個人事業主もファクタリングを利用できる?審査時のコツや他の資金調達手段も解説

ファクタリング
運転資金が必要な個人事業主が、負債を増やさずスムーズに資金調達できるファクタリングを活用し、信頼性の高い売掛金を現金化してカフェなどの店舗経営を安定させている様子

個人事業主も、運転資金などで資金需要が発生した際には、ファクタリングを利用することがあります。ファクタリングを利用することで、スムーズに資金を調達できる点や業歴が浅くても利用できる可能性がある点などがメリットです。

この記事では、個人事業主がファクタリングを利用するメリットや審査を受ける際のポイントなどについても解説します。

この記事でわかること

  • 個人事業主も、法人と同様にファクタリングを利用できる可能性がある
  • 個人事業主がファクタリングを利用することで、スムーズに資金を調達できる点や、負債を増やさずに資金調達できる点などがメリット
  • 個人事業主がファクタリング会社を選ぶ際は、個人事業主向けに提供しているか確認することが大切
  • 個人事業主がファクタリングの審査を受ける際は、信頼性の高い売掛金を対象にすることがポイント

目次

個人事業主もファクタリングを利用できる

個人事業主でも、基本的にファクタリングを利用できます。ただし、法人のみにサービスを提供している事業者も存在している点や、法人と個人事業主では必要書類の一部が異なる点に注意が必要です。

たとえば、ファクタリングの利用にあたって、個人事業主は決算書や商業登記簿謄本の代わりに、確定申告書や本人確認書類の提出を求められることがあります。

ノートパソコンを操作しながら手元の領収書や書類を確認する個人事業主。ファクタリングのオンライン申請や必要書類の準備を進める様子

そもそもファクタリングとは

ファクタリングとは、保有する売掛債権をファクタリング会社に売却して、資金を調達する手段のことです。利用者とファクタリング会社との間で締結する契約によって成り立つ2社間ファクタリングと、利用者とファクタリング会社、売掛先の間で締結する契約による3社間ファクタリングがあります。

2社間ファクタリングを利用する際の一般的な流れは、下記のとおりです。

  1. ファクタリング会社に相談する
  2. 必要書類を添付してファクタリングを申込む
  3. 審査後に契約を締結する
  4. 対象の売掛金額から手数料を引かれた分が、口座に入金される

3社間ファクタリングを利用する場合は、利用にあたって売掛先への通知や承諾を受けることなどが別途必要です。

なお、ファクタリングにかかる手数料率は、ファクタリング会社によって異なります。

デスクでノートにペンを走らせる女性。個人事業主がファクタリングの利用計画を立てたり、資金繰りのメモを取ったりするイメージ

個人事業主がファクタリングを利用するメリット

個人事業主がファクタリングを利用する主なメリットは、下記のとおりです。

  • 即日から数日で資金調達できる
  • 少額でも利用できる場合がある
  • 業歴が浅くても利用できる可能性がある
  • 負債を増やさずに資金調達できる

ここから、各メリットについて解説します。

カフェの店主がノートに記録をつける手元。個人事業主が店舗運営の合間にファクタリングによる資金調達を検討し、収支を確認する様子

即日から数日で資金調達できる

申込後即日から数日で資金調達できる可能性がある点がファクタリングを利用するメリットです。

事業を営んでいると、設備投資や仕入資金、諸経費の支払いで、資金が必要になることがあります。そして、売掛金の回収が遅れるなどの事情で手元に十分な資金がない場合は、必要な支払いに間に合わせるために急ぎで資金を調達しなければなりません。

しかし、銀行からの融資を受ける場合は、申込みから資金調達までに2週間から1か月以上かかるケースが多いため、支払いに間に合わないケースもあるでしょう。その点、数日で資金調達できるファクタリングを利用すれば、支払いに間に合わせられる可能性があります。

少額でも利用できる場合がある

少額で利用できる場合がある点も、ファクタリングのメリットです。

個人事業主で事業の規模が比較的小さい場合、売掛金が少額であることや、少額の仕入でも資金調達が必要になることなどがあります。ファクタリングの場合、利用するファクタリング会社によって数万円の資金調達にも利用できることがあるため、臨機応変に資金需要に対応できるでしょう。

業歴が浅くても利用できる可能性がある

業歴が浅い場合や財務内容・業績などが良好ではない場合でも、ファクタリングを利用できる可能性がある点もメリットです。

一般的に、銀行は「事業はどれくらい続いているか」「黒字経営か」「債務超過ではないか」「資金使途は適切か」などの項目を総合的に確認し、融資の審査を行います。そのため、事業を始めたばかりで業績が不明瞭な場合や財務内容に懸念がある場合などは、融資を受けられないことがあるでしょう。

一方、ファクタリングでは、利用者の信用力や業績に加えて売掛先の信用力なども考慮します。銀行の融資とは審査基準が異なるため、融資を受けられなくてもファクタリングで資金調達できるケースがあるでしょう。

負債を増やさずに資金調達できる

ファクタリングを利用すれば、負債を増やさずに資金調達できる点もメリットです。

契約条件により、売掛債権の売却としてファクタリングを処理できる場合は、貸借対照表上の『負債』が増えません。そのため、将来融資を申込む際に、銀行側に好印象を与えられる可能性があります。

ただ、ファクタリングを利用してから売掛先からの入金がない場合に、利用者が支払う責任を負うことが契約に定められているケース(償還請求権ありの契約)もあります。その場合、融資と同様に利用後『負債』が増加する可能性があるため注意が必要です。契約条項(償還請求の有無など)を必ず確認しましょう。

個人事業主がファクタリングを利用する際の注意点

個人事業主がファクタリングを利用する際は、下記の点に注意しましょう。

  • 請求書以外の書類も求められることが多い
  • 調達できる金額が限定される

それぞれ解説します。

万年筆で書類に記入する手元のクローズアップ。個人事業主がファクタリング契約の申込書や契約書に署名・捺印を行うシーン

請求書以外の書類も求められることが多い

個人事業主がファクタリングを利用する際に、請求書以外の書類の提出も求められる可能性がある点に注意しましょう。

ファクタリングに利用する債権の請求書だけだと、ファクタリング会社は適切な審査が実施できません。そこで、利用者や売掛先の信用度などを細かく確認するために、取引履歴がわかる通帳の写しや確定申告書、本人確認書類などの提出も求められることが一般的です。

必要書類は、利用するファクタリング会社によって異なります。急ぎで対応が必要な際に手間取らないように、あらかじめ必要書類を確認したり、準備したりしておきましょう。

調達できる金額が限定される

ファクタリングを利用する場合は、調達できる金額が限定される点にも注意しましょう。

基本的に、ファクタリングでは売却可能な売掛金の範囲内でしか資金を調達できません。個人事業主で取引の規模が小さく、少額の売掛金しか保有していない場合は、ファクタリングを利用して大規模な設備投資向けの資金を調達することは困難な可能性があります。

そこで、主に仕入代金や運転資金などを中心にファクタリングを活用するとよいでしょう。

個人事業主がファクタリング会社を選ぶ際のポイント

個人事業主がファクタリング会社を選ぶ際のポイントは、下記のとおりです。

  • 個人事業主に対応しているか確認する
  • 営業実態や実績に注目する
  • スムーズに手続きできるかをチェックする
  • 審査に通りやすい業者に気をつける

それぞれ解説します。

デスクトップPCの画面やタブレットのグラフを見ながら打ち合わせをするビジネスマン。個人事業主が売掛金の早期資金化について相談する様子

個人事業主に対応しているか確認する

ファクタリング会社を選ぶにあたって、まずは個人事業主向けのサービスを提供しているか確認しましょう。

ファクタリング会社によっては、法人にのみファクタリングのサービスを提供している場合があります。利用を検討しているファクタリング会社のホームページなどで、個人事業主への対応可否について明記されていない場合は、直前に慌てることのないようあらかじめ確認しておきましょう。

営業実態や実績に注目する

営業実態や実績に注目して、ファクタリング会社を選ぶことも大切です。

「ホームページに会社名・住所・連絡先などが記載されているか」「記載されている場所に本当に存在するか」「これまでどのようなサービスを提供していたか」などをあらかじめ確認することで、金融庁が注意喚起しているような悪質な業者と契約するリスクを軽減できるでしょう。

スムーズに手続きできるかをチェックする

ファクタリングの手続きをスムーズにできるかをチェックすることも、ファクタリング会社を選ぶ際のポイントです。ファクタリング会社によって、必要書類やスピードが異なります。

時間がかかるファクタリング会社に申込むと、ファクタリングを利用しても必要な支払いに間に合わせられないことがあるでしょう。各社のホームページなどで申込みから入金までの目安を確認したうえで、ファクタリングの契約をすることが大切です。

審査に通りやすい業者に気をつける

ファクタリング会社を選ぶ際には、「審査に通りやすい」とされる業者に注意が必要です。

審査基準や必要書類がそれぞれ異なるため、審査に通りやすい業者もあれば通りにくい業者もあるでしょう。審査に通りやすいファクタリング会社なら、手間をかけずにすぐに資金を調達できます。

しかし、審査には通りやすくても『償還請求権あり』にされる可能性や、手数料が高い可能性などがあります。審査の甘さだけに注目せず、総合的に判断したうえでファクタリングを利用しましょう。

個人事業主がファクタリング審査を受ける際のポイント

ファクタリング会社によっては、法人よりも個人事業主に対する審査が厳しいケースもあります。そこで、個人事業主がファクタリングの審査を受ける際は、次のポイントを押さえておきましょう。

  • 信頼性の高い売掛金を対象にする
  • 申込時に正確な情報を伝える
  • 審査に通らない場合は別の資金調達方法を検討する

それぞれ解説します。

ノートパソコンのキーボードをタイピングするビジネスマンの手元。個人事業主がファクタリング会社の公式サイトからスピード審査を申し込むイメージ

信頼性の高い売掛金を対象にする

売却可能な売掛金をいくつか保有している場合は、信頼性の高そうなものを対象にすることが大切です。

ファクタリングの審査では、利用者だけでなく売掛先の信用力も考慮されます。そのため、信頼性の高い売掛金をファクタリングに利用したほうが、審査に通る可能性が高まることが一般的です。

信頼性の高い売掛先の具体例としては、公的機関や上場企業、財務内容が良好な企業などが挙げられます。

申込時に正確な情報を伝える

申込時に正確な情報を伝えることも、ファクタリングの審査をスムーズに通過するために重要です。

担当者から質問された内容に迅速かつ丁寧に答えると、誠実な印象を与えて審査によい影響を及ぼす可能性があります。誤りや漏れなく必要書類を提出することで、入金までの時間を短縮することにもつながるでしょう。

回答や必要書類の提出が遅れたり、書類に漏れや誤りがあって再度記入・入力することになったりすると、その分資金を調達するまでに時間がかかるため注意が必要です。

審査に通らない場合は別の資金調達方法を検討する

ファクタリングの審査に通らない場合は、支払いに間に合わせるために別の資金調達方法を検討することが必要です。

銀行の融資を受けられなくても、ファクタリングで資金調達できることがあります。ただし、ファクタリングに申込んだからといって、必ず資金を調達できるとは限らない点も理解しておかなければなりません。

ファクタリングの審査に通らない場合に備えて、他の資金調達方法やファクタリング会社などについても検討したり調べたりしておきましょう。あらかじめ調べておくことで、想定していたファクタリングを利用できない場合でも、スムーズに別のやり方で支払いに間に合わせられる可能性があります。

従来のファクタリング以外で急ぎの支払いに対応する手段

従来のファクタリングや融資だけでなく、次のような手段を活用して差し迫った支払いに対応する方法もあります。

  • 将来債権ファクタリング
  • 請求書立替払いサービス

それぞれ解説します。

電卓を叩きながら請求書や見積書を精査する個人事業主。ファクタリングを利用して早期に回収すべき売掛金の金額を計算している様子

将来債権ファクタリング

将来債権ファクタリングとは、将来債権を売却して資金を調達するファクタリングのことです。将来債権とは、事業や取引が継続的に行われることにより、将来的に発生することがほとんど確定している債権を指します。

将来債権ファクタリングの具体例が、将来の売上を今のお金にかえられる株式会社リクルートの『Airキャッシュ』です。Airキャッシュでは、Airペイやじゃらんオンラインカード決済の売上に応じて将来の売上を予測し、資金を提供しています。

Airキャッシュの利用にあたって、決算書の提出や信用情報機関への照会・登録などは不要です。そのため、資金調達にあたって煩わしさを感じずに、必要な資金をスピーディーに受け取れる可能性があります。

Airキャッシュのサービスを詳しく見る

請求書立替払いサービス

『請求書立替払いサービス(請求書カード払い)』とは、サービスを提供する会社が請求書の代金支払いを代行するサービスのことです。

取引先がカード払いに対応していなくても、請求書立替払いサービスを利用すれば、支払いをカードで決済できます。直接資金を調達する手段ではありませんが、クレジットカードを利用することで、手元に資金がない場合でも支払日を延長して支払いに余裕を持って対応できる点がメリットです。

株式会社リクルートの請求書立替払いサービスなら、期日の迫った支払いを最大60日後に延長可能です。また、提出書類や取引先への連絡は一切不要で、オンラインで申込可能です。

請求書立替払いサービスを詳しく見る

まとめ

個人事業主でも、基本的にファクタリングを利用できます。ただし、ファクタリング会社によっては法人のみにサービスを提供している場合があるため、あらかじめ確認しておきましょう。

融資を受けられない場合でも資金調達できる可能性がある点や、負債を増やさずに資金調達できる点などが、ファクタリングを利用するメリットです。ただし、調達できる金額が保有する売掛金額に左右されるため、必要に応じて他の資金調達手段も検討しましょう。

株式会社リクルートの『Airキャッシュ』は、オンラインでスムーズに資金調達できる可能性があるサービスです。提出書類も不要で、突発的な出費や繁忙期前の費用支払いにも備えられます。

また、目の前の支払いを株式会社リクルートが立て替える『請求書立替払いサービス』も、日常的な支払いや突発的な支払いに対応するための手段のひとつです。請求書立替払いサービスを利用すれば、保有しているクレジットカードを使って期日の迫った支払いを最大60日後に延長できます。

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