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退職者の年末調整はする? しない? 見極めるポイントは1つだけ!

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

退職者の年末調整はするの? しないの? 見極めるポイントは1つだけ!

年末になると給与を支払っている経営者が対応しなければならないのが、年末調整です。年末調整は基本的に在職者に対して行いますが、退職者に対しても一定のケースでは年末調整の対象となります。どのような人が年末調整の対象になるのでしょうか?

この記事の目次

年末調整の対象者は原則として、1年を通して勤務している者

年末調整は、その名の通り原則として年末に行います。実際には、年の最後に支払う給与、つまり12月に給与を支給する際に、年末調整によって発生した所得税の調整額を各従業員に還付(または徴収)することが一般的です。

原則として年末調整の対象にしなければならない人は、12月31日時点で在籍している予定の者です。年末調整は、1年間の給与所得を集計して所得税を確定させるための制度です。そのため、年の途中で退職した者は、基本的に年末調整の対象になりません。退職後に別の会社に再就職(あるいは個人事業主になるなど)して、給与(や報酬)を受け取る可能性があるからです。

再就職しない退職者は年末調整の対象になる

先に書いたように、年の途中で退職した者は、その年中に再就職して給与を受け取る可能性があり、年末調整の対象にはなりません。しかし、年の途中で退職した場合でも年末調整をしなければならない場合があります。そのポイントはたった一つです。それは、簡単にいえば、「年の途中で再就職しないことが決まっている人」です。再就職しなければ、新たに給与も発生しないので、退職時に支払う給与で年間の給与所得が確定するからです。

それでは、退職者の年末調整はいつ行うのでしょうか? それは、最後に退職者に給与を支払うときです。ほかの従業員のように年末に一斉に行うのではなく、退職時点で行って、退職者に最後に支払う給与で、所得税の調整額を還付(または徴収)することになります。

このように、退職者の年末調整は、給与を支払う側からすれば例外的な動きになり手間がかかりますので、どのような退職者が年末調整の対象になるのかを見極めることが重要になります。

再就職しないことが決まっている人は主に3パターン

再就職しないことが決まっているといっても、再就職するかどうかは退職者の判断次第です。退職時に「私は再就職する気はありません」と言っていても、心変わりして再就職してしまうかもしれません。

そこで、再就職しないことが決まっているパターンとして主に3つが挙げられます。これらに該当しなければ、退職者の年末調整を行う必要はありません。

  1. 12月に給与の支払いを受けた後に退職した人
    例えば、12月25日が給与支払い日で、その後12月31日までの間に退職した人が該当します。この人は12月31日時点では在籍していませんが、その年のうちに別の会社に就職してかつ新たにその年中に給与を受け取ることがほぼあり得ないので、退職者であっても年末調整することになります。このケースでは、退職者といっても12月支払いの給与で年末調整を行うため、他の従業員と行うタイミングは同じになります。
  2. 著しい心身の障害のために退職した人
    その年中に再就職できないと明確に判断できるくらいの状態なので、重症なケースのみが該当します。大事故にあったなど、よほどの状況でないかぎりは該当しないでしょう。
  3. 死亡した人
    当然再就職できないため、最後の給与支払い時に年末調整を行います。

最も該当することが多いのは1でしょう。この場合、他の従業員と年末調整のタイミングが同じなので、それほど手間はかかりません。2と3は非常に例外的なパターンなので、通常の退職者については、退職時の年末調整を行う機会はほとんどないと思っておいて問題ないでしょう。

まとめ

  • 年末調整の対象者は原則として、12月31日時点で在籍している者である
  • 退職者で年末調整を行うのは、年の途中で再就職しないことが決まっている者である
  • 再就職しないことが決まっている人として主に3パターンが挙げられる

基本的に退職者については年末調整は行いませんが、どのような人が年末調整の対象になるかを把握して、もしそのような状況になったときは、忘れずに年末調整を行いましょう。

※この記事は公開時点、または更新時点の情報を元に作成しています。

この記事を書いた人

中野 裕哲(なかの ひろあき)氏

中野 裕哲(なかの ひろあき)起業コンサルタント(R)

起業コンサルタント(R)、税理士、特定社労士、行政書士、CFP(R)。起業コンサルV-Spiritsグループ/税理士法人V-Spirits代表。年間約200件の起業相談を無料で受託し、起業家をまるごと支援。起業支援サイト 「DREAM GATE」で6年連続相談数日本一。「一日も早く 起業したい人が『やっておくべきこと・知っておくべきこと』」など、起業・経営関連の著書・監修書多数。http://v-spirits.com/

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