スタッフの注文ミス防止のために有効な運用法
人が介在する以上、注文ミスは起きてしまうものです。しかし、あまりにも注文ミスが頻発している場合は、店舗運営の仕組みや体制にも問題があると捉え、見直したほうが良いでしょう。人的ミスを減らすには、「マニュアルを整備する・スタッフ教育を強化する」といった運用フローの整備のほかに、「システムの導入によって注文を自動化する」という運用方法に見直すことも有効です。
スタッフが注文を取る~配膳までの手順をルールに落とし込み、マニュアル化しましょう。このとき、ルールを決めるだけでなく、マニュアル(文書)に書き起こして明示しておくことがポイントです。なぜなら、スタッフ同士の口伝でルールを周知していると、人によって捉え方が違ったり、徐々に運用が変わってしまったりすることがあるからです。
注文ミス防止の観点で決めておきたいルールとしては、以下のような例があります。
【お客様からホールスタッフが注文を取るとき】
- 注文は必ず口頭で繰り返して確認する
- 個数を確認するときには、指で数を表現してお客様と認識が合っているかを確認する
- 注文を取ったらその場で伝票を記載する・注文端末に入力する
など
【ホールスタッフからキッチンスタッフへ注文を伝達するとき】
- 注文の伝達は口頭で行わない
- メニューの略称・記号を決めるなど読み間違いの起こりにくいルールを決める
など
【キッチンスタッフからホールスタッフに料理を出すとき】
- 普通盛りと大盛りがある場合、器の色を変える
- 具が違うコロッケの場合、商品の形を変える
など
【ホールスタッフからお客様に配膳するとき】
- 料理と伝票に相違がないかを突き合わせて確認してから配膳する
- テーブルに料理を置くときにメニュー名を読み上げる
など
ルールを決めたら、スタッフへの周知と実施できているかのチェックを行いましょう。重要な事項はマニュアルに記載するだけでなく、業務中目に留まる場所に箇条書きにして貼りだしておくと良いでしょう。
新人スタッフの教育時には、自己チェックができるようにセルフチェックシートを付けてもらう・教育担当にも同じようにチェックシートを付けてもらうなど、手順が身につくまでは自分や周囲でルールが守られるように確認できる仕組みをつくるのもおすすめです。
店舗オペレーションにシステムを導入する
手書き伝票を使っている場合はハンディターミナルで電子化するのがミス防止に有効であることは前述のとおりです。
ある程度の席数がある場合や、スタッフの人手不足もあって注文ミスが増えている場合は、オーダーシステムの導入を検討してみても良いでしょう。オーダーシステムは、スタッフが専用の端末やスマートフォン上のアプリを操作するもの、座席に置かれたタッチパネルやお客様自身のスマートフォンで注文するものなど、形態はさまざまなので、コスト面やお店の課題に合わせて選定するのが良いでしょう。
オーダーシステムの大きな特徴は、お客様の注文をよりダイレクトにキッチンへ伝えられること。上述したような人による書き間違い、伝え間違い・聞き忘れなどのミスを大きく減らす効果が期待できます。
さらに、お客様が直接注文をするセルフオーダーシステムを導入すれば、スタッフが注文を取る工程を省けるため入力ミス・入力忘れをなくすことができます。セルフオーダーでは、スタッフに注文を取る仕事を覚えてもらう時間や、注文を取る時間がかからないのもメリットの一つ。少ない人数でもお店を運営できるようになり、人手不足の解消やコスト削減にもつながります。
また、注文はシステムで行ってもらいながらも、メニューブックやメニュー表を置いておくと、お客様がより料理をイメージしやすくなり、選びやすくなります。必要に応じて併用すると良いでしょう。
【コラム】セルフオーダーシステム導入後のお客様とのコミュニケーションのコツ
接客の中でお客様のニーズを把握してきめ細かいサービスをしたり、追加注文を取ったりしてきたお店であれば、セルフオーダーシステムの導入でスタッフとお客様のコミュニケーションが減ってしまうことを心配することもあるでしょう。
防止策としては、接客マニュアルの中でお客様と接点をもつ機会を定めることが有効です。
例)
- 実際の端末を操作しながらセルフオーダーシステムの説明をし、一杯目のドリンク注文を促す
- 空いたお皿を下げるタイミングで会話を挟み、追加のオーダーを促す
など
オーダーエントリーシステムについて、詳しく知りたい方はこちら
セルフオーダーシステムについて、詳しく知りたい方はこちら