Airウェイトの導入効果
待ち時間の管理がスマートになり、お客さま体験価値も向上。
データ分析を通し、順番待ちシステム以上の価値を実感しています。
2024年11月11日掲載
ブランドの核となる「レシピの共創」をスムーズに実現できる環境をつくりたいと考えていました。
「イプサ」は、お客さま1人ひとりが持っている美しさを引き出す化粧品ブランドです。私たちはただ化粧品を売るのではなく、カウンセリングを通してお客さま1人ひとりと向き合いながら、最適な美容法をお客さまと共に創る「レシピの共創」を大切にしています。それを実現しているのが、店舗にいるレシピストと呼ばれる、高い専門知識を持ったスタッフたちです。お客さまの肌悩みや生活環境などをヒアリングし、イプサライザーという肌測定器を用いて肌を測定し、その結果を総合的に見極め、最適な美容法(=レシピ)を提案しています。そうした提案の成果もあり、1986年のブランド誕生からお客さまの支持を獲得し、長年支えてくださるファンの方も多いです。お客さまの90%近くは女性ですが、最近では美容意識の高まりを受けて男性のお客さまも増えており、以前よりもお客さまの層が広がっています。しかし、お客さまが増えるにつれて、店舗が混雑するとともに、カウンセリングまでの待ち時間が長くなっていました。それにより、お客さまだけでなく、レシピストにも大きな負担がかかるようになってしまい、順番待ちシステムの導入検討を開始しました。システムを導入して成し遂げたかったことは2つあります。それがお客さまの体験価値の向上とレシピストの負荷軽減です。
レシピストの提案を通して自身の肌状態を知ることができるからこそ、カウンセリングに対するニーズはとても高いです。
順番待ちシステムの導入で実現したかったのは、お客さまとレシピスト、本社スタッフの“不”の解消です。
オペレーションの課題についてお話すると、これまではカウンセリング中に他のお客さまがやって来ると、その方がカウンセリングをご希望なのか、指名商品の購入をご希望なのかなど、お客さまの動きを気にする必要がありました。時にはカウンセリング途中に順番待ちの対応をすることもあり、目の前のお客さまにご迷惑をおかけするとともに、レシピスト自身も達成したい仕事に集中しづらい状況が発生していました。また、ネックになっていたのがご案内係の存在です。混雑時には1人のレシピストが付きっきりで順番待ちを管理していたのですが、お客さまのお悩みのヒアリングまでする必要があったため対応できるレシピストは限られていました。その結果、予約は取れるもののカウンセリングできる人材が減ってしまうというジレンマに陥っていました。一方で、我々の希望で実現したかったのは、お客さまの体験価値の向上です。お客さまはどれくらい待てば自分の順番が来るのか分からず、カウンセリングを受けたら必ず購入しないといけないというプレッシャーを感じられることもあったため、順番待ちシステムを導入するからには、お客さま視点での待ちのストレスやお悩みも解決したいと考えていました。
ブランドとして大切にしている、お客さまの体験価値の向上を実現できるサービスを探していました。
4つの視点から考えて、課題に対する最適なソリューションが『Airウェイト』でした。
具体的に、どの順番待ちシステムにするかの検討を始めたのは、2023年の3月からです。当時、4つの視点から4社のサービスを比較検討しました。それがカスタマイズの可否と、要件への対応力、使い勝手の良さ、そしてブランドに合ったUIです。『Airウェイト』に決めたのは、それらを全て満たしていたのはもちろん、営業の方の優れた提案や充実したサポートがあったからです。特に魅力的に感じたのは導入後のサポートがしっかりとしていた点です。サービスは導入して終わりではありません。現場で活用してもらうには操作性が優れているだけでなく、操作が分からなかったときにすぐに聞ける環境があったり、効果が可視化されたりしていることが重要です。そうした意味で、電話で問い合わせをしたら人が対応してくれるヘルプデスクがある体制も素晴らしいと思いました。実際に店舗に導入したのは2023年のゴールデンウィーク前からです。まずはトライアル店舗で活用し、お客さまアンケートも取りながら検証を進め、そこで高い評価を得たことを受けて、特に忙しい店舗を中心に導入をしていきました。
導入した後も、人がついて手厚いサポートをしてくれるサービスはほとんどないので、とても価値が高いと感じています。
レシピストがお客さまとのカウンセリングに集中できる環境が整い、お客さま満足度も向上しています。
『Airウェイト』を導入した結果、レシピストとお客さまの双方にメリットがありました。まずレシピストに関しては、目の前のお客さまに集中できるようになったことが大きな変化です。以前は、忙しい店舗の全体を把握できていたのは、店舗のマネージャーしかいませんでした。そのため、接客が終わったレシピストは次に何をするべきかをマネージャーに確認する必要があったのですが、今ではタブレットを見ればひとめで自分のやるべき仕事が把握できます。これまで以上に 1人ひとりの能力が発揮しやすい環境になり、現場にとっても会社にとってもメリットは非常に大きいです。そうした変化がお客さまの体験価値の向上にもつながっていることを実感しています。また、『Airウェイト』の導入後、お客さまの待ち時間の過ごし方も変わっています。以前も、お待ちいただくお客さまに番号券をお渡ししていたのですが、いつ呼ばれるか分からないため店舗に残る方がほとんどでした。その結果、店内が混雑してしまい、それを見て入店を躊躇するお客さまもいらっしゃり、機会ロスが発生していました。『Airウェイト』は番号券のQRを読み取れば、お客さまのスマートフォンで待ち時間や組数を確認できるため、その場に残って待つ必要がありません。そのため、店内が非常にすっきりとし、ブランドに興味を持つお客さまが入店しやすくなりました。順番を待つお客さまも他の店舗を回ることができるようになり、その側面からもお客さまの体験価値は向上していると感じています。
お客さまに選んでいただけるブランドを目指し、私たちの強みであるカウンセリングに注力できています。
『Airウェイト』は順番待ちの課題解決だけでなく、経営の意思決定にも貢献してくれるサービスです。
『Airウェイト』は導入前に想像していなかった効果も発揮してくれています。その1つがお客さまのニーズの可視化と、人材の最適な配置です。イプサ店舗では、『Airウェイト』の発券時にお客さまの要件を確認するため、「肌測定」「相談」「購入予約」「サンプル希望」「タッチアップ」「その他」という6つの項目の中から1つを選んでいただくようにしています。以前は、お客さまへのカウンセリング実施データしか持っていませんでしたが、『Airウェイト』の導入後、細かく設問を設定できたことによって、店舗ごとにお客さまの来店ニーズを把握できるようになりました。中でも興味深かったのは、百貨店などではカウンセリングの比率が高い一方で、ショッピングモールなどでは指名購入のお客さまが多かったということです。『Airウェイト』で見出したお客さまのニーズをもとに店舗戦略を工夫することで、お客さまの体験価値の向上を目指していきたいです。そのために、データの活用を進めていきたいと考えています。我々は『Airウェイト』には順番待ちシステム以上の価値があると思っています。他サービスとの併用や、詳細なデータの分析を行うことで、今以上の効果も期待できるでしょう。これからも『Airウェイト』の力を借りながら、レシピストと各店舗のポテンシャルを引き出し、お客さま1人ひとりの満足度を高められるように活用を進めていきたいと考えています。
これまで見えなかった課題が浮き彫りとなり、本社スタッフとしても取り組まないといけないポイントが明確になりました。