ファクタリングと手形割引の違いは?それぞれのメリットも比較

ファクタリング
売掛金のファクタリングと受取手形の手形割引の違いを比較検討し、2027年の手形廃止に備えて新たな資金調達手段をパソコンと電卓で模索する様子

ファクタリングは売掛金、手形割引は受取手形を譲渡して資金調達する手段を指します。ファクタリングと手形割引には、現金化までのスピードや償還請求権の有無など、さまざまな違いがあります。

この記事では、ファクタリングと手形割引の違いやそれぞれのメリット、利用する際の注意点などについて解説します。

この記事でわかること

  • ファクタリングと手形は、仕組みや対象、現金化までの流れなどが異なる
  • ファクタリングは売掛金、手形割引は受取手形を譲渡して資金調達する手段のこと
  • 紙の手形は2027年3月までに廃止される見込みであるため、今後は手形割引以外の資金調達手段も検討しなければならない
  • ファクタリングや手形以外の資金調達手段は、将来債権ファクタリングや銀行融資など

目次

ファクタリングと手形割引の違い

ファクタリングも手形割引も、資金調達の手段として使われます。おもな違いは、下記のとおりです。

  • 仕組み
  • 対象
  • 現金化までの流れ
  • 審査基準
  • 償還請求権の有無
  • 売掛先からの承諾の有無
  • 決算書への記載の有無

それぞれを詳しく解説します。

女性が2色のブタの貯金箱にコインを投入する様子。ファクタリングと手形割引の違いをイメージさせる

仕組み

ファクタリングと手形割引のおもな違いとして、それぞれの仕組みが挙げられます。

ファクタリングとは、取引先に対して有する売掛債権(売掛金)をファクタリング事業者に譲渡し、手数料を引いた額を受け取る方法です。利用者とファクタリング事業者の間で契約する2社間ファクタリングと、利用者とファクタリング事業者、売掛先で契約する3社間ファクタリングがあります。

それに対し、手形割引とは、期日が到来する前に銀行や手形割引業者に約束手形などを譲渡して、手数料(割引料)を引いた額を受け取る方法です。約束手形とは、記載された金額を期日に支払うことを約束した有価証券を指します。

なお、手形割引は貸金業(銀行は銀行業)に該当するのに対し、ファクタリングは原則として貸金業にはあたりません。

対象

現金化の対象(何を譲渡して資金を受け取るか)も、ファクタリングと手形割引で異なる点です。ファクタリングは『売掛金』を対象とするのに対し、手形割引は『受取手形』を対象とします。

売掛金は商品やサービスを提供した際に、後で代金を受け取る権利で、基本的に目には見えません。一方、手形は目に見える現物の有価証券です。

なお、売掛金も受取手形も取引先との取引で生じる売上債権の1つである点は共通しています。

現金化までの流れ

現金化までの流れも、ファクタリングと手形割引で異なる点です。一般的に、ファクタリングのほうが手形割引よりも早くに資金調達できる傾向にあります。

ファクタリングを利用する場合、ファクタリングの種類やファクタリング事業者によっては最短で即日に資金調達が可能です。一方、銀行で手形割引を利用する場合には、申込から振出人の審査・申込人の審査・契約などを経て、入金までに数日から1週間かかる可能性があります。手形割引業者を利用する場合には、手形割引でもより早いタイミングで資金調達できることがあります。

なお、どちらも本来の期日よりも前に資金を受け取る点では共通しています。

審査基準

審査基準も、ファクタリングと手形割引で異なります。

ファクタリングでは、売掛先の信用力を重視して審査することが一般的です。そのため、業歴が浅い、赤字が続いているなどの事情がある事業者でも、利用できる可能性があります。

一方、銀行で申し込む手形割引の場合、振出人と利用者両方の信用力が問われます。自社の取引状況や財務内容によっては、手形割引を利用できないことがあります。

償還請求権の有無

償還請求権の有無も、ファクタリングと手形割引の違いとして挙げられます。償還請求権とは、債務者からの支払がない場合に、以前の債権者にまで遡って請求できる権利を指します。

例えば、BがAに対して有する債権について、Cに譲渡したケースで考えてみましょう。償還請求権があれば、AがCに対して債権を支払わない場合に、CはBに対して債権を請求(償還請求)できます。

ファクタリングの場合、売掛金の譲渡先に償還請求権はないことが一般的です。そのため、ファクタリングを利用してから売掛先が倒産しても、ファクタリング事業者から売掛金相当額の支払いを請求されません。

一方、手形割引は基本的に償還請求権のある契約です。手形の期日が到来したにもかかわらず、振出人が代金を支払おうとしない場合は、申込人が銀行(割引業者)から請求されます。

売掛先からの承諾の有無

売掛先からの承諾の有無も、ファクタリングと手形割引で異なる点です。

3社間ファクタリングは利用者・ファクタリング事業者・売掛先で契約を結ぶため、ファクタリングを利用することについてあらかじめ売掛先に承諾を得なければなりません。一方、手形割引を利用する場合は、基本的に申込人と銀行(割引業者)とのやりとりで進められるため、売掛先からの承諾は不要です。

ただし、ファクタリングを利用する場合でも、2社間ファクタリングは利用者とファクタリング事業者との間で進める契約のため、基本的に売掛先に伝える必要はありません。

決算書への記載の有無

決算書への記載の有無も、ファクタリングと手形割引で異なります。

ファクタリングの場合、利用したことについて決算書に注記する必要はありません。一方、割引手形を利用する場合は、決算書の貸借対照表で流動負債として計上するか、『受取手形割引高』として注記するなどの方法で割引手形の残高を表示する必要があります。

なお、売掛金を減少させたり、手数料を計上したりするため、ファクタリングを利用する場合も決算書自体に影響は及ぼします。

ファクタリング・手形割引のメリット

ここからは、ファクタリングで資金調達するメリットと手形割引で資金調達するメリットについて、詳しく解説します。

青いタイルにMERITの文字が並びファクタリング導入や手形割引を利用するメリットを強調するアイキャッチ素材

ファクタリングで資金調達するメリット

必要なときにすぐ資金調達しやすいことが、ファクタリングのメリットです。銀行の融資が受けられないなどの理由で必要な支払いに間に合わないおそれがあるときに、ファクタリングで対応できる可能性があります。

貸倒れのリスクを軽減できることも、ファクタリングを資金調達手段として利用するメリットです。売掛先が支払不能になっても基本的にはファクタリング事業者から代金を請求されることはありません。

2027年3月末までに約束手形が廃止される可能性があることを踏まえ、手形割引以外の資金調達手段として活用できることもファクタリングのメリットです。また、将来を見据えて、Airキャッシュや請求書立替払いサービスなどの資金調達方法も、あわせて検討しておきましょう。

株式会社リクルートのAirキャッシュとは、『Airペイ』や『じゃらんオンラインカード決済』で将来的に発生する売上をもとに、資金の提供を受けられるサービスです。

手続きは2ステップで、最短で翌日に入金されるため、上手に活用することで資金繰りの安定化につながります。

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請求書払いサービスとは、目の前の支払いを株式会社リクルートが立て替えるサービスです。借入なしで、支払日を最大60日後に延長できます。

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手形割引で資金調達するメリット

売掛先の信用が低い場合や財務内容が良好でない場合でも、自社の信用力があれば利用できる可能性がある点が、手形割引で資金調達するメリットです。売掛先が支払えない場合に申込人に請求できるため、銀行(割引業者)は申込人の支払能力を考慮して利用可否を決めます。

以前から用いられていて、馴染みのある資金調達手段であることもメリットです。利用していることを金融機関や株主に知られたとしても、説明しやすいでしょう。

ファクタリングで資金調達する際の注意点

ファクタリングで資金調達する際は、下記の点に注意しましょう。

  • 2社間と3社間で扱いが異なる
  • 事業者によって手数料が異なる

各注意点を解説します。

電卓を叩きながら書類を確認し手形の割引料やファクタリングの手数料計算を行っている経理担当者の手元

2社間と3社間で扱いが異なる

ファクタリングで資金調達する際は、2社間ファクタリングと3社間ファクタリングで扱いが異なる点に注意しましょう。

たとえば、2社間ファクタリングは3社間ファクタリングよりも手数料がかかる傾向があります。そのため、3社間ファクタリングを利用したほうが手数料は抑えられるでしょう。

一方で、2社間ファクタリングは「取引先に知られる心配がない」「3社間ファクタリングよりもスムーズに資金調達できる」などのメリットがあります。Airキャッシュのように、書類不要で手間なく利用できるサービスもあります。

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事業者によって手数料が異なる

ファクタリング業者によって、ファクタリングを利用する際にかかる手数料が異なる点にも注意しましょう。

資金調達のためにファクタリングを利用しても、手数料がかかるとのちに資金繰りに影響を及ぼす可能性があります。資金繰りを圧迫しないためにも、利用する金額と料率を踏まえて、あらかじめ手数料を計算しておくことが大切です。

手形割引で資金調達する際の注意点

手形割引で資金調達する際の注意点は、下記のとおりです。

  • 買い戻しが必要になる可能性がある
  • 今後は手形の取り扱いが減ることが予想されている

それぞれ解説します。

黒板に電球のイラストとPOINT!!の文字が描かれファクタリングや手形取引の重要なポイントを解説するイメージ

買い戻しが必要になる可能性がある

手形割引を利用する際は、買い戻しが必要になる可能性がある点に注意が必要です。

手形割引には、原則として償還請求権があります。そのため、万が一振出人が支払不能に陥った場合は、自身で手形を買い戻さなければなりません。

買い戻しのリスクをある程度想定していないと、急に支払義務が生じて資金繰りが悪化する可能性があります。

今後は手形の取り扱いが減ることが予想されている

今後は手形の取り扱いが減ることが予想されている点にも、注意が必要です。

日本政府は2027年3月末までに紙の手形・小切手の交換を廃止する方針を発表しています。紙の手形が廃止されると、手形取引を電子記録債権やインターネットバンキングによる振込みなどに切り替えなければなりません。

手形の取引がなくなると、割引手形を利用する機会もなくなります。現在、手形割引で資金調達している場合や、これから手形割引による資金調達を考えている場合は、早めに別の手段を検討することが必要です。

参考:一般社団法人 全国銀行協会「紙の手形・小切手利用廃止へ」

ファクタリング・手形割引の使い分け方

ここから、資金調達が必要な局面におけるファクタリングと手形割引の使い分け方について解説します。

自宅でノートパソコンに向かいオンライン完結型のファクタリング申請や電子手形の手続きを行っている男性の横顔

ファクタリングで資金調達するケース

売掛先の貸倒れリスクを軽減したいときは、ファクタリングでの資金調達を検討しましょう。リコース契約を結んでいなければ、売掛先の支払いが困難になった場合でも支払負担を避けられます。

また、すぐに資金調達が必要なときもファクタリングを活用するとよいでしょう。ファクタリングの種類によって、早いときは即日で調達できることもあります。

さらに、業歴や財務内容が理由で、銀行の融資や手形割引による資金調達が難しい場合も、ファクタリングを検討するタイミングの1つです。

手形割引で資金調達するケース

売掛先に承諾を得ることが難しい場合に、手形割引を利用することがあります。手形割引は申込人と銀行(割引業者)の間で手続きするため、売掛先に伝える必要がありません。

ただし、今後紙の手形の廃止が予定されています。将来を見据えて、売掛先に承諾を得なくても資金調達できるAirキャッシュなどの2社間ファクタリングなども検討しておきましょう。

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ファクタリング・手形割引以外で資金調達する方法

ファクタリングも手形割引も債権を必要とする手段のため、別の調達手段も検討しておきましょう。ファクタリング・手形割引以外で資金調達する方法は、主に下記のとおりです。

  • 将来債権ファクタリング
  • 電子記録債権割引
  • 銀行融資
  • 補助金・助成金

ここから、各手段の概要や利用するメリットなどについて解説します。

スーツを着た男性がスマートフォンを操作してファクタリングや手形割引以外の方法で資金調達の申込み連絡を行っているビジネスシーン

将来債権ファクタリング

将来債権ファクタリングとは、将来債権を業者に譲渡して手数料を引いた分の金額を受け取る仕組みのファクタリングです。

将来債権とは、事業や取引が継続的・反復的に行われることにより、将来的に発生することがほとんど確定している債権を指します。2020年の民法改正で『将来債権の譲渡』が明文化されたことに伴い、将来債権ファクタリングを使って資金調達できる機会が増えました。

将来債権ファクタリングのメリットは、まだ取引が発生していなくても、資金調達できる点です。そのため、現在債権がなくて従来のファクタリングや手形割引を利用できないケースでも、将来債権ファクタリングであれば利用できる可能性があります。

株式会社リクルートの『Airキャッシュ』は、将来債権ファクタリングの一種です。Airキャッシュは、決算書などの書類提出や煩雑な審査が不要で、最短翌日に資金調達できます。また、Airペイやじゃらんオンラインカード決済の売上に応じて自動で引落し 精算されるため、資金繰り管理の手間も軽減できるでしょう。

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電子記録債権割引

電子記録債権割引とは、期日前に取引先に対する電子記録債権を銀行や貸金業者に譲渡することにより、割引料を引いた分の金額を受け取る資金調達方法です。電子記録債権とは、『でんさい』のように、電子債権記録機関の記録原簿への電子記録を発生・譲渡の要件とする、金銭債権を指します。

取引先に手形決済から電子記録債権による支払いへの切り替えを希望されたことで、従来のように手形割引を利用できなくなった場合でも、電子記録債権割引で資金調達が可能です。とくに、今後手形の取り扱いが減少するにつれて、電子記録債権割引の需要は高まるでしょう。

電子記録債権割引を利用する場合は、発行元の企業が支払困難に陥った際に手形割引と同様に買い戻しの責任が生じる点に注意が必要です。

銀行融資

銀行から融資を受けることで、資金調達する方法もあります。

銀行融資を利用する場合、高額な資金を資金調達できる可能性がある点がメリットです。また、公的融資制度などを利用することで、低金利で調達できる場合もあります。

その一方で、借入までに時間がかかる点や、審査が厳しいことに注意が必要です。業歴や財務内容によって希望する金額を調達できなかったり、急ぎで必要な支払いに間に合わせられなかったりすることがあります。

また、融資を受けると『負債』が増加する点もデメリットです。負債が過度に増えると返済負担が重くなったり、財務内容が悪化して新たな融資を受けにくくなったりすることがあります。

銀行融資、補助金・助成金、その他の資金調達方法について、網羅的な情報と成功のコツを知りたい方は、**関連記事『中小企業が選ぶべき資金調達方法は?成功のポイントや審査通過のコツも解説』**をご参照ください。

中小企業が選ぶべき資金調達方法は?成功のポイントや審査通過のコツも解説

補助金・助成金

補助金や助成金を受け取ることで、資金調達する方法もあります。

補助金も助成金も、国や地方公共団体から支給されるお金のことです。債権を有していなくても、要件を満たせば補助金・助成金の制度を活用して資金を調達できる可能性があります。

一方で、手続きに手間がかかる点に注意が必要です。要件を満たすためにさまざまな書類を揃えたり、補助金・助成金を受け取ってから事後報告をしたりしなければなりません。

受け取るまでに時間がかかる点や原則として後払いである点も、デメリットです。すぐに支払わなければならないものがある場合には、馴染まないでしょう。

まとめ

仕組み・対象・現金化までの流れなどが、ファクタリングと手形割引で異なる点です。ファクタリングは売掛金を譲渡するのに対し、手形割引は受取手形を譲渡して資金を調達します。

売掛先の信用が低い場合や財務内容が良好でない場合でも、自社の信用力次第で利用できる可能性がある点が、手形割引のメリットです。ただし、2027年3月末で紙の手形が廃止される見込みのため、ファクタリング・将来債権ファクタリングなど手形割引の代わりになる手段を検討しておかなければなりません。

ファクタリングや将来債権ファクタリングを利用すれば、スムーズに資金を調達できる点がメリットです。また、将来債権ファクタリングなら、まだ取引が発生していなくても資金調達できる可能性があります。

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