Airウェイトの導入効果
行列を解消して、金沢観光を楽しんでもらえる時間を創出。
美術館を起点に街の魅力に触れてもらえる体制が実現できました。
2024年1月15日掲載
金沢の観光の拠点として、行列の解消が大きな課題でした。
金沢市は石川県の県庁所在地で、北陸三県の中心的な都市です。「兼六園」や「ひがし茶屋街」「金沢城公園」など、江戸時代の面影が残る観光名所が多くあり、連日、たくさんの観光客でにぎわっています。2015年に北陸新幹線が金沢駅まで延伸されてからは、観光客の数が格段に増えました。それは「金沢21世紀美術館」も同じです。2004年の開業後、来館者数は150万人前後で推移していましたが、2016年には250万人まで急増しました。それにより、展示作品《スイミング・プール》等がSNS映えするスポットとして人気となり、市民の憩いの場と思われていた金沢21世紀美術館の立ち位置も金沢を代表する観光名所の一つとなりました。ただ一方で、深刻な問題も浮上します。それが来館者の増加に伴う行列の発生です。日によっては、チケットの購入から展示エリアへの入場、そして目当ての作品の見学まで、3時間待ちになることも珍しくありません。待ち時間と鑑賞時間を合わせると、来館される方は半日以上も拘束されて、せっかく金沢に観光に来ていただいたのに、当館だけで半日近くを過ごされてしまってはもったいないと感じていました。また、行列の管理・案内に携わるスタッフも体力的・精神的な負担が増大しました。そうした状況を解消するため、整理券を配布するなど、さまざまな対策をしましたが、どれも効果が今ひとつだったため、適切なツールの導入を検討し始めました。
館内には無料で楽しめる「交流ゾーン」があり、気分転換のために訪れる人も多いので、行列解消による空間環境の改善は必須でした。
70名近いスタッフがスムーズに使いこなせるほど操作がカンタン。
「Airウェイト」の存在は、インターネットの検索で初めて知りました。多くのサービスの中から「Airウェイト」に惹かれたのは、iPadにアプリを入れるだけでまずスタートできる手軽さです。いくら行列を解消したいと思っても、そのために膨大なお金は使えません。そういう状況だったので、「Airウェイト」の導入ハードルの低さはとても心強かったです。また、操作がカンタンで使いやすいことも決め手となりました。金沢21世紀美術館には受付などの業務を行うスタッフが70名近くいます。これまでは整理券を配るといったアナログな手法で対応していたので、テクノロジーの導入に不安を覚えているスタッフもいました。そのため、使いやすさもサービスを選定する上で重要なポイントでした。その点も「Airウェイト」ならスマートフォンのように直感的な操作ができるので心配ありません。最終的に、さまざまな角度から他社のサービスと比較検討をした結果、「Airウェイト」の優位性が極めて高かったため、2021年7月に導入しました。導入してから初めの1週間は、スタッフ全員がちゃんと運用できるか心配もありました。しかし、事前にロールプレイングを実施していた成果もあり、どのスタッフも初日からスムーズに使いこなすことができ、大きな問題も起きませんでした。
「Airウェイト」は直感的に操作できるので、テクノロジーに抵抗を感じるスタッフもスムーズに使いこなすことができました。
行列に関するクレームが激減し、スタッフは本来の業務に集中できています。
「Airウェイト」は、来館者の方々にも使いこなしていただいて初めて、その効果を最大限に発揮すると考えています。Webサイトまたは美術館入り口の端末で「Airウェイト」を使って受付を行っており、お客様はご自身の都合に合わせて入場時間枠を選ぶことができます。順番が来ると、メールやLINEで呼び出しの通知が届き、展示を楽しむことができます。今では「Airウェイト」が定着したことで、80%程度の方がご来館前にWebサイト経由で番号をお取りになっていると思います。待ち時間が3時間ほどだった頃と比べると、繁忙期でも受付から展示室入場まで5分程度となり、97%の削減効果がありました。また以前は、長い待ち時間や別の展示にまで伸びた行列などでクレームが多く発生していて、スタッフが心ない言葉を浴びせられることも珍しくありませんでした。行列の管理をするスタッフの負担はかなり重たかったと思います。「Airウェイト」の導入により、そういった行列に関するネガティブな状態を解消させることができました。今では、スタッフは本来の仕事に集中し、来館者の方々にもっと美術館を楽しんでもらえる取り組みに力を入れることができています。
行列が解消した結果、来館者に丁寧なサービスを提供でき、美術館での時間を今まで以上に楽しんでもらえるようになりました。
金沢21世紀美術館だけでなく、金沢の魅力にも触れてもらえるようになりました。
「Airウェイト」を導入した結果、来館者の方々は行列がなくなった分の時間を、美術館内のほかの作品の見学にあてたり、近隣の観光名所である兼六園や金沢城、茶屋街を巡ったりと、有意義に使えるようになりました。その結果、金沢の魅力が伝わるだけではなく、各地で観光消費が行われることで地元経済の活性化にもつながるため、導入の効果の大きさは計り知れないと感じています。「Airウェイト」のお陰で、来館される方に、美術館はもちろん、金沢の魅力にも触れてもらえる体制が整いました。導入後の年間来館者数は、コロナ禍中の2022年度が約176万人でしたが、今年度は人出がほぼ回復し、コロナ前と同水準の約228万人を見込んでいます。観光のお客様が戻ってきた時には、今まで以上に金沢を楽しんでもらえるのではないかと考えています。
スタッフが本来の業務に集中できるようになったお陰で、どうしたら美術館をより魅力的にできるかといった前向きなコミュニケーションができています。