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【店舗開業への第一歩】開業を決断してから、まず動きはじめるべき5のこと

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

開業することを決断してみたものの、いざ開業へ向けて動き出そうと思うと、何から手を着けていいかわからない。そんな悩みをよく聞きます。そこで今回は、開業を決断したら、何をどんな順番で進め、何に気をつければいいのか、を紹介します。この記事を読んで、開業への第一歩を踏み出しましょう。

この記事の目次

1.円満退職に向けた計画を実行

開業の決断をして最初にするべきことは、どうやって今の会社を円満退職するか、計画を練ることです。円満退職せずにもめ事に発展するようなことがあれば、業界内での信用を失ったり、金融機関の創業融資の審査で評価を落としたりと、スタートでつまずくことにもなりかねません。くれぐれも慎重に進めるようにしましょう。

特に、部下や後輩をあからさまな形で引き抜く、取引先を強引な形で奪う、技術や顧客リストなどを違法に持ち出すなどは、もってのほかです。損害賠償を請求されたり、裁判を起こされたりすれば、金銭面の損失だけでなく、大事な時期に余分な時間をとられて力を入れなければならない店舗の運営に支障をきたす原因ともなります。

心がけるべきことは、「立つ鳥後を濁さず」の精神です。まずは、早めに退職する旨を告げた上で、全力で後任を育てることをしましょう。通常、就業規則などには、「退職するときは30日前までに申し出ること」などと記載されています。最初に会社のルールを再確認してみましょう。

ただ、ギリギリまで待って、上司に退職する旨を告げるのでは、残された部下や後輩は困ってしまう可能性もあります。きちんと引継ぎをして、後任をしっかり育てる時間も考慮して退職時期を決めるようにしたいところです。

2.家族に説明し納得してもらう

開業は1人だけの力では成し遂げられません。特に家族の協力なくして成し遂げられるものではありません。開業を決断したら、早い時点で家族に説明し、納得してもらうことをお勧めします。

今までの安定した暮らしを捨て、リスクを取って起業という選択肢を選ぶわけですから、不安や怖さもあるはずです。それは家族にとっても同じことです。万が一のリスクを考えてしまうことだってあるでしょう。最初のうちは、今までどおりに休みをとって、家族で出かけることもできない可能性もあります。仕事を手伝ってもらう必要も出てくるかもしれません。

なぜ、開業したいのか、人生で成し遂げたい大きな夢を語りましょう。応援したくなるような話しかたができるかどうかです。そして、夢と同時に現実が見えていなければなりません。具体的に売上や利益を生み出せるという説得力をもって話すことも重要です。

会社を辞め、いよいよ1週間後に会社設立、という段階で奥さんが生活設計に不安を覚えて急に起業に反対するといったケースも多々あります。場合によっては離婚問題に発展するようなことも現実にあります。そのようにならないためにも、起業を決意したら早い段階で家族の理解や協力を得ておきたいですね。

3.自己資金を確保する

開業時の自己資金は必須です。その理由は、そもそもタネ銭がなければ、事業を始めることができないこと、売上が安定するまでの食いぶちが要ること、そして、創業融資の審査で自己資金の額が重視されることです。

開業を決断した時点で生活費を切り詰め、なるべく多くの自己資金を貯めるようにしましょう。そのうえで、もし、足りないようであれば、どのようにして自己資金を増やせるかを検討します。以下のような方法が考えられます。

親族に出してもらう

こういうときに頼りやすいのが身内です。両親や兄弟、パートナーなどにお金を出してもらうことができないか、検討してみましょう。

保険の解約、車や株の売却など

貯蓄性の生命保険を解約する、持っている投資信託や株を売却する、車を売却するなども考えられます。いくらになりそうか、調べてみましょう。

退職金

会社から退職金が出る可能性があるかもしれません。就業規則や退職金規程を確認してみましょう。会社に退職を申し出た後であれば、人事に直接聞いてみるのが手っ取り早いです。退職金が振り込まれる時期も重要です。あわせて確認しましょう。

4.お金の使い方に気をつける

自己資金で足りない分は日本政策金融公庫や自治体の創業融資を借りるのが一般的です。その際、きちんとお金を返していけるような人物かどうかが審査の重要な項目となります。例えば、税金などをきちんと納めてきたか、派手なお金の使い方をしていないかど、特に起業前半年から1年間程度のお金の使い方が特に審査に影響を与えます。実際に、創業融資の審査では、過去半年から1年分の個人の通帳の提出が求められチェックが入ります。開業の決意をしたら、特に以下のようなことに注意しましょう。

1.個人信用情報

創業融資の審査にあたり、金融機関は個人信用情報の記録をチェックします。個人信用情報とは各金融機関が共通して管理、閲覧できる個人ごとの金融に関する記録、いわゆるブラックリストです。ここに事故情報として載るようなお金のトラブルは避けてください。自己破産など法的なことはもちろんですが、クレジットカードの滞納などにも注意したいところです。

2.税金の滞納

税金の滞納も融資審査に悪影響を与えます。自動車税などの少額の税金やわずかな滞納期間であろうとも影響があります。納付期限に注意して早めに納税するなど、滞納には十分に気をつけましょう。

3.余計な借金を控える

無駄遣いを最小限に抑え、余計な借金を控えるようにしましょう。特にカードローンの残額が多いなど情報が出てくると、心象は悪くなります。

4.水道光熱費や通信料金

小さな金額だからと油断しがちですが、電気や水道などの公共料金や携帯電話料金などの通信料の滞納があると、創業融資に審査には大きな影響を与えます。少なくとも半年分の個人の通帳のチェックは必ず入ります。慎重なお金の管理を心がけましょう。

5.万全の準備を心がけ行動をはじめる

起業して成功するには既存の競合他社と戦い、乗り越えていく必要があります。会社員時代のように、お金の心配をしなくても毎月定期的に給料が入ってくることもなくなるのです。これ以上で準備できないほどの充分な準備をしたと確信を持てるまで、万全の準備を心がけましょう。

万全の準備をするには、正しい最新情報を収集してやっておくべきことを洗い出すこと、それを一つひとつクリアしていくことが必要です。忙しい起業準備期間ですが、効率的に動くことを心がけましょう。

Webや書籍で情報収集をするだけではなく、セミナーに参加してみる、専門家に相談してみるなど、最初に行動してみることが重要です。さらに踏み込んで、実際に業界のことや競合他社のことなどを足を使って調べ、事業計画書に落とし込むこともはじめましょう。後々の創業融資の申込みの際にも、そうした情報が役立ちます。これらと物件探しとを並行して進めれば、さらに効率的な準備を進めることが可能です。起業の実現に向けて、一歩でも先に進めるために大事なのは、コツコツと着実に行動を積み重ねることです。面倒くさがらずにどんどん行動していきましょう。

まとめ

  • 円満退職できるかどうかは、今後の信用や融資にも影響する。引継ぎをしっかりと。
  • 起業を実現するためには家族の協力が欠かせない。早い段階で話し合っておきましょう。
  • 自己資金がどれだけ捻出できるかを算出し、足りない場合の確保手段を検討する。
  • 創業融資の審査では過去半年分ほどのお金の使い方がチェックされる。
  • 正しい情報収集と万全の準備が起業成功の基本。コツコツと行動しましょう。

起業を決断したら、やらなければならないことがたくさんあります。慎重に確認しながら、一つひとつクリアしていきましょう。最初の一歩を踏み出す勇気は必要ですが、あとは目標に向けて邁進するのみです。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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