
請求代行は、請求業務の一部またはすべてを代行するサービスであり、手間や時間がかかる請求業務の負担を軽減します。未回収のリスクも回避できるため、取引先が多い企業のさまざまな課題解決が可能です。
この記事では、請求代行の基本的な仕組みや利用するメリット・デメリット、自社に合ったサービスの選び方までをわかりやすく解説します。
この記事でわかること
- 請求代行の詳細や対応業務がわかる
- 担当者の負担軽減や請求業務のミス軽減など、請求代行のメリットがわかる
- 費用や工数がかかる点など請求代行の主なデメリットがわかり、導入時の参考にできる
- 請求代行サービスの選び方がわかり、最適なサービスを選べるようになる
目次
請求代行とはどんなサービス?
請求代行は、請求業務の一部またはすべてを代行するサービスのことです。企業や個人事業主に代わって請求書の発行・送付、入金確認、未入金時の督促などの業務を代行しますが、代行会社ごとに代行する範囲は異なります。
本来、取引先に対して商品やサービスを提供したあとは、請求書を作成・送付し、期日までに入金があるかを管理しなければなりません。これらの事務作業は手間がかかり、取引件数が多くなれば発行する請求書も増え、担当者の負担も大きくなります。ミスや回収漏れのリスクも高まるでしょう。
そこで専門の代行サービスを利用すれば、請求業務を効率化でき、社員は本来のコア業務に集中できるようになります。
請求代行の対応業務
請求代行サービスによって依頼できる業務範囲は異なり、自社の状況によって選択できます。すべての請求業務を代行してもらうか、特定の業務に絞って依頼するか選ぶことも可能です。
ここでは、請求代行に依頼できる主な業務を解説します。
請求書の発行・送付
請求書の発行・送付とは、提供した商品やサービスに基づき請求書を作成し、取引先へ送付する業務です。
請求代行サービスでは、請求書作成に必要なデータを依頼者から共有してもらい、その情報をもとに正確な請求書を作成します。
さらに、発行から送付までの一連の流れを代行することで、請求漏れや事務負担を軽減し、スムーズな発行業務を実現できます。
与信審査・管理
与信審査・管理とは、取引先や顧客の信用力や返済能力を評価し、取引条件や与信限度額を設定する業務です。
新規取引の開始時や既存取引の継続時に実施され、企業の資金回収リスクを未然に防ぐ役割を担います。
とくに取引額が増える場合には、既存の取引先であっても支払能力を確認する必要があります。
しかし、これらの与信審査には多くの時間や労力がかかるのが実情です。負担を軽減したい企業のニーズに対応し、請求代行では取引先企業に対する与信審査や継続的な管理を確認する業務まで代行できる会社も存在しています。
財務情報や支払実績などの情報収集や外部の信用調査を通じて総合的に判断し、リスクを最小限に抑えながら健全な取引を継続できる体制を整えます。
入金確認・消込
入金確認・消込とは、発行した請求に対して顧客から入金があったかを確認し、売掛金のデータと突合して処理する業務です。
入金内容と請求書情報を照合し、一致すれば売掛金を消し込む作業をすることで、債権を正確に管理できます。入金確認・消込を行うことで入金漏れや誤入金を早期に発見でき、資金繰りの把握や会計処理の効率化にもつながります。
健全なキャッシュ・フローを維持するために欠かせない重要な業務といえるでしょう。
代金回収
代金回収とは、取引先に請求した代金を企業に代わって回収する業務です。請求代行では、請求書発行や入金確認だけでなく、入金がなければ取引先に連絡し、支払いを促す作業も行います。
代金回収は、企業の資金繰りや経営を安定させるために欠かせない重要な業務です。効率的に行うことで、未入金リスクを減らし、安定したキャッシュ・フローを維持できます。
入金保証
入金保証とは、取引先からの売掛金が期日までに回収できなかった場合に、保証会社が代わりに支払いを行うサービスです。
万が一、取引先が代金を支払わなかった場合でも、請求代行サービスが未回収分を全額保証するため、企業は安心して取引を継続できます。
未回収リスクを大幅に軽減し、安定した資金繰りを実現できる点が大きなメリットです。
請求代行を利用するメリット
請求代行を利用することで、担当者の業務負担を大幅に軽減できるだけでなく、請求ミスや入金遅れのリスクも抑えられます。また、取引先の拡大が期待できることも利点です。
ここでは、こうした請求代行ならではのメリットについて、くわしくみていきましょう。
担当者の負担を軽減できる
請求業務は、請求書の作成から送付、入金確認、消込まで、多くの作業工程が絡むため煩雑になりやすい業務です。とくに、毎月多数の請求書を発行している企業では作業量が膨大になり、ミスのリスクや担当者の負担がいっそう高まります。
請求代行を利用すれば、これらの一連の業務を専門業者に委託でき、社内の負担を大幅に軽減できます。
その結果、担当者は請求関連に費やしている時間と労力を削減できます。本来注力すべき営業活動や企画・開発などのコア業務に集中できるため、業務全体の効率化や生産性の向上にもつながるでしょう。
請求業務のミスが減少する
請求業務は、データ入力や書類送付などの作業が多く、とくに少人数で対応している場合は入力ミスや誤送付といったトラブルが発生しやすくなります。
請求代行を利用すれば、専門の体制によるチェックや効率的な処理が行われるため、ヒューマンエラーの発生を大幅に抑えられます。
これにより、請求に関するトラブルを減らし、取引先との信頼関係を維持しながら、安心して業務を進められるというメリットがあります。
掛け払いの提供による取引拡大
請求代行は掛け払い(請求書払い)機能を備えているサービスも多く、取引先の拡大につながります。取引先によっては、使用できる支払手段が限られているため、その手段での請求に対応できなければ取引ができないためです。
これまで口座振替やクレジットカード決済に対応できず取引できなかったという顧客とも取引ができるようになります。
これにより、新規顧客の獲得や既存顧客との取引拡大につながるでしょう。売上向上につながる点が大きなメリットです。
未回収リスクを減らせる
請求代行サービスの中には、取引先からの売掛金が未回収となった場合でも、代金を保証してくれる仕組みを持つものがあります。
これにより、売掛金回収のリスクを企業自身が負う必要がなくなります。安心して取引を進められて、キャッシュ・フローの安定化や経営リスクの軽減に役立つ点がメリットです。
なお、未回収分の保証については、請求代行会社による審査を経て「保証対象となる債権」と判断された場合に限られます。そのため、すべての取引先の未回収金が必ずしも保証されるわけではない点には注意が必要です。
売掛金の未回収リスクに備えるなら「売掛金保証」も選択肢
請求代行の中には入金保証が付くサービスもありますが、「請求業務は社内で続けつつ、未回収リスクだけを抑えたい」という場合は、売掛金保証サービスを活用する方法もあります。
リクルートが取次する売掛金保証サービスでは、取引先の与信審査を行い、取引先から支払いがない場合に売掛金を保証します。審査は最短2営業日で、取引先に知られずに利用できる点も特徴です。
請求代行を利用するデメリット
請求代行への業務依頼は多くのメリットがある一方で、一定のコストが発生するなどのデメリットもあります。
請求代行を利用するときは、課題となる点もあらかじめ把握しておきましょう。
コストがかかる
請求代行を利用する場合、初期費用のほか、取引ごとの手数料や代金回収保証にかかる保証料、さらに毎月の固定費などが発生します。
そのため、社内で請求業務を自社対応する場合に比べてコストが増加する可能性がある点がデメリットです。
とくに取引件数が少ない場合や取引金額が小規模な場合は、費用対効果を慎重に検討する必要があります。
コスト面を考慮し、業務効率化とのバランスを見極めることが大切です。
社内にノウハウが蓄積しない
請求代行を利用すると、業務を外部に委託するため、請求書作成や入金管理、督促といった請求業務のノウハウを社内に蓄積する機会が失われます。
その結果、社内での対応力や問題解決能力が育ちにくくなり、将来的に自社内で請求業務を再開する際にスムーズに運用できない可能性があります。
外注による効率化と、社内スキルの習得とのバランスが課題になりやすい点がデメリットです。
導入に工数がかかる
請求代行サービスを導入する際は、社内の業務引き継ぎやマニュアル整備、システム連携などの準備作業に一定の工数がかかります。
既存の請求フローや取引先情報の整理、担当者との確認作業なども必要で、初期導入時には短期間でも負担が生じることがあります。
そのため、効率化やリスク軽減のメリットはあるものの、導入準備にかかる時間と労力を事前に考慮する必要があるでしょう。
請求代行サービスの選び方
請求代行の数は多く、サービスごとに対応している業務もさまざまです。多くの請求代行の中から自社に合うサービスを選ぶためには、いくつかのポイントがあります。
ここでは、請求代行サービスの選び方について解説します。
費用対効果は高いか
請求代行サービスを選ぶ際は、複数社の料金体系を比較し、費用対効果が高いかを確認することが大切です。
初期費用や取引ごとの手数料、月額料金、保証料などを総合的に判断し、自社の請求件数や取引規模に対して過不足のないサービスを選ぶことで、最適なコストで請求業務を効率的に実施できるでしょう。
費用に見合ったメリットが得られるかどうかを確認することがポイントです。
自社に必要な業務に対応しているか
請求代行サービスを選ぶ際は、まず自社の請求業務でとくに負担となっている作業や、抱えている課題を明確にすることが必要です。そのうえで、委託したい業務範囲に対応しているかどうかを確認しましょう。
サービスによって対応範囲や専門性は異なり、特定の業界や事業には十分に対応できないケースもあります。そのため、自社の業務フローや必要な機能を正確に把握したうえで、それに合ったサービスを選ぶことが、業務効率化やミスの防止、リスク軽減の効果を最大化するためのポイントです。
また、サポート体制も比較検討することで、安心して長期的に利用できるサービスを見極められます。
自社システムと連携できるか
請求代行サービスを選ぶ際には、自社の既存システムとのスムーズな連携が可能かどうかを確認することも大切です。
請求業務では顧客情報や取引データの共有が欠かせませんが、システム間でデータのやり取りがスムーズに行えない場合、手作業の増加やヒューマンエラーのリスクが高まるおそれがあります。
そのため、既存の会計ソフトや販売管理システムなどのデータベースと連携できるサービスを選ぶことが、効率的かつ安全に請求代行を利用するポイントです。
連携が可能なサービスを活用すれば、データの自動反映や更新が可能となり、手作業を減らすだけでなく、ミスの防止や業務のスピードアップにもつながります。
結果として、請求業務全体の効率化を維持しつつ、安心して代行サービスを活用できる環境を整備できます。
審査通過率・スピード
請求代行サービスを選ぶ際には、与信審査の通過率と審査スピードも重要なポイントです。与信審査の通過率が高ければ、多くの取引先に掛け払いで対応できるようになります。
さらに、審査が迅速であれば、取引開始までのリードタイムを短縮でき、営業活動や新規取引のスピードアップにもつながります。とくに、複数の取引先と同時進行で契約を進める場合や、急ぎの取引が多い場合に大きなメリットがあるでしょう。
自社の取引先層や取引規模に適したサービスかどうかを確認し、与信判断の効率性と審査スピードを重視して選ぶことがポイントです。
請求仕様・支払い手段に柔軟性はあるか
請求代行サービスを選ぶ際は、請求仕様と支払手段の柔軟性にも着目しましょう。請求書の形式(PDF・紙・メール)や、取引先ごとのテンプレート変更に対応しているかを確認することで、顧客ごとのニーズに合わせた適切な請求が可能になります。
さらに、銀行振込や口座振替だけでなく、コンビニ払い、クレジットカード払いなど多様な支払手段に対応しているサービスを選ぶことで、取引先の利便性が向上します。
これにより、入金遅延や未回収のリスクを抑えつつ、スムーズなキャッシュ・フローの管理につながるでしょう。柔軟な請求仕様と支払手段の選択肢が整っているサービスは、取引先との信頼関係の維持や業務効率化にも大きく貢献します。
取引先に負担をかけないか
請求代行サービスを選ぶ際は、取引先に過度な負担をかけないかも重要なポイントです。
たとえば、会員登録や専用システムの利用を強制する場合、取引先の手間や心理的負担が増え、取引に支障が出ることがあります。
取引先がスムーズに請求書を受け取り、支払手続きを行える環境を提供しているサービスを選ぶことで、取引先との関係を維持しつつ、請求業務を効率化できます。
セキュリティ体制は万全か
請求代行サービスを選ぶ際は、セキュリティ体制が万全かどうかも必ずチェックしましょう。
請求情報は企業にとって機密性の高いデータであるため、サービス提供会社が適切なデータ暗号化やアクセス制御を実施しているか、スタッフへの情報管理教育や内部監査が行われているかを確認する必要があります。
十分なセキュリティ体制が整っていれば、情報漏洩や不正利用のリスクを低減し、安全に請求代行を利用できます。
請求業務の代行なら株式会社リクルートの請求代行サービス
請求代行の利用を検討している方には、株式会社リクルートが取次を行う請求代行サービスの利用も選択肢のひとつです。与信審査から請求書の発行、入金確認までを一括で代行するため、請求業務にかかる手間を大幅に軽減できます。
審査はリアルタイムで行われるため、スムーズな取引の開始が可能です。また、万が一未入金となった場合でも、債権は100%保証※されており、回収リスクを自社で負う必要がありません。
さらに、請求書の形式や支払期日を取引先ごとに柔軟に設定できるため、自社の既存の運用フローを変えずにサービスを導入できます。
「請求書の発行・送付が大きな負担となっている」「取引社数が増えて人材が足りない」という悩みを抱えている方は、ぜひご検討ください。
※:審査を通過し、規約所定の除外事由がない取引が対象です。
まとめ
請求代行は、企業が取引先への請求業務を外部に委託することで、業務効率の向上や未回収リスクの軽減を目指せるサービスです。サービスによって対応可能な業務は異なるため、利用にあたっては、サービス内容や手数料などを事前に確認し、自社の課題、ニーズに合った請求代行を選ぶことが大切です。
「未回収リスクをなくしたい」「与信通過率を高めたい」という方は、株式会社リクルートが取次を行う請求代行サービスもあわせてご検討ください。




