
事業を続けていくなかで、売上はあるのに手元資金が不足し、資金繰りが苦しくなるケースは少なくありません。資金繰りが悪化すると、日々の支払いや事業運営に支障をきたし、最悪の場合は黒字であっても経営が行き詰まることがあります。
この記事では、資金繰りが苦しい主な原因を整理したうえで、状況が悪化した際の具体的な対処法や、資金繰り改善に役立つ資金調達方法について解説します。
この記事でわかること
- 資金繰りが苦しいときの対処法がわかる
- 融資や補助金・助成金の活用など、資金繰りを改善するための資金調達方法がわかる
- 資金繰りの悪化を防ぐ方法として、資金繰り表の作成や支払サイトの変更、融資の返済条件変更などがわかる
- 資金繰りが苦しいときにしてはいけないことがわかる
目次
資金繰りとは
資金繰りとは、事業を継続していくために必要な現金の流れを把握し、適切に管理することです。売上や利益が出ていても、仕入代金・人件費・家賃・税金などの支払時期に十分な現金が手元になければ、事業の継続は難しくなるでしょう。
とくに、売上の入金と支払いのタイミングにはズレが生じやすく、このズレを見誤ると「黒字倒産」に陥る可能性もあります。そのため、日々の現金残高だけでなく、将来の入金予定や支払予定を見越して管理することが欠かせません。
定期的に資金の流れを確認し、予測される不足時期に備えた対策を検討しておくことで、急な資金不足を未然に防止できます。さらに、資金管理を習慣化することで、借入や支出の調整といった適切な対策を事前に講じられ、安定した経営の維持につながるでしょう。

資金繰りが苦しいときの対処法
資金繰りが厳しくなった場合、問題を先送りせず、早い段階で現状を把握し対策を講じることが重要です。支出の見直しや手元資金の確保を進めることで、資金繰りが悪化する状況を防止できます。
ここでは、資金繰りが苦しいときに取り組みやすい対処法を紹介します。

経費を削減する
資金繰りの改善には、経費削減が即効性の高い対処法です。毎月必ず発生する固定費や、業務量に応じて増減する変動費を洗い出し、不要もしくは過剰な支出がないかを確認します。
とくに、通信費やサブスクリプションサービス、外注費などは見直しやすく、契約内容の変更や業者の切り替えによって削減効果が出やすいでしょう。
また、交際費や広告費なども費用対効果を検証し、優先度の低い支出は一時的に抑える判断が求められます。小さな削減でも積み重ねることで、資金繰りの安定につながります。
不要な資産を売却する
使用していない設備や遊休不動産などを売却することも、まとまった現金を確保できる有効な手段です。保有しているだけで維持費や管理コストが発生している資産は、早めに現金化することで資金繰りの改善を図れます。
資産の売却は一時的な資金確保だけでなく、固定費や保管コストの削減にもつながるでしょう。事業の継続に本当に必要な資産かどうかを見極め、不要なものは見切りをつけて手放す判断も必要です。
在庫を見直す
過剰な在庫は資金を滞留させ、資金繰りを悪化させる要因です。売れ残りや回転率の低い在庫を抱え続けると、保管コストや廃棄リスクも増加します。そのため、在庫の状況を定期的に確認し、不要な在庫は値下げして販売したり処分を検討したりすることが必要です。
また、仕入れの量や発注の頻度を見直し、適正な在庫水準を維持することで、無駄な資金の発生を防げるでしょう。在庫管理の改善は、長期的な資金繰りの安定につながります。
資金繰りを改善するための資金調達方法
支出の削減や資産整理だけでは資金不足を解消できない場合、外部からの資金調達を検討する必要があるでしょう。必要に応じて適切な方法を選ぶことで、資金繰りの安定化を図れます。
ここでは、資金繰りの改善に役立つ資金調達方法を紹介します。

金融機関から融資を受ける
代表的な資金調達方法として、銀行や信用金庫などの金融機関からの融資が挙げられます。融資を受ける際には、資金の使い道や返済計画を明確にし、事業計画として整理しておくことが重要です。
数字に基づいた説得力のある説明ができれば、金融機関からの信頼を得やすくなり、審査が通る可能性が高まるでしょう。
目先の資金繰り対策ではなく、長期的な返済の負担も見据えた慎重な判断が求められます。
補助金・助成金を申請する
国や自治体が実施する補助金・助成金は、返済不要で利用できる資金調達方法です。設備投資や人材育成、業務改善など、目的が定められているケースが多いため、自社の事業内容に合った制度を選ぶ必要があります。
申請には条件や期限があるため、早めの情報収集と準備が欠かせません。また、多くの補助金・助成金は事業を実施したあとの支給となるため、支給までの資金繰りを考慮しておくことも必要です。
ファクタリングを利用する
ファクタリングは、保有している売掛金をファクタリング会社に売却し、早期に現金化する方法です。入金までの期間を短縮できるため、資金繰りを改善する手段として活用されています。
原則として借入ではないため、負債として計上されず、財務状況に影響を与えにくい点がメリットです。
ただし、手数料が発生するため、コストと効果を比較したうえで利用を検討する必要があるでしょう。
ファクタリングの利用に不安がある方は、関連記事『ファクタリングはやばい?悪徳業者・違法業者の特徴や利用するメリットも解説』もあわせてご確認ください
手形割引を利用する
手形割引は、受け取った手形を期日前に金融機関などで現金化する方法です。満期日を待たずに資金を確保できるため、急な支払いが発生した場合の資金繰り対策になります。
ただし、割引料や手数料が差し引かれるため、実際に受け取れる金額は手形額面より少なくなる点に注意が必要です。短期的な資金確保手段として位置づけ、計画的に活用するとよいでしょう。
資金繰りの悪化を防ぐための対策
資金繰りを安定させるためには、問題が出てから対応するのではなく、日ごろからの管理と予防が不可欠です。
現金の流れを把握し、入出金のタイミングや資金の余裕を常に確認しておくことで、急な資金不足に陥るリスクを減らせます。資金繰りの悪化を未然に防ぎ、安定した経営を長期的に維持できるでしょう。
ここでは、資金繰りを悪化させないために事前にできる対策を解説します。

資金繰り表を作成する
資金繰り表とは、一定期間における現金の入出金を時系列で整理し、お金の流れを把握するための資料です。売上の入金予定や仕入代金、人件費、税金などの支払予定を一覧にすることで、どの時点で資金が不足する可能性があるのかを事前に把握できます。
資金不足が予測できれば、早めに融資の相談をしたり、支出を抑えたりといった対策を講じやすいでしょう。
また、資金繰り表を継続的に作成・更新することで、経営状況の変化にも柔軟に対応できます。日々の経営判断の精度を高めるうえでも、資金繰り表の作成と活用が効果的です。
資金繰り表の具体的な作り方やテンプレートについては、関連記事『資金繰り表とは?エクセルでの作り方や黒字倒産を防ぐ作成のメリットを解説』をご確認ください。
支払サイトを変更する
支払サイトの変更も、資金繰りの悪化を防ぐ対策のひとつです。支払サイトとは、企業間取引において、締め日から代金が実際に支払われるまでの猶予期間を指します。
取引先と交渉して支払期限を延ばすことで、資金の流出を一時的に抑えられるでしょう。とくに、入金よりも支払いが先行しがちな事業では、支払サイトの調整が資金繰り改善に大きく影響します。
一方的な変更は取引関係の悪化を招くおそれがあるため、無理のない範囲で誠実に交渉することが大切です。信頼関係を維持しながら調整できれば、資金繰りに一定の余裕を持たせられるでしょう。
融資の返済条件を変更する
借入金の返済が資金繰りを圧迫している場合、金融機関に返済条件の変更を相談する方法があります。「返済期間を延ばす」あるいは「一定期間元金の返済を据え置く」ことで、毎月の返済負担を軽減できます。
返済条件の変更は、経営状況が悪化してからではなく、余力のあるうちに相談することが重要です。事業の現状や今後の見通しをていねいに説明すれば、金融機関の理解を得やすいでしょう。適切な条件の見直しは、資金繰りを立て直すための有効な手段です。
融資の借り換えを行う
複数の融資を利用している場合や、金利の高い借入が残っている場合は、融資の借り換えにより返済負担を軽減できる可能性があります。
より低金利で条件のよい融資に切り替えることで、毎月の返済額を抑えられ、長期的な資金繰り改善につながるでしょう。
ただし、借り換えには手数料や審査が必要です。総合的なコストを比較したうえで判断する必要があります。
資金繰りが苦しいときにしてはいけないこと
資金繰りが厳しい状況では、目先の現金確保を優先するあまり、誤った判断をしてしまいがちです。
不適切な対応は取引先からの信用低下や事業運営の悪化につながり、状況をさらに困難にする原因になるでしょう。将来への影響を踏まえ、冷静に判断することが必要です。
ここでは、資金繰りが苦しい場合でもしてはいけないことを解説します。

支払いの滞納
取引先への支払いを滞納すると、信用を大きく損ない、取引停止や契約条件の悪化につながるおそれがあります。一度失った信用を回復するには時間と労力がかかるため、安易に滞納することは避けましょう。
とくに継続的な取引関係を維持している場合、支払遅延は将来的な取引機会の喪失や、取引条件の厳格化といった影響を及ぼす可能性があります。
資金繰りが厳しい場合は、早めに取引先に相談し、支払期日の延長や分割払いなど具体的な対応策について協議することが重要です。
誠実な対応を心がけることで、相手側の理解を得やすく、信頼関係を維持しながら資金不足の問題を解決できます。
税金・社会保険料の滞納
税金や社会保険料は優先度の高い支払いであり、安易に後回しにすると、資金繰りの悪化や信用低下につながる可能性があるでしょう。これらを滞納すると、延滞金の発生や財産の差し押さえなど、事業運営に深刻な影響を及ぼすリスクがあります。
支払いが困難な場合は、早めに税務署や年金事務所に相談することが重要です。相談することで、分納や納付猶予、減免、期限延長などの制度を活用できる場合があり、資金繰りの負担を軽減できます。
支払いができない状態を放置せず、必要な書類を整えたうえで正式な手続きを行うことが、経営悪化を防ぐポイントです。
金利の高い業者からの借入
資金繰りに追われるあまり、高金利の業者から安易に借入を行うことは避けましょう。一時的に現金を確保できても、返済負担が重くなり、結果として資金繰りをさらに悪化させるおそれがあります。返済負担が長期にわたることで、事業の立て直しや経営改善を困難にする可能性もあるでしょう。
資金調達を行う際は、借入条件や金利、返済期間を十分に確認し、返済計画を明確にしたうえで判断することが重要です。短期的な資金不足をしのぐだけでなく、長期的な資金繰りや経営安定を見据えた計画的な対応が求められます。必要に応じて、複数の資金調達手段を比較検討するとよいでしょう。
資金繰りが苦しいときに役立つサービス
資金繰りが厳しく、融資を受けるまでの時間的余裕がないとき、カンタンに利用できるサービスがあります。『Airキャッシュ』は将来の売上をすぐに現金化でき、『請求書立替払いサービス』は、期日の迫った支払いを先延ばしにできるサービスです。
それぞれの内容を紹介します。

将来の売上を資金化できる『Airキャッシュ』
『Airキャッシュ』は、Airペイやじゃらんオンラインカード決済の今後の売上をもとに、必要な資金をすぐに手に入れられ、資金繰りが苦しいときに役立つサービスです。
将来の売上見込みに応じて資金が提供される仕組みで、申込みは希望金額と引落率を選ぶだけで、カンタンに済みます。通常の借入のような審査や書類提出は不要で、最短翌日には入金されるため、今すぐ資金が必要な場合に最適です。
資金の使い道は自由で、急な出費にも対応可能です。実際の決済額に応じて返済されるため、売上が少ない月は返済負担も軽くなります。手数料もプランに応じたサービス料のみで、引落期間が延びても追加費用はかかりません。
支払いを先延ばしできる『請求書立替払いサービス』
『請求書立替払いサービス』は、支払期限が迫った請求書の支払いを先送りできるサービスです。現金が不足してすぐに支払えない場合でも、クレジットカードを使って支払うことで、実際の支払日を最大60日後まで延長できます。
利用にあたっては、書類提出や取引先への連絡は不要で、振込先情報とカード情報を入力するだけで手続きが完了します。最短当日には振込が可能なため、支払遅延のリスクを避けながら資金を確保できる点がメリットです。
さらに、振込依頼人名は自由に設定できるため、取引先に利用が知られる心配もありません。
まとめ
資金繰りが苦しい状況を乗り越えるためには、原因を正しく把握し、早めに対策を講じることが重要です。経費削減や在庫・資産の見直しなどの対策に加え、必要に応じて融資や補助金、ファクタリングといった資金調達手段を活用することで、資金不足のリスクを軽減できるでしょう。
日ごろから資金繰り表を作成し、資金の流れを管理することも、安定した経営のために重要です。短期的な対処だけでなく、中長期的な視点で資金繰りを改善していくことが、事業を長く継続するポイントとなるでしょう。
資金不足で資金繰りが悪化しそうなときは、『Airキャッシュ』や『請求書立替払いサービス』の活用がおすすめです。一時的な資金不足を解消し、スムーズな経営をサポートします。









