カード・電マネ・QR・ポイントも使えるお店の決済サービス

交通系電子マネー・IC決済を導入したい方へ。種類・メリット・契約の流れなど解説

今や電車・バスといった公共交通機関を使う際、ほとんどの方が使用している「交通系電子マネー・交通系IC決済(以下、交通系電子マネー・IC決済)」。乗車券や定期券代わりに使うことでき、かざすだけで決済できる利便性からスーパーやコンビニエンスストアでもよく使用されています。
東京都交通局によると、交通系電子マネー・IC 決済の利用件数は1ヶ月あたり(2019年12月)2億5千万件を突破しており、私たちの日常生活に浸透していることが伺えます(※)。公共交通機関だけでなく全国各地の多種多様な店舗で利用されている、交通系電子マネー・IC決済について解説します。

(※) 出典:東京都交通局

交通系電子マネー・IC決済とは

交通系電子マネー・IC決済とは、皆さんがよく目にするプラスチックのICカードでの決済と、SuicaやPASMOをスマートフォン(以下、スマホ)やウェアラブル端末に取り込んで決済する方法を指します。

電車・バスの自動改札機を、入口でかざすだけで通過でき、2013年3月から全国相互利用サービスを開始し(※)、日本全国の駅で相互利用が可能となっています(一部、使用できない鉄道もあり)。

(※) 出典:東京都交通局

交通系電子マネー・IC決済の成り立ち

交通系電子マネー・ICカードは2001年にJR東日本がSuicaを発売したのを皮切りに、急速に普及・発展してきました。全国各地で、それぞれの地域・事業者により、ポイント制度など個別の特色のある機能・サービスを搭載した交通系電子マネー・ICカードがつくられました。
現在では10種類(※1)の交通系電子マネー・IC決済が代表的なものとなり、1枚持っていれば、他の10種類のカード導入事業者の交通機関でも利用することが可能となっています。
交通系電子マネー・ICカードのモバイル対応は、Apple Pay版Suica、Google Pay版Suicaといった形でSuicaが先行していましたが、2020年3月よりモバイル版PASMOがサービスを開始(※2)、モバイルICOCA(仮称)は2023年春から導入予定で(※3)、今後はスマホでの利用者も、全国的にさらに増加していく見込みです。

「10種類」は、JR北海道のKitaca、JR東日本のSuica、株式会社パスモのPASMO、JR東海のTOICA、株式会社名古屋交通開発機構及び株式会社エムアイシーが発行するmanaca、JR西日本のICOCA、株式会社スルッとKANSAIのPiTaPa、JR九州のSUGOCA、福岡市交通局のはやかけん、西日本鉄道のnimocaで構成されています。

(※1) 出典:国土交通省交通系 IC カードの普及・利便性拡大に向けた検討会とりまとめ
(※2) 出典:株式会社パスモ
(※3) 出典:西日本旅客鉄道株式会社 「モバイル ICOCA(仮称)」の導入計画について

交通系電子マネー・IC決済のしくみ

交通系電子マネー・IC決済にはNFC(Near Field Communication:通信距離10cm程度の近距離無線通信技術)という通信技術が使われています。
NFCにはNFC Type A、NFC Type B、NFC Type Fの3規格が存在するのですが、交通系電子マネー・IC決済ではNFC Type Fが使用されています。NFC Type FはFeliCaと呼ばれ、NFC Type A/Bに比べて通信速度が二倍近く速いのが特徴です。公共交通機関において通過しながらわずか数秒で決済ができるのは、この技術のおかげです。

交通系電子マネー・IC決済の種類

前段でご紹介した通り、日本では現在10種類が代表的なものです。
ここでは発行枚数の多い3つの交通系電子マネー・IC決済と、交通系としては珍しいポストペイ(後払い)方式のPiTaPaを紹介します。

Suica

JR東日本が発行する交通系電子マネー・ICで、発行枚数は約8,343万枚。チャージ限度額は2万円。北海道から沖縄まで鉄道約5,000駅、バス約30,000台で利用可能で、全国100万店以上で買い物などに使えます(※)。

(※) 出典:JR東日本「Suicaにおけるデータとサービスの在り方」

PASMO

株式会社パスモが発行する、主に私鉄各社で利用できる交通系電子マネー・ICで、発行枚数は約3,252万枚(※1)。チャージ限度額は2万円。2017年4月時点では5万店以上で買い物などに使えます(※2)。

(※1) 出典:東京都交通局「Suica・PASMO相互利用10周年記念キャンペーン」
(※2) 出典:東京都交通局「PASMO電子マネーの加盟店数が、5万店を突破!」

ICOCA

JR西日本が発行している交通系電子マネー・ICで、発行枚数は約2,400万枚(※1)。
チャージ限度額は2万円。駅ナカ&街ナカの全国100万店舗以上で使えます(※2)。

(※1) 出典:西日本旅客鉄道株式会社 2021 年 3 月 13 日(土)から新たにICOCAがご利用可能に!
(※2) 出典:JR西日本 ICOCA電子マネー:ICOCAポイントが貯まるお店 ICOCAが使えるお店

PiTaPa

株式会社スルッとKANSAIが発行している交通系電子マネー・ICで、発行枚数は約235万枚(※1)。最大の特徴は事前チャージの必要がないポストペイ(後払い)方式で、使った分だけ登録先の口座から引き落とされるしくみです。

大阪、京都などの西日本でポストペイエリアが設定されており、ポストペイエリア以外では、他の交通系ICと同様にプリペイド型になり、チャージされた残高内での利用が可能です。(※2)

(※1) 出典:国土交通省ICカードの導入状況(鉄道関係)
(※2) 出典:PiTaPaが使えるご利用エリア

交通系電子マネー・IC決済導入のメリット

交通系電子マネー・IC決済の最大の特徴は、決済処理が速い事です。電車の自動改札機では、通り抜けながらサッとかざすだけでスピーディーに支払いできます。交通系電子マネー・IC決済対応の自動販売機や飲食店の決済端末などでも、かざすだけですぐに決済が完了します。

  • レジでの会計の効率化

    交通系電子マネー・IC決済であれば、かざすだけで決済が瞬時に完了するためお客様を待たせなくて済み、レジの混雑時でもスムーズに会計が行えます。

  • レジでの会計の効率化を図るイラスト
  • 公共交通機関を頻繁に使う層を取り込める

    交通系電子マネー・IC決済は、公共交通機関の自動改札機をかざすだけで通過できるので、通勤・通学などにとても便利です。交通系電子マネー・IC決済導入店舗では、会社帰りのビジネスパーソンや学校帰りの学生が、所持していれば駅ナカなどで手軽に買い物を済ませることができ、日常的に利用されています。

    交通系電子マネー・IC決済を導入することで、今のお客様にプラスアルファで、通勤・通学などに各種交通機関を使っている新規顧客層を取り込むことが可能となります。

  • 公共交通機関を頻繁に使う層を取り込めるイラスト
  • 未回収のリスクが低い

    交通系電子マネー・IC決済はキャッシュレス決済の中でも、売上の未回収リスクが低いといえます。事前に残高にチャージして決済するサービスですので、現金と同じようにその場で決済が完了し、回収モレが起こりません。 ※PiTaPaは自エリアではポストペイ(後払い)方式

  • 未回収のリスクが低いイラスト

交通系電子マネー・IC決済の導入の方法

交通系電子マネー・IC決済の導入には、代理店となるアクワイアラと直接契約を結ぶ方法と、決済代行会社と契約を結ぶ方法があります。

注意したいのは、交通系電子マネー・IC決済は「エリアをまたがった導入ができない」という点です。たとえば、九州の店舗にはSuicaなどが導入できません。関東圏の店舗はSuicaやPASMO、名古屋の店舗はTOICAやmanaca、九州の店舗にはSUGOCA、といった形で、各地の交通系電子マネー・IC決済を導入することになります。

導入までの流れ

交通系電子マネー・IC決済を店舗に導入する際の一般的な流れをご紹介します。

申込み(必要書類の送付)→加盟店審査→申込み書類の送付→端末・キットの配送

  • 申込み(必要書類の送付)→加盟店審査→申込み書類の送付→端末・キットの配送手順イラスト

早ければ数日で契約が締結でき、端末やキットが届くケースもありますが、審査に時間がかかる場合もありますので契約先に事前の確認は必要でしょう。

既に非接触IC技術で、かざすだけで決済ができる端末を導入している店舗であれば、契約先に直接連絡するとスムーズに導入が行えます。

交通系電子マネー・IC決済以外の代表的なキャッシュレス決済

クレジットカード

日本で最もメジャーなキャッシュレス決済の手段であり、国民の約8割がクレジットカードを保有している(※)といわれています。最大の特徴は、事前審査が必要でその信用によって「後払い」「分割払い」が出来ることです。

(※) 出典:株式会社ジェーシービー JCB、「クレジットカードに関する総合調査」2017年度の調査結果を発表

デビットカード

「デビットカード」は、支払いと同時に銀行口座から引き落としが行われるしくみのカードです。現金に近い使い方ができるのが「デビットカード」の特徴で、海外では一般的な決済方法となっています。

プリペイドカード

「プリペイドカード」は、事前にチャージした電子マネーで商品・サービスを購入することができる決済方法です。

クレジットカード同様のVisa、Mastercard®、JCBなどの国際ブランドが付いたブランドプリペイドカード(※)や、Google Pay、Amazonギフト券、ニンテンドープリペイドカード、iTunesカードなど、各種のサービス専用のプリペイドカードがあります。

チャージした分しか使えないので、気軽に持ち運びができ、使いすぎを防ぐことも可能です。
※ガソリンスタンドやホテルなど、事前に金額が決まらない加盟店では、国際ブランドのプリペイドカードは利用できない場合もあります。

電子マネー

「電子マネー決済」は、非接触ICの技術を使い、カードまたはスマホをかざして決済するキャッシュレス決済です。

あらかじめ使いたい金額をチャージするプリペイド型と、クレジットカードに紐づいた後払いをするポストペイ型があります。プリペイド型は、本記事で紹介しているSuica、PASMOなどの交通系とnanaco、WAONなどの流通系が代表的で、チャージ残高の範囲内で商品・サービスを購入することができます。
ポストペイ型で代表的なのは、iD、QUICPayです。クレジットカードに紐づいた電子マネーで、予め決められた利用枠の範囲内で商品・サービスを購入することができます。

カードだけでなく、スマホに内蔵された形も普及しています。また、店舗側への決済端末の普及により、運賃の支払いだけでなくさまざまな商品・サービスを購入できるようになりました。

QRコード決済

近年急速に伸びているのが「QRコード・バーコード決済(※)」です。画面表示や紙に印字されたコードを読み取ることで決済が完了します。

決済以外にも、個人間送金機能、割り勘機能などが付帯しているものもあり、若い人を中心に急速に広がっています。

主に店舗提示型(お店がコードを提示)と利用者提示型(お客様がコードを提示)があります。例えば、お客様が商品やサービスの提供を受ける際に、QRコードであれば縦横のドットのコード情報をスマホのカメラで読み取って決済を行います。
※QRコードは(株)デンソーウェーブの登録商標です。

最後に

主に交通系電子マネー・ICという決済方法をご案内してきましたが、「いくつもの決済方法をひとつの端末で処理できるサービスもある」ことをご存知でしょうか。

たとえばクレジットカード用、Suica用など、一つひとつの端末がバラバラだと、レジ周りのスペースも足りませんし、スタッフが覚えるのも大変です。コンパクトな端末一台のみで、多くの決済サービスに対応できれば、スタッフの学習の負担、煩雑な業務の負担が軽減できますし、お客様を待たせたり混乱させることもありません。

交通系電子マネー・IC決済のようなキャッシュレス決済は、無駄な時間を削減し、お客様対応やサービス向上の時間を増やすことで、お客様にとってさらに便利で安心なお店にするために存在しています。
ぜひ、前向きに導入を検討してみてください。

Airペイで交通系IC決済を導入する場合の手順

Airペイに申込むだけで、交通系IC決済の導入が可能です。

  • 1.お申込み

    パソコン等で「Airペイ加盟店申し込み」画面を開き、店舗情報、口座情報、法人の場合は法人情報の入力をします。
    審査書類のアップロードが必要となりますので、書類を事前にご準備ください。

    申込み画面
  • 2.審査

    審査は通常3日程度 で完了です。審査結果は登録いただいたAirIDのメールアドレスに送信されるほか、管理画面でもご確認できます。

    ※現在、多数の申込みをいただいており、審査に時間を要しております。あらかじめご了承ください。

    管理画面
  • 3.配送

    審査が完了すると、ご登録いただいた店舗へカードリーダー、操作マニュアル、加盟店ステッカーをお届けします。

    ※Airペイ対応プリンターは、審査完了後にAirペイ管理画面からご購入いただけます。

    カードリーダー

    プリンターを確認する

  • 4.初期設定

    お手持ちのiPadまたはiPhoneにAirペイアプリのダウンロードを行なってください。カードリーダーの箱に同梱されているマニュアルをご参考に、各種設定を行なってください。

    ※Airペイアプリへのログインには、お申込み時のAirIDとパスワードが必要です。

    iPad マニュアル
  • 5.ご利用開始

    ご利用開始のお知らせメールが届きましたら、実際の決済機能をご利用頂けるようになります。

    ※カードリーダー到着後、1週間程度でメールが届きます。

    iPad カードリーダー

監修者ひとことコメント

交通系電子マネー・IC決済を利用するお客様は、決済の所要時間を短くしたい人が多いようです。そのため決済時の金額確認をあまり行わない方もいますので、店舗側としては金額入力に注意が必要です。レジシステムと連動して、支払い金額が自動で計算されるタイプであればリスクは無いですが、店員が手動で金額入力するタイプは、間違えないように注意が必要です。また、間違えた場合の取り消し処理などについても、所定の処理が行えるよう、業務の徹底を行うことが重要です。

監修

新関 広樹(にいぜき ひろき)FinTechコンサルタント

株式会社メンドレス代表。株式会社FiNRU代表。
アクセンチュアを経て、FinTechベンチャーのインフキュリオンにて、国内・東南アジアでのFinTech事業戦略立案、企画・実行支援に従事。
主に融資・決済・送金に関わるFinTechサービスに携わり、大手企業から外資スタートアップまで多くの企業を支援。
現在は山形県における農家支援も行っている。
https://www.mendoless.com/

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※この記事は2021年6月時点での情報です。