
固定費削減を進める具体的な方法として、人件費や水道光熱費、通信費、広告宣伝費などの見直しがあげられます。
この記事では、固定費を削減するために必要なステップおよび具体的な方法、メリット、注意点などを解説します。固定費削減を進めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
この記事でわかること
- 固定費の見直しがなぜ経営改善につながるのかを理解し、自社にとっての削減効果を具体的にイメージできるようになる
- 固定費の削減方法を把握し、自社の状況に応じて具体的な行動を起こせるようになる
- 無理な固定費削減による悪影響を回避するために、慎重かつ効果的な取り組み方を意識できる
- 固定費の削減に頼りきらず、資金を確保する選択肢として、ファクタリングや支払代行サービスなどの活用を柔軟に検討できるようになる
目次
企業経営の費用は『固定費』と『変動費』の2種類
企業経営における費用は、大きく『固定費』と『変動費』の2種類に分類されます。
固定費とは、売上に関係なく定期的に発生する費用のことです。固定費は、家賃や人件費、光熱費などが該当します。一方、変動費は売上に比例して増減する費用で、原材料費や販売手数料などが含まれます。
経営コストを見直す際は、影響の少ない固定費から取り組むことが基本です。先に変動費を削減すると、今後の売上に影響を及ぼすリスクがあるためです。固定費を先に削減すれば、収益への悪影響を避けながら、経営の効率化が図れます。

固定費削減が企業経営にもたらすメリット
固定費削減が企業経営にもたらすおもなメリットは、下記の3点です。
- 同じ売上でも利益が増加する
- 手元に残る資金が増える
- 継続的な効果が期待できる
ここではそれぞれのメリットをくわしく解説します。

同じ売上でも利益が増加する
固定費を削減することで、同じ売上でも利益を増やせる点が大きなメリットです。売上に関係なく発生する費用である固定費を削減できると、利益率が直接改善されます。
一例として、月間売上が500万円で固定費が350万円のケースを見てみましょう。
| 月間売上 | 固定費 | 利益 | 利益率 | |
|---|---|---|---|---|
| 固定費削減前 | 5,000,000円 | 3,500,000円 | 1,500,000円 | 30パーセント |
| 固定費削減後 | 5,000,000円 | 3,000,000円 | 2,000,000円 | 40パーセント |
固定費削減によって、もともとの固定費を350万円から300万円に圧縮できると、利益は150万から200万円となり、利益率も30%から40%に向上します。つまり、売上を大きく伸ばさなくても、効率的に利益率を向上させられるのです。
手元に残る資金が増える
固定費削減が企業経営にもたらすメリットとして、毎月の支出を抑え、手元に残るお金を増加できる点もあげられるでしょう。固定費は売上に関係なく発生する費用であるため、削減することで現金の流出を減らせます。
その結果、事業に使える資金が手元に多く残り、急な出費や資金ニーズにも柔軟に対応できるようになるでしょう。たとえば、削減した固定費分を新規事業や設備投資にあてることで、企業の経営基盤がより強固になります。
継続的な効果が期待できる
固定費を削減すれば、毎月の経費が恒常的に抑えられ、長期的なコストダウンにつながります。固定費は売上の増減にかかわらず定期的に発生する費用であり、一度見直せばその効果が継続して積み重なるためです。
一例として、毎月30万円かかっていたオフィス賃料を15万円に抑えるだけでも、年間180万円の削減となり、数年単位で見ると大きな財務改善につながります。持続的な経営強化を目指すなら、固定費の見直しが有効な手段といえるでしょう。
固定費を削減するために必要なステップ
固定費を削減するためには、下記のステップで取り組みましょう。
- 毎月生じている固定費を洗い出す
- 固定費の削減目標を設定する
それぞれの内容を解説します。

1.毎月生じている固定費を洗い出す
まずは、現状どのような固定費が発生しているかを正確に把握することが大切です。固定費の金額がわからないまま進めると、効果のない削減を行ったり、業務に支障をきたしたりするリスクが生まれます。
帳簿や経費明細をもとに、家賃・人件費・水道光熱費・通信費・保険料など、毎月発生する費用を一覧化しましょう。このとき、光熱費や消耗品といったように、ざっくりとまとめて記録しているものがあれば、細分化することをおすすめします。
細分化することで、どこに無駄が潜んでいるのかを明確に把握できます。適切な削減につなげるためにも、現状の可視化から始めることが重要です。
2.固定費の削減目標を設定する
固定費の内容を把握できたら、明確な削減目標を立てましょう。目標があいまいなままだと、削減効果が見えづらくなり、途中で挫折しやすくなりかねません。
「電気代を毎月10%削減する」「通信費を月3万円以内に抑える」など、数値で評価できる目標を設定することがポイントです。削減すべき費用ごとに具体的な数値を決めると実行プランの精度が高まり、着実に固定費を見直す体制を整えられます。計画性をもった目標設定が、固定費削減を成功させる第一歩です。
固定費を削減する具体的な方法
企業が無理なく経営を見直すためには、日常的に発生する固定費の見直しが有効です。具体的に削減が期待できるおもな項目は、下記のとおりです。
- 人件費の削減
- 水道光熱費・通信費の削減
- 広告宣伝費の削減
- オフィス賃料の削減
- 車両費の削減
- ペーパーレス化の促進
それぞれの手法について、くわしく解説していきます。

人件費の削減
人件費は、固定費のなかでも大きな割合を占める傾向があるため、削減による効果は大きい項目です。具体的な手法としては、時間外労働の見直しやアウトソーシングの活用などがあげられるでしょう。
たとえば、事務作業や入力業務などの定型的な業務の一部を外部委託すれば、残業を減らしながらコストも抑えられます。定型業務の外注により、社内リソースを戦略的な業務に集中できることから、生産性向上にもつながります。まずは外注化が可能と考えられる業務を洗い出し、必要に応じて外部リソースの活用を検討しましょう。
支払い業務を効率化させる方法としては、BPSP(請求書立替払い)サービスの活用もおすすめです。株式会社リクルートの『請求書立替払いサービス』なら、目の前の請求書の支払いを株式会社リクルートが立て替え、立て替えられた分はカード決済で支払い可能です。
支払処理をカード払いにまとめることで、業務の手間を省けるだけでなく、バックオフィスの効率改善とコスト削減を同時に実現できる選択肢の1つです。
水道光熱費・通信費の削減
水道光熱費や通信費の見直しは、固定費削減のなかでも取り組みやすく効果が出やすい方法です。とくに有効なのが、電力会社や通信サービスの契約の見直しです。
電力の自由化により、事業者向けにもさまざまなプランが登場しており、より安価なサービスに切り替えるだけで月々のコストを抑えられます。また、照明をLEDに変更したり、古い電化製品を省エネ性能の高い製品に更新したりすれば、継続的な光熱費の削減が期待できるでしょう。小さな見直しが、長期的な経費圧縮につながります。
広告宣伝費の削減
広告宣伝費も、固定費の削減にあたって見直したい項目の1つです。広告宣伝費は企業にとって重要な投資ですが、効果が不明確なまま継続すると無駄な出費になりかねません。
広告宣伝費の圧縮は、反応が薄い媒体への支出をカットしたり、広告の掲載頻度やタイミングを調整したりすることで実現します。また、成果を数値で把握しやすいインターネット広告に切り替えることも有効です。
オフィス賃料の削減
オフィス賃料は固定費のなかでも負担が大きく、見直しによって継続的なコスト削減が期待できます。現在のオフィスが広すぎたり立地が高額だったりする場合、規模の縮小や郊外へ移転することで賃料を抑えられます。
また、移転が難しい場合でも、貸主との賃料交渉で一定の削減が可能になるケースもあるでしょう。自社の状況に合ったオフィスのあり方を見直すことが重要です。
車両費の削減
社用車にかかる費用を見直すことも、固定費削減において効果的な手段の1つです。車両を所有するだけで税金や保険料、メンテナンス費などが継続的に発生します。
社用車を業務で利用する頻度が低い場合は、カーシェアリングに切り替えることで、維持費を大幅に抑えられるでしょう。必要なときにだけ使うスタイルへ変更することにより、大幅な固定費削減が期待できます。
ペーパーレス化の促進
ペーパーレス化の促進は、紙を使う業務をデジタルに切り替えることで、固定費削減と業務効率化を両立できる手段です。印刷費や用紙代、保管スペースの賃料などは、積み重なると大きなコストになります。しかし、会議資料や契約書を印刷ではなくデータで共有すれば、これらの費用をカットできます。
ペーパーレス化の具体的な方法としては、「紙を使用している業務を専用システムに移行して紙を使わない環境を整備する」「会議や打ち合わせで使用する資料をデータ共有する」などがあげられるでしょう。ただし、システム導入にあたり、初期コストが発生する点に注意しましょう。
固定費を削減する際の注意点
企業が固定費削減を進めるにあたっては、ただ費用を減らせばよいというわけではありません。効果的かつ持続可能な取り組みとするためには、次の3点を意識することが重要です。
- 従業員のモチベーション低下を防ぐ
- 無理な固定費削減はしない
- 長期的な視点で取り組む
それぞれの内容を解説します。

従業員のモチベーション低下を防ぐ
固定費を削減する際は、従業員のモチベーション低下を防ぐことを意識しましょう。突然、オフィスの縮小や福利厚生の見直しを実施すると、不満や混乱を招き、生産性の低下や離職につながる恐れがあります。
このようなリスクを避けるためには、変更内容をあらかじめていねい説明したり、アフターフォローを実施したりすることが欠かせません。
無理な固定費削減はしない
無理な固定費削減を進めると、かえって業務の質が低下したり、顧客対応に支障をきたしたりするリスクがあります。その結果、企業の信頼低下や取引機会の損失を招くこともあるかもしれません。
現場の運営が回らなくなるほど人員を削減したり、必要な経費までカットしたりすることは得策ではありません。やみくもに固定費の削減を行うことは避け、現場が受け入れやすい形での固定費削減を推奨します。
長期的な視点で取り組む
固定費削減は、1か月間などの短期的な目標を立てるのではなく、長期的な視点をもって進めることが重要です。賃料や人件費、契約期間があるサービスなどは、短期間での見直しが難しいケースが少なくありません。
そのため、年単位の目標を立てて段階的に見直していくことが、成果につながります。まずは全体の支出構造を把握し、改善可能な項目から取り組むようにしましょう。
固定費削減以外で資金を確保する方法
固定費削減以外で資金を確保できるおすすめの方法には、『ファクタリング』と『BPSPサービス』があげられます。それぞれの内容について、確認しましょう。

ファクタリング
資金を早期に確保したいときは、ファクタリングの活用が効果的です。ファクタリングとは、売掛金を始めとした売掛債権をファクタリング会社に売却して現金化する、金融サービスのことです。ファクタリングを利用すれば、売上が計上されていても資金が不足しがちなタイミングで、スムーズに資金を確保できます。
手間をかけずに資金調達をしたい場合は、『Airキャッシュ』の活用がおすすめです。『Airキャッシュ』は、ファクタリングのなかの将来債権ファクタリングという形態を活用しており、通常のファクタリングよりも早期にまとまった資金を確保しやすい点が魅力です。Airペイ、じゃらんオンラインカード決済の利用者さまであれば、審査なしですぐに利用できる可能性があります。
BPSPサービス
資金を確保する方法のもうひとつの選択肢としてBPSPサービスがあります。BPSPとは、クレジットカードを使った企業間決済を可能にする仕組みで、通常は振込みに限られていた請求書払いでも、カードによる柔軟な支払いを実現します。
現金が足りない場合や急な振込みに対応できない場合は、借入なしで支払期日を最大60日後に延長できる、株式会社リクルートの『請求書立替払いサービス』の利用がおすすめです。目の前の支払いを株式会社リクルートが立て替えを行い、本来カード払いできない支払いでも、カードでの決済が可能になります。
まとめ
企業が経営を見直すためには、人件費や水道光熱費・通信費、広告宣伝費といった固定費を精査することが有効です。固定費を削減すれば、売上が変わらなくても利益率が向上し、キャッシュ・フローも改善するでしょう。継続的なコスト圧縮によって、経営の安定性を高める効果も期待できます。
やみくもに固定費削減を進めることは、避けましょう。従業員のモチベーション低下を招き、業務の質や生産性の維持が困難になるリスクがあります。
企業の資金繰りを強化したい場合は、固定費削減に加えて資金調達の選択肢を増やすことも検討しましょう。たとえば、将来の売掛金を活用してすぐに現金を確保できる『Airキャッシュ』や、請求書払いの支出をクレジットカードにまとめられる『請求書立替払いサービス』の活用があげられます。
これらのサービスを上手に取り入れることで、資金面での余裕を確保しながら、より柔軟かつ安定した経営を目指せるでしょう。









