カード・電マネ・QR・ポイントも使えるお店の決済サービス
山梨県庁の市川氏に聞く
「富士山保全協力金」の協力率を上げる挑戦
どうにかして70%を達成できないか——。2014年の導入開始以来、「富士山保全協力金」の協力率を上げることが山梨県庁の課題でした。「富士山保全協力金」とは山頂を目指す登山者に任意でいただいているお金です。富士スバルライン五合目の総合管理センター前や吉田口六合目富士山安全指導センター付近などに受付を設け、原則1人1000円いただいています。目的は、富士山の環境保全や安全対策です。臨時公衆トイレの設置や安全誘導員の配置、外国人サポートの実施、そして現在、懸念されている噴火への対策など幅広い用途に使用しています。しかし協力金の導入後、協力率は低迷し昨年は56.9%でした。世界遺産に登録されて登山者が増えている今、それでは十分な対策ができません。そこで現金だけだった支払い方法を多様化し、登山者が協力しやすい体制を整えることが必要と思い、「Airレジ」と「Airペイ」、「Airペイ QR」の導入を決めました。決め手は、クレジットカードだけでなく電子マネーにも対応していることです。また、近隣の富士吉田市も導入を進めていたり、リクルートの担当者が親身に対応してくれたりしたことにも好印象を抱き、最終的な導入を決めました。
富士五合目での試験導入で若者やインバウンド客の協力率が向上
「Suicaも使えるんですか!」と驚く方も珍しくありませんね。「知っていたら持ってきたのに」と悔しがる方もいるほどです。クレジットカードや交通系電子マネーなどでの支払いが、多い時で1日に50件はありました。これまで協力率が低かった若年層を中心に「富士山保全協力金」を積極的に払ってくれるようになったので、導入のメリットは大きいです。そもそも協力率が伸び悩む原因は、多くの登山者がリュックの一番下に財布を入れていたり、登山中の食べ物や休憩、トイレなどの分しか現金を持ち合わせていなかったり、富士山の五合目にATMがなかったりといくつかあります。しかし、そうした問題も「Airレジ」と「Airペイ」、「Airペイ QR」の3つで解消されました。外国人観光客の方がクレジットカードやアリペイで気軽に支払う場面も増え、波及効果は計り知れません。一方で、私たちのレジ管理も楽になりました。売上などのデータを瞬時に確認できるだけでなく、お釣りの渡し間違いもありません。徴収員によると、窓口終了後の事務作業も2時間ほど短縮されているとのことです。まだ試用段階で多くの成果が出ているので、本格的な導入に向けて期待は高まっています。
標高2230mの佐藤小屋でも活用され
山小屋での支払いがカンタンでスムーズに
「Airペイ」と「Airペイ QR」を導入するという話を聞いた時は、とても嬉しかったですね。以前、佐藤小屋独自に別のシステムを導入しようとして断念した過去がありますから。標高2230mという環境でスムーズに起動するシステムがない、という理由で断念したのです。しかし、世界遺産に登録されて以来、外国人観光客の方が多くなりクレジット払いの要望も増えていました。ガチャレジと手書きの領収書では、そうしたニーズに対応できません。どうしたらいいものか。万策尽きて打つ手がなかった私たちの前に現れたのが、リクルートのサービスなのです。現在、当小屋には月間1000人近い利用者がいて、外国人観光客の方が40%を占めます。アメリカやフランス、ドイツからの外国人観光客が宿泊費をクレジット払いされるなど、導入から1カ月で確実に成果も出ています。また、操作がしやすくて気が付けばスタッフ全員が使えるようになっていただけでなく、通信環境も天候に左右されません。今後、ホームページでもクレジットカードや交通系電子マネーが使用できると記載し、さらに利用者の数を増やしていきたいですね。
富士山周辺・山梨県世界遺産富士山課
業種: 物販・宿泊