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適正在庫のバランスとは?在庫管理で資産を守ろう

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

お客様に商品を提供するということは、少なからず在庫を持つということです。どの程度の在庫が適正か見極めていますか? 売り切れを心配して過剰に在庫を持つことで、品質の劣化や在庫の維持に経費がかかるなどのリスクがあります。逆に在庫を少なくしたことにより、売りたい時に売り切れているという機会損失もあります。ここではお店に合った適正在庫を導くことで、経営リスクを減らす方法を考えていきます。

この記事の目次

在庫を抱えることによるリスクとは

在庫を抱えること自体がリスクにつながります。在庫はお金を出して仕入れるため、お店を経営していく上での資金になります。資金は多い方が安定した経営ができますが、その資金が動かすことができない在庫になってしまうことで、自由に使える資金が減り、経営にも響いてきます。それ以外にも在庫がもたらすリスクがあります。

在庫の品質によるリスク

食品であれば、在庫期間が長くなれば品質の劣化にもつながりますし、賞味期限が切れることで価値は低下するどころか0になります。衣料品や雑貨にしてもトレンドから外れてしまうことで、商品価値が低下する可能性があります。100の資金で仕入れたものが50や0になってしまったらどうでしょうか? 在庫を持っている、それだけでリスクにつながるのです。

在庫過多によるリスク

在庫が多くなればその分、保管するためのスペースが必要になります。別に場所を借りるのであれば賃貸料がかかり、管理するための人件費などのコストも増えます。 在庫となっている資金は売れなければ動きません。自由に使える資金が減ることで資金繰りの悪化にもつながります。売り上げは伸びているが、資金繰りが悪化する黒字倒産の原因の一つになっているのです。

在庫過多による税金増加のリスク

在庫は売上には関係していないため、税金への影響はないと思われがちですが、利益を求める時に在庫の確認が必要になり、その在庫の量によって利益の金額が変わるのです。利益は以下の2つの式で求めます。

  • 売上原価=期首在庫+当期仕入高-期末在庫
  • 利益=売上-(原価+経費)

期末在庫が多いと売上原価が小さくなり、利益が大きくなります。税金は利益に対して課せられるため、原価が小さく見え、利益が多く見えるだけで税金が上がってしまうのです。 税金対策に関する在庫管理について詳しくはこちらをご覧ください。

決算セールは税金対策になる?知っておきたい在庫の知識

在庫を減らすことによる影響

在庫を多く持つことでリスクにつながりますが、在庫は少なくてもリスクにつながります。在庫を減らすことのメリットとデメリットを見ていきます。

メリット

  • 資金繰りの改善
  • 在庫管理コストの減少

デメリット

  • 売れるべきものが品切れで売れない機会損失
  • 品切れによるお店の信頼性の低下
  • 急な需要に対応できない

注目してほしいのがデメリットである機会損失です。本来であれば売り上げにつながっていたものが、在庫切れで売れる機会を失ってしまったのです。さらに品切ればかり起こしている店の信頼性はどうでしょうか。いつ行っても売り切れでは、希少価値が上がる場合もありますが、たいていの場合はお店の信頼性の低下につながります。

適正在庫のバランスとは

在庫は多すぎても少なすぎてもお店に何らかの影響を与えます。まずはお店に合った適正在庫を導くことから始めてください。

適正在庫を導くための指標

  • 在庫回転期間
  • 在庫回転率

在庫回転期間は、仕入れた商品がどのくらいの期間で販売されたかを表す指標です。数値が低いと在庫管理が効率的に行われていることを示しています。

在庫回転期間についてはこちらをご覧ください。

「在庫回転期間」はどれくらい?売れ筋・死に筋がわかる在庫管理のキホン

在庫回転率は、一定期間の間に在庫が何回入れ替わっているかを表す指標です。数値が高いと在庫がお金に変わっていることを示しています。

在庫回転率についてはこちらをご覧ください。

在庫回転率って何?毎日のこまめなチェックが成功の鍵

適正在庫を導くために

それぞれの指標を目安としてお店に合った適正在庫を導くわけですが、答えはすぐ出るものではありません。

  • 毎日在庫をチェックし、品切れの回数や廃棄の量などデータを集める
  • 大量仕入れによる割引率、在庫管理コスト、機会損失などトータルで損得を加味する

指標や集めたデータは需要を予測するためのカギになりますし、需要を予測することが適正在庫を導くための近道にもなります。精度の高い需要の予測ができるようになれば、在庫リスクも驚くほど低下するはずです。試行錯誤を繰り返しながら、お店に合った適正在庫を見つけてください。

毎日の在庫チェックが大変だと感じるかもしれませんが、手作業で一から数える必要はありません。在庫管理票を作成してパソコンやタブレットで手軽に管理する方法もあります。在庫管理の機能を備えたレジでは、バーコードをスキャンすることで手軽に管理できるものもありますので、手間をかけずに効率よく在庫管理する方法を取り入れるのも、在庫管理コストを下げる一つの手です。

まとめ

在庫管理は、物を仕入れて保管しておくだけではありません。以下のポイントが大切になります。

  • 在庫を多く持つことで、在庫管理コストや税金の増大により経営にも影響を与える
  • 在庫が少なすぎると機会損失が起きるだけでなく、お店の信用にもかかわる
  • 需要の予測から適正在庫を導くことで、経営リスクを低くする

在庫管理はお店に与える影響まで考える必要があります。適正在庫を導くことは、効率のいい在庫管理の第一歩であり、経営リスクの軽減にもつながるのです。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

Airレジ マガジン編集部

Airレジ マガジン編集部

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この執筆者の記事一覧
中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/