自営業の年金も備えあれば憂いなし!おさえておくべき年金の仕組みと種類
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
元気よく働ける今はいいけれど将来のことを考えると少し不安になるものです。とくにフリーランスや個人事業主などの自営業者はなおさらです。常に不安がつきまとう自営業だからこそ老後の年金を備えておく必要があるのです。年金の仕組みと種類がわかればいまもこれからもずっと安心して生活することができます。それでは年金について詳しく解説していきます。
この記事の目次
自営業の年金の仕組みはどうなっているの?
フリーランスや個人事業主などの自営業が加入する年金は国民年金です。国民年金の第1号被保険者として毎月16,260円の保険料を60歳の誕生月まで支払い続けます。そして65歳になったときに満額の老齢基礎年金として受け取ることになります。平成28年4月時点での満額は780,100円となっており毎月にすると約65,000円の受給となります。
毎月支払う保険料はまとめて前払いすることで保険料が割引されるお得な制度があります。2年分をまとめて前払いすると毎月の保険料16,260円が約15,600円に割引されます。保険料が割引されても受給できる額は変わりないだけでなく納付忘れもなるなるため、もはやメリットしかありません。
今すぐできる老後にもらえる受給額を少しでも増やす方法は下記の2つがあります。
付加年金制度を利用する方法
毎月の保険料に月額400円をプラスする方法です。たとえば付加年金保険料を5年間(60月)支払った場合、200円×60月=12,000円が満額780,100円にプラスされ792,100円になります。この12,000円(=200円×60月)を生きている限り受け取ることができるため長生きする分だけお得に受け取れるのです。
国民年金基金に加入する方法
会社員の年金受給額との差を埋めるために国民年金を支払っている人が任意加入できる制度です。国民年金基金の掛け金は最大68,000円以内で自由に設定することができます。ただし国民年金基金の掛け金の1口目に付加年金分が含まれているため国民年金基金に加入するためには付加年金を辞めなければなりません。
会社員の年金とはどう違うの?
会社員が加入する年金は厚生年金であり国民年金を含めた保険料となっています。厚生年金保険料の中に国民年金分が含まれているため厚生年金加入者は国民年金の第2号被保険者となっています。会社員がさらに老後にもらえる額を増やしたい場合は確定給付型年金や確定拠出型年金に加入する方法があります。自営業は国民年金だけでなく国民年金基金に加入してはじめて厚生年金に加入している会社員と同じくらいの受給額になります。
自営業はもうこれ以上老後に備えて加入できる年金はないのでしょうか?
自営業の老後の備えはどうすればいいの?
個人事業主でも加入できる年金はあと2種類あります。
確定拠出型年金
さきほど会社員がさらに上乗せできる年金として紹介した確定拠出型年金は個人型年金加入者として個人事業主でも加入することができます。
個人年金保険料
私的年金と呼ばれるもので民間の保険会社の金融商品を利用する方法があります。 自営業が加入できる年金は下記のとおりになります。
- 国民年金(強制)
- 国民年金基金(任意)
- 付加年金(国民年金基金との併用不可)
- 確定拠出型年金(任意)
- 個人年金保険料(任意)
支払った年金で税金を安くすることができるって本当?
これだけの保険料を支払えば老後の備えは万全ですが保険料の負担が重くなってしまっては本末転倒です。 支払った年金保険料は社会保険料控除や小規模企業共済等掛金控除、生命保険料控除で税金を安くしましょう。
社会保険料控除
- 国民年金(付加年金を含む)
- 国民年金基金
小規模企業共済等掛金控除
- 確定拠出型年金の個人型年金加入者
生命保険料控除
- 個人年金保険料
まとめ
自営業の年金は下記のポイントにまとめることができます。
- 自営業の年金は国民年金である
- 会社員の年金は厚生年金で、国民年金よりも手厚くなっている
- 会社員と同じくらいもらえるようにするには国民年金基金に加入する必要がある
- さらに、確定拠出型年金や個人年金保険料を併用することもできる
支払った年金は、確定申告時に控除として利用することで、税金を安くすることができます。自営業の年金の仕組みや種類を理解して、老後も安心して生活していきましょう。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
カード・電マネ・QR・ポイントも使えるお店の決済サービス Airペイ
キャッシュレス対応で、お店の売上アップを目指しませんか?
Airペイ利用開始で初期費用が0円になるキャンペーン実施中
Airペイに関する資料を無料で差し上げます。
こんな内容を掲載しています
- Airペイとは
- 導入費、運用費について
- キャッシュレス導入0円キャンペーン
- 導入事例、Airペイ体験可能な店舗案内
下記フォームに必要事項をご入力いただき、ダウンロードページへお進みください。
この記事を書いた人
Airレジ マガジン編集部
自分らしいお店づくりを応援する情報サイト、「Airレジ マガジン」の編集部。お店を開業したい方や経営している方向けに、開業に向けての情報や業務課題の解決のヒントとなるような記事を掲載しています。
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/