カード・電マネ・QR・ポイントも使えるお店の決済サービス

電子マネー決済の導入。種類・メリット・契約の流れなど解説

「電子マネー」は、現金をチャージしておくタイプ(プリペイド型)や、クレジットカードなどの国際ブランドカードに紐付いて利用するタイプ(ポストペイ型)などがあります。一般的には「電子マネー」はプリペイド型を指すことが多く、少額の現金を電子データに変え、「利用する前にチャージ」をして持ち歩けるしくみとして浸透しています。電車・バスといった公共交通機関を使う際に、ほとんどの方が乗車券や定期券代わりに所有している「交通系ICカード」は、電子マネーの中でも代表的な存在です。利用者は年々上昇しており、保有世帯の割合は2008年が26.3%であったの対し、10年後の2018年は59.2%と2倍以上になっています(※)。ここでは、ますます利便性が高まっている電子マネー決済について説明します。
(※)急拡大するネットショッピングと電子マネーの利用― 家計消費状況調査 2018年の結果から ―

電子マネー決済とは

電子マネー決済サービスの代表格は、Suicaなどの交通系ICカードや、WAONなどの流通系ICカードなど、事前に残高をチャージするプリペイド型の決済サービスです。消費者がカードやスマホ・スマートウォッチを決済端末にタッチして決済することが出来ます。

もう一つはポストペイ型の決済サービスです。対象の国際ブランドのカードに紐付いた電子マネーとして、NTTドコモ社のiD、ジェーシービー社のQUICPayがあります。もともとはポストペイ型と呼ばれる通り、クレジットカードに紐付く電子マネーとして広まってきましたが、最近ではデビットカード、プリペイドカードに紐付いたiD・QUICPayも発行されているため、銀行口座即時払いのiD・QUICPay、事前にチャージをして決済する前払いのiD・QUICPayも広まってきました。(※)
※今回はデビット型のiD・QUICPay、プリペイド型のiD・QUICPayの説明は割愛します。

電子マネー決済の成り立ち

日本では、2001年にソニーによって開発された技術Felicaが、Suicaへ採用されたのが始まりといわれています。

今では公共料金や税金などの支払いもできるセブン・カードサービスのnanacoや、イオンのWAON、楽天グループの楽天Edy、そして新たな交通系電子マネーとして株式会社パスモが発行するPASMOが誕生し、Felicaの技術を用いた電子マネーが次々と誕生しています。

FeliCaは、iD、QUICPayなどのキャシュレス決済にも採用され、日本の電子マネーの普及に欠かせない技術となっています。

電子マネー決済のしくみ

電子マネー決済にはNFC(Near Field Communication:通信距離10cm程度の近距離無線通信技術)という通信技術が用いられ、Type A、Type B、Type Fの3規格が存在します。
A/Bは海外で広く普及しており、日本でもVisa、Mastercard®、JCBなどの国際ブランドがType A/B搭載カードを発行し国内・海外で使用可能となっています。
一方でFeliCaはType Fと呼ばれ、ほぼ日本での展開に留まっているのが現状ですです。Type A/Bに比べて通信速度が二倍近く速いのが特徴で、公共交通機関で歩きながらわずか数秒で決済ができるのはこの技術のおかげです。

電子マネー決済の種類

プリペイド型の電子マネーには、交通会社が発行するものと流通会社が発行するものが存在します。またポストペイ型の電子マネーには、iDやQUICPayがあります。

プリペイド型:交通系

Suica(スイカ):

JR東日本が発行する電子マネーで、発行枚数は約8,343万枚。チャージ限度額は2万円。北海道から沖縄まで鉄道約5,000駅、バス約30,000台で利用可能となっており、全国100万店以上で買い物などに使えます(※)。

(※)出典:JR東日本「Suicaにおけるデータとサービスの在り方」

PASMO(パスモ):

株式会社パスモが発行し主に私鉄各社で利用できる電子マネーで、発行枚数は約3,252万枚(※1)。チャージ限度額は2万円。2017年4月時点では、5万店以上で買い物などに使えます(※2)。

(※1)出典:東京都交通局「Suica・PASMO相互利用10周年記念キャンペーン」 (※2)出典:東京都交通局「PASMO電子マネーの加盟店数が、5万店を突破!」

プリペイド型:流通系

WAON(ワオン):

イオンが提供する電子マネーで、発行枚数は5,000万枚以上(※1)。イオン系列で買い物などに利用できるのはもちろん、飲食チェーンやドラッグストア、自動販売機やネットショップ、配送ドライバー端末の支払いでも利用可能です。チャージ限度額は5万円で、全国約79万店(2021年1月現在)で使えます(※2)。

(※1)出典:イオン株式会社ニュースリリース (※2)出典:WAONサイト

nanaco:

セブン&アイグループのセブン・カードサービスが発行する電子マネーで、発行枚数は6,905万枚以上(※1)。セブン・イレブンでは水道料やガス代などの公共料金、国民年金などの支払いも可能となっています。全国のセブン&アイグループ店舗を中心に、約73万9,000店以上(2020年12月末時点)で使えます(※2)。

(※1)出典:セブン・フィナンシャルサービス (※2)出典:セブン・カードサービス

楽天Edy:

楽天Edy株式会社が運営するプリペイド型電子マネーです。楽天スーパーポイントが貯まるのが特徴です。発行枚数は約1億2,200万枚、コンビニエンスストア・スーパーマーケット・ドラッグストアなどの普段使いをはじめ、家電量販店・百貨店・ホテルなど、全国約68万1,000ヵ所で使えます(※)。

(※)出典:Rakuten Marketing Platform

ポストペイ型

iD(アイディー):

株式会社NTTドコモが提供する電子マネーで、国際ブランドのクレジットカードに紐付いて発行される電子マネーです。対応しているクレジットカードは70社以上(※)。コンビニエンスストアや飲食チェーンなど、日常的に訪れる場所で使用することが出来ます。限度額は、紐付いたカード会社や利用する店舗に依存します。全国の約124.8万店(2020年12月現在)で使えます(※)。

(※)出典:iDサービスサイト

QUICPay(クイックペイ):

株式会社ジェーシービーが提供する電子マネーで、国際ブランドのクレジットカードに紐付いて発行されます。対応しているクレジットカードは170社以上(※)。コンビニエンスストアや飲食チェーンなど、日常的に訪れる場所で使用することが出来ます。限度額は、紐付いたカード会社や利用する店舗に依存します。全国の約121万店(2020年6月現在)で使えます(※)。

(※)出典:QUICPayサービスサイト

電子マネー決済導入のメリット

電子マネー最大の特徴は、決済処理が速い事です。自動改札機や自動販売機でも、消費者にかざしてもらうだけで支払い処理が完了します。店舗においては、下記のようなメリットが考えられます。

レジでの会計の効率化

電子マネー決済を導入すれば、レジでお客様を待たせなくて済み、混雑時でもスムーズに会計が行えます。

レジでの会計の効率化を図るイラスト

少額決済を頻繁に行う層を取り込める

電子マネーは、日用品や飲食など普段使いの少額決済に使われやすいのが特徴(※)で、「現金を持たずにサッと買い物などを済ませたい」という方に広く利用されています。

電子マネー決済を導入することで、今のお客様に加えこのようなニーズを持つ新規顧客層を取り込むことが可能となります。

(※)出典:一般消費者におけるキャッシュレス利用実態調査レポート

少額決済を頻繁に行う層を取り込めるイラスト

電子マネー決済の導入の方法

電子マネー決済の導入には、代理店となるアクワイアラと直接契約を結ぶ方法と、決済代行会社と契約を結ぶ方法があります。
単体の電子マネーを導入する場合はアクアイアラに申込み、複数の電子マネーを導入する場合は決済代行会社に申込むのがよいでしょう。

どの電子マネーを扱いたいか、立地や客層など自店の現状を考慮して選ぶのがポイントです。

導入までの流れ

電子マネー決済を店舗に導入する際の一般的な流れをご紹介します。

申込み(必要書類の送付)→加盟店審査→申込み書類の送付→端末・キットの配送

申込み(必要書類の送付)→加盟店審査→申込み書類の送付→端末・キットの配送手順イラスト

早ければ数日で契約締結でき、端末やキットが届くケースもありますが、審査に時間がかかる場合もありますので、代理店や決済代行会社にどのような決済サービスを導入したいかを伝えた上で、審査期間などについても事前の確認をするとスムーズでしょう。
既に非接触IC技術を使用した、かざすだけで決済ができる端末を導入している店舗であれば、契約先に直接連絡するとスムーズに導入が行えます。

電子マネー決済以外の代表的なキャッシュレス決済

クレジットカード

日本で最もメジャーなキャッシュレス決済の手段であり、国民の約8割がクレジットカードを保有している(※)といわれています。最大の特徴は、事前審査が必要でその信用によって後払い、分割払いが出来ることです。

(※)出典:株式会社ジェーシービー「クレジットカードに関する総合調査」2017年度の調査結果

デビットカード

「デビットカード」は、支払いと同時に銀行口座から引き落としが行われるしくみのカードです。現金に近い使い方ができるのがデビットカードの特徴で、海外では一般的な決済方法となっています。

プリペイドカード

「プリペイドカード」は、事前にチャージした電子マネーで商品・サービスを購入することができる決済方法です。

クレジットカード同様のVisa、Mastercard®、JCBなどの国際ブランドが付いたブランドプリペイドカード(※)や、Google Pay、Amazonギフト券、ニンテンドープリペイドカード、iTunesカードなど、各種のサービス専用のプリペイドカードがあります。

チャージした分しか使えないので、気軽に持ち運びができ、使いすぎを防ぐことも可能です。
※ガソリンスタンドやホテルなど、事前に金額が決まらない加盟店では、国際ブランドのプリペイドカードは利用できない場合もあります。

QRコード決済

「QRコード・バーコード決済(※)」は、楽天ペイ、PayPay、メルペイ、d払い、au PAYなどがあり、事前に残高にチャージをするか、国際ブランドのカードを紐付けて決済します。

決済以外にも、個人間送金機能、割り勘機能などが付帯しているものもあり、若い人を中心に急速に広がっています。

店舗側がQRコードを用意し、お客様のスマホで読み取るパターンと、お客様がスマホアプリで表示したコードを店舗側が読み取るパターンの2種類があります。

※ QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。

最後に

主に電子マネーという決済方法をご案内してきましたが、「いくつもの決済方法をひとつの端末で処理できるサービスもある」ことをご存知でしょうか。

たとえば「iD用」「Suica用」など、実際に一つひとつの決済サービスに対応した端末を用意していたら、レジ周りのスペースも足りませんし、スタッフが覚えるのも大変です。コンパクトな端末一台のみで、多くの決済サービスに対応できれば、スタッフの学習の負担、煩雑な業務の負担が軽減できますし、お客様を待たせしたり、混乱させることもありません。

電子マネー決済のようなキャッシュレス決済は、無駄な時間を削減し、お客様対応やサービス向上の時間を増やすことで、お客様にとって便利なお店にするために存在しています。
ぜひ、前向きに導入を検討してみてください。

Airペイで電子マネー決済を導入する場合の手順

Airペイに申込むだけで、電子マネー決済の導入が可能です。

  • 1.お申込み

    パソコン等で「Airペイ加盟店申し込み」画面を開き、店舗情報、口座情報、法人の場合は法人情報の入力をします。
    審査書類のアップロードが必要となりますので、書類を事前にご準備ください。

    申込み画面
  • 2.審査

    審査は通常3日程度 で完了です。審査結果は登録いただいたAirIDのメールアドレスに送信されるほか、管理画面でもご確認できます。

    ※現在、多数の申込みをいただいており、審査に時間を要しております。あらかじめご了承ください。

    管理画面
  • 3.配送

    審査が完了すると、ご登録いただいた店舗へカードリーダー、操作マニュアル、加盟店ステッカーをお届けします。
    キャッシュレス導入0円キャンペーンでお申込み時にiPad無償貸与をご希望された方は、合わせてお届けします。

    ※Airペイ対応プリンターは、審査完了後にAirペイ管理画面からご購入いただけます。

    カードリーダー

    プリンターを確認する

  • 4.初期設定

    お手持ちのiPadまたはiPhoneにAirペイアプリのダウンロードを行なってください。カードリーダーの箱に同梱されているマニュアルをご参考に、各種設定を行なってください。

    ※Airペイアプリへのログインには、お申込み時のAirIDとパスワードが必要です。

    iPad マニュアル
  • 5.ご利用開始

    ご利用開始のお知らせメールが届きましたら、実際の決済機能をご利用頂けるようになります。

    ※カードリーダー到着後、1週間程度でメールが届きます。

    iPad カードリーダー

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