個人事業主を契約社員として雇いたい!注意点やメリットは?
お店を経営していて誰かに仕事を依頼するときには、個人事業主に発注することもあれば、個人事業主を従業員として雇用して仕事をさせることもあります。個人事業主に発注する場合にはどのようなことに注意が必要なのでしょうか?
この記事の目次
雇う場合には労働基準法などの適用対象になる
個人事業主をしていると、別の個人事業主と一緒に仕事をすることも珍しくありません。中には、もともと別に仕事をしていたけど、しばらく一緒に仕事をしているうちに、一つのチームとしてやっていくということになるケースもあります。
このようなケースでは、個人事業主の立場は残しつつ一つのチームとしてやっていくこともあれば、どちらかの個人事業主が一方の個人事業主に雇用される形になることもあります。個人事業主同士であれば、利益の分け方などを取り決めておけば、基本的にあとは自由です。
一方で、従業員として雇用する場合には、労働基準法などの法律が適用されます。
具体的には、雇用した場合、毎日の出勤時間を把握したり、深夜や1日8時間を超えるような労働については割増しして給与を払ったり、所得税などを天引きして給与を渡したりなどといった義務が雇う側に発生します。
別の個人事業主を従業員として雇う場合、相手も別に抱えている仕事もあって、副業的な形で雇用することもあります。このような場合は、フルタイムの正社員というよりも、非正規の契約社員という位置づけになりますが、契約社員であっても、上記のような義務は発生します。知り合いだから適当にやっておけばいいというのであれば、あえて雇用契約などの形はとらないほうがよいでしょう。
雇う場合には天引き額の計算が必要
個人事業主に仕事の報酬を支払う場合は、例えば報酬が10万円であれば10万円を支払えば問題ありません。(デザイナーなどの仕事を個人事業主に依頼した場合は所得税の源泉徴収が必要です。)しかし、雇用する場合には、仕事の内容にかかわらず必ず天引きする所得税の計算が必要となります。
また、雇用して週20時間以上の仕事をさせる場合には、雇用保険への加入も必要です。雇用保険に加入する場合は、毎月支払う給与から雇用保険料を天引きする必要があります。
さらに雇用保険とは別に、労災保険への加入も必要です。労災保険は週の労働時間にかかわらず、1人でも人を雇った場合に加入が必要となります。
ちなみに、健康保険や厚生年金保険については、個人事業主が人を雇っても、従業員5人以上で法定16業種でない場合を除いて加入義務はありません。法定16業種についての詳細はここでは省略しますが、飲食店や理美容業などのサービス業はこの16業種に含まれていません。そのため、個人事業主である限り、飲食店などは何人雇っても、社会保険の加入義務は生じないということになります。
さらに給与として渡す場合には、年末に源泉徴収票の作成も必要です。源泉徴収票は、毎年末に年末調整を行った後に作成して、本人に渡す必要があります。
渡す相手が個人事業主であれば源泉徴収票は作成する必要がありません。相手がデザイナーなどで、支払うたびに源泉所得税を天引きしていれば、毎年末までの分を支払調書という形で本人に渡してあげることがあります。源泉所得税を天引きしていなければ、雇っている側で支払額を集計するという必要はありません。
消費税は給与にはかからない
給与というかたちであれば消費税はかかりません。相手の個人事業主側から見れば、個人事業主であるゆえに消費税の納税義務がある場合でも、給与として受け取っている金額については消費税はかかりません。
給与ではなく報酬として個人事業主に支払う場合は、消費税の取り扱いについて、取り決めた金額が消費税を含んでいるのかどうかを事前に確認しておきましょう。
まとめ
- 雇用する場合には、労働基準法などの適用対象となる
- 雇用する場合には、所得税や雇用保険料の計算が必要となる
- 雇用する場合には、支払う給与に消費税は発生しないが、個人事業主の事業所得として支払う場合には、消費税が発生する
たとえ知り合い同士でも、人を雇用するということは、労働基準法などの適用を受けるということです。しっかりと手続きを行って、安心して契約できるようにしておきましょう。
※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。
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この記事を書いた人
中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)
起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で11年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/