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【お店の開業資金】日本政策金融公庫「中小企業経営力強化資金」の申請のステップと注意点とは

お店を開業する人が利用する融資制度にはいろいろありますが、日本政策金融公庫(以下、公庫)の「中小企業経営力強化資金」という人気の融資制度があります。融資制度の基本と申請のステップ、注意点について解説していきます。

この記事の目次

中小企業経営力強化資金の概要をおさえよう

中小企業経営力強化資金とは、新たな事業への挑戦を行う中小企業・小規模事業者が、認定支援機関(※1)の経営支援を受ける場合に利用できる融資制度です。

(※1)認定支援機関(経営革新等支援機関)とは、国が認定した中小企業などの経営支援を行う機関で、専門知識や実務経験が一定レベル以上の者に対し、国が認定したものです。金融機関、税理士、コンサルタントなど、全国で多くの機関(平成29年3月時点で26,045機関)が認定されています。
(参考)認定支援機関

1.お金の使いみち

事業計画の実施のために必要とする設備資金及び運転資金になります。
設備資金とは、お店の開業にかかる厨房機器や内装工事などハード面での初期投資費用です。運転資金とは、売上が軌道に乗るまでの仕入や諸経費の支払い資金のことです。

2.融資限度額

7,200万円(うち運転資金4,800万円)

3.返済期間

設備資金 20年以内<うち据置期間2年以内>
運転資金 7年以内<うち据置期間2年以内>
据え置き期間とは、元本の返済を待ってくれる期間です。その間は利息だけを払います。

4.担保・保証人

担保とは、借り入れする人が、自身や親族が保有する不動産を提示し、万が一返済できなくなったときは、その不動産を返済に充てられる制度です。保証人とは、借り入れた人が万が一返済できなくなったときは、保証人に返済を請求できる制度です。
担保や保証人があると、いざというときの回収手段となるので、貸し出す金融機関としては有利ですが、借りる人には不利になります。中小企業経営力強化資金は、借入金額2,000万円まで担保と保証人を原則不要としており、新規開業者に有利な制度となっております。

5.自己資金

新創業融資制度では、創業資金のうち、1/10以上の自己資金を用意することが要件となっていますが、中小企業経営力強化資金では、この要件はありません。自己資金が少ない中で、ある程度の融資を借りたい、そんなケースにお勧めです。

申込みのステップ

申込みのステップを確認していきましょう。

1.認定支援機関の選定

中小企業経営力強化資金を利用する場合は、税理士やコンサルタントのような認定支援機関という専門家のアドバイスを受けながら、事業計画書を作成しなければなりません。支援してもらう認定支援機関を選ぶところからスタートします。

2.公庫所定の事業計画書・創業計画書の作成

公庫所定の事業計画書を、認定支援機関のアドバイスを受けながら作成します。合わせて創業計画書(経営力強化資金用)という定型の書式を作成します。
(参考)日本政策金融公庫

3.申込み書類の作成

申込みには次の書類が必要です。

  1. 借入申込書
    公庫所定の借入申込書です。代表者名や会社名、所在地、借入希望額、借入希望日、家族構成などを記載します。
  2. 定款の写し(法人の場合)
    定款とは会社の基本ルールをまとめたものです。法人設立の際に作成します。
  3. 履歴事項全部証明書(法人の場合)
    履歴事項全部証明書とは、会社が設立された証しとして法務局にて発行されるものです。
  4. お金の使い途に設備資金がある場合は見積書
    あらかじめ工事会社や設備会社に見積をしてもらい、買う物を具体的に伝えます。
  5. その他の補足資料
    公庫所定の事業計画書と創業計画書だけでは、自分の開業に掛ける思いは伝わりにくいでしょう。別途、枚数が多くて自分の思いを十分に伝えることが可能な追加の事業計画書や店舗の地図や物件の資料などを添付しましょう。

4.申込書類の提出

公庫のホームページから開業地を管轄している支店を調べ、その支店に申込書を持参します。認定支援機関と支店が密な連携をしている場合は、その支店で受け付けてくれる場合もあります。

5.担当者の決定

公庫内で担当者が選ばれます。以後、その人が窓口となって審査手続きが進みます。認定支援機関と公庫の支店が密な連携をしている場合は、認定支援機関ごとに決まっている担当者が受け持つ流れになります。

6.審査

これまでの経験や個人信用情報、事業計画書の内容、自己資金の集め方などが審査されます。経営力強化資金でも面談審査があります。

7.面談

事前の面談時の持ち物の案内が郵送されますので、必要な書類などを揃えて指定された日時に支店を訪問します。担当者と申込者の1対1で面談を行います。面談時間は1~2時間程度で、これまでの経験や行おうとする事業の内容、将来の展望などが聞かれます。

8.不足資料の提供

担当者から不足資料の開示を求められたら滞りないように準備し、提供します。

9.結果の連絡

融資審査が通過したかどうか結果の連絡があります。

10.契約手続き

審査に通過した場合は、契約手続きに進みます。金銭消費貸借契約書や銀行引き落としに関する書類などを記名、押印し提出します。融資が実行される日程もここで概ねわかります。

11.融資実行

融資が実行され、指定された銀行口座に入金されます。月々の返済や利息もその口座から引き落とされます。

申込にあたっての注意点

中小企業経営力強化資金の申込にあたっての注意点です。

1.認定支援機関の支援が必須

中小企業経営力強化資金を利用するには、事業計画書作成にあたり認定支援機関のアドバイスを受けることが必須要件となっています。税理士やコンサルタントが認定支援機関になっていることが多いので、今後、顧問に就任する予定の税理士などにご相談ください。

2.指定の事業計画書の作成が必要

中小企業経営力強化資金を利用するには、公庫指定の事業計画書の書式を書いて提出する必要があります。新創業融資制度で作成する創業計画書よりもかなり踏み込んだ内容となっています。認定支援機関のアドバイスに沿って、仕上げることになります。

3.定期的なフォローアップが必須

中小企業経営力強化資金により融資を受けた場合には、公庫に対して1年ごとに経過報告をする必要があります。報告は認定支援機関と共同で行います。

4.フランチャイズは不可

中小企業経営力強化資金では、新規性、独自性のある事業を対象としているため、原則的に、フランチャイズに参画する形での開業は対象となりません。

まとめ

  • 中小企業経営力強化資金は、無担保無保証で2000万円までが上限の有利な制度である
  • 利用する場合は、認定支援機関のアドバイスを受ける必要がある
  • 申込は、所定の事業計画書や創業計画書の記入・作成が必要となる

中小企業経営力強化資金は、認定支援機関の経営アドバイスも受けながら事業を進めていける点や自己資金要件も緩和されている点も魅力です。新創業融資に比べ金利面で優遇を受けられますので、税理士など顧問をお願いしたいと考えている方は、中小企業経営力強化資金の活用をおすすめいたします。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で11年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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