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消費税の経過措置とは?何に適用される?具体的なQ&A

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

消費税の経過措置と聞いても、具体的な内容がわからない経営者の方が多いのではないでしょうか。自分には関係ないと思っている経営者の方は要注意です。これは店舗経営に大きな関わりがあるのです。消費税の経過措置を正しく理解することによって、消費税率が変更しても計算ミスをせずに対応することができるようになります。

この記事の目次

消費税の経過措置とは?

消費税の経過措置とは消費税率引き上げをスムーズに行うための対策です。消費税率に変更があった場合、一部の取り引きで不都合が生じる可能性があります。たとえば旧税率で購入した商品を新税率適用後に返品した場合などが挙げられます。このような状況でもスムーズに対応するためには一定のルールが必要になります。そのルールこそが消費税の経過措置なのです。

消費税の経過措置は消費税率の引き上げに伴う消費税法改正内容の1つとなっていることから、法令によって決められた内容であることがわかります。そのため店舗経営者がこれらの経過措置を正しく運用しないと法令違反となってしまう可能性が高くなります。

経過措置が適用される具体的な取引は?

経過措置が適用される具体的な取引や契約は下記の10種類があります。

  1. 乗車券や入場料金の販売取引
  2. 電気・ガス・水道・通信サービス料金の継続供給取引
  3. 工事や製造、ソフトウエア等の請負契約
  4. 賃貸借契約やリース契約
  5. 冠婚葬祭に関するサービスの売買取引
  6. 書籍や物品の予約販売に関する取引
  7. 通信販売による取引
  8. 特定新聞の販売取引
  9. 有料老人ホームに関する介護サービスの提供取引
  10. 家電リサイクルの再商品化に関する取引

①は事前販売によるチケットや乗り物の旅客運賃などが含まれます。④の賃貸借契約やリース契約は、テナントの賃貸借契約、業務用厨房機器のレンタルやリースなどが含まれます。⑥の書籍や物品の予約販売は定期的に継続販売していることが経過措置が適用される条件となっています。店舗が行う事業内容によっては個別に対応する必要があるため上記で解説した内容に限らずすべての内容を確認するようにしましょう。

こんなときどうする?消費税の経過措置Q&A

それでは実際に消費税の経過措置がどのように適用されるのかを確認してみましょう。

Q.カフェで行うイベントが新税率の日程になっている場合、どちらの税率が適用されるの?

A.購入日が旧税率であれば旧税率を適用します。

イベント当日にチケット販売を行うのであれば、新税率が適用されます。 しかし事前販売などで旧税率の時期に販売する場合は経過措置が適用されるため旧税率による販売を行います。

Q.船上で行うライブイベントのチケットを新税率になる前に販売した場合、乗船代にも経過措置が適用される?

A.遊覧航行の乗船代は経過措置の適用はありません。

船上でライブイベントなどを行う場合、飲食とライブの提供は入場料金として経過措置が適用されます。しかしクルーズ料金は乗客の運搬が目的とはなっていないため船舶の旅客運賃には該当しません。そのためライブイベントのチケットに乗船代が含まれているとしても、経過措置が適用されないため注意が必要です。

Q.旧税率で仕入れた商品は、旧税率で販売していいの?

A.旧税率で仕入れた商品であったとしても、新税率適用後は新税率で販売しなければなりません。

消費税の経過措置に含まれない取引や契約に、経過措置は適用されません。

Q.旧税率の値札の商品がありすぎて、旧税率最後の日にすべて直すのは無理です。

A.誤認防止措置で対応しましょう。

誤認防止措置とは、新税率と旧税率の商品を一目でわかるようにする方法です。たとえば、値札の色で新税率と旧税率を分けたうえで、店内の目につきやすいところにレジにて改めて新税率で精算する旨を掲示します。このようにすることで、旧税率と新税率の商品が混在しても消費税法違反とはなりません。しかしすべての商品をできるだけ早めに新税率へ切り替えるように心がけなければなりません。

まとめ

消費税の経過措置で確認したいポイントは下記の3点です。

  • 店舗経営者が消費税の経過措置を正しく運用しないと法令違反となってしまう
  • 消費税の経過措置が適用される取引や契約は全部で10種類ある
  • 消費税の経過措置が適用されない取引や契約は、適用日から新税率で計算を行う

消費税の経過措置を正しく理解できれば、消費税法や消費税転嫁対策措置法に即した営業ができるようになります。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

Airレジ マガジン編集部

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この執筆者の記事一覧
中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/