貸付を行い繰り延べます。
3.手形割引
手形割引は、企業が保有する手形を金融機関に買い取ってもらい、資金調達する方法です。
割引手数料が差し引かれるため、受け取れる金額は額面額よりも小さくなります。
手形を買い取った金融機関は、振り出し先からの支払いにより資金を回収します。そのため、振り出した企業の信用力や財務状況が思わしくない場合は、金融機関が抱えるリスクが大きくなるのです。
振り出した企業の経営状態によっては、高い手数料が設定されたり、買取りを断られたりする可能性があることは覚えておきましょう。
4.当座貸越
当座貸越は、当座預金口座を有する銀行との間であらかじめ当座貸越契約を交わすことで、当座預金残高以上の小切手を振り出す方法です。当座貸越を契約していれば、口座残高が不足していても取引をストップせずにすみます。
当座貸越は、あらかじめ契約した範囲内であれば、何回でも利用可能です。借入の都度、契約を結ぶ必要がないため、スムーズな資金調達ができるでしょう。
5.ファクタリング
ファクタリングは、売掛債権を売却して資金を調達する方法です。
ファクタリングで調達する資金は、借入金ではなく売却代金です。利用者による返済ではなく、売掛先による売掛金の支払いにより、精算を行います。
ファクタリングで売掛債権を売却すると、未回収リスクもファクタリング会社に移転します。そのため、仮に売掛金が支払われなくても、利用者による弁済は必要ありません。
ファクタリングの利用には、手数料がかかります。他の短期借入金の利用と比較して、手数料が高めに設定されることは覚えておきましょう。
短期での資金調達なら『Airキャッシュ』も選択肢
短期での資金調達を希望するのであれば、株式会社リクルートが提供する『Airキャッシュ』も選択肢のひとつです。
Airキャッシュは、Airペイやじゃらんオンラインカード決済を利用している方向けのサービスで、最大500万円まで資金調達できる招待制資金調達サービスです。
将来の売上を予測したうえで資金提供されるため、売上が上がるほど調達できる利用金額が増えます。決算書などの書類を提出する必要がなく、申込から最短翌日の資金調達が可能なため、手間なくスピーディに資金を用意できるのが魅力です。
手数料はプランに応じたサービス利用料のみのため、万が一引落期間が伸びても追加の費用は発生しません。
調達した資金は、実際に発生した決済に応じて自動で引落しされるため、面倒な振込みや残高チェックの手間は一切ありません。

まとめ
短期借入金とは、借入期間が1年以下の借入のことです。
運転資金として借入れることが多く、売掛金の範囲内であれば、赤字企業でも借入が可能な場合があります。原則として担保の差し入れが不要で、長期借入金と比較して審査も甘めです。
短期借入金には、証書貸付や手形貸付、手形割引、当座貸越、ファクタリングなどがあります。そのほか、株式会社リクルートが提供するAirキャッシュも選択肢のひとつです。
それぞれの特徴を十分に確認し、自社に合った方法で短期借入金の調達を目指しましょう。









