【美容サロン】エステサロンがメニュー開発をするために必要なこと
エステサロンを開業する際に最も大事なことのひとつに、エステサロンのメイン商品である、メニュー開発があります。メニュー開発は、エステサロン開業時だけではなく、お客様のニーズの変化に合わせて進化させていく・お客様が飽きないように、シーズナルメニューや新メニューなどを随時開発していくことも必要になってきます。「どのようにメニュー開発をすれば良いのかわからない」「人気メニューの作り方を知りたい」という方々のために、メニュー開発をする時にどのようなポイントをおさえるべきかをまとめました。
この記事の目次
自社・市場・競合を考慮する
得意なメニュー・やりたいメニューを明確にする
まずメニュー開発をする際に考えることは、今まで習得してきた技術の中でも、得意なメニュー、やりたいメニューを明確にすることです。経営者がエステティシャンではないケースでは、現場の責任者になるエステティシャンを中心に考えると良いでしょう。
エステサロンでも、エステサロン以外でも、お客様の半数程が注文する「看板メニュー」というものが存在します。皆さんが何度もリピートしている飲食店でも、必ず注文するメニューがあるのではないでしょうか。「このサロンといえば、これ」と思い浮かぶメニューと言い換えると分かりやすいかもしれません。
エステティシャンの方は開業前に、たくさんの方にトリートメントを提供してきたと思いますが、その中でも評判が良かったメニューが必ず存在すると思います。まずはそれを軸にメニューを開発すると成功しやすいでしょう。
トレンドを追いすぎない
経営者になると、今まで以上にアンテナを張るせいか、たくさんの情報が入ってくるようになります。
「あの美容機器を導入したサロンの売上が2倍になった」「あの化粧品を導入したサロンの新規顧客が3倍になった」などなど……。そのような情報を聞くと、「うちも導入した方がいいのではないか」と焦ってしまいがちです。
またエステティック業界の展示会に行くと、毎年のように新しい化粧品や美容機器が発売され、それに伴うエステメニューが次々と登場してきます。昨年の展示会で全面的に打ち出していた商品は見る影も無く、全く新しい商品を打ち出しているメーカーも少なくありません。
トレンドに敏感になり、お客様のニーズの変遷と共にエステメニューを進化させていくことも大事ですが、むやみにトレンドを追いすぎると、毎年のようにメニューを大きく変えてはいけません。そのようなサロンは、経営が不安定になってしまいがちです。
まずは主要メニューをしっかり固め、それらを中心に常に進化させ、ある程度余裕が出た段階で、既存のお客様の別のお悩みに対応できるように、また既存のお客様を飽きさせない目的で、新しいメニューを導入していく……という順番が良いでしょう。
エリア内での競合対策と差別化を考える
エステサロンも成熟期を迎えている昨今、新規店の参入は簡単ではありません。大切なのは開業するエリア内で、競合するエステサロンとの差別化をいかに図るかということです。競合するサロンと同じようなメニュー、価格帯で勝負しても集客には繋がりません。後発サロンは、既存のエステサロンといかに差別化できるかが大きく命運を握ります。
エステサロンのお客様の大半は、自分の悩みを解決できるサロンを探しており、「なんでもできます」と総合的に解決できることを謳っても響かず、「小顔専門」「シミ・シワ特化」「ニキビ専門」「二の腕特化」「太もも特化」「VIO脱毛」など肌トラブルや部位特化など、悩みに対してまずピンポイントで勝負することが得策です。他にないのであれば、「オールハンド」「オーガニック」「隠れ家」「プライベートサロン」などの要素も差別化になりますが、まずは「悩み解決」という要素でどれだけ魅力的に見せられるかを考えてみてください。
経営者視点を取り入れる
原価率を計算する、再現性を考える
エステメニュー開発において、よく失敗する事例としては、「技術者視点」だけでメニュー開発をしてしまうことです。目の前のお客様に喜んでいただきたい一心でメニュー開発をし、最高級の商材を使い、リーズナブルな価格で長い時間を提供……そんなメニューをつくっても、実際はサロンの回転数が低く、利益率も低いメニューになっていたり、技術習得が非常に難しいメニューになっており、新人スタッフが入社してもデビューまでにかなりの時間を要してしまったり。現場に導入するには再現性が低い、などということも起こりがちです。
そこで大事なのが、経営者視点です。サロンを継続させていくために、適正な利益率を確保できるサービスをつくるのは必須です。スタッフを雇用しているサロンであれば、スタッフの入れ替わりは避けられません。よって新人スタッフがどれだけ早くメニュー習得できるか、お客様にどのスタッフが担当してもほぼ同じクオリティを提供できるかは、経営者にとって大事な指標となります。かといって経営者視点が行き過ぎて、お客様の満足度が落ちてしまっては元も子もありません。技術者視点と経営者視点のバランスを上手に取ることが重要になるのです。
オプションメニューで、客単価アップと時間効率アップを狙う
本メニュー以外の大事な要素がオプションメニューです。エステサロンは、ベッド数とスタッフ数が決まっているので、1日に受けられるお客様の数は必然的に決まってしまいます。ただしオプションメニューは、より短時間でより効果を感じてもらえると共に、サロン側も客単価が上がり、生産性の向上に繋がります。
ただし次の予約が埋まっている場合、オプションメニューを実行する時間が取れないことも往々にして起こります。それを回避するためには、例えばフットバス、パック、ヒートマットなど、お客様から離れている間にも可能なオプションメニューを充実させておくことにより、トリートメント時間を伸ばすことなく、客単価を上げることができます。
物販に繋がりやすいメニューで客単価アップを狙う
もう1つ大事な要素が、物販に繋がりやすいメニューを作ることです。お客様は1ヶ月のうちでサロンに来ない日の方が圧倒的に多いため、サロンケアの効果を保ちながら、より効果を実感してもらうためにはホームケアが重要な役割を担います。また、経営者視点でも、エステメニューは60分、90分とお客様にトリートメントを提供してお金をいただきますが、ホームケアの場合、初回導入時は時間をかけてカウンセリングが必要とすることが多いものの、リピート購入になれば時間をかけずに客単価を上げることができます。
メニュー開発後も工夫を続ける
ネーミングを工夫する
新しいメニューができても、お客様にその魅力が伝わらなければ集客にも売上にも繋がりません。サロン名をつける際やメニュー名をつける際に、時々横文字で、読み方も意味も全く分からない名前をつけてしまう経営者がいますが、内容を理解してもらいにくく、お客様からお友達などへの紹介も発生しにくく大変もったいない結果になります。
特にメニュー名は、何に効くのかが明確になっていないと、ほとんど予約に繋がりませんので、ネーミングは重要な要素です。もちろんメニュー名があまりにも長いと不自然になってしまいますので、メニューの説明文で補足すると良いでしょう。
その時に注意すべきことは、薬機法(医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律)です。効果効能を謳う時は、表現が限られていますので注意が必要です。表記方法に迷った際は、サロン所在地の自治体の「薬務課」に問い合わせるなどして、法的に問題のないメニュー名・説明文を作成することが必要です。
モニターを募集して、写真とレビューを集める
サロン側から一方的に、「このメニューがオススメですよ」と発信しても、集客にはなかなか繋がらず、新規集客する土台を作るために、まずは施術後の写真やお客様のレビューを集めることが大事になります。
ただし、サロン開業前に準備するのは難しいと思いますので、例えばプレオープンとグランドオープンと2段階に分け、プレオープンでモニターを募集して安価でサービス提供する代わりに、写真協力やレビュー協力をしていただきながら集めていくと良いでしょう。それも難しければ、最初は友人や知り合いに協力してもらうのも良いでしょう。
ホームページやSNSで発信する
モニターに協力していただいて集まった写真をSNS等で発信を強化していきます。
サロン経営者の中には、良い技術を提供していれば、お客様が自然と集まってくると考える方もいますが、その良い技術をより多くの人に知ってもらう発信をしなければ、誰にも知ってもらえません。
雇われている時は、その部分を会社か他の誰かがやってくれていたので、自動的にお客様が集まって来ていたと感じていたかもしれませんが、自分で開業すると、一番難しい「新規集客」も自己努力となります。この辺りを強化して、自サロンの得意メニューをより多くの人に知ってもらいましょう。
まとめ
- 自分の得意な技術、市場ニーズ、競合分析を踏まえてメニューを開発する
- 技術者視点だけではなく、経営者視点でもメニューを開発する
- メニューを作って満足するのではなく、発信を強化する
エステサロンのメインの商品であるエステメニューの開発は、サロン経営において非常に重要な要素です。安易に考えずきちんと調査分析したり、原価計算などをしながら開発しましょう。また、せっかくメニューを開発しても、お客様に受けていただかなければ何の意味もありません。サロンからの発信を強化し、サロンの存在、メニューの存在をより多くの人に認知してもらう努力も同時にしていきましょう。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
榎戸 淳一(えのきど じゅんいち)株式会社ES-ROOTS代表取締役
大学卒業後、株式会社船井総合研究所に入社。「エステティック業界の健全化」に使命感を感じ、エステティック業界のコンサルティングを立ち上げる。2009年8月同社退職後、株式会社ES-ROOTSを立ち上げ、代表取締役に就任。2010年1月に東京都目黒区にオーガニックコスメ&エステサロン「フルーツルーツ」をオープンさせる。第2回エステティックグランプリでは、モデルサロン部門、フェイシャル技術部門で2冠を受賞。ビューティーワールドジャパンのメインステージ、たかの友梨ビューティクリニックなど、様々な講演講師も務める。一般社団法人エステティックグランプリの2代目理事長も務めた。山野美容芸術短期大学で「サロン経営学」の授業も担当した。著書に「サロンはスタッフ育成で99%決まる」「サロンとスタッフが輝く28+8の成功法則」「愛されるエステティシャンの秘密」がある。https://www.fruitsroots.com/