【請求書の基礎】個人事業主がおさえておきたい請求書にまつわる12のこと
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
請求書の正しい書き方をご存じですか? 個人事業主になってはじめて書くことになり、あわてて作成したという人も多いのではないでしょうか。請求書の発行し忘れや間違いがあると入金してもらえないばかりか、相手の取引先に迷惑をかけて信頼を失ってしまうことも考えられます。ここでは個人事業主がおさえておきたい12のポイントをまとめました。請求書を正しく発行できれば、取引先からスムーズに入金してもらうことができます。
この記事の目次
請求書とは?
取引先から入金してもらう目的のために発行するビジネス文書のひとつです。請求書はスムーズな入金を実現するために発行する書類であるため、法律によって発行を義務付けられているものではありません。商慣習によって発行する書類ではありますが、取引先とのやり取りを書面に残すという重要な役割もあります。請求書を発行することによって取引先との言った言わないのトラブルを未然に防ぐ効果を期待することができるのです。
契約書との違い
契約そのものに関係しているかどうかという点で異なります。契約書は契約そのものを締結するビジネス文書です。お互いの意思表示を書面として残すことで、それぞれの信頼を保証する役割があります。
見積書との違い
契約を促す効果があるかどうかという点で異なります。見積書は契約の実現をサポートするビジネス文書です。契約書を作成しないで契約が成立した場合、最終的な金額が記載されている書類として契約書の代わりになることもあります。
発注書との違い
契約を成立させる効果があるかどうかという点で異なります。注文をするために使用するビジネス文書であり、注文書とも呼ばれています。取引先によって定型フォーマットがある場合や、WEBの発注システムを使用して書類は使用しない場合もあります。
請求書はどのように発行するの?
個人事業主がおさえておきたいポイントを解説していきます。
請求書の書き方とは?
請求書のフォーマットは決まっていません。自社のロゴを入れるなどして自由に作成することができます。
請求書の記載項目とは?
最低限必要な記載項目は下記のとおりです。
- 宛先(相手先の会社名と担当者名)
- 品目
- 合計請求金額
- 振込先情報(銀行名と口座番号、口座名)
請求書はどうやって発行するの?
請求書は手書きで発行する方法とパソコンを使って作成する方法があります。手書きで発行する場合は市販の請求書などを購入し、改ざんを防止するためにボールペンで記入します。パソコンで発行する場合は、請求書データを作成しプリンターで印刷する方法だけでなくクラウドサービスを利用する方法もあります。
請求書はどうやって送るの?
請求書は原則として普通郵便で送付します。信書便に該当する書類はメール便や宅急便などで送付することができません。請求書は信書便に当てはまるため、メール便ではなく普通郵便で送付する必要があります。また取引先によってはメールやFAXで送付指示をもらうこともあります。請求書の送付方法については自社のやり方にこだわらず取引先の指示に従いましょう。
請求書と同封する書類はあるの?
送付状や明細書などを一緒に入れると丁寧な印象を与えることができます。しかし毎月同じやり取りを繰り返す取引先によっては送付状や明細書はわかっているから送付しなくてもよいと指示されることもあります。お互いに気持ちよくやり取りできる方法を取引先によって変える必要があるといえるでしょう。
請求書のパターンにはどのような種類があるの?
都度方式と掛売方式の2つの種類があります。
- 都度方式:1回の売上に対して請求書を作成する方式
- 掛売方式:一定期間の売上をまとめた請求書を作成する方式
単発の取引は都度方式、継続した取引は掛売方式を採用するのが一般的です。
請求書のトラブルを防ぐためにできることは?
請求書トラブルを未然に防止するための4つのポイントをおさえておきましょう。
ミスしやすいポイントは?
一般的な請求書のミスは下記のとおりです。 ・請求先間違い ・請求金額の桁数間違い ・請求日付間違い 請求日付は、都度方式の場合は取引を行った日以降の日付を記入するのが一般的です。掛売方式の場合は相手先の締め日を記入します。慣れないうちはチェックリストを使いながら請求書を作成しましょう。
請求書を受領したらどうすればいいの?
請求書を受け取った場合は、契約書や見積書の内容と合っているか確認します。もし間違っていたら取引先へ連絡して再発行してもらいましょう。正しい請求書を受領したら指定口座への振込手続きをとります。
発送漏れをなくすための方法は?
取引先ごとの注文一覧表を作成し、請求書を発行した日付を記入するようにすることで発送漏れをなくすことができます。請求書作成サービスを利用するのもよいでしょう。
請求書はいつまで保存しなければならないの?
個人事業主は所得税法上5年間の保存義務があります。入金済だからといって請求書を破棄しないようにするなど十分な注意が必要です。
まとめ
個人事業主がおさえておきたい請求書の基礎知識は下記の3つです。
- 請求書は入金を促す効果があるが、作成や発行を義務付ける法律はない
- 請求書には入金してもらうために必要な情報を記載すれば自由に作成することができる
- よくあるトラブルの発生防止に努める
これらのポイントを理解すれば、取引先と円滑にやり取りできるようになります。取引先からスムーズに入金してもらえるように請求書は正しく発行しましょう。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
カード・電マネ・QR・ポイントも使えるお店の決済サービス Airペイ
キャッシュレス対応で、お店の売上アップを目指しませんか?
Airペイ利用開始で初期費用が0円になるキャンペーン実施中
Airペイに関する資料を無料で差し上げます。
こんな内容を掲載しています
- Airペイとは
- 導入費、運用費について
- キャッシュレス導入0円キャンペーン
- 導入事例、Airペイ体験可能な店舗案内
下記フォームに必要事項をご入力いただき、ダウンロードページへお進みください。
この記事を書いた人
Airレジ マガジン編集部
自分らしいお店づくりを応援する情報サイト、「Airレジ マガジン」の編集部。お店を開業したい方や経営している方向けに、開業に向けての情報や業務課題の解決のヒントとなるような記事を掲載しています。
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/