経費削減とは?目的や具体例、取り組みの流れを解説

資金繰り改善
企業活動における無駄な支出を削減して収益性の向上を図るため、パソコンで経費削減の具体的なプランを検討し、安定した経営に向けたコスト見直しを行う様子

経費削減とは、企業活動にかかる費用を見直し、無駄な支出を削減して収益性の向上を図る取り組みです。安定した経営を続けるためには、売上を伸ばすだけでなく、支出の管理も欠かせません。

この記事では、経費削減の目的や具体的な削減方法、削減してはいけない費用、実施する手順などを解説します。

この記事でわかること

  • 経費削減の目的や、削減できるコストの種類がわかる
  • エネルギーコストやオフィスの運営・事業運営でかかる費用の具体的な削減方法がわかる
  • 必要以上の人件費削減や商品・サービスの品質低下につながるものなど、やってはいけない経費削減がわかる
  • 経費削減を行う手順を把握でき、効果が出るまでの資金繰りに活用できるサービスがわかる

目次

経費削減とは?

経費削減とは、事業運営に必要な支出の中から無駄なコストを見直すための取り組みです。

ここでは経費削減の目的を紹介し、さらに削減対象となる経費の主な種類について解説します。

会議室で電卓と資料を手に議論するビジネスパーソン。経費削減の具体的な項目を洗い出し、数値に基づいたコストカット案を検討している様子

経費削減の目的

経費削減の目的は、無駄な支出を抑えることで費用を削減し、利益率を高める点にあります。売上を伸ばす取り組みは重要ですが、市場環境や景気の影響を受けやすく、安定した成果が得られるとは限りません。そのため、収益向上と並行して、支出をコントロールする経費削減が必要です。

経費削減に取り組むことで、資金繰りの安定や財務体質の改善につながり、急な売上減少やビジネス環境の変化にも耐えられる経営基盤を築けます。その結果、長期的に安定した経営を実現できるでしょう。

経費を削減して生まれた余剰資金は、新規事業へのチャレンジや設備の更新・導入など、将来の成長につながる分野へ充てられることもメリットのひとつです。

主な経費の種類

経費は、主に次の3つの種類に分けられます。

  • エネルギーコスト
  • オフィスの運営・維持にかかる費用
  • 事業運営で発生する費用

エネルギーコストには、電気・ガス・水道などの光熱費や、ガソリン・灯油といった燃料費が含まれます。

オフィスの運営・維持にかかる費用に該当するのは、通信費・消耗品費・印刷費・郵送費などです。

事業運営で発生する費用としては、人件費や外注費、システム利用料などが挙げられます。

それぞれの経費の特徴を理解し、どこに無駄が生じやすいかを把握することが、効果的な経費削減を行うためには大切です。

具体的な経費削減方法

経費削減を成功させるためには、経費の種類ごとに適した方法を選ぶことが重要です。

ここでは、エネルギーコスト・オフィス関連費用・事業運営費用の3つに分けて、具体的な経費の削減方法を紹介します。

CO2削減やリサイクルなどの環境アイコンが浮かぶ中で握手をする二人。サステナビリティと経費削減を両立させるグリーン経営のイメージ

光熱費などエネルギーコストの経費削減方法

エネルギーコストは日常的に発生するため、一度見直すだけでも削減効果が積み重なりやすいでしょう。契約プランの変更や省エネ設備への切り替えに加え、節電・節水への意識づけなど、複数の対応を組み合わせることで、業務に負担をかけずに継続的な経費削減が期待できます。

とくに近年は、電力やガスの自由化により選択肢が広がっており、料金体系や使用状況を比較・検討して最適な会社に切り替えるだけでも料金を抑えられるケースがあります。

エネルギーコストの具体的な削減方法を見ていきましょう。

低価格な電力会社・ガス会社を活用する

電力・ガスの小売自由化により、企業は多様な事業者の中から自社に合った事業者を選べるようになりました。まだ契約内容を見直していない場合は、料金プランや単価がより低い電力会社・ガス会社へ切り替えるだけで、使用量を変えずに経費を削減できます。

業種や使用時間帯によって適したプランは異なるため、現在の利用状況をもとに比較検討することが重要です。

とくに電気やガスの使用量が多い企業では、料金の単価差は小さく見えても、年間で見ると大きな削減効果につながる可能性があります。定期的な見直しを行うことで、継続的な経費削減が期待できるでしょう。

省エネ機器に切り替える

照明や空調設備などを省エネルギー性能の高い機器に切り替えることで、消費電力を抑え、光熱費の削減につなげられます。とくにLED照明や省エネ型エアコンは、従来型に比べて電力使用量を大幅に減らせる点が特徴です。

初期投資は必要になりますが、使用年数が長い設備ほど削減効果が積み重なるため、電気代の節約によって費用を回収できるケースも少なくありません。

老朽化した設備の更新時期にあわせて導入を検討すれば、無理なくエネルギーコストの削減を進められるでしょう。

節電・節水を促す

従業員一人ひとりが節電・節水を意識することで、エネルギーコストの削減効果はさらに高まります。不要な照明や空調をこまめに消す、使用していない設備の電源を切る、使わないときの水道をしっかり止めるといった日常的な行動の積み重ねが重要です。

こうした取り組みは、特別な設備投資をしなくてもすぐに始められる点がメリットです。社内ルールを明確にしたり、ポスターや社内掲示で注意喚起を行ったりすることで、従業員の意識が定着しやすくなり、継続的な経費削減につながるでしょう。

オフィスの運営・維持にかかる費用の経費削減方法

オフィス運営にかかる費用は、業務で使用する消耗品の種類や使用するツールを見直すことで削減できるケースが少なくありません。

デジタル化や契約内容の見直し、購入方法の工夫など、比較的取り組みやすい施策が多いことも特徴です。

具体的な経費削減の方法を見ていきましょう。

ペーパーレス化に取り組む

これまで紙で管理していた書類を電子データ化することで、コピー用紙代や印刷代、保管スペースにかかるコストを削減できます。

社内文書や請求書、契約書などをデータで一元管理すれば、検索や共有がしやすくなるため、業務効率の向上にもつながるでしょう。

さらに、テレワークや外出先からの確認にも対応しやすくなり、働き方の柔軟性を高める効果も期待できます。

通信費・郵送費を見直す

電話やインターネットの契約プランを定期的に確認し、利用状況に合わない高額プランや不要なオプションを解約することで、通信費の削減が可能です。

請求書や案内文書の送付を紙から電子メールやオンラインツールに切り替えることで、郵送費や封筒代、作業時間の削減にもつながります。

小さな見直しでも、継続することで大きな経費削減の効果が得られるでしょう。

消耗品コストを削減する

事務用品や日用品などの消耗品は、価格を比較して低コストな商品を選んだり、一括購入や定期購入による割引を活用したりすることで、支出を効率的に抑えられます。

とくに複数部署で同じ消耗品を使用している場合は、使用量を把握し、過剰使用や重複購入を防ぐことも大切です。

定期的に在庫状況を確認して必要最小限の在庫を保つことで、無駄な保管コストや廃棄ロスを減らせます。在庫管理の仕組みを整えれば、消耗品コストの削減効果を長期的に維持できるでしょう。

事業運営で発生する費用の経費削減方法

事業運営に関わる費用は、業務の進め方や人材配置の見直し、ITを活用した自動化などで、効率的に削減できる分野です。業務プロセスの無駄を省き、適切な人員配置や役割分担を行うことで、効率の悪い作業を減らし、経費削減につながります。

また、社内で抱える業務の一部を外部に委託できるようなアウトソーシングサービスの活用など、外部活用を意識した取り組みも有効な選択肢のひとつです。

ここからは、実際に取り組める具体的な方法について詳しく見ていきましょう。

ITを活用して業務効率化に取り組む

これまで手作業で行っていた業務をシステム化することで、作業時間の短縮やミスの削減につながり、業務全体の効率が向上します。その結果、人件費や残業代の抑制が期待できるでしょう。

たとえば経費精算システムや請求書支払サービスを導入すれば、申請・承認・支払いまでの流れを自動化でき、入力作業や確認作業の負担を軽減できます。

バックオフィス業務などの間接部門の業務を効率化することで、少ない人員でも対応できる体制を整えられます。その結果、長期的な経費削減につながるでしょう。

働き方改革を行う

フレックスタイム制や短時間勤務、テレワーク、ノー残業デーの導入といった働き方改革を行うことにより、従業員一人ひとりが効率的に働ける環境を整備できます。

時間外労働を抑制できれば、残業代の削減につながるだけでなく、業務の進め方を見直すきっかけにもなるでしょう。

働き方改革による生産性の向上や従業員満足度の向上は、離職防止や人材確保にもつながり、長期的には人件費の安定化を実現できるでしょう。

アウトソーシングを活用する

専門性が高い業務や一時的に発生する業務を外部に委託することで、社内で専任の人材を抱える必要がなくなります。

採用や教育にかかるコストを抑え、必要なときに必要な分だけサービスを利用できる点がメリットです。

アウトソーシングサービスで業務を外注しつつ、限られた人的リソースをコア業務に集中させることで、業務効率と品質の向上を図りながら人件費や採用コストの削減を期待できるでしょう。

やってはいけない経費削減の方法

経費削減は経営の安定に欠かせない取り組みですが、経費削減の方法を誤ると、かえって業績悪化や組織力の低下を招くおそれがあります。

短期的な経費削減だけに目を向けるのではなく、企業の成長や競争力に悪影響を及ぼさないかを見極めることが重要です。

ここでは、やってはいけない経費削減の方法を解説します。

スーツ姿の男性が手のひらを前に出しストップのポーズ。無駄な支出を徹底的に排除し、経費削減を強力に推進する決意の表現

必要以上の人件費削減

人件費は、企業の経費の中でも大きな割合を占めるため、削減対象として優先的に検討されやすい項目です。しかし、安易なリストラや人員削減、給与カットなどを行うと、従業員のモチベーション低下や不満につながり、組織全体の士気が下がるおそれがあります。結果として生産性の低下や業務品質の悪化を招き、企業競争力が弱まる可能性も否定できません。

過度な人件費削減は、優秀な人材の離職を招きやすく、採用や育成にかかる新たなコストが発生する要因にもなります。

人件費の見直しを行う場合は、単純な削減ではなく、業務効率化や配置転換、評価制度の見直しなど、組織力を維持・向上させる視点で実施することが大切です。

商品・サービスの品質低下につながるコストカット

商品・サービスの品質低下につながるコストカットには注意が必要です。原材料のグレードを下げたり、サービス提供に関わるスタッフの人件費を削減したりすると短期的には経費削減につながります。

しかし、その結果として商品やサービスの品質が低下すれば、顧客満足度が下がり、リピート率の低下につながる可能性があります。ブランドイメージの低下も招きやすいでしょう。

品質の低下は顧客離れも起こしやすく、売上減少や業績悪化を招く大きなリスクとなります。一度失った信頼を回復するためには、多くの時間とコストが必要になるでしょう。

経費削減を行う際は、品質や顧客満足度に直結する費用かどうかを見極め、企業価値を損なわない方法を選ぶことが重要です。

必要なツールやシステムに対するコストカット

業務で使用するシステムやツールは、導入費用や月額利用料などのコストがかかるため、削減対象として検討されやすいでしょう。

たしかに機能を絞った低価格なツールに切り替えれば、表面的な経費削減につながります。しかし、その結果として業務効率が悪化すれば、作業時間の増加やミスの発生につながり、かえって人件費や管理コストが増える可能性があります。

とくにバックオフィス業務や業務効率化を支えるシステムは、生産性の向上につながる重要な投資です。

必要なツールやシステムに必要なコストは、単純な費用の安さだけで判断するのではなく、業務全体への影響や長期的なコストパフォーマンスを考慮したうえで、慎重に見直す必要があります。

研究開発・人材育成に関する支出の削減

研究開発や人材育成への投資は、短期的には利益に直結しにくく、経費削減の対象にされやすい分野です。しかし、これらは企業の将来的な成長や競争力を支える重要な要素であるため、安易に削減すべきではありません。

研究開発費を削ることで、新商品や新サービスの開発が停滞し、市場での優位性を失う可能性があります。

人材育成を怠ると、従業員のスキル向上が進まず、組織全体の生産性や対応力が低下します。長期的な視点で見れば、これらの支出は「コスト」ではなく「投資」であると捉え、企業の持続的成長につながるよう適切に確保することが大切です。

経費削減を実施する際の手順

経費削減を効果的に進めるには、むやみに支出を減らすのではなく、正しい手順を踏むことが大切です。

現状把握から計画立案、社内での実施、結果の検証までを段階的に行うことで、無理のない経費削減を実現し、経営への悪影響を防げます。

実施の手順について、詳しく解説します。

チェックボックスの先に的があるイラストを虫眼鏡で覗く手。経費削減のターゲットを明確に定め、効率的に目標を達成する戦略的イメージ

現状を把握して計画を立てる

まずは、何にどれくらいの経費がかかっているのかを洗い出し、現状を正確に把握することが必要です。人件費・光熱費・通信費・外注費などを項目ごとに整理することで、優先的に見直すべきコストが明確になります。

この段階で現状分析を行わずに削減を進めると、効果が出にくかったり必要な支出まで削ってしまったりするおそれがあるため、注意が必要です。

経費削減の取り組みは、すぐに成果が表れるとは限りません。そのため、手元資金にどのような影響が出るのかを正確に把握することが大切です。

資金繰り表を作成し、将来の入金や支払いの予定を含めた現金の流れを可視化することで、資金不足のリスクを抑えながら現実的な経費削減の計画を立てられます。資金繰り表は、経費削減計画を支える土台となる重要なツールといえるでしょう。

社内に周知して実行する

経費削減を成功させるためには、経営層や一部の担当者だけで進めるのではなく、従業員全員の理解と協力が欠かせません。削減の目的や目標、具体的な取り組み内容を社内にしっかりと共有することで、現場レベルでの理解と行動が定着します。

たとえば節電やペーパーレス化など、日常業務の中で取り組める施策は、従業員一人ひとりの行動が大きな効果につながります。

一方的なコストカットの指示では反発を招きやすいため、「なぜ経費削減が必要なのか」「削減によってどのようなメリットがあるのか」をていねいに説明することが大切です。全社的な取り組みとして進めることで、無理のない形で経費削減を進められるでしょう。

結果を分析・改善する

経費削減は、一度実施して終わりではなく、継続的に見直していくことが重要です。施策を実行したあとは、実際にどれだけコストが削減できたのか、業務や生産性に悪影響が出ていないかを分析・検証します。想定した効果が得られていない場合は、その原因を洗い出すことが必要です。

経営環境や事業状況の変化によって、適切な経費の水準も変わります。定期的に資金繰り表で収支状況を確認しながら削減内容を調整・改善していくことで、無理のない経費管理ができるでしょう。

定期的に見直しを行えば、経費削減を一時的な対策ではなく、安定した経営を支える仕組みとして定着させられます。

経費削減の効果が出るまでの資金調達・支払対策

経費削減は長期的な取り組みであり、効果はすぐには現れません。削減効果が十分に出る前に支出が多くなり、資金繰りに困ることもあるでしょう。あらかじめ資金の流れを把握し、必要に応じて資金調達を検討するなど、余裕を持った対策が必要です。

資金が足りなくなったときには、『Airキャッシュ』と『請求書立替払いサービス』が有効な選択肢です。

『Airキャッシュ』は、Airペイやじゃらんオンラインカード決済における将来の売上をもとに、必要な資金を調達できるサービスです。将来どの程度の売上が発生するかを予測し、それに応じた資金を提供する仕組みで、銀行融資のように書類提出などの面倒な手続きはありません。

資金使途は自由であるため、事業拡大といった新しいチャレンジだけでなく、突発的な支払いにも活用できます。

『請求書立替払いサービス』は、請求書の支払期限を延長できるサービスです。通常であればクレジットカードを利用できない請求書払いも、カードで支払いができます。借入することなく、実際の支払日を最大60日後まで延長できるため、手元の現金が不足しているときも支払いの遅延を防止できます。

振込名義は自由に設定できるため、相手先にサービスの利用を知られる心配はありません。

Airキャッシュのサービスを詳しく見る

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まとめ

経費削減は、単にコストを減らすことが目的ではなく、経営を安定させ、将来の成長につなげるための重要な施策です。現状を正しく把握し、資金繰り表などを活用して計画的に進めることで、無理のない削減ができます。

現状を正確に把握して費用の項目ごとに整理することで、見直すべき項目が明確になり、経営への影響を抑えながら改善を進められます。

削るべきでない支出を見極めながら、社内全体で取り組むことが重要です。継続的な見直しと改善を行い、自社に合った経費削減を行いましょう。

削減効果が出るまでに資金が不足するときは、手軽に資金調達ができる『Airキャッシュ』や、支払いを先延ばしできる『請求書立替払いサービス』の活用もご検討ください。

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