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リファラル採用とは?メリット・デメリットを知り優秀な人材確保に活用しよう

近年はさまざまな新しい採用手法が登場し、会社の規模を問わず各社が新しい採用手法を導入しています。SNSを活用したソーシャルリクルーティングや、企業側から求職者に対してアプローチを行うダイレクトリクルーティングなど、新しい採用手法を実践する企業が規模を問わず現れてきました。 

こうした新しい採用手法の1つに、従業員から知人や友人を紹介してもらう「リファラル採用(リファラルリクルーティング)」があります。この記事では、リファラル採用のメリットやデメリット、導入する際の注意点などをご紹介します。優秀な人材を獲得するための戦略立案に、ぜひこの記事をお役立てください。 

リファラル採用とは 

リファラル採用とはどういった手法なのか、まずは基本的な部分から確認していきましょう。 

リファラル採用の意味 

リファラル採用(リファラルリクルーティング)とは、従業員から知人や友人の求職者を紹介してもらう採用手法のことです。後に詳しくご紹介しますが、求人広告を掲載するよりもコストが抑えられる、採用のミスマッチが起こりにくいなど、リファラル採用には多くのメリットがあります。 

リファラル採用の制度がある企業では、知人や友人を紹介した従業員にインセンティブ(報酬)が支給されるのが一般的です。このインセンティブがあることで、従業員としても積極的に知り合いを紹介する仕組みになっています。 

海外では主流、日本でも浸透しつつある 

リクルートワークス研究所の調査によると、リファラル採用は2012年にアメリカで最も多くの採用を実現した採用経路で、全体に占める割合は28%でした。インドでも73%の企業がリファラル採用を実施しているなど、海外では主流の採用手法となっています。 

参照: リクルートワークス研究所「米国の社員リファラル採用のしくみ」 
参照: リクルートワークス研究所「Works University インドの人材サービス」 

最近は日本でもその効果に注目が集まり、徐々にリファラル採用を取り入れる動きが進んでいます。 

リファラル採用が導入されるようになった理由 

リファラル採用が日本でも導入されるようになった背景の1つには、少子高齢化などによる労働人口の減少が挙げられるでしょう。 

厚生労働省の労働人口に関するデータによると、15歳~29際までの若年層は減少し、60歳以上の高齢層は増加を続けています。また、1人あたりに何社の求人募集があるのかを表す有効求人倍率は、2009年から2019年まで上昇し続けています。2020年から2021年にかけては新型コロナウイルスの影響もあって求人数が減っていますが、求職者数より求人数のほうが上回る状態は依然として変わらず、日本全体で人手不足が続いている状況です。 

参照: 厚生労働省「厚生労働白書(労働経済の基礎的資料)」 
参照:厚生労働省「一般職業紹介状況(令和2年12月分及び令和2年分)について」 

こうした状況下で優秀な人材を確保し、人手不足を解消するために、企業には採用プロセスの積極的な改善が求められています。その流れのなかで注目されるようになった新たな採用手法の1つが、リファラル採用です。 

リファラル採用と縁故採用は違う 

リファラル採用と混同されることの多い採用手法に「縁故採用(えんこさいよう)」というものがあります。両者にはどのような違いがあるのでしょうか。 

縁故採用とは、企業の役員や従業員などの紹介によって採用を行う手法です。言葉の意味としてはリファラル採用とほとんど同じに思えるかもしれませんが、縁故採用は一般的に役員など上層部の人物からの紹介が中心になります。縁故採用には、通常の選考基準を満たすかどうかに関係なく「コネ」があれば採用されるという、ネガティブなイメージもあります。 

一方リファラル採用の場合、従業員に求職者を紹介してもらうまでは縁故採用と同じですが、その後の選考フローは通常の採用と同じ流れで行われ、不採用になるケースもあるのが一般的です。 

現在では、採用の透明性や公平性の観点から、縁故採用でなくリファラル採用が導入される傾向にあります。 

リファラル採用のメリット 

リファラル採用のメリットには、下記のような点が挙げられます。 

  • ミスマッチが起こりにくい 
  • 離職率を下げられる 
  • 採用コストを削減できる 
  • 入社後に孤立しにくい 

ここでは上記のメリットについて、それぞれ詳しく解説します。 

ミスマッチが起こりにくい 

リファラル採用が持つ最大のメリットは、採用ミスマッチが起こりにくい点が挙げられます。 

リファラル採用は、先述のとおり従業員の知人や友人を紹介してもらうシステムです。そのため、基本的には従業員が「この人ならうちの会社でも活躍できる」と思った人材のみが選考フローに上がってきます。 

したがって採用のミスマッチが起きづらく、企業としては期待通りの活躍が見込め、求職者(新入社員)としては「実際に働いてみたらイメージと違った」というギャップが発生しづらくなります。 

離職率を下げられる 

従業員が知人や友人に自分の職場への求人応募を勧める際、「どういった仕事に取り組むのか」「どういった働き方をするのか」「職場の雰囲気はどうか」など、職場の実態が説明されているはずです。企業の内部を知る身近な人から詳しい説明を受けられる機会は、ほかの採用手法ではあまり多くはありません。 

実際に取り組む仕事や職場の雰囲気などの実情を事前に知っておいてもらうことは、離職防止につながります。「仕事が自分に合わない」「労働時間や休日の条件がよくなかった」「人間関係がよくなかった」など、離職の要因となる状況を回避しやすくなるためです。 

採用コストを削減できる 

リファラル採用では、紹介してくれた従業員に対してインセンティブを支払うのが一般的です。一切コストが発生しないわけではありませんが、求人広告への出稿や転職エージェントの利用に比べれば、採用コストを削減できることが多いでしょう。 

また、求人広告の掲載費や転職エージェントへの報酬は社外に出ていく出費ですが、リファラル採用のインセンティブは社内の従業員へと渡ります。リファラル採用のコストは、従業員のロイヤリティ向上のような副次効果を生む可能性もあるのです。 

入社後に孤立しにくい 

リファラル採用で入社する新入社員から見ると、自分を紹介してくれた知り合いがすでに職場にいるため、「なかなか職場に馴染めない」と悩む可能性も少なくなります。 

コミュニケーションを取るのが苦手なタイプであったとしても、完全に職場で孤立してしまう可能性が低く、リラックスして業務に取りかかれるというメリットがあります。 

リファラル採用のデメリット 

どのような採用手法にも、長所と短所があるものです。リファラル採用のデメリットには、下記のような点が挙げられます。 

  • 不採用の場合に人間関係が悪化する可能性がある
  • インセンティブの費用がかかる
  • 紹介してくれる社員の教育が必要
  • 入社後の配属に配慮が必要

それぞれのデメリットを詳しく見ていきましょう。 

不採用の場合に人間関係が悪化する可能性がある 

リファラル採用では従業員の紹介がきっかけになるとは言え、通常のフローで選考が行われるため、結果として不採用になることもあります。その際、紹介者である従業員と不採用になった知人・友人との人間関係が悪化する可能性もゼロではありません。 

「そこは会社として関係のない部分」と切り捨てることも可能ではありますが、企業が従業員の人間関係を悪化させる原因となる事態はできる限り避けるべきでしょう。不採用になる可能性もあることをあらかじめ伝えるよう周知するなど、望ましくない結果を避けるための配慮は必要です。 

インセンティブの費用がかかる 

求人広告の掲載費や転職エージェントへの報酬と比較すると、リファラル採用ではコストが抑えられるのが一般的であるとはいえ、インセンティブの費用が採用コストとして発生するのは事実です。 

最初に設定したインセンティブをあとになってから引き下げると、従業員にとって紹介するメリットが少なくなってしまいます。制度を導入する際にインセンティブを高くしすぎないよう、検討してインセンティブの内容を決定しましょう。金銭以外に、休暇をインセンティブとして付与する企業もあります。 

紹介してくれる従業員の教育が必要 

企業が求人広告を出稿する際には、原稿についてのコンプライアンスチェックが行われるのが一般的ですが、リファラル採用の場合は従業員の口頭や文面による求人募集となってしまいます。その際に従業員が、自分の職場のアピールをするために「〇〇(大企業)との取引がある」といった社外秘の情報を口にしてしまう可能性があります。 

こういったリスクを避けるために、顧客情報のようにたとえ友人・知人であっても公開してはいけない情報があることを従業員に教えておく必要があります。公開して良い情報と公開してはいけない情報を、明確に提示しておきましょう。 

また、採用ターゲットから外れた人材の紹介があると、面接などの採用プロセスで不要なリソースが発生してしまいます。どのような人材を求めているのかということも、従業員にわかるように伝達する必要があるでしょう。 

入社後の配属に配慮が必要 

リファラル採用の場合、採用された社員が社内で孤立してしまうおそれは比較的少ないですが、紹介者と同じ部署や近すぎる部署に配属すると、かえって紹介者以外の従業員との距離が縮まらないケースも考えられます。 

入社後にバランス良く人間関係が築けるよう、配属にも配慮や工夫が必要でしょう。 

リファラル採用を取り入れると効果的な企業 

リファラル採用は、大企業から中小企業まで、幅広い企業にメリットをもたらす手法ですが、リファラル採用の導入が特に効果的なのは、スタートアップやベンチャーなどの中小企業です。 

幅広い企業の情報が並ぶ求人情報サイトのような媒体では、どうしても「知っている企業」に求職者の目が行きやすくなります。追加費用を支払って検索上位に表示できる媒体もありますが、規模の小さな企業では、採用予算を十分に確保できないケースも少なくないでしょう。 

そうした状況では、従業員の紹介を通して自社を知ってもらえるうえに比較的コストを抑えやすいリファラル採用の活用が、効率的・効果的な採用につながりやすいのです。 

リファラル採用でトラブルなく成功させるためにするべきこと 

最後に、リファラル採用を成功させるために企業が実施すべきことを2つご紹介します。 

リファラル採用を制度化する 

リファラル採用を導入する際には、ルールを整備したうえで、リファラル採用を1つの採用経路としてきちんと制度化しましょう。 

リファラル採用は、公平性や透明性が担保されていることによって継続できる採用手法です。従業員が採用プロセスに不信感を覚えてしまうと、リファラル採用という手法自体に不満を持つようになり、知人や友人を紹介してくれる従業員がいなくなってしまうおそれがあります。 

また、リファラル採用では知り合いを紹介した社員にインセンティブを設定するのが一般的です。「特別な理由がないのに、人によってインセンティブが異なる」といった状況は避けなければいけません。各従業員が気持ちよく知人・友人を紹介できるようにインセンティブを設定し、明文化しておくことが大切です。 

社内に告知する 

リファラル採用を制度として整備したあと、すべての従業員に対して告知を行います。 

一部の従業員がリファラル採用を導入したことを知らない状態だと、公平性が担保できません。社内の全員にもれなく情報が伝わるよう、伝達手段を工夫しましょう。 

募集を開始する際にはあらためて社内で周知し、その後内容に変更があった際にも、細かく告知を行うようにしてください。 

リファラル採用を活用して優秀な人材を確保しよう 

リファラル採用は、採用難といわれる現代において効率的な採用を可能にする手段の1つです。 

ただし、採用手法をリファラル採用に1本化するのは、あまり現実的ではないでしょう。求人情報サイトや求人検索エンジンへの掲載など、従来の採用方法と併用する形でリファラル採用を取り入れるのがおすすめです。 

リファラル採用を含むすべての採用手法において重要な役割を果たすのが採用ホームページです。インターネット社会である現代において、応募を検討している企業のホームページをチェックする求職者は多いと考えられます。企業が魅力的な採用ホームページを持っていることは、多くの求職者にとってポジティブに働くでしょう。 

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