消費税が導入された理由は3つ!消費税の歴史は意外と最近だった
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
消費税が導入されたのはいつなのかご存じですか? これだけ定着しているところをみると戦前からあるような気がしなくもないですが、実は意外と最近のことなのです。そこで今回は消費税が導入された経緯や目的、理由を解説するとともに、10%引き上げのタイミングを改めて読者みなさまと確認したいと思います。消費税が導入された理由がわかれば、消費税申告者としてきちんと納税しようという意識が高まるかもしれません。
この記事の目次
消費税はどうして導入されたの?
消費税が導入された理由は下記の3つがあります。
- 税制全体のバランスをとるため
- 個別間接税の問題点を解決するため
- 高齢化社会の財源を確保するため
税制全体のバランスをとるため
戦後の日本の税に関する制度は、所得税を中心としたものになっていました。しかし経済や社会構造が消費の多様化やサービス化によって変化し所得水準が上昇することになってくると、時代に合わない制度が出てくるようになります。そうした抜本的な税制の不均衡を解決するために消費税が導入されることになりました。
個別間接税の問題点を解決するため
実は消費税が導入される前に物品税というものがあり、この物品税がかけられる商品には下記のようなものがありました。
- 毛皮製品
- ゴルフ用品
- 水上スキー
- 一般的な家具
しかし物品税がかけられていない下記の商品もありました。
- 毛織物
- 絹織物
- テニス用品
- スキー
- 桐製の家具
- 漆塗りの家具
物品税は贅沢品に課せられる税金ではあるものの、国民の生活水準が上がってきたため贅沢品に手が届く消費者が増えてしまいました。そのため何を基準に贅沢であるかという線引きが曖昧になり、選別が難しくなっているという状況がありました。そこで消費税を導入することによって個別に課税する問題を解決することができます。物品税の問題を解決するために消費税が導入されることになったのです。
高齢化社会の財源を確保するため
日本の人口高齢化に伴い所得税をメインにした財源では枯渇する恐れがあります。所得税を納税している世代の中心は20歳~64歳となっており、所得税を納税する世代に負担がかかることになります。消費税を導入することによって所得税を納税する世代への不公平感や重税負担が払拭されます。年金や福祉に関する財源が今後もますます増加することは確実であることから消費税導入に踏み切ったのです。
消費税はいつ導入されたの?
消費税は1989年竹下内閣のときに可決成立しました。消費税に関する法律(消費税法)は昭和63年12月30日に施行され、平成元年4月1日から実施されています。戦後から平成元年まで消費税を導入せずに財源を確保してきたことになります。現在日本の平成28年度予算に関する財政は下記のような内容で構成されていることが財務省の資料からわかります。
- 所得課税(所得税や法人税など)52.6%
- 資産課税(固定資産税や相続税など)13.7%
- 消費課税(消費税や酒税、揮発油税など)33.7%
消費税は、国に納める消費税と地方に納める消費税の2種類で構成されています。国に納める消費税は17.1%、地方消費税は4.8%となっており、日本の財政全体の21.9%を占めています。
元号が平成に変わってから約30年たちますが、日本の消費税は平成と同じ年月を歩んでいることになります。戦後から消費税があると思っていた人にとっては意外と最近だと感じる人もいらっしゃるのではないでしょうか。そして3%の消費税が導入されてから8年目の1997年に消費税が5%になり、さらに17年後の2014年に消費税が8%に引き上げられることになりました。
消費税が10%になるのはいつ?
消費税が10%になるのは2019年10月からを予定しています。当初は2014年に8%、2015年10月に10%に引き上げる予定でしたが、2度の延期を経て2019年10月からとしています。消費税率が上がると経過措置などの対応に追われて忙しくなることが予想されます。
消費税が10%に引き上げられる前に下記の記事で対応方法を確認しておくと安心です。
消費税の経過措置とは?改めて確認したいポイントと具体的Q&Aでおさらい
まとめ
消費税が導入された理由と経営者が知っておきたいポイントは下記のとおりです。
- 消費税が導入されたのは【税制全体のバランスをとるため・個別間接税の問題点を解決するため・高齢化社会の財源を確保するため】の3つである
- 消費税は日本の財政全体の21.9%を占めている(財務省の平成28年度データによる)
- 消費税が10%になるのは2019年10月からを予定している
消費税が導入された理由はいかがでしたか。もし消費税が導入されなければ所得税や法人税などに依存することになり税率が上がることで倒産する企業が出てくる恐れがあります。倒産企業が相次ぐと社会的な経済損失が大きくなり日本の負債がますます増加することになりかねません。そのような事態を防ぐために消費税が導入されていることを理解して消費税申告者としてしっかり納税することを意識しましょう。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
カード・電マネ・QR・ポイントも使えるお店の決済サービス Airペイ
キャッシュレス対応で、お店の売上アップを目指しませんか?
Airペイ利用開始で初期費用が0円になるキャンペーン実施中
Airペイに関する資料を無料で差し上げます。
こんな内容を掲載しています
- Airペイとは
- 導入費、運用費について
- キャッシュレス導入0円キャンペーン
- 導入事例、Airペイ体験可能な店舗案内
下記フォームに必要事項をご入力いただき、ダウンロードページへお進みください。
この記事を書いた人
Airレジ マガジン編集部
自分らしいお店づくりを応援する情報サイト、「Airレジ マガジン」の編集部。お店を開業したい方や経営している方向けに、開業に向けての情報や業務課題の解決のヒントとなるような記事を掲載しています。
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/