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確定申告での所得税の計算方法を理解しよう

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

個人事業主が毎年の事業の締めくくりに行う確定申告。所得税がいくらになるだろうと気になる方もいると思います。所得税の計算の仕組みを理解することで、所得税の金額について予測をしやすくできます。

この記事の目次

所得税が課税される金額について理解しよう

所得税が課税される金額について理解しよう

まずは、所得税が課税される金額について見ていきましょう。ここでは、事業以外に所得がない方を前提に計算します。

所得税として課税される金額は、事業所得(事業で得た利益)から所得控除や前年の赤字の繰越額を引いた後の金額です。そのため、まず事業所得を計算します。1年間の売上から、仕入れの金額や、家賃・人件費・光熱費・減価償却費などの経費や青色申告特別控除額を引いた額が事業所得です。

さらに、この事業所得の金額から、各所得控除の金額(前年から繰り越している赤字があれば、その金額も引いた後の金額)を引くことで、所得税の課税の対象になる金額が計算されます。この課税の対象になる金額を、課税総所得金額といいます。

事業所得 = 売上 − 仕入 − 経費 − 青色申告特別控除額

課税総所得金額 = 事業所得 − 所得控除額の合計 − 前年から繰り越している赤字の金額

さらに、もし給与所得や不動産所得があれば、それらの金額も課税総所得金額に加算する必要があります。

所得税の税率は7段階に分かれている

次に、所得税の税率について見ていきます。所得税の税率は全部で7段階あり、課税総所得金額が高ければ高いほど、税率が上がっていく仕組みになっています。このように税率が一定ではなく、変動する仕組みを累進課税といいます。所得税の税率は、下記の通りです。

課税総所得金額

税率
195万円以下 5%
195万円を超え 330万円以下 10%
330万円を超え 695万円以下 20%
695万円を超え 900万円以下 23%
900万円を超え 1,800万円以下 33%
1,800万円を超え 4,000万円以下 40%
4,000万円超 45%

ここで、一つ注意しておかなければならないのは、税率が上がるといっても、上がった後の税率が適用されるのは、各段階の課税総所得金額の範囲だけということです。

ちょっと分かりにくいので、数字で見てみましょう。

例えば、課税総所得金額が400万円の場合、直接400万円に税率20%を掛けて所得税は80万円というわけではありません。195万円までは5%、195万円を超えて330万円までは10%、残りの金額が20%なので、それらを合計して37万2,500円という計算になります。

例)課税総所得金額が400万円の場合

このように、各税率の区分を超えたらいきなり税率が跳ね上がるわけではなく、超えた部分についてのみ適用されることになります。そのため、税率の境目の金額についてそこまで意識しすぎる必要はないでしょう。

税額控除や予定納税で確定申告の納税額を減額できる

上記のように計算した所得税をそのまま納税することが原則です。しかし、計算した所得税を少なくすることができる制度があります

税額控除

その一つは税額控除です。税額控除とは、計算した所得税の金額から直接引くことで、納税額を少なくできる制度です。最も有名なのは、住宅借入金等特別税額控除、いわゆる住宅ローン控除です。

控除額は、住宅を購入した年や年末の住宅ローンの残高によって変わります。住宅ローン控除は所得税の納税額から直接引くことができます。住宅ローン控除が20万円なら、所得税の納税額が20万円少なくなるということです。

所得税の金額が住宅ローン控除よりも少ない場合には注意が必要です。例えば、所得税の金額が15万円、住宅ローン控除の金額が20万円の場合、所得税の納税額はもちろん0円になりますが、差額の5万円について還付は行われません。ただし、超えた額のうち一定額は住民税で減額してもらえます。

予定納税

そして、もう一つは予定納税です。予定納税とは、前年の確定申告で申告した所得税の金額が15万円以上の場合に、前もって前年の所得税の金額の3分の2の金額を納税しなければならない制度です。

毎年7月と11月に、それぞれ前年の所得税の金額の3分の1を納税します。納付書は税務署から郵送されてきます。この予定納税の金額は、確定申告の際に、計算した納税額から引くことができます。

もともと、予定納税で支払っていた金額を精算している(前もって納税している)だけなので、得をしているわけではないのですが、予定納税していた分だけ、確定申告の納税額を軽減することができます。予定納税とは、確定申告時に一気に税金を支払う負担を軽減するために、あらかじめ一定額を前払させる制度といえます。

また、住宅ローン控除と違って、所得税の金額が予定納税した金額を下回る場合は、差額は還付を受けることができます。

特に予定納税の精算は忘れてしまうこともあるので注意しましょう。

まとめ

  • 課税される金額は、事業所得から所得控除や前年の赤字の繰越額を引いた後の金額である
  • 所得税率は7段階に分かれていて、それぞれの金額の区分の範囲についてのみ各税率が適用される
  • 確定申告で納付する所得税を減額する制度として、住宅ローン控除や予定納税制度がある

所得税の計算方法を理解することで、年末にどのくらい納税しなければいけないのかということも予測しやすくなり、安心感も生まれます。所得税がどのように計算されるのかということを理解することで、毎年の納税にも備えをしておきましょう。

※この記事は公開時点の情報を元に作成しています。

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この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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