個人事業主でも借入できる融資は?融資以外の資金調達方法も解説

資金調達・融資
開業や事業拡大に必要な資金調達を検討する個人事業主が、政府系金融機関や民間からの融資を受けるために電卓でシミュレーションを行いながら現金を手にする様子

この記事では、個人事業主が融資を受けるために必要な条件と方法を解説します。また、融資以外に資金を調達する方法も紹介します。

「開業に向けてまとまった資金を用意したい」「事業拡大に向けて資金調達方法を押さえておきたい」という方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 個人事業主が融資を受けるために必要な開業届や確定申告について理解できる
  • 個人事業主が利用できる主な融資として、政府系金融機関および民間の金融機関、自治体の制度融資の特徴や違いがわかる
  • 融資以外の資金調達方法である、助成金や補助金・カードローン・ビジネスローン・クラウドファンディング・ファクタリングの概要も確認できる

目次

個人事業主が融資を受けるために必要な条件

事業を行うにあたり、まとまった資金が必要になったときには、融資の利用を考える方も多いでしょう。個人事業主でも、融資を受けられます。ただし、融資を受けるには、一般的に次の2つの条件を満たす必要があります。

  • 開業届を提出している
  • 確定申告の実績がある

それぞれを詳しく解説します。

確定申告書や計算書類を前にスマートフォンを操作する女性。個人事業主が融資申し込みに必要な書類を揃え、スマホで手続きを進める様子

開業届を提出している

個人事業主が融資を受けるために必要な条件の1つが、開業届を出すことです。

開業届は、新たに事業を開始したことを明確にするために、税務署に提出する書類です。

法律上の提出期限は、開業した日の属する年分の所得税に係る確定申告の期限までとされています。令和7年までは開業の日から1か月以内とされていましたが、令和8年1月1日以後に開業からは期限が延長されました。開業準備が忙しい場合なども、提出を忘れないよう注意しましょう。

開業届を出していなければ融資の利用が難しくなります、融資が必要な際にスムーズに手続きを進めるためにも、個人事業主として事業を始めるときには、速やかに開業届を提出しておきましょう。

参考:国税庁|A1-5 個人事業の開業届出・廃業届出等手続

参考:国税庁|No.2090 新たに事業を始めたときの届出など

確定申告の実績がある

個人事業主が融資を受けるために必要なもう1つの条件は、確定申告の実績があることです。確定申告は、毎年1月1日~12月31日までに生じた所得と所得税を確定し、税務署への申告および納税をする手続きを指します。

金融機関が融資としてお金を貸し出す際は、借り入れる側の返済能力を確認します。なぜなら、返済能力が低い方にお金を貸し出してしまうと、資金を回収できなくなるおそれがあるためです。

確定申告を確認すれば、個人事業主の経営や収益の状態がわかります。融資を利用するにあたっては、確定申告の実績が必要になることは覚えておきましょう。

ただし、創業時には確定申告の実績がないため、創業融資を受ける際は確定申告の実績は求められません。

参考:国税庁|No.2020 確定申告

個人事業主が融資を受ける主なタイミング

個人事業主が融資を考える主なタイミングは、開業時と事業拡大時とされます。開業時と事業拡大時に融資が必要とされる理由を、それぞれを詳しく見ていきましょう。

机の上の千円札と小銭を見つめ、顎に手を当てて悩む男性。個人事業主が融資を検討する際の資金繰りや手元の現金管理をイメージ

開業時

開業時に融資が必要とされるのは、まだ売上がないため自己資金の用意が難しい一方で、多額の開業資金が必要になるためです。

開業に必要な主な費用には、下記が挙げられます。

  • 物件取得費
  • 設備費用
  • 運転資金

業種や店舗の大きさや立地などにより必要な費用は異なるため、一概にいくら必要かはいえませんが、一般的には1,000万円程度の資金が必要といわれます。手持ちの資金では足りない場合には、融資で調達する必要があるでしょう。

事業拡大時

事業拡大時に融資を利用する方が多いとされるのは、新たな設備投資や人件費、物件取得費用などが必要になるためです。

これまでの事業で十分な利益が出ていたとしても、新しい店舗の取得費やスタッフの給与、設備費、数ヶ月分の運転資金などのすべてを、手持ちの現金で用意することは難しいケースもあります。

事業拡大に必要な資金が足りない場合には、融資を利用した資金調達を検討しましょう。

個人事業主が融資を受ける3つの方法

個人事業主が融資を受けるためには、主に下記の3つの方法があります。

  1. 政府系金融機関から借り入れる
  2. 民間の金融機関から借り入れる
  3. 自治体の制度融資を利用する

各融資の特徴は、下表のとおりです。

政府系金融機関民間の金融機関自治体の制度融資
金利の目安比較的低い高め比較的低い
審査のスピード早い比較的早い遅め
審査の難易度比較的通りやすい厳しい比較的通りやすい
開業から1年以内の利用利用しやすい難しい難しい

それぞれを詳しく解説します。

バインダーに挟まれた契約書類の内容について、ペンを指しながら説明を受ける様子。個人事業主が融資の契約条件を確認する重要なシーン

1.政府系金融機関から借り入れる

政府系金融機関とは、日本国内の産業の発展や中小企業のサポートを目的として、政府が一部または全額を出資する銀行のことです。

政府系金融機関にはいくつかありますが、個人事業主であれば、創業や中小企業の経営サポートを主な目的とする日本政策金融公庫が選択肢となるでしょう。

日本政策金融公庫の融資は、民間の金融機関と比べて金利が低めに設定されています。個人事業主や中小企業でも、比較的審査に通りやすい点が特徴です。

日本政策金融公庫には、創業期に利用できる融資があります。そのため、確定申告の実績がない方でも、利用可能です。開業資金を調達したいと考えている方は、日本政策金融公庫を検討すると良いでしょう。

日本政策金融公庫の詳細は、関連記事『日本政策金融公庫とは?利用できる融資制度やメリットを解説』をご覧ください。

参考:日本政策金融公庫|公式HP

2.民間の金融機関から借り入れる

融資には、民間の銀行や信託銀行から借り入れるものもあります。

民間の金融機関の融資は、政府系金融機関の融資よりも金利は高めです。審査も厳しい傾向ですが、多額の融資を受けられる可能性がある点が特徴として挙げられます。

民間の金融機関の融資には、プロパー融資と保証付融資があります。プロパー融資とは、銀行が直接融資を行う仕組みです。保証付融資よりも金利が低く借入限度額がない一方で、貸し倒れなど銀行が負うリスクが高いため、審査が厳しいといった特徴があります。

信用力の積み上げが難しい創業間もない企業や中小企業、個人事業主は、プロパー融資の借入は難しいと考えられるでしょう。

保証付融資は、信用保証協会が融資を保証する融資です。保証料がかかるため、プロパー融資と比較して金利は高めですが、銀行のリスクを抑えられることから審査は通りやすくなります。個人事業主や中小企業であれば、保証付融資のほうが利用しやすいといえます。

3.自治体の制度融資を利用する

自治体の制度融資とは、地方自治体と金融機関、信用保証協会の3社が共同で提供する融資のことです。

自治体の制度融資は比較的金利が低く、融資によっては長期での借入も可能です。そのため、返済負担を抑えた借入を目指せるでしょう。

一方、地方自治体と金融機関、信用保証協会の3社が関わる制度融資は、審査に時間がかかるため、融資までに時間を要する点には注意が必要です。制度融資の借入条件は、地方自治体によって異なります。借入を検討している方は、まずは自治体の窓口で確認しましょう。

個人事業主が利用できる融資以外の資金調達方法

個人事業主が資金調達をするには、融資以外に次の方法もあります。

  • 助成金・補助金
  • カードローン
  • ビジネスローン
  • クラウドファンディング
  • ファクタリング

それぞれを詳しく解説します。

オフィスで付箋が貼られたガラスボードを前に笑顔を見せる女性起業家。個人事業主が融資を受けて事業拡大や新規プロジェクトに挑む明るい未来

助成金・補助金

助成金や補助金とは、国や地方自治体が主体となり、政策目標に合致した事業を行う企業に対して、給付金を支払う制度のことです。

助成金や補助金の特徴は、返済の必要がない点です。自社の業務に該当する助成金や補助金がある場合には、利用してみると良いでしょう。

助成金や補助金は、受け取るまでに時間がかかる点には注意が必要です。助成金や補助金を受け取るまでには、数ヶ月程度かかるケースもあります。緊急で資金が必要なときには、ほかの資金調達方法を検討してください。

カードローン

カードローンは、クレジットカード会社や金融機関が提供するローンです。カードローン専用のカードやキャッシュカードなどを使い、契約時の限度内であれば何度でも資金の借入ができます。

金融機関やコンビニなどに設置されたATMを使用し、いつでも無担保無保証で借入が可能です。ただし、融資と比較して金利は高く設定されています。カードローンを利用する際は、必ず金利を確認しましょう。

なお、個人向けのカードローンで借り入れたお金は、事業資金として活用できないことがほとんどです。事業に使用する資金を用意するためには、個人用ではなく個人事業主を対象としたカードローンを選びましょう。

ビジネスローン

ビジネスローンは、銀行やクレジットカード会社、消費者金融が提供する事業資金専用のローンです。

ビジネスローンの多くは、担保や保証人が必要ありません。融資と比較して審査の基準が緩やかに設定されており、審査のスピードも早いため、誰でも利用しやすい資金調達方法の1つといえます。

ビジネスローンは、金利が高めです。また、借入限度額が低めに設定される場合もあります。ビジネスローンを利用する際は、金利を十分に確認し、無理なく返済できる範囲に止めることが重要です。

クラウドファンディング

クラウドファンディングは、一般の人から資金を募る方法です。

具体的には、インターネット上にプロジェクトの紹介ページを作成し、活動に賛同してくれる方や出資してくれる方を集める仕組みです。クラウドファンディングの種類によって、集めた資金の返済が不要な場合と、株式や商品・サービスなどで還元する場合があります。

魅力的な商品やサービスがある会社であれば、クラウドファンディングを活用することで、多くの資金の調達も期待できるでしょう。一方で、商品やサービスの魅力が少ない場合には、目標額に届かない可能性もあります。

ファクタリング

ファクタリングは、企業が保有する売掛債権をファクタリング会社に売却し、売却代金を得る方法です。融資ではないため、調達した資金を返済する必要はありません

ファクタリングは金利がかからない一方、ファクタリング会社に支払う手数料が発生することは、覚えておきましょう。

なお、ファクタリングで調達できるのは、最大でも売掛債権の額面額までです。具体的には、売掛債権の額面額から手数料を引いた金額になります。

ファクタリングの仕組みやメリットについては、関連記事『ファクタリングとは何?メリット・デメリットや注意点を解説』で詳しく解説しているので、併せてご覧ください。

資金が不足した際に活用できるサービス

資金が不足した際に役立つ具体的なサービスには、次の2つがあります。

  • Airキャッシュ
  • 請求書立替払いサービス

それぞれを詳しく解説します。資金繰りに困ったときに慌てずにすむよう、ぜひ押さえておきましょう。

段ボール箱が並ぶ倉庫でバインダーを手に笑顔を見せるショップオーナー。個人事業主が融資で仕入れ資金を確保し、EC事業を円滑に運営する姿

書類の準備不要で資金調達できる『Airキャッシュ』

スムーズな資金調達を希望するのであれば、株式会社リクルートが提供する『Airキャッシュ』が便利です。

Airキャッシュは、Airペイやじゃらんオンラインカード決済を利用している方向けのサービスです。将来の売上予測に応じて利用金額が決定し、最大500万円まで資金調達ができます。

融資とは異なり、Airキャッシュでは、決算書などの書類を提出する必要がありません申込から最短翌日の資金調達が可能なため、手間なくスピーディに資金を用意できる点が魅力です。Airキャッシュを利用すれば、急な支払いにも対応できるでしょう。

「緊急で現金が必要になった」「事業が忙しいため、手間を抑えて資金調達をしたい」という方は、ぜひAirキャッシュを検討しましょう。

Airキャッシュのサービスを詳しく見る

請求書払いの支払日を延長できる『請求書立替払いサービス』

資金不足で目の前の支払いが難しいときには、クレジットカードを利用して支払日を延長できる『請求書立替払いサービス』もおすすめです。

請求書立替払いサービスでは、期日が迫っている支払いを株式会社リクルートが立て替えることで、支払日を最長60日後まで延長できます。提出書類や取引先への連絡は一切不要で、振込先情報とクレジットカード情報を登録すれば、最短当日で支払代金の立替えを受けられます

突発的な支払いにより資金不足が生じた場合や、繁忙期に多額の仕入れ代金が必要になった場合には、請求書立替払いサービスは有力な選択肢となるでしょう。

請求書立替払いサービスを詳しく見る

まとめ

個人事業主も、融資による資金調達が可能です。融資は、政府系金融機関や民間の金融機関、地方自治体などがサービスを提供しています。それぞれの特徴や違いを確認し、自社の状況に合ったものを選びましょう。

個人事業主が資金調達をする方法には、融資のほかにもさまざまな方法があります。金利の目安や資金調達までの時間、調達にかかる手間などを考慮し、最適なサービスを選ぶことが肝心です。

緊急で現金を用意したいときや、急な支払いを乗り越えたい場合には、株式会社リクルートが提供する『Airキャッシュ』や『請求書立替払いサービス』もおすすめです。さらに詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。

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