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【自営業と会社員の違い】年収・年金・扶養の違いとは?

「自営業と会社員ではどのような違いがあるのだろう」自分のお店を開きたいと方にとっては、一度は疑問に思うポイントではないでしょうか。今回は自営業と会社員の違いを年収や年金などの観点から説明します。この記事を読んで、お店を開業するにあたって、会社員時代とどのように変わるのかを理解しましょう。

この記事の目次

自営業と会社員を比較してみよう

会社員とは、一般的に雇い主と雇用契約を結んで仕事をしている人のことを指します。正社員はもちろん、アルバイトなども会社員に含まれます。雇い主は会社であることがほとんどですが、個人事業主に雇用されている方も通常は会社員と呼んでいます。自営業はそれ以外の働き方を指します。個人事業主や、フリーランスの方、完全歩合制の営業の方、さらに会社の社長も自営業といえるでしょう。

  会社員 自営業
年収 毎月お給料が振り込まれる 稼いだ分だけ自分のお金となる
年金 厚生年金保険(雇い主が個人事業主の場合、国民年金)

国民年金(個人事業主として開業した場合)

厚生年金保険(会社を設立した場合)

保険 健康保険(雇い主が個人事業主の場合、国民健康保険)

国民健康保険(個人事業主として開業した場合)

健康保険(会社を設立した場合)

扶養 家族を扶養に入れられる(雇い主が個人事業主の場合、世帯全員が国民健康保険の加入者となり、扶養という考えはない)

個人事業主の場合、世帯全員が国民健康保険の加入者となり、扶養という考えはない

会社を設立した場合、健康保険に加入し、家族を扶養に入れられる

信用 会社の信用が重要 個人の信用が重要

今回は、この中でも年収、年金、扶養について違いを説明していきます。

自営業と会社員の違い-年収

自営業と会社員の大きな違いとして挙げられるのは、年収面や責任面です。自営業では会社員のように毎月お給料が振り込まれることはありません。また、仕事でミスをしたときも責任も直接的に自分が負わなければなりません。

このように書くと、自営業は大変そうに思えます。しかし、お店が利益を上げれば上げるほど、自分の収入に直結するのも自営業の特徴です。責任が重い反面、お店が繁盛すれば、自分の収入も青天井です。会社の給与体系に囚われず、稼げるだけ稼いでよい、このことは自営業者の大きな魅力です。

自営業と会社員の違い-年金面

自営業者と会社員の違いとして、もう一つ挙げられるのが年金面です。老後の備えとして重要な年金ですが、現役時代はあまり意識しない方も多いのではないでしょうか?

会社員は「厚生年金保険」に加入し保険料の50%だけが給与天引きされる

まず、会社員が加入しているのが、厚生年金保険。ざっくりいうと、給料の額面をベースに決められる金額(標準報酬月額といいます。)に決められた保険料率を掛けて、毎月給料から天引きされています。この厚生年金保険料、毎月の保険料の半分は会社が負担することになっています。例えば、保険料が2万円であれば、給与天引きは1万円で済むようになっています。

会社を設立して自営業をしている人は「厚生年金保険」に加入して、実質全額が社長負担となる

それでは、自営業の場合はどうでしょうか?まず、会社を設立した場合。この場合は、会社員時代と同じように、毎月の給料(自分で自分の給料を決めることになります。)保険料率を掛けて毎月の保険料を計算します。ただし、会社員時代と大きく違う点は、会社が負担してくれていた保険料の半額も、自分の会社で負担しなければならない点です。会社の財布と社長の財布は別とはいっても、実質的には社長が100%負担しているといってもよいでしょう。

個人事業主で自営業をしている人は「国民年金」に加入

次に個人事業主で開業した場合。この場合は、厚生年金保険ではなく、国民年金に加入することになります。国民年金は厚生年金保険と異なり、保険料は毎月定額です。一般的に、国民年金は毎月の保険料は厚生年金保険よりも少ないけれど、将来的に受け取れる年金額も少なくなります。

ちなみに、「厚生年金保険+健康保険と、国民年金+国民健康保険のどちらが保険料がお得なの?」という質問を受けることがあります。こうしたことに答える前に、社会保険の加入義務について知っておく必要があります。

そもそも会社を設立すれば厚生年金保険+健康保険に加入しなければならず、個人事業主なら国民年金+国民健康保険というように法律上決まっています。保険料を比較して加入を選択するわけではないことを十分理解しておきましょう。

自営業と会社員の違い-扶養面

最後に扶養面の違いを説明します。

会社を設立して自営業をしている人は「健康保険」に加入して、家族を扶養に入れる

「自営業の場合、扶養はどうなるの?」という疑問を持つ方もいらっしゃいます。まずは、会社を設立した場合。この場合は、先ほど書いた厚生年金保険とセットで健康保険に加入することになります。これは会社員時代と同じように、家族を扶養に入れることは可能です。家族を扶養に入れたからといって、毎月の保険料が変わるということもありません。

まとめ

  • 自営業は、責任が重い反面、自分次第でいくらでも稼ぐことができる。
  • 自営業は、年金に関する保険料は全額負担しなければならない。
  • 健康保険の扶養について、会社員と会社の経営者では差はない。
  • 国民年金保険については、世帯単位で加入するため、扶養の手続きを取らなくても世帯全員が加入者となる。

開業すれば、お金の稼ぎ方、年金や扶養の手続きなど会社員時代はあまり意識しなかったことにも思いを巡らせることになります。開業する前に、会社員時代とどのように変わるかをしっかりと理解し、計画立てて開業の準備を進めましょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で11年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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