受付管理システムの種類と主な機能
受付管理システムの種類は、利用目的や機能の違いから店舗向けとオフィス向けの2つの種類に分類できます。
店舗向けはお店に来るお客様を順番にご案内するために、主に接客業で利用されています。一方、オフィス向けは事業所への来訪者を担当者に取り次ぐ受付窓口として、主に一般企業で利用されます。それぞれ想定される利用シーンに応じて利便性の高い機能が充実しています。
| 店舗向け | オフィス向け | |
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| 主な利用シーン |
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| 受付用の設置機器 |
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| 主な機能 |
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| 通知先・通知方法 |
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| 店舗向け |
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主な利用シーン
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受付用の設置機器
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主な機能
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通知先・通知方法
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| オフィス向け |
主な利用シーン
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受付用の設置機器
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主な機能
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通知先・通知方法
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店舗向けの受付管理システムの主な機能
店舗向けの受付管理システムは、飲食店や病院・クリニック、エステサロンや理美容院などで幅広く利用されています。受付だけでなく、お客様の順番待ちをシステムで管理するため「受付・順番待ちシステム」「順番待ちシステム」と呼ばれることもあります。
店頭に設置したタブレットや専用端末に待ち時間や待ち人数を表示し、来店受付をしたお客様に整理券を発行、順番がきたら自動で呼び出しする仕組みです。お客様はその場を離れて、ご自身のスマホで残りの待ち時間・待ち人数を確認しながら順番を待つことができます。

外部モニターと連携して呼出番号・受付番号を表示させて順番を可視化し、自動音声で呼び出しができるシステムもあり、主に薬局や病院・クリニックの待合室などで利用されています。
オフィス向けの受付管理システムの主な機能
オフィス向けの受付管理システムは、事業所や工場、テナントビルの総合受付などで利用されています。
主には来訪者の受付対応や担当者への取り次ぎをシステムで自動化し、窓口を無人化する仕組みです。店舗向けとは異なり、待ち時間や順番待ちは発生しない前提のシステムが多いでしょう。

お店に受付管理システムを導入するメリット
ここでは、店舗向けの受付管理システムを導入することによってお店が得られるメリットを5つご紹介します。
メリット1:行列解消・混雑解消
店頭の行列や混雑はお客様や近隣からの苦情・トラブルとなる可能性があります。また、お客様が行列を見て「並ぶのは嫌だから」と感じて帰ってしまうケースも考えられます。
システムを導入することで、受付したお客様は店舗を離れて待てるため、店頭の行列や混雑を解消できます。

メリット2:ヒューマンエラーの防止
受付業務はお店の印象を左右する重要なお客様との接点のひとつ。しかし、混雑時には「順番を間違えてしまう」「名前を間違えてしまう」「呼び出しが漏れてしまう」というミスは起きうることです。
受付管理をシステムで自動化することで、このようなヒューマンエラーをなくすことができます。

メリット3:スタッフの負荷軽減
受付業務をシステムで自動化することで、スタッフの負荷を軽減できます。
これまでスタッフが対応していた受付や順番待ちの管理、お客様の呼び出しなどの労力を、入店後のお客様へのサービスや他の業務に充てられるようになります。結果として、サービス品質や生産性の向上につなげることができるでしょう。

メリット4:顧客満足度の向上
受付管理システムの導入によって、お店側だけでなくお客様の利便性もアップします。
お客様にとってのメリットとしては、例えば下記のようなものが考えられます。
- スタッフを呼びとめなくても待ち時間・待ち人数がわかり、受付ができる
- 受付後、入店までの待ち時間を自由に過ごせる
- 随時、残りの待ち時間を確認できるため、お店に戻って来るまでの予定をたてやすい
受付から入店までの待ち時間はお店が提供するサービスの一部です。お客様に快適に待ち時間を過ごしてもらうことで、顧客満足度の向上が期待できます。

メリット5:受付データの活用
システム上にある受付データの履歴や集計結果をマーケティングに生かすことができます。
例えば「昼間は家族連れの来店が多いため、子ども向けのメニューを追加する」「18時台は来客数が少ないためタイムサービスを実施する」など、データを分析することは効果的な施策を考えるのに役立ちます。

受付管理システムの選び方3つのポイント
数ある受付管理システムのなかから、自分のお店に合うシステムを選ぶにはどのような観点で比較検討すればよいのでしょうか。システムを選ぶにあたって重要となる3つのポイントをお伝えします。
ポイント1:課題解決に役立つ機能があるか
一つ目のポイントは、システム導入でお店が抱えている課題を解決できるかどうかです。
受付管理システムの導入を考えているということは、受付業務や店頭の行列・混雑に関して何らかの解決したい課題があるはずです。その課題を見極めて、解決に役立つ機能を兼ね備えたシステムを選びましょう。
目星をつけたシステムの機能や操作について不明点があれば、導入前に問い合わせをして詳細を確認しましょう。

ポイント2:お客様が使いやすいか
二つ目のポイントは、お客様の使いやすさです。基本的には、どのようなお客様でも使いやすいように見やすくシンプルな画面でカンタンに操作できるシステムを選びましょう。
もしお店の客層に特徴があれば、そこを意識してお客様の使いやすさを考えるのも一案です。例えば、年配の方は電話やSMSの方が使い慣れており、若い方はLINEなどのチャットツールの利用に慣れているという傾向から呼び出しの通知方法を選ぶ、などです。

ポイント3:同業種での導入実績があるか
三つ目のポイントは、同業種での導入実績があるかどうかです。
ひとえに店舗向け受付管理システムといっても、特定の業種に特化したものから汎用性の高いものまでさまざまです。どのシステムを選ぶか迷った際は、紹介されている導入事例を参考にするのもよいでしょう。

監修

三浦 高(みうら たかし)中小企業診断士/1級販売士/起業コンサルタント(R)/経済産業省後援起業家支援Webサイト「ドリームゲート」アドバイザー
大学卒業後システムインテグレータにて、基幹システムの提案営業やインフラ設計・構築・保守業務に従事。予算感や規模感に合わせた運用がしやすく、システム停止率の低いインフラを、200社を超える企業に構築している。
また中小企業診断士としては創業補助金検査員・審査員に従事。V-Spiritsでは資金調達担当としてクライアントの補助金や融資の獲得を支援している。これまでの支援実績は、各種補助金累計獲得件数と融資獲得件数がそれぞれ350件を超える。

坂井 優介(さかい ゆうすけ)起業コンサルタント(R)/補助金コンサルタント(R)/経済産業省後援起業家支援Webサイト「ドリームゲート」アドバイザー
経済産業省系補助金支援、厚生労働省系助成金支援、マーケティング業務、税務会計、人事労務、中小企業のIT化、生産性向上支援の他、補助金や助成金などの資金調達を支援。2022年度の獲得補助金は2億円を超える。
2022年1月~5月には事前確認予約のWebサイトを構築し、トラブルなしで全国屈指の事前確認件数を達成した。
DX化を進める国の補助金「IT導入補助金」の支援機関としての登録、支援事業を担当しており、IT導入補助金の相談件数は年間40件ほど。多くの店舗や中小企業のDX化をサポートしている。
https://v-spirits.com/※本ページに記載されている情報は2023年11月時点のものです




監修者ひとことコメント
受付管理システムの導入目的が受付の無人化・業務の効率化だったとしても、お客様にとっては関係がありません。「来店時にどのような受付対応をされたか」が評価ポイントになります。お客様の満足度や評判を損ねてしまうことのないように、システム導入前に、自店舗の受付フローを見直して準備を進めましょう。
受付管理システムを導入するにあたって、「お店に対してどのような印象を持ってもらいたいのか?」「お客様にどのような体験を提供したいのか?」を改めて考えてみるのもよいと思います。