
ファクタリングは、民法に規定がある債権譲渡の一種で、決してやばい手段ではありません。ただし、悪徳業者と契約しないように、利用前に契約内容や手数料を必ず確認することが大切です。
この記事では、問題ないにもかかわらず「ファクタリングはやばい」と言う人がいる理由や、ファクタリングを利用するメリットについて解説します。
この記事でわかること
- 免許や貸金業としての登録なしでサービスを提供できることなどを理由に、「ファクタリングはやばい」と言う人がいるが、ファクタリングは法的に認められた手段
- ファクタリングを利用すれば、『負債』を増やさずスムーズに資金を調達できることなどがメリット
- 安全なファクタリング会社を選ぶには、手数料や契約内容を確認することが大切
- ファクタリングの利用を検討する際は、自社の状況にあった手段を選ぶことがポイント
目次
そもそもファクタリングとは
ファクタリングとは、売掛債権をファクタリング事業者に売却することにより、資金を調達するサービスのことです。
たとえば、A社がB社に対して売掛債権500万円を有しているケースで見ていきましょう。A社はファクタリングを利用することで、回収期日まで待たなくても500万円から手数料を引いた額をファクタリング事業者から受け取れます。そして、ファクタリング事業者は期日に売掛債権500万円を回収するのが基本的な仕組みです。
また、ファクタリングには、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングがあります。
2社間ファクタリングとは、利用者とファクタリング事業者の間で契約する方法です。利用者は売掛先から代金を回収したあとで、ファクタリング事業者に支払います。
3社間ファクタリングとは、利用者・ファクタリング事業者・売掛先で契約する方法です。債権の期日が到来したら、売掛先が利用者ではなく直接ファクタリング事業者に対して売掛金を支払います。

ファクタリング自体はやばい手段ではない
インターネットの検索ワードなどで「ファクタリング やばい」などの表現が出ることがありますが、ファクタリング自体は法律上決して問題のある手段ではありません。
ファクタリングの仕組みの根拠となる法律が、民法第3編第4節で定められている『債権譲渡』です。そのうち、民法第466条には、債権が譲渡可能なものであることが明記されています。
2020年4月1日の債権法改正に伴い、ファクタリングを利用する機会が今までよりも広がりました。従来、債権者と債務者との間の契約で『譲渡制限特約』を付けている場合に無効とされた債権譲渡が、改正に伴い原則有効とされることになったことが主な理由です。
経済産業省のパンフレットにも、債権法改正に伴い企業が債権を活用した資金調達を行いやすくなることが明記されています。
参考:経済産業省『債権法改正により資金調達が円滑になります(令和元年6月)PDF』

ファクタリングをやばいと言う人がいる理由
決して問題のある手段ではないのにもかかわらず、一部に「ファクタリングはやばい」と言う人がいる主な理由は、下記のとおりです。
- 免許や貸金業としての登録なしでサービスを提供できる
- 金融庁が悪徳業者・違法業者について注意喚起している
- 法律による明確な規制がない
- 資金繰りに影響を及ぼす可能性がある
それぞれの理由について、解説します。

免許や貸金業としての登録なしでサービスを提供できる
免許や貸金業としての登録なしでサービスを提供できることが、「ファクタリングはやばい」と表現する人がいる理由のひとつです。
消費者金融などの貸金業者や貸金業者からの借入については、貸金業法の規制を受けます(銀行の場合は銀行業法など)。そのため、融資サービスを提供する事業者は、財務局もしくは都道府県で貸金業としての登録が必要です。
貸金業を営む場合は、利息制限法や出資法の上限金利を守らなければなりません。出資法の上限を超える利息の契約などをした貸金業者は、刑事罰の対象となります。
一方、ファクタリングを提供するにあたっては貸金業の登録は必要ありません。誰でもサービスを提供できることが、一部の事業者に不安を与えている可能性はあるでしょう。
金融庁が悪徳業者・違法業者について注意喚起している
金融庁が違法な業者や違法な取引について注意喚起していることを理由に、「ファクタリングはやばい」と認識している人もいるでしょう。
金融庁によると、「貸金業登録を受けていないのにもかかわらずあたかも『ファクタリング』であるかのように装って、債権を担保とした違法な貸付をしているケースがある」と注意喚起をしています。
金融庁の注意喚起は、あくまで違法なファクタリングに対するものです。資金調達として、ファクタリングを利用すること自体を問題視するものではありません。
法律による明確な規制がない
法律による明確な規制がないことについて、「ファクタリングはやばい」と言っている人もいるでしょう。
ファクタリングは、民法にも規定がある債権譲渡にあたり、法律上も問題のない手段です。一方で、融資サービスのように出資法・貸金業法・利息制限法・銀行業法などの規制を受けるサービスではありません。
そのため、業者が自由に手数料を決められることなどについて、不安を感じる人がいるでしょう。ただし、ファクタリングを利用する際に内容をあらかじめ確認しておけば、自分の許容外の手数料で契約することは避けられます。
資金繰りに影響を及ぼす可能性がある
資金繰りに影響を及ぼす可能性があることも、「ファクタリングはやばい」と言う人がいる理由でしょう。
ファクタリングを利用する際は、手数料を引いた分の資金を受け取ります。本来の債権額よりも受け取る額が減るため、金額次第で資金繰りに影響を与えると判断する人がいる可能性はあります。
資金調達時に手数料がかかるのは、ファクタリングに限った話ではありません。たとえば、銀行の融資を利用する場合にも、利息や事務手数料などが発生します。
また、資金調達を考える際は、手数料以外の面に注目することも大切です。たとえば、株式会社リクルートの『Airキャッシュ』には、「申込みから最短翌日に入金される」「オンライン上で手続き可能で窓口で手続きする手間を省ける」などのメリットがあります。
Airキャッシュとは、『Airペイ』や『じゃらんオンラインカード決済』で将来的に発生する売上をもとに、資金の提供を受けられるサービスです。
ファクタリングを利用するメリット
悪徳業者・違法業者を避けて法律上認められたファクタリングを利用すれば、さまざまなメリットがあります。主なメリットは、下記のとおりです。
- スムーズに資金調達できる
- 銀行の融資を受けられなくても利用できる可能性がある
- 償還請求権がないため債権未回収のリスクがない
- 『負債』を増やさずに資金を調達できる
各メリットについて、解説します。

スムーズに資金調達できる
スムーズに資金調達できることが、ファクタリングを利用するメリットです。
銀行の融資を利用する場合は、決算書類・試算表などの書類を提出したうえで審査を経て、契約してから資金を受け取ります。申込みから入金されるまでに、1か月以上かかることもあるでしょう。
それに対し、ファクタリングは一般的に申込みから数日で資金を受領できます。早いケースでは、即日の調達も可能です。
そのため、融資では必要な支払いに間に合わせられなそうなケースでも、ファクタリングを利用することで対応できる可能性があります。また、Airキャッシュなら決算書の提出は不要で最短翌日に入金されるため、無理のない返済スケジュールで進められるでしょう。
銀行の融資を受けられなくても利用できる可能性がある
銀行の融資を受けられなくても利用できる可能性がある点も、ファクタリングを利用するメリットです。
銀行の融資は、自社の業績や財務内容によって審査で承認を得られない可能性があります。赤字や借入金過多などの理由で、融資を受けたくても受けられないことがあるでしょう。
一方、ファクタリングでは、利用者の情報だけでなく売掛先の信用度が考慮される点がポイントです。そのため、赤字で銀行の融資を受けられなくても、売掛先の信用が高ければファクタリングを利用できることがあります。
売掛先からの債権未回収リスクがない
原則として、売掛先からの債権未回収リスクがない点も、メリットとして挙げられます。
取引先に対して債権を有している場合、債権者が倒産や支払不能に陥った場合に回収が困難になるでしょう。一方、ファクタリングで対象の債権を譲渡すれば、自社で債権回収できなくなるリスクを軽減できます。
ただし、償還請求権については注意しなければなりません。償還請求権とは、債務者が債権を支払わない場合に、現在の債権者が債権を譲渡した以前の債権者に未払い分を請求する権利のことです。
ファクタリングを利用する場合でも、契約時に償還請求権ありの契約(リコース契約)を結ぶ場合には、売掛先が支払困難に陥った場合に利用者が請求される可能性はあります。一般的にリコース契約は実質的に貸付と判断される場合があるため、慎重な確認が必要です。
『負債』を増やさずに資金を調達できる
『負債』を増やさずに資金を調達できる点も、ファクタリングを利用するメリットです。
銀行で融資を受けると、貸借対照表などで『負債』として計上されます。『負債』が過多の場合は、今後新たに融資を受けにくくなることがあるでしょう。
一方、ファクタリングは『資産』である債権を売却して(減らして)資金調達する方法です。原則として『負債』には影響を及ぼさないため、金融機関からの信用を考慮しつつ資金を調達できるでしょう。
ファクタリングで違法業者・悪徳業者とされる会社の特徴
ファクタリング自体は法律上問題のないサービスですが、違法業者や悪徳業者には注意しなければなりません。
違法業者・悪徳業者とされる会社の特徴は、主に下記のとおりです。
- 相場と比較して手数料が著しく高い
- 会社の存在や営業の実態を確認できない
- 償還請求権ありの契約になっている
それぞれ解説します。

相場と比較して手数料が著しく高い
相場と比較して手数料が著しく高い場合は、違法業者や悪徳業者の可能性を疑う必要があります。
一般的に、ファクタリングの手数料の相場は、2社間ファクタリングは『8〜18%』、3社間ファクタリングは『2〜9%』程度です。相場と比較して高額な手数料を設定したファクタリングについては、金融庁も注意喚起をしています。
ただし、相場と比較して著しく低い場合にも注意しなければなりません。一度契約させてから、あとで手数料を引き上げようとする悪徳業者がいる可能性があるためです。
会社の存在や営業の実態を確認できない
ファクタリングを提供している会社の存在や営業の実態を確認できない場合も、違法業者や悪徳業者の可能性があるため注意しましょう。
悪徳業者は住所をホームページに掲載していなかったり、架空の住所を記載したりしている可能性があります。また、担当者に会社やサービスのことを質問した際に不審な対応をしたり、回答を拒んだりした場合にも気を付けなければなりません。
償還請求権ありの契約になっている
『償還請求権あり』でファクタリングの契約を締結しようとする業者にも、注意しなければなりません。ファクタリングは、償還請求権なしの契約を締結することが一般的です。
償還請求権ありで、合法にファクタリング契約を締結するケースもあります。ただし、償還請求権ありのファクタリングは、貸金業に該当する可能性が高いです。サービスを提供する事業者は、基本的に貸金業の登録をしていなければなりません。
安全なファクタリング会社を選ぶためのポイント
安全なファクタリング会社を選ぶためのポイントは、主に下記のとおりです。
- 契約内容や手数料をしっかりと確認する
- 運営する会社の情報を確認する
それぞれ解説します。

契約内容や手数料をしっかりと確認する
違法な業者と契約しないように、契約内容をしっかりと確認しましょう。
たとえば、償還請求権の有無は、契約内容をチェックするうえで大切な項目のひとつです。金融庁では、不安な点があれば法律の専門家である弁護士に相談することなども促しています。
また、相場と比較して妥当な手数料なのかを確認しておくことも大切です。
運営する会社の情報を確認する
営業実態がない悪質な会社と契約しないために、運営する会社の情報をあらかじめ確認しておきましょう。
まずは、サービスを提供する会社の公式ホームページを確認して会社の概要を調べることや、業歴や取引実績などに問題がないかをチェックすることが大切です。また、登録住所に不審な点がある場合は地図で所在地を検索する、不明な点があれば問い合わせるなども心がけましょう。
ファクタリングを利用する際の注意点
ファクタリングを利用するにあたっては、次の点に注意しましょう。
- 給与ファクタリングは利用しない
- 状況にあった資金調達方法を検討する
それぞれ解説します。

給与ファクタリングは利用しない
『給与ファクタリング』などと称したサービスは、利用しないようにしましょう。
給与ファクタリングとは、賃金債権を買い取って金銭を交付し、のちに資金を回収する仕組みのことです。金融庁では、個人が使用者に対して有する賃金債権を買い取って金銭を交付し、対象債権を回収することは貸金業に該当することを発表しています。
貸金業登録を受けていないヤミ金融業者による給与ファクタリングを利用すると、違法な取り立てにあう可能性があるため気を付けなければなりません。
状況にあった資金調達方法を検討する
状況にあった資金調達方法を検討することも大切です。ファクタリングでも、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングではメリットが異なる部分があります。
2社間ファクタリングはスムーズに資金を調達できる点がメリットであるのに対し、3社間ファクタリングは手数料が低い傾向にある点がメリットです。ただし、3社間ファクタリングを利用する場合は、売掛先にも許可を得なければなりません。
従来のファクタリングよりも、将来債権ファクタリングや請求書立替払いサービスを利用したほうがよいケースもあります。そこで、ファクタリング以外の資金調達方法についても理解を深めておきましょう。
その他の資金調達方法
ファクタリング以外にも、さまざまな資金調達方法があります。主な資金調達方法は、下記のとおりです。
- 将来債権ファクタリング
- 銀行の融資
- 請求書立替払いサービス
- 補助金・助成金
それぞれの特徴や、利用するメリットなどについて解説します。

将来債権ファクタリング
将来債権ファクタリングとは、将来債権を譲渡することにより資金を調達するファクタリングのことです。
将来債権とは、継続的かつ反復的に取引していて、将来発生する可能性のある債権を指します。将来債権ファクタリングは、従来のファクタリングと異なり、まだ発生していない債権を活用して資金調達を図れる点がメリットです。
将来債権ファクタリングによるサービスの具体例として、株式会社リクルートの『Airキャッシュ』があります。Airキャッシュは、『Airペイ』や『じゃらんオンラインカード決済』の将来の売上を今のお金にかえる資金調達サービスです。Airペイなどによる決済売上が増えると、Airキャッシュの利用金額が増える可能性があります。
申込みから精算までがシンプルで資金調達の煩わしさがないことが、Airキャッシュが選ばれる理由です。申込みにあたって、決算書の提出や信用情報機関への照会・登録などをする必要もありません。
銀行の融資
銀行の融資も、事業者の資金調達手段として用いられることが一般的です。高額な資金を調達できる可能性があることや、返済期間を柔軟に設定できる場合があることなどが、銀行の融資を利用するメリットとして挙げられます。
一方で、業績や財務状況によって審査で承認を得られない可能性があることや、ファクタリングと比べて手続きに時間がかかることには注意しなければなりません。
請求書立替払いサービス
請求書立替払いサービス(請求書カード払い)とは、取引先から受け取った請求書をクレジットカードで決済できるサービスのことです。厳密には資金を調達する仕組みではありませんが、請求書立替払いサービスを利用して支払期日を延ばすことで、手元の資金に余裕がなくても支払いに対応できる可能性があります。
株式会社リクルートの請求書立替払いサービスは、目の前の支払いをリクルートが立て替えるサービスです。本来カード払いできない支払いをカード決済することで、支払日を最大60日後に延長できます。
また、書類の提出は一切不要でWebで2ステップで申込みを完了できる点も特徴です。仕入れはもちろん、家賃や業務委託費などの日常的な支払いから、設備投資・修繕費など突発的な支払いまで幅広く対応できます。
補助金・助成金
補助金や助成金は、国や地方自治体などから受け取るお金を指します。資金を受け取ると、原則として返還する必要がない点がメリットとして挙げられます。
ただし、要件を満たさなければ受給できない点に注意が必要です。一般的に、助成金の場合は要件を満たすだけでなく、採択される必要もあります。
また、書類を揃えて申請してから受け取るまでにかかる期間が長い点もデメリットです。基本的に後払いのため、支払いが必要な際に手元に資金がないケースには馴染みません。
まとめ
ファクタリングは民法に規定がある債権譲渡の一種で、やばい手段ではありません。ファクタリングを利用することのメリットとして、スムーズに資金調達できることや、銀行の融資を受けられなくても利用できる可能性があることなどがあります。
メリットのある手段であるのにもかかわらず、『やばい』などの表現がインターネットなどで出てくるのは、金融庁が違法業者について注意喚起していることなどが理由です。利用する際は、サービスの内容や提供している事業者などについて確認しておくとよいでしょう。
株式会社リクルートの『Airキャッシュ』は、『Airペイ』や『じゃらんオンラインカード決済』の将来の売上を今のお金にかえるサービスです。最短で翌日に入金されるため、突発的な出費や繁忙期前の準備にも向いています。
仕入代金などの支払期日が近づいている場合は、請求書立替払いサービスも検討しましょう。株式会社リクルートの請求書立替払いサービスなら、クレジットカードを利用することで支払日を最大60日後に延長できます。また、提出書類や取引先への連絡は一切不要で、すべてオンラインで手続きを完結できる点も特徴です。









