アパレルで開業するときに大切な「コンセプト」を考える4つのステップ
アパレルショップを開業し繁盛店にする為には、お客様にお店の魅力をわかりやすく伝え、ファンづくりをしていくことが大切です。その為にはお店の各種施策をひとつのコンセプトで串刺しすることが重要となります。今回はコンセプトのつくり方のステップと、その伝達効果を高める為のキャッチコピー化について紹介します。
この記事の目次
そもそもコンセプトとは何なのか
感覚的に捉えられることが多い「コンセプト」という言葉は、日本語でいうと「全体を貫く基本的な概念」となります。
コンセプトをはじめにしっかりと設計することで、アパレルショップを構成する全ての要素が同じ概念で串刺しされ、お客様にメッセージとしてわかりやすく伝わるようになります。
逆にコンセプトがしっかりしていない場合、各種施策が場当たり的になりやすく、お客様にとって、お店の印象がぼやけてしまいます。
良いコンセプトを作るための4つのポイント
コンセプトを作るには、以下の4つのステップについて順に検討をしていきます。
- 誰に(ターゲット)を考える
- 何を(提供する商品、サービス)を考える
- どのように(提供方法)を考える
- キャッチコピーを考える
ポイントは、ステップ1~3について最初は大まかに考え、各要素が同じ方向を向いているかどうかを確認し言葉にしてみることです。その合致を確認してから、各項目をさらに掘り下げていきます。
コンセプトは全体を貫く概念となりますので、ばらつきがあると、迷った時の判断基準がはっきりせず、自分の好みがでてしまいやすくなります。そのため、いきなり1つを深めるのではなく、はじめに大まかに考え、徐々に細部まで設計していくことが良いコンセプト作りのポイントです。
それでは順に説明をしていきます。
1.誰に(ターゲット)を考える
商品サービスをどんな人に提供するかを考えます。言い換えれば喜んでくれるお客様像とも言えます。
「ターゲット」を設定する際の要素には以下のようなものがあります。
- 属性
項目 |
例 |
---|---|
年齢・年齢 |
20代後半女性 |
家族構成 (未婚・既婚、子供の有無など) |
独身 |
収入 (個人の収入や世帯年収) |
月に3万円はファッションに使う |
地域 (生活拠点や移動ルートなど) |
東京都中野区住み 好きな買い物スポットは吉祥寺 |
- 関心事
項目 |
例 |
---|---|
ファッション |
他の人とかぶらない、古着やビンテージものが好き |
食べ物 |
食材にこだわっているカフェが好み |
趣味・スポーツ |
カフェめぐり、読書、ボルダリング |
メディア |
雑誌A、雑誌B・・・ |
属性については、家族構成や共働きかどうかで可処分所得が異なりファッションに費やす事ができるお金が変化します。この設定によって扱う商品の単価に影響しますので、ターゲット像と、商品価格にギャップが生じないよう注意が必要です。
どんな人に自分のショップのファンになって欲しいかを、具体的な人に例えて設定するとわかりやすくなります。著名人でイメージがあう人がいればより明確です。注意したいのは、広告宣伝に出て欲しい人ではないことです。ショップの商品サービスを最も喜んでくれる人を選定してください。
2.何を(商品)を考える
商品とは自分のお店でお客様に提供するものを指しています。言い換えれば販売するものともいえるでしょう。提供方法やサービスなどを含め考える事もありますが、今回はまず品物に絞って考えていきます。
次に「商品」について設定をしていきます。初期段階で検討すべき項目には以下のようなものがあります。
項目 |
例 |
---|---|
テーマ性 |
ビンテージ |
テイスト感 |
レトロ感、高級感 |
取り扱いブランド |
ブランドA、ブランドB |
商品単価 |
5000円~ |
アパレルショップを開業したい方であればむしろこういった項目は先行してイメージがあるでしょう。
実際に店舗展開の実務を考えると以下の点まで想定する事ができると効果的です。
- 時期ごとの商品構成
- 時期ごとの売場構成
3.どのように(提供方法)を考える
ポイントは、全体感を持つことと、魅力的な単品のバランスです。単品を積み上げてできる商品の構成を大まかに店舗展開に落とし込みます。この項目が検討できると、必要なフェイス数がわかるため、お店の面積を検討する際の基準となります。また合わせて、ターゲットのイメージと適合しているか再確認すると効果的です。
商品の提供をどのような形で行うかを考えていきます。サービスのありかたやその方法、立地の設定や、情報発信の仕方などを考えていきます。
「誰に」、「何を」に合わせて「どのように」について設定していきます。
- 出店地域
- 店舗周辺のロケーション
- 店舗面積
- 外装(店舗外観)
- 内装(床壁天井)
- 什器
- 店内レイアウト
- フィッティング等のサービス設備
- VMDの手法
- 決済方法
- ポイントや会員カードなどの顧客サービス
- HP、SNS、ECなどのWeb関連
- その他
上記項目以外にも沢山の項目がありますが、コンセプトの段階ですべて決定する必要はありませんが、自分のお店の核となる要素についてイメージを
もっておくことが重要です。コンセプトで串刺しされたお店にする為におぼろげでも良いので考えておきましょう。
4.キャッチコピーを考える
コンセプトをつくる為に様々な要素がありましたが、ここまで検討できれば、イメージはかなりはっきりしているはずです。最後の仕上げに、「誰に」「何を」「どのように」のポイントについて、文章にしてみてください。キャッチコピー化することで、自分のお店の特徴をわかりやすく表現できれば、お客様にその魅力がよりはっきりと伝わり、口コミを生み出す効果があります。
あなたのお店に特徴を一言で、と尋ねられた時につかう25文字程度の一言バージョンと、同じようにお店の特徴について説明してくださいと尋ねられた時に使う250字~300字程度の30~40秒程度で説明するバージョンを作っておくと便利です。
まとめ
- コンセプトとは店全体を貫く基本的な概念の事
- 誰に:ターゲットを具体的な人に例えて設定する
- 何を:提供する商品の全体感を組み立てる
- どのように:店舗のイメージや、提供方法・サービスを考える
- キャッチコピー化:誰にでもわかりやすく説明できるよう明文化する
「誰に」「何を」「どのように」をしっかりと考え、コンセプトを明確にした後、それをキャッチコピー化すると、お客様にも、取引先様にも、もっと言えば金融機関様にもわかりやすく伝わり、あなたのお店の魅力をもとに、応援してくれる人が増えていきます。はじめはちょっと大変ですが、大きく違いがでますのでしっかり明確にしましょう。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
専田 政樹(せんだ まさき)中小企業診断士
7&ⅰグループ出身、中小企業診断士。店舗の現場にて店舗運営管理、スタッフ教育等を経験後、本部スタッフとしてSV職、VMD職、マーケティング職などの専門職を担う。2015年に独立し、ダイバーシティコンサルタントとして企業の成長支援コンサルティングや、研修等による人材育成にあたる。㈱せんだ兄弟社 代表取締役。