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Web広告とは?おもな種類と選び方から効果的な広告運用・注意点まで<初心者向け>

相原 秀信(あいはら ひでのぶ)マーケティングコンサルタント

初心者向けにWeb広告の種類と仕組みを図解したイメージ画像

「Web広告を出そう」と考えていても、いざ出稿するとなると「たくさん種類があって何を選べば良いかわからない」ということはありませんか?多くの人がスマホを持つ時代、Web広告をうまく活用することで集客効果が見込めます。この記事では、初めてWeb広告を出そうと考えている店舗経営者に向けて、その種類や選び方をわかりやすく解説。効果的なWeb広告運用のポイント・注意点も紹介します。

この記事の目次

Web広告とは

Web広告とは、Webサイトで配信される広告全般のことです。インターネット広告、オンライン広告、デジタル広告と呼ばれることもあります。広告がクリックされることで、指定したWebサイトへ移動させることができます(指定するWebサイトがあることが前提)。

Web広告の種類には、Yahoo!やGoogleなどの媒体で配信されるリスティング広告、インターネットの入り口となるポータルサイトなどへ画像広告として配信されるディスプレイ広告、FacebookやInstagramなどのソーシャルメディアに配信されるSNS広告、メールで広告を配信するメール広告などさまざまなものがあります。

Web広告の特徴としては、文章で魅力を伝えるテキスト広告だけでなく、動画広告、画像広告、メール広告など多様な配信形式を選択できることです。

Web広告を出すメリット

まずはWeb広告を出すメリットを確認していきましょう。

低予算で始めることができる

Web広告は、テレビや新聞などの従来の広告に比べて低コストで始めることができます。中にはリスティング広告(検索キーワード広告、検索広告)のように、1日100円程度から始められ、クリックされたときだけ費用が発生するという、予算を無駄遣いしない非常に効率の良いものもあります。

ターゲットを細かく設定できる

広告を配信する対象の人をターゲットと呼びます。Web広告では、性別・年代・居住地・職業などのターゲットを細かく設定できます。例えば、お店に来てくれそうな居住地に住む人だけに広告を見せて、遠方に住む人には見せないというような表示の出し分けが可能です。

つまり、効果の見込めない人に表示する費用は発生しないため、費用対効果の最大化を目指すことができるのです。

結果が数値でわかり分析しやすい

広告の効果をほぼリアルタイムで把握でき、詳細に分析することができるのも、Web広告の特徴の一つです。例えば、広告が見られた回数やクリックされた回数、予約に至った人数などを数値化できるため、今回出稿した広告が効果的だったかどうかの判断がしやすくなります。

予約やお問い合わせといった成果はもちろん、成果に至る途中の数値も使って、細かく分析し調整することで、費用対効果を高めることができます。

状況にあわせて広告の内容を変えられる

Web広告は、文章や画像などの修正がすぐにできます。広告を掲載する媒体側が行う広告審査(広告内容のチェック)も当日~数日内で終わるため、状況にあわせた広告を掲載することが可能です。

例えば、秋なのに暑い日が続いた場合に「まだまだ暑いですね。冷たい飲み物はいかがですか?」と、最近の天候に応じて広告表現を変えることができます。

おもなWeb広告の種類

Web広告には、さまざまな種類があります。ここでは代表的なWeb広告について、概要や費用の相場、期待できる効果などをそれぞれ解説します。

リスティング広告

リスティング広告の仕組みを表す図。検索キーワードに対して広告が一番上に表示されている

<リスティング広告の概要>
広告概要 GoogleやYahoo!など媒体の検索結果画面にテキストで表示される
課金方式 クリック課金
費用相場 1クリックあたり数十~数百円程度
期待できる効果 興味関心が高まった人にタイミングよく広告を見せることができる
注意ポイント 1クリックあたりの金額は入札で決まるため、キーワードによっては高額になる場合がある

リスティング広告は、「検索連動型広告」「検索広告」「キ―ワード広告」「PPC広告(Pay Per Click)」とも呼ばれるもので、「知りたい」と思って検索した人に対して広告を表示させるため、ターゲティングの精度が高いのが特徴です。

課金方式(料金体系)はクリックされたときだけ費用が発生する「クリック課金」(CPC:Cost Per Click)で、その単価はキーワードごとの入札(オークション)で決まります。

リスティング広告の一種として、「動的検索連動型広告」(DSA:Dynamic Search Ads ※DAS:Dynamic Ads for Searchと呼ぶ場合もあり)という、スポンサーのWebサイトと関連の高いキーワードで検索している人に対して、自動的に広告文を作成し出稿するWeb広告もあります。

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ディスプレイ広告

ディスプレイ広告の仕組みを表す図。Webサイトのコンテンツ内にある広告枠に表示される様子

<ディスプレイ広告の概要>
広告概要 Webサイトの広告枠に画像または動画形式で表示される広告
課金方式 インプレッション課金、クリック課金
費用相場 インプレッション課金:1000回表示あたり400~600円程度
クリック課金:1クリックあたり50~100円程度
期待できる効果 幅広い人に強いインパクトを与えて自社サービスをアピールできる
注意ポイント 表示数が多くても購入や来店などの最終成果は乏しい場合がある

Webサイトやアプリに表示させる画像や動画の広告(バナー広告)です。テキスト広告と比べてインパクトが強く、幅広い人に商品やサービスの認知度を高めたいときに有効です。

課金方式は「インプレッション課金(IMP課金/CPM:Cost Per Mille)」という場合が多く、これは表示1000回あたりの料金を指します。

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純広告

純広告の仕組みを表す図。特定のWebサイトの広告枠を期間保証で買い取り、掲載する様子

<純広告の概要>
広告概要 特定のWebサイトの広告枠を買い取って掲載する
課金方式 期間課金が多い。他にインプレッション課金、クリック課金の場合もある
費用相場 期間課金:掲載するWebサイトにより、数万~数百万円/月
期待できる効果 そのWebサイトに集まる人に広く自社サービスをアピールできる
注意ポイント 期間課金の場合、想定より表示数が少ない場合がある。また、表示数が多くても購入や来店などの最終成果は乏しい場合がある

特定のWebサイトで、特定の場所・サイズの広告枠を買い取り、期間または回数を決めて表示させる広告を純広告と言います。

広告の形式は画像、動画、テキストなどさまざまで、利用者数の多いWebサイトに掲載すれば幅広い層にお店のサービスをアピールできます。例えば、コスメに特化したサイトに掲載すれば、コスメに興味を持つ人に絞ってアピールすることができます。

課金は広告の掲載期間(期間課金)で設定されるのが一般的で、広告の表示場所、広告枠のサイズなどでさらに細かく設定されます。

アドネットワーク広告

<アドネットワーク広告の概要>
広告概要 複数のWebサイトを集めた広告配信ネットワークを使った広告。広告を入稿すると複数Webサイトに配信される
課金方式 インプレッション課金、クリック課金
費用相場 インプレッション課金:1000回表示あたり数十円程度
クリック課金:1クリックあたり10~数百円程度
期待できる効果 1カ所に入稿することで複数のWebサイトに配信できるので業務効率が良い。多くの人に接触できる
注意ポイント 配信先を細かく指定できないため、適切ではないWebサイトに広告が配信される場合がある

アドネットワーク広告は、複数のWebサイトやソーシャルメディア、ブログなどを束ねた「広告配信ネットワーク」を使った広告のことです。広告の形式には、画像、テキスト、動画などがあり、見た目は純広告と違いはありません。

代表的なアドネットワークにはGDN(Googleディスプレイネットワーク)やYDA(Yahoo!広告ディスプレイ広告※旧YDN)があります。この2つは、パソコン、タブレット、スマホなど、多様な画面サイズに合わせて広告サイズを自動調整する「レスポンシブ広告」を配信することができるため、さまざまなサイズの画像広告を作成する負担が軽減できます。

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SNS広告

SNS広告の仕組みを表す図。Facebookなどのタイムラインに、通常の投稿と同じ形式で広告が表示される様子

<SNS広告の概要>
広告概要 FacebookやX(旧Twitter)、InstagramなどのSNSに配信される広告
課金方式 インプレッション課金、クリック課金、エンゲージメント課金※など
費用相場 インプレッション課金:1000回表示あたり400~650円程度
クリック課金:1クリックあたり20~数百円程度
エンゲージメント課金:1エンゲージメントあたり40~100円程度
期待できる効果 タイムラインに広告が挿入されるため、見られる可能性が高く、認知度向上が期待できる
注意ポイント 同じ人に何度も広告が届くので、広告クリエイティブを頻繁に変える必要がある

※エンゲージメント課金:配信されたSNS広告に対して、「いいね」や「シェア」などがあった場合に課金される。CPE(Cost Per Engagement)とも呼ばれる。

FacebookやX(旧Twitter)、Instagram、TikTokなどのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)に配信される広告のことをSNS広告と言います。年代・性別などの属性や興味関心に基づいて広告を出し分けられることが特徴です。

SNSのタイムライン上に、広告ではない一般の投稿記事と並んで、「広告」や「プロモーション」と小さく文字が入るものの、それ以外は同じ記事体裁で広告が入りますので、自然と目に入り、認知度向上の効果は高いと言われています。

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アフィリエイト広告

アフィリエイト広告の仕組みを表す図。アフィリエイターが運営するランキングサイトなどに、成果報酬型の広告が掲載される様子

<アフィリエイト広告の概要>
広告概要 アフィリエイター※に自社の広告を選んでもらいWebサイトに掲載してもらう
課金方式 成果報酬
費用相場 ASP※利用料:月額2~6万円程度
成果報酬費用:スポンサーが任意に設定
期待できる効果 クリックや予約など、広告を見たうえで反応した人のみに費用が発生。費用対効果は高い
注意ポイント アフィリエイターへ自社の広告を掲載してもらうための働きかけが必要

※アフィリエイター:Webサイトやブログを運営して、アフィリエイト(成果報酬型広告)によって収入を得る人のこと。
※ASP:アフィリエイトサービスプロバイダー(Affiliate Service Provider)の略。スポンサーとアフィリエイターを仲介する会社のこと。

アフィリエイト広告は、画像やテキストといった自社の広告を、アフィリエイターが運営するWebサイトに掲載してもらい、成果に応じて成果報酬を支払う形態の広告を指します。

広告表示では費用が発生せず、クリックや予約など、あらかじめ取り決めた成果の分だけ費用が発生するので、費用対効果が高い広告と言えます。

アフィリエイターは、ASPのサイトでスポンサーの広告を選び、スポンサーへ提携申請し、承認されればその広告をWebサイトに掲載します。スポンサーは広告の掲載場所を増やすため、提携先募集のメールをアフィリエイターへ送ったり、その反応が少なければ報酬を上げて再送したり、働きかけたりする必要があります。

記事広告

記事広告の仕組みを表す図。Webメディアに、通常の記事と同じ体裁の読み物として広告を掲載する様子

<記事広告の概要>
広告概要 雑誌社のWebサイトなどで、記事風に読み物仕立てで掲載される広告
課金方式 期間課金、インプレッション課金、クリック課金など
費用相場 記事制作込みで1カ月100万円など
期待できる効果 第三者的な視点で紹介されるなど、広告感を薄め、理解に重点をおいた深い情報を提供できる
注意ポイント 高額になりがち。また、購入や来店などの最終成果は乏しい場合がある

記事広告とは、雑誌社のWebサイトやWebニュースなどの媒体に、記事形式で掲載される広告のことをいいます。「タイアップ広告」「PR記事」と呼ばれることもあります。

記事の始めに「広告」「PR」「Sponsored」などと記して、他の記事(広告ではない記事)と区別できるようにしています。

インタビューや体験レポートのような形式で、第三者の視点から自社の商品やサービスを紹介できることが特徴で、広告感を薄めることで自然と読まれるものにし、理解に重点をおいた深い情報提供ができます。

リターゲティング広告

<リターゲティング広告の概要>
広告概要 一度自社のWebサイトを訪問した人へ、再度見せる広告
課金方式 インプレッション課金、クリック課金
費用相場 インプレッション課金:1000回表示あたり数十~100円程度
クリック課金:1クリックあたり数十~100円程度
期待できる効果 自社のWebサイトまで来た興味関心の高い人を、購入などのコンバージョンまで至らせる
注意ポイント 何度も広告を見かける場合があり、しつこいと思われることがある

※コンバージョン:「転換」や「変換」という意味。見込み客がWebサイトで目標としている行動、たとえば商品購入や予約といった行動を起こし、顧客へ転換することをコンバージョンと呼ぶ。

リターゲティング広告は、一度自社のWebサイトを訪問した人へ、別のWebサイトにて再度広告を見せる広告手法です。「追跡型広告」「リマーケティング広告」と呼ばれることもあります。見た目はディスプレイ広告と同様です。

興味をもって自社のWebサイトまで訪れた人へ、あらためて広告を見せることで、購入などのコンバージョンを増やす働きかけをします。

動画広告

動画広告の仕組みを表す図。SNSのフィード内や、動画コンテンツの再生前後などに広告が動画形式で表示される様子

<動画広告の概要>
広告概要 動画を用いた広告
課金方式 期間課金、インプレッション課金、クリック課金など
費用相場 媒体、広告商品によりさまざま
インプレッション課金:1000回表示あたり100~600円程度
クリック課金:1クリックあたり数円~数十円程度
期待できる効果 無関心層にも広告を見てもらえる可能性がある。インパクトが強く記憶に残りやすい
注意ポイント 広告クリエイティブの動画制作は、外注すると十万~数百万円と高額

動画広告は、YouTube広告に代表される、動画と音声を組み合わせた広告です。テキストや画像を使った広告よりもインパクトが強く、たくさんの情報を短時間で伝え、記憶に残りやすいという特徴を持ちます。

関心がなかった受け身の人でも、動画のストーリー性や音楽を利用できる強みから受け入れられやすく、幅広い層に認知を拡げることが可能です。

メール広告

メール広告の仕組みと種類を表す図。メールマガジンの一部に掲載する広告と、広告として専用配信されるメール(TEXT・HTML形式)との違いを解説

<メール広告の概要>
広告概要 Webサイト会員などの登録者へ、メールで送る広告
課金方式 配信数課金、クリック課金
費用相場 媒体によりさまざま
配信数課金:1件あたり5~100円程度
クリック課金:1クリックあたり300~800円程度
期待できる効果 多くの情報を届けることができる。ターゲティングも可能
注意ポイント 配信対象者が同じ人になる場合、しつこいと思われて受信拒否をされたり、効果が乏しくなる可能性がある。広告クリエイティブを変えるなどの対応が必要

メール広告は、例えばWebサイトの会員登録などをした人へメールで送る広告で、多くの情報を直接届けられるのが利点です。

テキスト形式のメールの文面の途中に5行程度の広告を複数挟み込む「メールマガジン広告」や、1社で1通のメールを広告用に制作して送る「広告メール」などがあります。広告メールには、文字のみで構成するテキスト形式だけでなく、Webサイトのようにデザイン性を持たせられるHTML形式があります。テキスト形式であれば、HTML形式よりも制作期間は短くなります。

配信方法で分けると、一斉メール、オプトインメール、ターゲティングメールの3種類があります。一斉メールは登録者全員に送るもので、メールマガジン広告がこれにあたります。オプトインメールは、事前に広告メールを送ることについて利用者に確認し、許諾を得た上で配信するメール広告のことです。オプトインメールの一種には、年齢・性別・地域・興味関心などの登録情報から配信先を絞り、広告メールを送るターゲティングメールもあります。

Web広告の選び方

Web広告の選び方には、大きく分けて「ターゲットから選ぶ」「目的から選ぶ」「予算から選ぶ」の3つの方法があります。

ターゲットから選ぶ

Web広告は、ターゲティング精度が高いのが特徴で、そのため、自社の商品やサービスに興味を持ってもらえそうなターゲット像を明確にし、それに合ったWeb広告を選ぶことが重要です。

SNS広告への出稿を検討する場合を例に考えてみます。
10代~20代の学生であれば、InstagramやTikTokの利用者が多く、ビジネスパーソンであればFacebookの利用者が多いと仮定できます。お店のターゲット像が多く利用するであろうSNS広告を選ぶことで効果が期待できます。

目的から選ぶ

Web広告を行う目的は、認知度向上、お店への集客数増加、Webサイトの訪問者数増加、お問い合わせ促進、売上アップなど、さまざまです。自社の目的に合わせて、広告を選ぶことが重要です。

例えば認知度向上が目的なら、ビジュアル要素が強く目に留まりやすいディスプレイ広告やSNS広告、動画広告が効果的です。お問い合わせ促進を目的とするなら、「今すぐ知りたい」と思っている人に向けたリスティング広告や理解を深めることのできる記事広告、なんらかの興味を持って自社のWebサイトを訪問したことのある人に表示するリターゲティング広告が効果的です。

予算から選ぶ

Web広告に出稿するときは、予算を事前に決めて最適と思われるものを選びましょう。

予算があまりない場合は、少額から始められ、予算をすぐに使い切らないように細かく予算管理できる広告が良いでしょう。リスティング広告は、数円から出稿できるものもあり、また、一日の出稿上限額、月間の上限額、出稿の即時停止など、細かく予算管理ができます。クリック課金でクリックされた分だけの費用発生になるため、費用対効果も良く、その意味でも予算が少ない場合に適しています。

商品やサービスは、選ばれる前にまず「知られる」必要があります。予算に余裕がでてきたら、認知度を高めるために、ディスプレイ広告などの出稿を検討するのが良いでしょう。

Web広告で効果を出すための広告運用のポイント

Web広告で効果を出すためには、下記の4つの運用のポイントを押さえることが重要です。

広告運用の目的を明確にする

最初に、広告を出すことで叶えたいことは、お店の認知度向上なのか、Webサイトへの訪問者数の増加なのか、予約の獲得なのか、といった「広告を運用する目的」をはっきりさせることが大切です。

広告出稿にあたっては、ターゲットの気持ちを推察しながら、広告で打ち出すメッセージ、広告の出稿先、配信時期(時季)など、多くを検討して決めていかなければなりません。そんな中で、「何のために広告を運用するのか」を明確にして常に意識していないと、どこかで的外れなことをしてしまい効率を落としてしまう可能性があるからです。

ターゲットを明確にする

Web広告は、自社の商品・サービスを利用しそうなターゲットに向けて、できるだけ正確に配信することで効果の最大化を図ることができます。

そのためにはターゲットを明確にしましょう。このとき、「ペルソナ」という手法を使ってみるのも良いでしょう。
ペルソナとは、商品やサービスを利用する架空の人物像のことです。実在するかのように細かく人物像を設定することで、どのWeb広告を利用するか、広告の表現はどうするか、配信の曜日や時間帯をどうするか、パソコンとスマホのどちらに重きをおくか、一連の検討事項をぶれることなく、具体的に考えることができます。

~ペルソナの例~
年齢:32歳(1991年10月4日生まれ)
性別:男
自宅:東京都三鷹市(三鷹駅)
職業:家電メーカーの営業職
職場:浜松町
家族構成:妻(30歳)、長女(1歳)
興味関心・趣味:マイホーム、車、貯金、動画編集

広告内容は十分に吟味する

広告の内容や表現は、ターゲットの関心を引きつけ、クリックしてもらうために重要な要素となります。目を引くビジュアル、簡潔で魅力的なキャッチフレーズ、メリットやお得感がすぐに伝わるメッセージなど、ターゲットの気持ちと商品の性質を照らし合わせて、効果的な組み合わせを見つけましょう。

複数の広告を用意して効果を検証する「A/Bテスト」まで行えれば理想的です。結果を見て、効果の低いものは出稿を止め、効果の高いものだけを残していくことで、より高い効果を出せる可能性が高まります。

PDCAサイクルをまわす

ここまで説明してきたように、広告を出稿するにはさまざまなことを検討する必要があります。考えのベースには、「おそらくこうだろう」という仮説が多く含まれています。

広告を運用しながら、実際の結果から仮説を練り直し、広告の要素を調整し、効果を改善していきます。具体的には、広告を配信したら、広告管理画面でクリック率などの状況を確認し、改善箇所を見つけ、対応していきます。

この活動を「PDCAサイクルをまわす」と言います。PDCAは「Plan-Do-Check-Action」の略で、日本語で言うと「計画-実行-評価-改善」になります。PDCAサイクルを日々まわし、広告効果の最大化を目指しましょう。

Web広告を始めるにあたっての注意点と運用方法

Web広告を始める前に押さえておきたい注意点

Web広告は、安価にすぐ始められる反面、始めるにあたり、広告の種類や、広告内容、広告管理画面の操作など、それぞれに相応の知識が必要です。また、広告の仕様が変更されたり、新しい広告商品が登場したりと日々環境が変化します。

Web広告の運用では、継続的な情報収集と知識吸収をしながら、PDCAサイクルをまわしていきます。さらに、成果を出すためには広告だけではなく、広告のリンク先となる商品やサービスを紹介するランディングページも改善していく必要があります(これは、ランディングページの最適化、LPO:Landing Page Optimizationと言われます)。

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このように、Web広告の運用には一定のパワーがかかることを覚えておきましょう。

Web広告の運用方法

Web広告の運用方法を考える際は、予算や広告運用業務にどれだけの労力をかけられるか、ということを踏まえて検討する必要があります。運用方法の選択肢は、おもに次の3つです。

  1. Web広告に関する知識を学び運用する
  2. 広告代理店に依頼する
  3. Web広告運用を支援するシステムを使う

お店のスタッフで頑張ってWeb広告に関する情報を集めて学びながら運用する場合、日常的に広告運用のためにかける時間を見越しておく必要があります。本来の業務のために時間を捻出するのが難しい場合には、広告代理店に依頼するか運用支援になるシステムの導入を検討すると良いでしょう。

広告代理店に依頼する場合、広告出稿にまつわる運用をほぼ任せることができ、広告代理店の知見を生かして効果的な広告出稿を提案してもらうことができます。しかし、広告出稿の月額が10万円以上という場合も多く、プラスで運用代行手数料がかかるため、費用が高額になる傾向にあります。

Web広告運用を支援するシステムを使う場合、Web広告に関する知識がなくてもシステム上の設定に沿って操作を進めていくことで手軽にWeb広告の運用をスタートすることが可能です。システムの基盤には蓄積されたマーケティングデータを使っており、運用の手軽さだけでなく効果の面でも期待ができます。費用は月額5,000円~2万円程度となりますが、定額のため予算管理がしやすく比較的ハードルが低いのが特徴です。運用の業務負荷に懸念があれば、導入を検討しても良いでしょう。

まとめ

  • Web広告は低予算で開始でき、届けたい相手を細かく設定できるため費用対効果が高い点で優れている
  • Web広告にはリスティング広告やSNS広告など多様な種類があり、認知拡大や売上向上といった目的に応じた選択が重要
  • 効果を最大化するには目的・ターゲットを明確にし、PDCAサイクルを回して継続的に改善していく運用が不可欠

Web広告は、自分たちで行うにはある程度の知識が必要で、日々の運用には手間も時間もかかります。それを考えると、なかなか実行に移せない店舗経営者様も多いのではないでしょうか。最近では複雑な運用を手助けしてくれる、安価で便利なシステムも出てきていますので、それらを使うのも良いと思います。
インターネットからの集客を強化し、店舗経営を安定させるために、まずは少額でWeb広告を始めてみてはいかがでしょうか。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

Airレジ マガジン編集部

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この執筆者の記事一覧
相原秀信プロフィール写真

相原 秀信(あいはら ひでのぶ)マーケティングコンサルタント

タンジェント株式会社 代表取締役
株式会社リクルートを経て、2000年にポータルサイトを目指すインターネットベンチャーに入社。マーケティング担当者としてネット黎明期より各種ネットマーケティングに携わる。その後、東証プライム上場企業にて宣伝部長を歴任。ネットマーケティング以外にも、CMやラジオ、新聞、雑誌、鉄道広告なども手がける。マーケティングに関する網羅的知識経験ノウハウを強みに、2014年独立。タンジェント株式会社を設立。今に至る。https://www.tangen.jp/