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飲食店の売上アップアイデア9選。客単価や客数を上げる方法や注意点<事例あり>

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飲食店で売上アップを実現するには、どのような方法があるのでしょうか。「客数を増やすためにチラシやSNSを活用して集客」、「客単価アップのためにメニューを見直す」……など、幅広い方法があります。そこで、この記事では飲食店における売上アップのセオリーを解説しながら、今すぐ取り組める方法をご紹介していきます。

飲食店の売上アップ施策の基本となる考え方

飲食店の売上は、客数×客単価で決まる

客数を増やす×客単価を上げる

飲食店の売上アップの方法は、大きく分けると「(1)客数を増やす」、「(2)客単価を上げる」の2つです。飲食店の売上は「売上=客数×客単価」という計算式で考えるのが一般的です。

飲食店の売上アップの王道は、いかに固定客をつくるか

顧客獲得までの3STEP

売上アップを実現していくには、やみくもに手を打っても時間やコストを効果的に使うことができません。飲食店では「いかに固定客をつくるか」という観点を軸にして売上アップ戦略を考えていくことがセオリーだと言われています。

なぜなら、経営を安定させる意味で、固定客が一定割合以上いることが欠かせないからです。繁華街の路面店など、よほどの好立地にある一部の店舗をのぞき、新規客だけで十分な売上を得ることは現実的ではありません。いかにお店のファンをつくり、定期的に来店してもらうかが中長期的な売上アップを実現する上でも重要になります。

ただし、これは新規客や客単価など他の観点を気にしなくて良いという意味ではありません。固定客を増やすためには、まず新規客を獲得できないことには始まりません。

という3つのステップを意識して、固定客を増やすことを軸に幅広く施策を検討してみましょう。

飲食店の売上アップアイデア9選

ここからは、すぐ実践できる販促アイデアをご紹介していきます。販促施策を検討する上では、前項で紹介したそれぞれのステップでバランスよく対策が取れているかをチェックしてみましょう。また、客単価を上げるための方法を組み合わせると、客数×客単価の相乗効果でさらなる売上アップが期待できます。

1.店頭ディスプレイを工夫し「どんなお店か」わかるようにする(ファサード告知) #認知度向上 #初回来店

ファサード告知イメージ

ファサードとは、建物を正面から見た外観のこと。つまり、お店の前を通行している人に認知してもらうために店頭のディスプレイを工夫することです。

ファサード告知の大原則は「業態が分かること」。例えば看板にお店の名前だけ書かれていても、何のお店かわかりづらい場合があります。「焼肉店〇〇」「イタリアンレストラン〇〇」のように、業態名を添えることでお客様はイメージしやすくなりますし、さらに「黒毛和牛一頭買い 焼肉店〇〇」と売り文句を加えることでより特徴が伝わります。

また、店頭に野菜を並べたり提灯をともしたりして、飲食店であることをアピールすることも大切。クリスマスやハロウィンなど季節のイベントに合わせて飾り付けに変化をもたせ、通行する人の目を飽きさせない(お店の存在を忘れさせない)工夫をしましょう。

2.カレンダー販促で来店動機をつくる #初回来店 #再来店

「毎月29日はニクの日」「8月3日はハチミツの日」など、日付にちなんだ割引や特別メニューを実施することで、来店動機をつくる方法です。SNSに投稿するネタとしても使いやすいのが特徴。同様に、「毎週金曜日は〇〇が半額」「毎週水曜日は大盛り無料」といった特定の曜日にキャンペーンを実施するのもカレンダー販促の一つです。

3.再来店を促すお得なクーポンや会員特典を用意する #再来店

再来店を促すお得なクーポンや会員特典を用意するイメージ

初回来店のときに、「次回来店時にドリンク1杯無料」、「次回のお会計が10%オフ」といったクーポンを提供することで、再来店につなげる方法です。固定客向けに会員カードなどを発行し、「パスポートをご提示で、大盛り無料」といったサービスをつけて、来店頻度を上げてもらう方法もあります。

ただし、実施する時期には注意しましょう。繁忙期にクーポンや会員特典が使えると、集客は増えても客単価が下がってしまい、思ったほど売上アップにならないリスクがあります。例えば、歓送迎会シーズンやゴールデンウィークなどの繁忙期にクーポンを渡し、ゴールデンウィーク後から夏休み前までの閑散期に使用できるようにすると、効率的な集客ができます。

4.スタッフのおすすめでファンをつくる #再来店 #客単価

注文を取る際などに、「今週は〇〇がおいしいですよ」「旬の〇〇を仕入れましたので、いかがですか?」とスタッフがひと言紹介していく方法です。お客様とのコミュニケーション量が増えることによって、お店のファンになっていただく糸口にもなります。テーブルに「スタッフのおすすめ」といったPOPをつくるとPOPを案内しながら「こちらがおすすめです」と言葉短く紹介できるので新人スタッフもおすすめしやすくなります。

5.ランキングを見せ注文をコントロールする #再来店 #客単価

再ランキングを見せるイメージ

「すぐにお出しできる料理ベスト5」「寒い季節に人気のメニューベスト3」など、ランキング形式でメニュー表や店内ポスター、POPなどで紹介してみましょう。

「今日は1位の料理を注文して、次は2位の料理を食べてみよう」というような、再来店の動機付けにも役立ちます。ランキングを参考にしてもらうことで、ある程度注文をコントロールすることができ、看板メニューを食べてもらうことでお客様の満足度を高める効果も期待できます。

6.お客様が楽しめるミニイベントで注文数を増やす #再来店 #客単価

特定メニューを注文すると、「サイコロを振ってゾロ目が出たらドリンクをメガサイズで提供」「スタッフとのじゃんけんに勝ったらドリンク半額」といった、ゲームを設ける方法です。いろいろな種類のお酒を楽しんでもらうために、「グループで日本酒10種飲んだら1杯サービス」といった10個のスタンプのポイントカードをつくって、追加注文を喚起する方法もあります。

お客様に楽しんでもらいながら注文数を増やす効果が期待できるだけでなく、ゲームに挑戦するための条件をつくることで、注文して欲しいメニューに誘導することができます。割引率の異なるクーポンをくじ引きやカプセルトイで提供するのもミニイベントの一つ。ゲームの面白さ+お得感で再来店を促すことができます。

7.セットメニューで客単価を上げる #客単価

ラーメン+餃子セットのように、複数のメニューを組み合わせて提供する方法です。このとき、単品で注文した場合よりも価格を下げることでお得感を演出するのが大切です。例えば、餃子単品は5個のところ、ラーメンと餃子のセットの場合餃子は3つ付きにして、ちょうどよい量になる等、セットを注文することでお客様の価格以外のメリットになることも考えましょう。

また、スープやミニサラダなど、セット専用の料理を付けても良いでしょう。結果的に、単品注文よりも価格の高いセットメニューの注文率が上がり、売上アップが期待できます。

8.店内告知や差し込みメニューで注文を促進する #客単価

店内のPOPやポスター、お品書きなどで販売したいメニューを訴求し、注文数を増やす方法です。戦略的に売っていきたいメニューをポスターなどで目立たせ、お客様の購買意欲を喚起します。テーブルのPOPにはデザートや食後のコーヒー、〆の一品などを掲示し、メインの料理を食べた後にも目が届きやすいところでPRすることで、追加注文を促進します。

また、高単価メニューは、常設のメニューブックとは別の差し込みメニューや店内ポスターでお客様の目に留まりやすくしましょう。特別感が醸成され、価格比較ではなく純粋な料理の価値で注文を検討してもらいやすくなります。

9.注文機会の損失がないか接客方法を見直す #客単価

接客方法を見直しイメージ

スタッフが忙しすぎてあまりホールに立てていないなど、お客様が注文したいのに注文できない環境になってしまっていないかを見直すことも大切です。

また、「ドリンクのお代わりはいかがですか?」といったスタッフからの声がけができているか・できていないかでも注文数は違ってくるものです。お客様にちゃんと気を配ってサービスを提供できているか、定期的に振り返るようにしましょう。

注文機会を逃さないために、お客様が自ら注文をするセルフオーダーシステムを導入する方法もあります。お店の状況に合わせて、導入を検討するのも一案です。

自店舗に合う売上アップ方法を選ぶポイント

ここまでご紹介したように、売上アップの方法を選ぶ際は、固定客を増やすための各ステップでバランスよく取り組みが実施されている状態を意識しながら、客単価アップにも取り組んでいくことがセオリーです。

とはいえ、何かを始めるには費用も手間もかかります。限られたリソースで効果的に売上アップを目指すには、以下の観点で優先順位をつけて取り組むと良いでしょう。

長く使えるものか

せっかく準備しても一度きりしか使えないのでは、実施する度にコストがかかります。繰り返し長く使えるものであれば、コストがかかるのは初回だけ。例えば店頭の看板や通年使えるショップリーフレット、メニューやポスターなど、長く使える販促施策を優先的に注力しましょう。

準備が複雑すぎないか

実施にあたってそれなりに準備の時間や費用が必要なものは、それだけ上手くいかなかったときのリスクも大きいです。まずは準備が簡単で、小さく始められるものから手をつけてみるのがおすすめ。やってみて、お客様の反応を見ながら取り組みを拡大したり工夫をしていけるものが良いでしょう。

売上アップの販促でありがちな失敗例&注意点

販促失敗例イメージ

最後に、売上アップの販促を実施するにあたっての注意点を、ついやってしまいがちな失敗例を交えて紹介します。

目的がずれている

例えば、お店の課題が初回来店であるのに、接客研修やメニューのリニューアルをしても、初回来店自体には直接影響しづらいかもしれません。売上の構造(売上=客数×客単価)や、客数や客単価の構造を理解したうえで、どこを強化したいのかを明確にして取り組むことを決めましょう。

来店特典のお得感が薄い

内容は同じ来店特典でも、初回来店と再来店では求められるクーポンの“お得感”は異なります。例えば同じ「10%オフクーポン」でも、再来店の動機付けにはなっても、新規顧客にとっては、わざわざ初めてのお店に足を運ぶ理由にはならない可能性があります。

このように、お客様層によって嬉しいことは異なるため、特典の内容を少しずつ変えながら自店舗にとっての正解をみつけていくのが良いでしょう。一度に複数のクーポンをつけて、よく使われるクーポンがどれか検証するという方法もあります。

キャンペーンのタイミング・期間が適正ではない

旬の食材を使ったメニューや季節のイベント・フェアなどは、期間限定であることにプレミア感があります。12月26日にクリスマスケーキを販売しても売れないように、時季がずれるとお客様も価値を感じにくくなります。あらかじめ年間スケジュールを設定しておき、早めの準備・実施を心掛けましょう。

また、キャンペーンを実施する場合は、平日・土日で人の動きが変わることを見越して、多くのお客様に機会があるように設定しましょう。暇な平日に集客するために平日のみのキャンペーンをするよりも、人が多い週末を中心にキャンペーンをした方が効果的な場合もあります。

反響が良すぎてオペレーションがまわらなくなる

最後に注意したいのが、期待以上の効果を出してしまうこと。例えば、キャンペーン特典がSNSで話題になりお客様が殺到した結果、店内のオペレーションがまわらなくなり、クレームに発展することも度々発生しています。例えば、反響が良すぎて満席で入れないお客様に「入れなくてごめんなさいクーポン」を用意しておくなど、想定以上の効果があった場合の対応をあらかじめ決めておき、現場が混乱しないようにしておきましょう。

販促施策が決まった時点でスタッフにも共有し、具体的な対応を周知しておくことは当然必要ですが、日常的なスタッフの業務内容をシンプルにして、販促のためのキャンペーンや接客する時間を確保する工夫も大切です。

監修者ひとことコメント

飲食店の売上は、固定客が一定割合になると安定します。従って、売上アップのために新規客を獲得することは、とても大切なことですが、その前に、あなたのお店に固定客を作る販売促進を考えましょう。その後、新規客を集める販売促進を計画的に実施していくとよいでしょう。ちょうどバケツの穴を塞いでから水を入れるようなものです。販売促進に慣れていないお店は、今回の事例を参考に簡単ですぐできる販促をとにかく実施することが重要です。まずは、最初の一歩を踏み出しましょう。

監修

笠岡 はじめ(かさおか はじめ)シニア販売促進士/飲食店コンサルタント

笠岡 はじめ(かさおか はじめ)シニア販売促進士/飲食店コンサルタント

飲食店販売促進コンサルタント「販売促進士」を育成する一般社団法人販売促進士日本フードアドバイザー協会代表理事。同協会にて飲食店販売促進コンサルタント「販売促進士」の資格講座を提供している。
また、年間3桁の飲食店の売上アップのコンサルティングや開業支援、業態開発などを行う飲食店専門コンサルティング会社「飲食店繁盛会」の代表も務める。
著書に『売れまくるメニューブックの作り方(日経BP社)』等。セミナー・研修は年間約100本。メディア掲載も多数。
販売促進士日本フードアドバイザー協会
飲食店繁盛会
Instagram『1日1分で学べる販促&メニュー戦略』でノウハウ共有中

※本ページに記載されている情報は2023年2月時点のものです

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